7頭立てとちょっと寂しくなった荒炎賞。荒尾所属馬6頭はすべて前走荒尾商工会議所杯を使ったメンバーの再戦で、ここに佐賀からフサイチクローバーが遠征してきた。
その荒尾商工会議所杯は、1番人気のシゲルクシエラが6着に沈み、5番人気のゴールデンキラリが勝って、馬単11万円、3連単86万円という波乱となった。地元荒尾勢が今ひとつ力関係がはっきりしないメンバーなら、佐賀のフサイチクローバーで勝負になりそうだ。フサイチサガントスと同じ世代の「フサイチ」の期待馬。デビューが12月と遅れ、連戦連勝とはいかなかったが、前々走で3歳1組特別を勝つまでになった。前走中央未勝利との交流ブレイズカップは、中央勢上位独占の一角を崩す3着と健闘。このメンバーなら重賞タイトルに手が届きそうだ。
相手にはシゲルクシエラ。荒尾商工会議所杯では人気にこたえられなかったものの、3走前に古馬C級1組を勝ち、前々走古馬B級で2着に入った実力は、荒尾勢ではメンバー最上位。勝つのはこの2頭のどちらかだろう。
荒尾商工会議所杯を勝ったゴールデンキラリ、同3着のテイエムテルスターが上位2頭のどちらかが崩れればチャンスが巡ってきそう。
◎フサイチクローバー
○シゲルクシエラ
△ゴールデンキラリ
△テイエムテルスター
南関東の3冠路線で期待されたグッドストーンが、名古屋移籍後2戦目で勝利を上げた。2歳時はデビューから平和賞まで5連勝。3歳になっても京浜盃、羽田盃でともに2着と好走したが、その後は善戦こそあるものの勝ち星が挙げられず、結局は平和賞が南関東での最後の勝ち星となっていた。
久々の勝利となった前走のペリドットオープンは、気合を入れてハナを奪うと後続を引き付けての逃げで、最後はレオマジックをアタマ差でしりぞけた。
グッドストーンの復活にも期待したいが、ここはトミノダンディの勢いに賭けてみたい。まだ条件クラスで重賞勝ちこそないものの、経験は豊富。昨年3歳時は兵庫チャンピオンシップJpnIIで4着、マルヨフェニックスが勝った大井の黒潮盃でも5着と、全国区の一線級相手にそこそこのレースをしている。今年もマーチカップ、スプリング争覇、ともに勝ったウイニングウインドからそれほど差のない3、2着と東海地区のトップクラスを相手に互角のレースをしている。遠征経験も豊富なだけに、ここで重賞初制覇といきたいところ。
グッドストーンにももちろん勝機はあり、3番手には前走読売レディス杯3着だったテーマミュージック。2005年のこのレースを制しているだけに、再びの期待もかかる。
地元勢では、昨年、百万石賞2着、白山大賞典2着、北國王冠を勝ち、中日杯3着と、金沢の重賞戦線で常に安定した成績を残したマヤノオスカーが最上位だが、東海勢を相手にどこまで。
前走MRO金賞を4馬身差で逃げ切ったノーブルシーズは、その前走で古馬A2特別を勝っているものの、さすがにこのメンバーに入ると厳しいだろう。今回は見送る。
◎トミノダンディ
○グッドストーン
▲テーマミュージック
△マヤノオスカー
昨年はメイショウバトラーとアグネスジェダイの実力が抜けていて、結果もそのとおり、馬連複130円、馬連短160円という固い決着。さすがにこのオッズでは馬券を買おうという気にはなかなかならない。
去年とはうってかわって、今年は中央勢4頭どの馬にもチャンスがありそうで、しかも地方勢にも一角崩しが期待される馬が何頭か。予想は難解だが、馬券的にはおもしろそうなメンバー構成になった。
7月20日のJRA函館・マリーンステークスは、トーセンブライトが直線で先頭に立ち、直後につけた1番人気のフェラーリピサがアタマ差届かずというレースだった。そのとき58キロだったトーセンブライトが今回は57キロ、逆にフェラーリピサは57キロから今回は58キロ。単純に斤量では今回トーセンブライトが有利になりそうだが、近走の勢いからフェラーリピサを中心にしたい。3走前、東京ダート1400メートルの欅ステークスはレコード勝ち。前々走の大沼ステークスはトップハンデ57.5キロでの勝利。500キロを超える馬格で58キロも克服可能と見る。
相手はもちろんトーセンブライト。ダート1400メートルでも実績は十分。
タイセイアトムは前々走の北海道スプリントカップJpnIIIは5着だったが、1400メートルの根岸ステークスGIIIではトーセンブライト(4着)に先着の2着という実績があり、逆転の期待も十分。
連覇を狙うメイショウバトラーだが、今シーズン船橋のマリーンカップJpnIIIを勝ったとはいえ、昨年ほどの勢いがない。さすがに8歳で衰えは否定できない。
北海道スプリントカップJpnIIIで2着のダイワメンフィスは、当時より充実した中央勢を相手にどこまで。
船橋から実績馬3頭が遠征してきたが、近走の成績からダートグレードで馬券にからめるかは微妙なところ。絶好調の戸崎圭太騎手でディープサマーが食い込めるかどうか。
地元の期待は昨年3着のテンショウボスだが、3着とはいえ勝ったメイショウバトラーから1秒9も離されていたことを考えると、このメンバーに入ると厳しい。
◎フェラーリピサ
○トーセンブライト
▲タイセイアトム
△メイショウバトラー
△ダイワメンフィス
△ディープサマー
サラ・アラ混合の重賞、金杯。
アラブは、アラブは、アラブは・・・・・っと、枠順を上から順に見ていくと、下のほうにようやく1頭、ホワイトモンスターがいるのみ。昨年はフジノコウザンがサラを圧倒したが、今年はそのフジノコウザンも、そして前哨戦の福山アラブマイラーズで復活を遂げたバクシンオーも不在という、アラブ勢にとってはちょっとさびしいメンバー構成となった。
ここはサラブレッドの福山マイラーズカップを制したブラウンコマンダー、同2着ナムラベンケイによる再戦と見る。
不動の王者と思えたナムラベンケイだが、4月の福山桜花賞以来勝ち星から遠ざかっていて、しかもここ3戦は勝ち馬から1秒以上離される完敗といっていい状況。
ブラウンコマンダーは、福山移籍後しばらく勝てなかったが、南関東の3歳三冠路線を盛り上げたころの力を徐々に取り戻してきたのか、前走福山マイラーズカップは早め先頭から7馬身差の圧勝。川崎・クラウンカップ以来の重賞制覇となった。この暑い時期にナムラベンケイが復調しているとも思えず、勢いでブランコマンダーがここも突破するだろう。
一角崩しの可能性はアブソルートウイン。展開次第で圧勝も惨敗もある馬で、すんなり先手をとって楽に逃げられればそのまま粘りこみも。あまり人気にはならないであろう今回は、1番人気に推されながら9着に惨敗した昨年の雪辱を果たしたいところ。
サラ・アラのオープンクラスの対戦は、ここまでアラブのほうが優勢だが、サラブレッドとの対戦が今年3月のファイナルグランプリ(3着)しかないホワイトモンスターは楽なレースをさせてもらえるかどうか。ここ2戦のマイル戦でもバクシンオーに完敗しているだけに連下まで。
◎ブラウンコマンダー
○ナムラベンケイ
▲アブソルートウイン
△ホワイトモンスター
旭川記念、北斗賞を制したナリタボブサップのみがプラス10キロで、それ以外は基本重量の牡馬810キロ、牝馬790キロで争われる一戦。
カネサブラック不在のここは、格と調子を考えればナリタボブサップだが、プラス10キロがどう影響するか。
たとえばサラブレッドであれば、シンボリルドルフだとかテイエムオペラオーだとかディープインパクトだとか、年間の古馬GIをほとんど総なめに近い状態で勝ちまくるという絶対的な馬がたまに出現するが、ばんえい競馬では歴史的に見てもそれはほとんど不可能。古馬重賞の定量戦は北斗賞とばんえい記念しかなく、重賞を勝って賞金を稼げばそれだけ重量を課されるからだ。今シーズンのナリタボブサップにとって、唯一とも思える目標はばんえい記念で、さすがにこの暑い時期にプラス10キロのハンデが課されてまで無理はしないだろうと見て、ここは軽視。
で、ぜひともがんばっていただきたいのがフクイズミ。前走のシーサイドオープンでは、差のない2番手で障害を降り危なげなく差し切るという完璧なレースで、昨年11月以来久々の勝ち星を挙げた。勝てなかったとはいえ、10秒以上の決定的な差をつけられて負けたのはその間2度だけで、惜しい競馬はたくさんあった。2〜3番手で早めに障害をクリアし、差し切る場面を見せてほしい。
実はメンバーを見たとき、本命にしようと思ったのはトモエパワーだった。北斗賞では単勝6番人気ながら接戦の2着争いを制した。ばんえい記念連覇のトモエパワーは昨シーズン、そのばんえい記念以外で勝ったのは岩見沢記念のみ。800キロ程度の重量でも、展開がハマれば一発はある。ただ帯広のピンポイント予報を見たら、金曜日の午前中は雨が降るらしく、当日土曜日も曇りのようで、それほど乾いた馬場にはなりそうもない。というわけで狙いを下げたのだが、雨があまり降らず乾いた馬場ならチャンスは広がるだろう。
ナリタボブサップもプラス10キロとはいえ、このメンバーなら恥ずかしい競馬はできない。
北斗賞5着のタケタカラニシキは、第2障害でひざを折りながらも2着のトモエパワーとはそれほど差はない競馬だった。障害さえまともならチャンスはありそう。
◎フクイズミ
○トモエパワー
▲ナリタボブサップ
△タケタカラニシキ