昨年は船橋のリュウノキングダムに先着され勝利を逃したゴールドマインだが、今回は遠征馬がなく、ほかに近走での重賞実績馬もなく、さらに少頭数、菅原勲騎手が鞍上とあれば、むしろ負けるわけにはいかない一戦。
相手にはコアレスレーサー。重賞実績はないが、前走はA級一組を快勝。中距離を中心に使われ成績も安定していることから、今回のメンバーなら上位を狙える。
昨シーズンの岩手年度代表馬、マヨノエンゼルの調子が相変わらず上がってこない。ただ、南部杯以外はそれほど大きく負けているわけでもなく、ゴールドマイン以外に重賞実績馬がいないここで巻き返したいところ。
サトノスローンは、中央から転入初戦の前走でコアレスレーサーからかなり離れた4着だったが、中央時代はダート準オープンを勝った実績があり、2戦目での上積みがあれば馬券圏内も。
◎ゴールドマイン
○コアレスレーサー
▲マヨノエンゼル
△サトノスローン
10月19日の名古屋第6レースで行われた2歳特別を勝った笠松のリンドドレイクか、続く第7レースの若駒特別を勝った名古屋のナラセジンダイコか、という対決。
そのリンドドレイクは、好スタートも4番手に控えての追走。3~4コーナーで持ったまま先頭に並びかけ、直線を向いて軽く気合をつけられるとあっという間に突き放した。2着ブライトヒーローとの着差は4馬身だが、直線突き放したところで東川騎手はすぐに手綱を抑えているだけに、最後まで追われていればさらに差は広がったはず。将来性を感じさせるレース内容だけに、こちらが本命。
若駒特別でのナラセジンダイコは、先行争いが激しくなるなか5~6番手にじっくり控え、向正面から早めに進出。直線まで逃げ粘っていたサウスギャラクシーを、ゴール前のひと伸びで交わし切った。ロングスパートから最後まで長く使える脚は魅力的だ。
笠松・ジュニアクラウンで接戦を演じたモエレトゥループ、モエレスペクタクルの2頭もチャンスは十分。モエレトゥループは先行集団からやや離れた7番手あたりを追走し、笠松コースではやや仕掛けが遅いかと思わせる3~4コーナーから進出。直線では内に刺さるところを吉井騎手が何度も立て直しながら差し切った。まだまだ若さが残り、持てる力を十二分に発揮できていないレースぶりだっただけに、それが解消されればさらに上が狙える存在。
モエレスペクタクルは、向正面から競りかけられる展開で最後までよく粘った。
ここまで4頭のうち、逃げるのはモエレスペクタクルだけで、それに競りかけていく馬がいるのか、それとも上位3頭がうしろで牽制しあうのか、そうした展開にも結果は左右されそうだ。
中央や南関東に積極的に遠征を繰り返すモエレウェバリング、デビューから2連勝のあと、3戦目でリンドドレイクに先着されただけというブライトヒーローらも上積みがあれば上位争いに加わってくるかもしれない。
◎リンドドレイク
○ナラセジンダイコ
▲モエレトゥループ
△モエレスペクタクル
△モエレウェバリング
△ブライトヒーロー
昨年は断然人気のビッグバンが完勝というレースだったが、今年は確たる中心馬がなく混戦。とはいえ、そのビッグバン同様、サンライズカップを制して臨んできたエルヘイローが中心。サンライズカップは、後方追走から3~4コーナー絶好の手ごたえで外から進出、直線で鮮やかに抜け出した。JRAの芝に挑戦したコスモス賞こそ5着だったが、門別ダートは3戦3勝。そのうち2戦目のオープンとサンライズカップで1700メートルを経験しているだけに、この1800メートルも問題にならないだろう。
中央勢ではビッグロマンスが実績上位。芝の新馬戦こそ5着だったが、1800メートルの未勝利から1400メートルのプラタナス賞とダートで連勝。そのプラタナス賞では、直線半ばまで中団だったが、そこから外に持ち出されて差し切った末脚は見事だった。距離経験に加え、右回りも左回りも経験しているだけに、初めての門別も問題なくこなすのではないか。
ダート1700メートルの新馬勝ちのみのキャリアだが、シヴァルリーに可能性を感じる。そのデビュー戦では3番手追走から直線で楽々と抜け出し、最後は余裕があった。父シンボリクリスエスからはサクセスブロッケン、母父フジキセキからはカネヒキリと、ダートグレードの活躍馬を輩出している血統の組み合わせも魅力的だ。
前走JRA芝のすずらん賞を制したダブルオーセブンは、フレッシュチャレンジでダート1700メートルを勝った経験あり。
エバーオンワードは、ブリーダーズゴールドジュニアカップ2着に、サンライズカップ4着と重賞で上位争いの実績。父スターリングローズは盛岡で行われたJBCスプリントの勝ち馬。
カネマサコンコルドはフレッシュチャレンジ2着のあと、未勝利、アタック、オープンと3連勝。父のフサイチコンコルドはダートGI・JpnIを7勝のブルーコンコルドを出した。
実績に加え、血統的にも楽しみが多いメンバーがそろった。
◎エルヘイロー
○ビッグロマンス
▲シヴァルリー
△ダブルオーセブン
△エバーオンワード
△カネマサコンコルド
昨年まで定量戦で行われていたばんえい菊花賞だが、今年はクラス別定となり、720キロのテンマデトドケから670キロのツジノコウフクヒメ、タケノビジンまで上下50キロのハンデ差がついた。テンマデトドケにとってこのハンデはさすがに厳しそうで、狙いは定量戦となる12月のダービーだろう。
そこで狙うのは、ばんえい大賞典で2着だったツジノコウフクヒメ。1着のレットダイヤとは20キロ差だったものが、今回は30キロ差に広がった。3着以下の馬との比較でも、重量差は同じか、むしろツジノコウフクヒメのほうに有利になっている。秋桜賞は4着で、そのとき先着された3頭とは今回重量差は変っていないものの、タイム差は5秒以内とわずか。再び逆転も可能だろう。前走は1番人気で最下位に敗れたが、第2障害でヒザをついて完全にへたりこんでしまってのもので、これは度外視。鈴木勝堤騎手にとってはばんえい大賞典2着以来の手綱となるだけに、ここで雪辱を果たしたいところ。
相手には、秋桜賞でツジノコウフクヒメに先着した3頭のうちの2頭で、ホクショウバトルとダイリンビューティ。ホクショウバトルも前走1番人気で最下位に負けているが、これもやはり障害で転倒してのもの。ダイリンビューティは、ばんえいプリンセス賞でも今回と同じ10キロ差でツジノコウフクヒメを負かしているだけに、逆転の可能性も十分。
△には軽量馬を2頭。タケノビジンは、ばんえいプリンセス賞3着のあと、B4クラスだが4戦連続連対と好調。牡馬ではもっとも軽い690キロのヒカルジャイナーもここ10戦で9連対と、まだまだ上のクラスを狙えそう。
秋桜賞2着のトレジャーハンターも4戦連続2着と勝ち切れないものの好調。しかし前走スピードスター賞の480キロから、今回は一気にプラス220キロの負担となるのが不安なだけに見送る。
◎ツジノコウフクヒメ
○ホクショウバトル
▲ダイリンビューティ
△タケノビジン
△ヒカルジャイナー
4月の福山桜花賞で連覇を果たしたあと、しばらく勝ち星から遠ざかっていたクラマテングに調子が戻ってきた。6月にクラスを落としたA3特別以降、重賞の金杯も含めて5戦3勝、2着2回。昨年のこのレースは6着に敗れているが、昨年と違うのは上り調子で臨めること。古馬になってからは桜のタイトルしかないだけに、菊も奪取といきたいところ。
今年2月に兵庫から転入したハードフォーレルは、当初こそB級で苦戦していたものの、6月27日のB3特別から覚醒したか、9戦7勝、2着2回という成績でA2特別まで勝ち上がった。福山では重賞初挑戦となるが、勢いで突破できるかどうか。
マルサンサイレンスも年明けに中央から転入しての上がり馬。前々走、初のA1特別では勝ったクラマテングから1秒7離される8着で、福山では初めて掲示板を外す結果となった。しかし続く前走のA1特別は好位から抜け出してきっちり勝利をモノにしている。この馬にも重賞で通用しそうな勢いがある。
フジノアリオンは、A1特別では5勝を挙げているものの、重賞では今年の福山桜花賞3着が最高という成績で、もうひと押しが足りない。7歳のグランドコガネは地道にクラスを挙げ、今回が重賞初挑戦。A2、A3特別なら勝てるが、A1だと少し足りないという成績。この2頭は連下に食い込めるかどうか。
◎クラマテング
○ハードフォーレル
▲マルサンサイレンス
△フジノアリオン
△グランドコガネ