まずお知らせ。「テシオ」の南部杯特設サイトの企画「南部杯・優駿伝説」というリレーコラムで、「トウケイニセイ完敗の南部杯」というのを書かせていただきました。興味のある方はご覧ください。
近年のマイルチャンピオンシップ南部杯は、実績が重視されるレースで、2001年のアグネスデジタル以降はいずれもGI(JpnI)タイトルのある馬が勝っている。
今年のメンバーでGI(JpnI)勝ちがあるのはブルーコンコルドのみ。8歳となったが、今年はフェブラリーステークスがヴァーミリアンの2着、かしわ記念がボンネビルレコードの2着と、衰えは感じさせない。南部杯3連覇の可能性はかなり高そうだ。
昨年と同じ結果になってしまうが、相手はワイルドワンダー。その昨年は、GIIIを連勝して1番人気でここに臨んだが、ブルーコンコルドに半馬身及ばずの2着。その後は根岸ステークスを勝ったのみで、2着2回、3着2回となかなか勝ち切れないレースが多い。ジャパンカップダートこそブルーコンコルド(7着)に先着の5着だったが、フェブラリーステークス、かしわ記念では、いずれもブルーコンコルドの後塵を拝する3着だった。やはりブルーコンコルドより上、という予想にはならない。
コンゴウリキシオーは、好走と凡走の波が激しいタイプ。マイペースで先行できれば強いレースをするが、そうでないときは惨敗。自分のレースができれば、一角崩しの可能性は十分にある。
地方馬で可能性がありそうなのは、ダートグレード実績のあるキングスゾーン。ただ昨年4着とはいえ、2着のワイルドワンダーからは4馬身+クビも離されているので、逆転は難しい。上位3頭のどれかが凡走したときに、連下に食い込めるかどうか。
地元馬では連勝中のトーホウライデンがどこまでがんばれるかだが、中央未勝利のまま岩手に移籍し、今回がそれ以来はじめてとなる中央の一線級との対戦。勝ち負けには前走の青藍賞より4秒ほどもタイムを縮める必要があり、常識的には厳しい。キングスゾーン以外の地方馬にとっては、がんばって掲示板が目標といったところだろう。
◎ブルーコンコルド
○ワイルドワンダー
▲コンゴウリキシオー
△キングスゾーン
△メイショウバトラー
地元デビューの3歳馬による新設重賞。なのだが、なぜ突然、コウノトリ? と思ったら、兵庫県の鳥がコウノトリなわけですね。
興味深いのは、ハンデ戦で上下差が8.5キロもあるということ。
地方競馬のハンデ戦というと、あまりハンデ差がなく、ハンデ戦の意味がないんじゃないかと思うようなこともめずらしくない。やっぱりハンデ戦ならこのくらいハンデがついたほうが面白い。
今回のように49キロとかの馬がいれば、普段重賞などに騎乗する機会があまりない若手の騎手にもチャンスが巡ってくることもある。
焦点は、バンバンバンクが57.5キロを克服できるかどうか。実績ではもちろん兵庫ダービー圧勝など最上位だが、2番目のハンデのオキナワノドリームと3キロもの差がある。
ここは54キロのレガーロを狙ってみたい。B2級を連勝して、前走はA1特別を経験した。バンバンバンクと3.5キロもの実力差はないだろう。ただかなり不安なのは、父サウスヴィグラスで、自身は1400メートル戦でしか勝っていないということ。母の父モガミになんとかしてもらおう。
相手には53キロの牝馬ディアースパークル。菊水賞を逃げ切ったあと、しばらくはいいところがなかったが、8月には古馬A3特別で接戦の2着、前走のじぎく賞も2着と復調気配。
印的には3番目だが、バンバンバンクが勝ったら、それはそれで納得。
笠松・オータムカップで2着だったオキナワノドリームまで。
◎レガーロ
○ディアースパークル
▲バンバンバンク
△オキナワノドリーム
前走、福山3歳牝馬特別を勝って3連勝中、サンディナナの安定ぶりが目立つ。古馬に編入されてもB1戦を圧勝と、メンバー中最上位。中心はこの馬以外にない。
佐賀から今年6月に転入したオリオンオーロラは、2歳9月以降勝ち星から遠ざかっているが、古馬B2、B3級での好走や、福山3歳牝馬特別2着など、3歳世代としては上位のクラスで堅実なレースを続けている。今回も勝ちきれないかもしれないが、2、3着あたりにはしぶとく食い込んできそうだ。
福山チャンピオンシップでサンディナナを破って金星を挙げたモナクキララの一発にも警戒したい。
マルチグランドボスは、1番人気で出走するはずだったキングカップを競走除外になって以降、ここまで勝ち星がないが、どうしたことか。巻き返しに期待したいところ。
下級条件だが3連勝中のテンテンマルスも急激に力をつけているのかもしれず、気になるところ。
◎サンディナナ
○オリオンオーロラ
▲モナクキララ
△マルチグランドボス
△テンテンマルス
金沢3歳3冠の最終戦は8頭立てとやや寂しい頭数。ただ、ノーブルシーズの3冠達成なるかは注目だろう。
そのノーブルシーズだが、メンバー中唯一古馬格付けで戦い、しかもA2特別で連勝とあれば力が抜けていると言わざるをえない。
ただ相手は難しい。勝負付けがすんでいるのはエムザックライアンとマイネルハーデスの2頭のみ。それ以外は中央から転入して連戦連勝か、それに近い成績を残している馬と、金沢生え抜きだがデビューが遅れた馬など。
その筆頭は、前走3歳A1特別を圧勝したトラブルメーカー。中央では4着が最高という成績だが、金沢移籍後は7戦6勝。一度の敗戦(3着)は中央との条件交流で、そのときも地元金沢勢では最先着だった。
ほかに、中央から転入後の金沢で5戦全勝のツーリスト、今年6月にデビューし初戦は2着だったものの以降は5連勝のヒカルマンテンボシ、目下4連勝中のテンシノクリーンなど、このあたりはまだ底を見せておらず比較が難しい。
◎ノーブルシーズ
○トラブルメーカー
▲ツーリスト
△ヒカルマンテンボシ
△テンシノクリーン
いよいよ旭川競馬場の最後が近づいてきた。この瑞穂賞(と最終レース)が終われば、残りは3日間。重賞はエーデルワイス賞JpnIIIを残すのみとなる。最終日はどれくらいのファンが集まるのだろうか。
さて、瑞穂賞だが、ここに来て3歳馬の活躍がすごいことになってきた。
道営の3歳馬というと、例年は2歳時の有力馬が中央や南関東に移籍してしまい、どうしても残った馬たちによる争いという感じだった。しかし今年は様子が違う。
火曜日の道営スプリントを勝ったのは3歳牝馬のラブストレングスだが、コースレコードでの圧勝で、いやホントに強かった。
そして瑞穂賞に出走する3歳の代表が、2冠馬のボクだ。
今シーズン、ここまで6戦して5勝、2着1回。前走、初の古馬との対戦となったオープン戦は、古馬重賞2勝を挙げているカオリノーブルをねじ伏せての勝利。昨年の古馬チャンピオン、ギルガメッシュの調子がイマイチとあれば、ボクの古馬重賞初制覇は濃厚といえそうだ。3歳馬に56キロは厳しそうだが、前走のオープンも55キロで勝っているだけに、ここもクリアしてくれるだろう。
相手にはギルガメッシュ。今シーズン未勝利だが、前走から2カ月ぶりで、道営記念に向けて仕上げてきていれば、昨シーズンの強さを見せてくれるかもしれない。頭まである可能性も考えておきたい。
ほかでは、オープン2連勝のあと前走ノースクイーンカップ2着のアーペレーヌ。B級を2連勝中のモエレエトワールも連下なら可能性はありそう。
◎ボク
○ギルガメッシュ
▲アーペレーヌ
△モエレエトワール