どこの競馬場でも地区限定の古馬牝馬重賞は層が薄く、ノースクイーンカップもオープンからC級まで多彩なメンバーが揃った。
別定重量戦とはいえ、上が56キロ、下が52キロという程度の斤量差なら、過去の成績を見てもやはり順当に格上位馬が優勢。
というわけで、56キロでも牡馬とのオープン戦を2連勝しているアーペレーヌから狙うのが妥当だろう。前々走のディープインパクト・プレミアムIIでは、昨シーズンの古馬チャンピオン・ギルガメッシュを競り落として1馬身半差をつけての勝利。昨年のこのレースは惜しくもクビ差の2着で、ここは重賞初制覇のチャンス。
2番手にもオープンで上位争いをしているエイダイダンツ。ただ、昨シーズンの転入以来、北海道では一度も勝っていないのが不安材料ではある。
エイダイダンツが凡走したときに食い込んできそうな条件馬はヤマノビッグ。C1からB3まで3連勝のあと、B2でも2、3着と上位争いをしている。勢いならこの馬だろう。
フロイラインカップを制した3歳馬、ディアダンサーは、JRAと交流のA3戦で勝ち馬から0.8秒差の5着があるが、前走B2のマイル戦では大敗しているだけに、展開が向かないときびしいかも。
B3クラスの安定勢力、ニットウナデシコも連下なら。
いずれにしてもアーペレーヌの軸は堅そう。
◎アーペレーヌ
○エイダイダンツ
▲ヤマノビッグ
△ディアダンサー
△ニットウナデシコ
過去9回のうち笠松勢が4勝しているこのレース。といっても、昨年は馬インフルエンザで地元馬のみで争われたため、8回のうち4勝と言ったほうがいいかもしれない。その笠松からは今年も3頭が遠征してきた。
過去にこのレースを勝った笠松所属馬の臨戦課程を見ると、第1回(99年)のレジェンドハンターが3戦2勝、2着1回、第2回のフジノテンビーは3戦全勝、第6回のサイキョウカチドキ、第7回のメイホウホップはともに1戦1勝だった。やはりそれなりの成績を残しててここに臨んでくる笠松の馬は強そうだ。
1戦1勝のニュースターガールか、1400メートルに距離が伸びた2戦目のJRA認定戦を勝ったブルーベリーかだが、最後までしっかりした脚どりで6馬身突き放したニュースターガールを上位にとる。ブルーベリーも2戦目の認定勝ちは6馬身差だが、この馬自身よりも相手が末脚をなくしてついた差のように思える。
地元金沢勢では2戦2勝のサンクスチケットか、3戦2勝のハヤテヤブサメオーだが、やはり2戦目を大差で圧勝したサンクスチケットだろう。地元勢同士の争いだった昨年を別とすれば、近年のこのレースの勝ちタイムは1分31〜32秒台。圧勝したサンクスチケットの前走が1分32秒7で、まだ余裕があったことからも勝ちきれるだけの能力はありそうだ。
おそらくここに挙げた4頭の争いとなるだろうが、勝つのは笠松のニュースターガールか、金沢のサンクスチケット。ハヤテヤブサメオーは持ちタイム的に厳しいかも。
◎ニュースターガール
○サンクスチケット
▲ブルーベリー
△ハヤテヤブサメオー
4歳2冠目の銀河賞。オープン格付けの2頭が730キロで、400万条件の牝馬3頭が690キロと、上下40キロのハンデ差がついた。
過去5回の成績を見ると、04年12月の第12回ではなんと牝馬ながらトップハンデのサダエリコが勝っているものの、それ以外の4回はトップハンデの馬はいずれも3着以下。さすがにサダエリコは牡馬を相手にいくつも重賞を制した名馬で、これは例外。やはり同世代同士の別定重量戦ではトップハンデはかなり厳しいと考えるべきだろう。
実際にオープンの2頭、アローファイターとカネサリュウは、4歳1冠目の柏林賞も含め、今シーズンの世代限定戦では苦戦を強いられている。
ここは、メンバー中唯一はまなす賞に出走しなかったコーネルフジから。前走紅バラ賞では、10キロ軽いマルニゼウスに差されての2着だったが、今回は同重量。ならばコーネルフジのほうが有利だろう
相手にはマルニゼウス。1番人気に期待されたはまなす賞は、障害で最後のひと腰が越えられずに前と離されてしまったのが致命的だった。今シーズン5月18日から9戦連続連対を続けた調子のよさを買ってみたい。
はまなす賞を差し切って勝ったペガサスプリティー、はまなす賞4着のミサキスペシャルも、早めの競馬ができればチャンスあり。
◎コーネルフジ
○マルニゼウス
▲ペガサスプリティー
△ミサキスペシャル
かつては岩手版ダービーと言われた不来方賞だが、現在ではダービーウイークに合わせてダイヤモンドカップが「岩手ダービー」となったため、3歳3冠の最終戦という位置づけとなった。
名古屋から遠征のノゾミカイザーは別として、地元岩手勢はほとんど勝負付けが済んでいる感じのメンバー構成。1冠目の阿久利黒賞を制したリュウノツバサ、2冠目の岩手ダービーダイヤモンドカップを制したゴールデンクリーク、どちらが2冠を獲るかという争い。
前走クリスタル賞ではこの2頭の間にモエレハナオーが割って入ったが、モエレハナオーは55キロと軽量だった。定量となる今回は、やはり2頭の実力がまさっていると見るべきだろう。
さて、どちらを上にとるか。
リュウノツバサはダイヤモンドカップこそまさかの完敗だったが、その後は立て直し、芝のオパールカップを別とすれば3連勝。安定度から言ってもリュウノツバサが中心。
2頭に割って入る馬がいるとすれば、ジャパンダートダービーJpnI8着、大井の黒潮盃5着と、強いメンバーに揉まれてきた名古屋のノゾミカイザー。3頭の争いと見る。
◎リュウノツバサ
○ゴールデンクリーク
▲ノゾミカイザー
サンディナナの実力が抜けている。3走前の福山チャンピオンシップはモナクキララに差し切られてしまったが、断然人気ゆえに逃げていたブレーヴヒーローを早めにつかまえに行かねばならないという不利な役回りだった。その後は古馬のB2特別、B1特別をともに1番人気で圧勝。3歳牝馬同士なら負けられない一戦だ。
対抗にはオリオンオーロラ。佐賀から移籍し4戦して勝ち星はないものの、前々走では古馬B3特別で半馬身差の惜しい2着があり、格付けからすればサンディナナ以外には負けられないところ。
気になるのは3歳1組まで5連勝で勝ち上がってきたエンゼルハウス。デビューの北海道時代も含め、それまで14戦して一度も勝てなかったのがウソのような活躍ぶり。札幌1000メートルと福山1250メートルしかレース経験がないが、父ウイングアロー、母の父オペラハウスという血統から、距離が伸びてダメということはないはず。
福山チャンピオンシップでサンディナナに土をつけたモナクキララは、その後は古馬C2級で連続2着。このあたりで足踏みしているようでは、連下が精一杯だろう。
◎サンディナナ
○オリオンオーロラ
▲エンゼルハウス
△モナクキララ