金沢・兼六園ジュニアカップ、名古屋・ゴールドウィング賞、笠松・ジュニアクラウン、いずれかの重賞で勝負付けが済んでいるメンバー構成。兼六園ジュニアカップを勝ったニュースターガールと、そこでは3着に敗れたものの前走ジュニアクラウンを制したブルーベリーを巡る争いとなりそう。
上記の重賞いずれにも出走していないのは、中央から転入後2連勝中のマイネカリナンのみ。以上3頭の勝負だろう。
で、中心はブルーベリー。兼六園ジュニアカップは1番人気に推されるも、ニュースターガールから1.1秒も離された3着。ただこのときは、3位入線のマジョリーフェアが降着となり、ゴール前でごちゃついた。逃げ切ったニュースターガールにとってはその影響がなく、4位入線で3着に繰り上がったブルーベリーは着差ほどの実力差はなさそう。むしろ前走ジュニアクラウンでは、並びかけてきたレトリーブを最後まで前に出さずに振り切ったレースぶりは評価できる。
マイネカリナンは、笠松に転入していずれも逃げ切りで2連勝。重賞実績のある2頭にどこまで迫れるか。
そして兼六園ジュニアカップで降着となったマジョリーフェアが巻き返せるかどうか。ただここまで未勝利で、3着が最高という成績では、やはり連下が精一杯というところだろう。
◎ブルーベリー
○ニュースターガール
▲マイネカリナン
△マジョリーフェア
ワンパクメロの安定した成績がひときわ目を引く。
ダービーウイーク創設の年、06年の九州ダービー栄城賞では、7番人気ながら2着に入って驚かされたが、このころからかなり力をつけていたようだ。このあと地元佐賀では11月の古馬B2で4着があったが、それ以降は今年の佐賀記念JpnIII(8着)を除けば18戦連続、1年の長きに渡って連続連対を続けている。しかも、地元佐賀の1800メートル以上のレースでは13戦して11勝、2着1回。唯一着外となったのは佐賀記念で、九州勢同士なら敵なしともいえる実績。このレース連覇の可能性はかなり高そうだ。
相手にはオリオンザクロノス。昨年暮れの佐賀転入以降、17戦して3着を外したのは2度だけ。そのうちの一戦がサマーチャンピオンJpnIIIだが、地元勢最先着の4着はむしろ評価できる。この馬は短い距離のほうがよさそうだが、前走2000メートルの雷山特別でワンパクメロの1馬身半差2着に食い下がっているだけに、それほど心配する必要はないかもしれない。
ザオリンポスマンが2着争いの強敵。昨年の九州大賞典2着に加え、昨年5月以降、ダートグレードを除けば3着以内を一度も外していない。とはいえ、4月以降勝ち星がないのも事実で、ワンパクメロを負かすにはよほど展開が向くなどしないと難しそうだ。
ほとんどこの3頭の争いだろうが、9月の1750メートル戦でワンパクメロに土をつけているマリットチャージ、佐賀転入後3戦して未勝利も距離延びてよさそうなカレンパパあたりは穴馬として狙っておもしろそう。
◎ワンパクメロ
○オリオンザクロノス
▲ザオリンポスマン
△マリットチャージ
△カレンパパ
定量戦のばんえい菊花賞。
ここは素直に格最上位のオレワスゴイが中心。近走まったく成績を残せていないが、当然のことながら同世代同士では重量を課され、自己条件では3歳馬の身で400万条件ではいかにも厳しい。そんななか、唯一の3歳馬として臨んだはまなす賞での2着は評価できる。イレネー記念を勝って賞金を大幅に加算し、さすがに400万クラスに入ってしまうとしばらく勝負にならないのは陣営も織り込み済みだろう。であればこそ、定量で戦えるここを目標としていたはず。2走前から手綱をとっている藤本匠騎手は、10月27日現在、2位の松田道明騎手に10勝差をつけ、今年もリーディング独走態勢に入っている。
相手は、ばんえい大賞典を制し急激に力をつけているライデンロック。オッズパーク杯秋桜賞は4着だったが、勝った牝馬カネヅルより45キロ重く、2着の牝馬ニシキエースより30キロも重い負担重量だった。ライデンロックより5キロ重かっただけのオレワスゴイが最下位に敗れていることを考えれば、むしろオレワスゴイよりライデンロックのほうが上と考えることもできる。
ばんえいプリンセス賞とオッズパーク杯秋桜賞で1、2着を分け合ったニシキエース、カネヅルは、牝馬でもっとも勢いのある2頭。定量戦になって牡馬の2強に食い込めるかどうか。
2歳時ほどの勢いがないホクショウジャパンだが、同世代同士の定量戦なら見限れない。
◎オレワスゴイ
○ライデンロック
▲ニシキエース
△カネヅル
△ホクショウジャパン
それにしても今年のJBCクラシックは豪華メンバーとなった。中央5頭に船橋のフリオーソと、実にフルゲートの半数がGI(JpnI)馬というメンバー構成。フリオーソ以外の地方馬が馬券圏内に食い込むのは容易ではなさそうだ。
ヴァーミリアン、サクセスブロッケン、どちらの実績もここであらためて説明する必要はないだろう。ヴァーミリアンがダートチャンピオンの座を守るか、それともサクセスブロッケンによる覇権交代なるか。
ともに休養明けだけに、どこまで仕上げているかもポイントとなりそうだ。ヴァーミリアンは昨年のJBCもドバイ遠征以来だったが、昨年と今年ではドバイでの負け方が違う。しんがりに敗れたショックから立ち直っているかどうか。ならばサクセスブロッケンの若さに賭けたい。
ボンネビルレコードは、的場文男騎手が乗れないのは残念。とはいえ、内田博幸騎手でも大井所属時代に重賞(金盃)を勝っているだけに心配はなさそう。ただ、ちょっとイヤらしい見方かもしれないが、的場騎手だと走ると言われているものの、もしかして南関東のみで走るという可能性も否定できない。
フリオーソもチャンスは十分あると思うが、なにせメンバーがメンバーだけに順番をつけると△になってしまった。関東圏から外に出たことがないというのも不安材料。
フィールドルージュは、フェブラリーステークス競走中止の影響があるやなしやで、さすがに重い印は打ちにくい。佐賀記念JpnIIIを勝ったチャンストウライは地の利で上位食い込みなるか。
◎サクセスブロッケン
○ヴァーミリアン
▲ボンネビルレコード
△フリオーソ
△フィールドルージュ
△チャンストウライ
JBC3勝目、そしてGI(JpnI)8勝目がかかるブルーコンコルドに死角はなさそうだ。前走休み明けのマイルチャンピオンシップ南部杯JpnIは、直線逃げ込みを図るメイショウバトラーをとらえ2馬身差をつける完勝。8歳の今年もフェブラリーステークスGIでヴァーミリアンの2着、かしわ記念JpnIでボンネビルレコードの2着、そして前走の南部杯と、衰えは感じられない。園田コースは初めてだが、同じような右回りで小回りの名古屋1400メートルで行われた05年のJBCスプリントで5馬身差の圧勝があるだけに、マイナス材料にはならない。
対抗には、岩田騎手で臨むスマートファルコン。白山大賞典JpnIIIを制したあとは、JBCは除外対象だからと武蔵野ステークスGIIIを目指していたようで、たしかにJBCクラシックのほうならあっさり除外されていたが、スプリントの出走枠に入ることができた。これまで1600メートル以上しか経験していないが、折り合いに相当苦労しているように、むしろ掛かる心配がない短距離のほうが力を発揮する可能性がある。
重賞タイトルのないバンブーエールは、中央のダートオープン3連勝でここに臨んできた。特に3歳の期待馬ユビキタスを相手にしなかった前走ペルセウスステークスは圧巻。いきなりのJpnI制覇の可能性もある。
近走いまひとつのリミットレスビッドだが、園田1400メートルの兵庫ゴールドトロフィーを連覇。しかも昨年はトップハンデの59.5キロ。得意の舞台で逆転を狙う。
当初クラシックに出走するのではないかと見られていたアルドラゴンは、前走園田1400メートルの特別で強い勝ち方をしたことから、同じ舞台のスプリントにまわってきた。中央から転入後、園田コースは5戦5勝。こちらもコース適性が味方になりそうだ。
メイショウバトラーは、内で包まれると力を発揮できないタイプで、2番枠に入ってしまったのはいかにも厳しい。
JBCスプリント連覇のかかるフジノウェーブは、大井1200メートルでは圧倒的な強さを見せるものの、1400メートルではいまひとつ。長距離輸送も課題となりそう。
◎ブルーコンコルド
○スマートファルコン
▲バンブーエール
△リミットレスビッド
△アルドラゴン