春の2冠で1、2着を分け合った2頭に、中央未勝利からの転入馬が挑むという構図。
黒船皐月賞の勝ち馬ナロウエスケープは、高知優駿ではモルフェキープオフに逃げ切りを許したが、その後は古馬を相手に楽勝続きで8連勝。高知での通算成績は13戦12勝で、負けたのは高知優駿のみ。前走、古馬B-1特別でも余裕の勝利なら、同世代同士では負けられないところ。
ファンドリアスカは中央未勝利から転入初戦のB-3戦を圧勝。2番手を追走し、持ったまま4コーナー手前で先頭に立つと、直線を向いて軽く気合を付けられただけであっという間に突き放した。古馬B級でも楽勝ということならナロウエスケープにもヒケをとらない。
コスモグレイスも中央未勝利から転入してC級を4連勝中。その勝ち方からして、この馬もB級まで勝ち進める力はありそう。
ワールドヘリテージも中央から転入初戦のC3-11組を楽勝。ここでも好勝負の可能性は十分。
高知優駿でナロウエスケープに土をつけたモルフェキープオフは、その後2連勝したものの古馬B級で壁に当たった感じ。連下にからめるかどうか。ここ一発の勝負強さには期待したい。
◎ナロウエスケープ
○ファンドリアスカ
▲コスモグレイス
△ワールドヘリテージ
△モルフェキープオフ
連戦連勝という馬がいないメンバー構成だけに、ホッカイドウ競馬から転入初戦のモエレスペクタクルを狙ってみたい。2つの勝ち星はともに1000メートルだが、5頭立てとはいえ1700メートルの2歳オープンではまずまずのタイムで4着。3走前と前走のオープンでは大敗しているものの、ともに勝ち馬はレベルの高い北海道の2歳重賞戦線に出走している馬だけに、今回のメンバーならいきなりのタイトル奪取も可能と見る。
相手にもホッカイドウ競馬出身のブーケノネガイ。門別では4戦していずれも勝ち馬から1秒以上の差をつけられての敗戦だったが、笠松に転入初戦の2歳条件戦で差のない2番手追走から直線で突き放し4馬身差の圧勝。北海道での実績からモエレスペクタクルほどの力はないにしても、上位争いにはからんできそう。
3番手にもやはりホッカイドウ競馬出身場で、フェザージュニア。転入2戦目の秋風ジュニアでは、勝ったマルヨコンバットから3馬身差の2着。重賞級の馬がいないこのメンバーならチャンスはある。
カーリアンヒルは4戦2勝で、前々走の秋風ジュニアは6着。ワイドセンサーは5戦1勝だが、前走の2歳1組戦でフェザージュニアに先着の2着。いずれも連下なら。
◎モエレスペクタクル
○ブーケノネガイ
▲フェザージュニア
△カーリアンヒル
△ワイドセンサー
マヤノリュウジンが中心。前走こそ条件交流でJRA勢に先着されたものの、JRA1戦未勝利で名古屋に転入し、前々走まで8連勝。その中には、金沢に遠征してのMRO金賞勝ちや、古馬格付けのA4B1特別でも逃げ切り4馬身差の圧勝があった。まだまだ上を狙えそうな能力を感じさせ、同世代同士なら負けられないところ。
5連勝中のホウライオーカンもまだまだ上を望めそう。東海ダービーまでの3歳馬同士の対戦では勝ったり負けたりだったが、古馬編入初戦のB1・2組戦で2着のあと5連勝。接戦が多いが、それでいて連勝しているということは、勝負強い証拠だろう。
笠松・クイーンカップを制したメモリーキャップも前々走でA3b組特別を制した実績。前走・秋桜賞は6着に敗れたが、牝馬同士とはいえさすがに古馬一線級との対戦では厳しかった。
今回、唯一の遠征馬、ハイパーフォルテは兵庫チャンピオンシップJpnIIで1、2着の中央馬にこそ離されたものの、3着のフィオーレハーバーにはクビ差に迫る4着。その後この世代では断然と思われたフィオーレハーバーを逆転して兵庫ダービーを制した。ただそれ以来4か月半ぶり、加えて古馬との対戦がないことから評価を下げた。
スマートインパルスは船橋でデビューから2連勝。その後勝ち星に恵まれなかったとはいえ、重賞のクラウンカップも含め、掲示板を一度も外さない堅実な成績。転入初戦の前走がA3b組特別で勝ち馬から1秒差(8着)なら上位争いにからめる力はありそう。
3月の若草賞以来勝ち星がないコロニアルペガサスだが、ダートグレードの厳しいペースを経験して力をつけている可能性はある。ただ8月から月2走のペースで使われているため疲れは心配だ。
◎マヤノリュウジン
○ホウライオーカン
▲メモリーキャップ
△ハイパーフォルテ
△スマートインパルス
△コロニアルペガサス
カラカルはデビュー勝ちのあと北海道の重賞に遠征し、勝ち馬からはやや離されたもののそこそこのレースをして5着。続く園田プリンセスカップで1番人気に推されたもののここでも4着に敗れた。それでやや評価を落とし、臨んだ中央芝500万下のりんどう賞では最低人気ながら2着に激走し波乱を演出した。芝向きという可能性も否定できないが、遠征したリリーカップでラスワロフスキーから1秒4差という結果は評価できるもの。遠征やさまざまなペース、展開を経験しての上積みも期待できるだけに、あらためてここで中心視してみたい。
相手には園田プリンセスカップを3番人気で制したリジョウクラウン。その園田プリンセスカップは、ソエを気にして強い追い切りができないまま臨み、陣営もそれほどの期待はしていなかった一戦。それでいて3~4コーナー一気のまくりで3馬身差快勝は強さを感じさせるものだった。ここもあっさりの可能性があってもおかしくはない。
オオエライジンは、デビューから危なげないレースぶりで2連勝。まだまだ上を狙える力はありそうで、重賞や中央を経験してきた馬たちと初めての対戦だけに、真価が問われる一戦となる。
ホクセツサンデーはデビューからいずれも1番人気で3連勝。徐々に2着馬との着差を縮められているだけに、世代トップクラスのメンバーを相手にどこまでやれるか。
オオエタイザンはデビュー6戦目となった前走でようやく初勝利。不良馬場とはいえ1分30秒を切る勝ちタイムは優秀で、ここにきて力をつけた可能性はある。
◎カラカル
○リジョウクラウン
▲オオエライジン
△ホクセツサンデー
△オオエタイザン
今年の福山2歳世代の絶対的ナンバー1と思われていたビクトリーロマン。6戦5勝、2着1回で臨んだ10月10日の2歳1組戦は、ムツミマックスに競りかけられて厳しいペースになったようで、3コーナーからずるずる後退して大差のしんがり負け。それまでビクトリーロマンの1250メートル戦の勝ちタイムでもっとも速かったのが前々走の1分23秒8。そしてビクトリーロマンが大敗したレースの勝ちタイムは1分21秒3。一気に2秒以上も早い決着となった。たたこのときの馬場は不良。それまで唯一の敗戦だったデビュー2戦目も重馬場だったことから、もしかして道悪は不得意なのかもしれない。ピンポイント予報を見ると、日曜日もレース当日の月曜日も曇時々雨。微妙だ。どの程度の馬場になるのだろう。
ここはその10月10日の2歳1組戦の勝ち方があまりにも鮮やかだったユメミルチカラを本命にする。ユメミルチカラは前々走で園田プリンセスカップに遠征。2番手につけ、向正面では先頭に立とうかという場面もあり、さすがに直線では力尽き7着に敗れたが、レベルの高い相手との厳しいペースを経験したことで力をつけたと見る。
ビクトリーロマンも前走が例外的な厳しい展開だったと見れば、まだチャンスはある。どちらが勝つにしても、その勝ちタイムがどのくらいになるかに注目だ。
10月10日の2歳1組戦でユメミルチカラとともに伸びてきて1馬身半差の2着に入ったラピッドリーサンが3番手。そのレースで3着に7馬身差をつけていたこと、デビューから8戦して3着以内が6回という成績からも、現状ではこの馬が3番手の存在。
ここまで3頭の勝負となりそうだが、出走馬中唯一の牡馬リニアステップにはビクトリーロマンの2~4着が4度あり、前々走で上記3頭が不在の2歳1組戦を勝利という実績は、一角崩しの可能性も十分。
◎ユメミルチカラ
○ビクトリーロマン
▲ラピッドリーサン
△リニアステップ