実績馬や下級条件から連勝の上がり馬など多彩なメンバーで、どこからでも狙えそうな一戦。
アンペアは、前走ノースクイーンカップでは2番人気に支持され、直線を向いて抜け出すかと思われたところ、ぱたりと止まってしまい4着。2歳時には旭川1600メートルのエーデルワイス賞JpnIIIを圧勝しているだけに、この距離もだいじょうぶかと思ったが、本質的にはスプリンターだったようだ。3走前、1200メートルのソメスサドル特別は、軽快に逃げるポートジェネラルをゴール前で追い詰め、差し切ったように見えたもののハナ差届かずの2着。今回、そのポートジェネラルとの比較では斤量的に1キロ不利になるが、牝馬ながら馬格もあり、今度は差し切れると見る。
ダートグレードで何度か好走があるポートジェネラルのスピードはさすがに一級品。今回も当然上位争いだが、前走芝に挑戦して惨敗の反動が気になるところ。
オネストジョンは、中央準オープンから転入して1800メートルのオープンを勝ち、続く前走1200メートルでは逃げたもののアンペアにとらえられ半馬身差の2着。今回はポートジェネラルがいるだけに、展開的にきびしくなるかもしれない。
オンザビートは今季名古屋から転入し、7連勝でオープンまで制した。重賞まで一気に突破してもおかしくない勢いがある。
昨年のこのレースの覇者、ミスティックダイヤは、さまざまな距離を使われているものの、勝ち星は1200メートル以下に限られる。今シーズンはここまで10戦して1つしか勝ち星がないが、昨年のこのレースを勝ったときは条件級からの挑戦で6番人気でしかなかった。前走はオンザビートにハナ差まで迫っており、復調ならば連覇があっても驚けない。
◎アンペア
○ポートジェネラル
▲オネストジョン
△オンザビート
△ミスティックダイヤ
まだ底を見せていないエルヘイローに期待したい。1200メートルのフレッシュチャレンジを勝って臨んだ2戦目のオープン、1700メートルのアルデバラン賞では、4番手の好位を追走し、3~4コーナーから追い通しだったが、直線半ばで内からエルドラゴンが馬体を併せてくると、そこからは追わずともビュンと伸びた。まだまだ奥を感じさせる勝ち方。前走、JRA札幌芝1800メートルのコスモス賞でも、着順こそ5着だが勝ち馬からはコンマ6秒差。門別のダートなら世代トップを争う力はありそう。
相手にはブリーダーズゴールドジュニアカップで2着だったエバーオンワード。勝ったモエレフウウンジは、馬群から抜け出すと手綱を抑える余裕の勝利だったが、それに1馬身差に迫ったエバーオンワードの直線での伸びは目立っていた。
アルデバラン賞でエルヘイローに半馬身差の2着に迫ったエルドラゴンは、当時馬体重が16キロ減で臨んだ一戦。その後のJRAコスモス賞では馬体を戻していただけに、アルデバラン賞のときよりも上積みはあるかもしれない。
ブリーダーズゴールドジュニアカップで4、5着だったピエールタイガー、ダークリバースもエバーオンワードとは差がない。ただ、37秒3というモエレフウウンジと同じ上がりで伸びたダークリバースを上にとる。
イチバンボシは、前走JRAダート1000メートル戦でそれほど差のない4着。1200メートルまでしか経験がないが、血統的には距離が伸びてもよさそうなだけに、上位争いに加わる可能性もある。
◎エルヘイロー
○エバーオンワード
▲エルドラゴン
△ダークリバース
△ピエールタイガー
△イチバンボシ
ジャングルスマイルに、というか金沢勢にいよいよダートグレード制覇のチャンスが巡ってきた。
現在、ダートグレードが行われている競馬場で、地元勢がそのタイトルを一度も獲得していないのは金沢のみ。高知では第1回の黒船賞でリバーセキトバが勝っているし、佐賀ではグレードになる以前だが牝馬のリンデンニシキが開設記念(現・佐賀記念)勝っている。さらに佐賀勢は、03年に門別まで遠征したエスワンスペクターが見事にエーデルワイス賞を制している。
金沢でも惜しいレースはいくつかあった。04年にはエイシンクリバーンとホシオーが2着と3着。06年にはビッグドンがレマーズガールの2着。また遠征を重ねた牝馬のトラベラーには、00年の日本テレビ盃GIII、東海菊花賞GIIでともに3着という好走もあった。
中央2戦未勝利から金沢に転入し、14戦13勝というジャングルスマイルが、その悲願のタイトルに手が届くかどうか。ひと昔前なら地の利で地方馬が勝つという場面もたびたびあったが、中央のダート路線の層が格段に厚くなった最近では、地の利程度ではなかなか逆転までは難しい。ジャングルスマイルにとっても地元の重賞をひとつ勝ったくらいの経験ではいきなり中央の一線級相手では厳しいかもしれない。ただ今回の中央勢は、重賞勝ちがあるのがロールオブザダイスのみと、最近のダートグレードではめずらしく軽いメンバーになっただけに、ここで勝てなくてどこで勝つんだという、千載一遇のチャンスといっていい。応援の意味も込めてジャングルスマイルを本命とする。
中央勢の筆頭は3歳のコスモファントム。2歳時にはラジオNIKKEI杯2歳ステークスでヴィクトワールピサのクビ差2着。日本ダービーは10着だったが、ジャパンダートダービーJpnIではゴール前でマグニフィカに3/4馬身まで迫った。ダート路線での将来的な活躍が楽しみな1頭だ。
パワーストラグルにはダートの1000万特別と準オープン特別を連勝してきた勢いがあり、このメンバーならチャンスは十分。
フサイチピージェイは佐賀記念JpnIIIでの2着があるが、それ以降の3戦はどうも冴えない。
唯一のダートグレード勝ち馬、ロールオブザダイスも佐賀記念JpnIII3着以降はいずれも1秒以上の差をつけられての敗戦。
ただ、実績的には△のフサイチピージェイ、ロールオブザダイスの2頭が上なだけに、ゆったりした流れに乗れば、ここで復活という可能性も考えておきたい。
◎ジャングルスマイル
○コスモファントム
▲パワーストラグル
△フサイチピージェイ
△ロールオブザダイス
グランダム・ジャパン3歳シーズンの初代女王となり、古馬シーズンでも目下トップのエレーヌが、ノースクイーンカップで大差のしんがり入線のあと、笠松に戻って亡くなったそうだ。初年度のグランダム・ジャパンを盛り上げた最大の功労馬だけに残念としか言いようがない。
中心は、当初からこの古馬シーズンを狙ってきている兵庫のキーポケット。第1戦の読売レディス杯でエレーヌを3着にしりぞけて勝利。地元に戻った兵庫サマークイーン賞では、そのエレーヌの返り討ちに遭って2着に敗れたが、ここを勝てばポイントでエレーヌに並ぶことになる。
相手には読売レディス杯で2着だったシルバーウインド。兵庫サマークイーン賞は4番手を追走しながらペースが上がったところでついていけず5着。とはいえ、昨年のこのレースを勝っていて、地元名古屋の1800メートルは4戦2勝、2着3着各1回と得意の舞台。父がサウスヴィグラスのわりには、1400~1800メートルあたりを万能にこなす。
笠松・クイーンカップを制している3歳のメモリーキャップがどこまで迫れるか。東海ダービーでエレーヌからコンマ7秒差の3着、東海クイーンカップでもエレーヌからコンマ8秒差の3着なら、連下は十分に狙える。
ポイントで目下2位のトウホクビジンも地方の牝馬同士なら常に上位争い。ノースクイーンカップから連闘の疲れがあるかどうか。
重賞初挑戦となるボニータシチーが一線級を相手にどこまでやれるか。中央未勝利から昨年秋に笠松に転厩し、条件戦を着実に勝ち上がって、ここ2戦はA4組の一般戦を連勝。牝馬同士なら十分に勝負になる力はありそうだ。
兵庫から遠征のもう1頭、エンタノメガミは、前走兵庫サマークイーン賞で見せ場なく8着に敗れているが、昨年のこのレースで3着、今年春には兵庫のA1特別を2連勝している。実力を発揮できれば上位争いにはからんできそう。
◎キーポケット
○シルバーウインド
▲メモリーキャップ
△トウホクビジン
△ボニータシチー
△エンタノメガミ
あまり深く考えずに安定感抜群のカネサブラックから。今シーズンはまだ連対を外しておらず、もっとも近いところで2着を外したのが今年正月の帯広記念3着で、このときは勝ったフクイズミよりプラス40キロ、2着のナリタボブサップよりプラス20キロと、負担重量的にはかなり厳しいものだった。別定重賞でプラス10キロのみの今回もまず崩れることはないだろう。
相手にはフクイズミ。北斗賞、ばんえいグランプリ、さらには続く道新十勝川花火大会特別と障害に苦労し、いかにフクイズミの末脚でも追い込みきれないほどの差がついてしまい3戦続けて馬券圏内を外してしまった。しかしようやく前走のポテト特別ではすんなりとひと腰で障害をクリアし、6番手から一気に前を交わしてカネサブラックの2着に入った。障害さえ普通にクリアすれば勝ち負けに持ち込める。
ナリタボブサップは、ばんえいグランプリの勝利が08年7月の北斗賞以来の重賞勝ち。これまでのうっぷんを晴らすかのような見事な勝利だった。展開に左右される面はあるものの、上記2頭と実力ではまったく劣っていないことをあらためて証明した。
北斗賞、ばんえいグランプリともに3着のホクショウダイヤは昨シーズンあたりの重賞でのレースぶりを見ても重賞未勝利なのが不思議なほど。実績馬3頭のどれかが崩れれば馬券圏内に食い込んでくる。
◎カネサブラック
○フクイズミ
▲ナリタボブサップ
△ホクショウダイヤ