とりあえず決定している来年3月までの福山の重賞一覧を見ると、アラブ限定の重賞はこの紅葉賞以降は予定がない。来年、金杯のトライアルである福山アラブマイラーズや、この紅葉賞は行われるだろうか。今のところ主催者などからの発表はないが、もしかしてこの紅葉賞が、日本で行われるアラブ限定の最後の重賞となる可能性はある。あくまでも推測に過ぎないのだが。
これでユノフォーティーンが出ていれば、ほぼベストメンバーという感じになったのだろうが、11月2日のA1特別でしんがり負けし、今回は出走せず。何かあったのだろうか。なんとも残念ではある。
ここはあらためてバクシンオーから。前走は後方からの競馬となり、持ち味を生かせず5着。しかし前々走までは福山アラブマイラーズから5連勝中だった。今回は、内枠から先手を奪って押し切りたいところ。
相手はフジノコウザン。昨年夏の金杯以来、重賞タイトルからは遠ざかっているが、ここ8戦は1勝、2着6回、3着1回と、勝ち切れないながらも安定した成績を残している。
ホワイトモンスターも正月の福山アラブ大賞典で重賞初制覇を果たして以降勝ち星がないが、堅実には走っており、上位争いは間違いない。
実績からはこの3頭の争いだが、デラノキセキが不気味な存在。前走はスタートでタイミングが合わず最後方からとなったが、バクシンオーを目標に進出し、ゴール前でまとめて差し切った。A2重賞の新春賞勝ちはあるものの、A1勝ちはこれが初めて。ただ、その勝ち方があまりにも鮮やかだっただけに、勢いで今回も、という可能性は考えられる。
◎バクシンオー
○フジノコウザン
▲ホワイトモンスター
△デラノキセキ
荒れるという印象をなんとなく持っていた道営記念だが、一昨年は1、3番人気、昨年は2、1番人気の決着と堅く収まっている。
ぼくが最後に生で見た道営記念は、成績を見た限りでは2003年のような気がする。4番人気のビックネイチャーがレコードで勝ったことはむしろ当然のように思ったが、2着に12番人気のライトクラウンが突っ込んできたのにはぶったまげた。いや、正直に言うと、馬券的には「なんでオマエが来るんだよ」という悔しい思いだったような気がする。
そんなことがあって、道営記念は荒れるレースと記憶に焼きついてしまったのかもしれない。
さて、今年はどうか。
前走瑞穂賞での4着完敗で人気を落としそうだが、3歳2冠馬のボクでどうだろう。瑞穂賞では直線で伸びが見られず人気薄のコンテに逃げ切られてしまったが、その前のディープインパクト・プレミアムでは、今年ステイヤーズカップと星雲賞を連勝し、ブリーダーズゴールドカップJpnIIでも地方最先着の4着と好走したカオリノーブルに1馬身の差をつけて完勝。門別コースは昨年のデビュー戦と2戦目以来だが、長くいい脚を使うこの馬にとって、門別の長い直線はプラス材料だろう。
相手筆頭は、3年ぶりに北海道に戻り、ここ2戦を連勝、調子を上げてきたモエレソーブラッズ。
昨年のホッカイドウ競馬古馬チャンピオン、ギルガメッシュは、今シーズン未勝利もそこそこの競馬はしている。瑞穂賞3着から間隔を開け、本調子に戻っていればあっさり勝ってもおかしくはない。
今シーズンオープン3勝のアーペレーヌ、ステイヤーズカップと瑞穂賞でともに2着のトウショウヘリオスが連下候補。
◎ボク
○モエレソーブラッズ
▲ギルガメッシュ
△アーペレーヌ
△トウショウヘリオス
日曜日に行われた金沢の北國王冠。いくら3冠馬とはいえ、この時期の3歳馬が一線級の古馬相手ではいくらなんでも、と思いノーブルシーズを△にしかしなかったのだが、3コーナーからぐんぐんと後続を突き放しての圧勝には恐れ入った。
この東海菊花賞にも、地元のノゾミカイザー、兵庫のオキナワノドリームと、2頭の3歳馬が出走してきた。
ノゾミカイザーは、前走岐阜金賞で重賞2勝目。東海ダービーはヒシウォーシイにハナ差およばずの2着で、ノーブルシーズは9着だった。このときのノーブルシーズはまったくレースにならず、これがそのままノゾミカイザーとの力差ではないが、ここは同じ勢いのある3歳馬ということで、ノゾミカイザーに期待してみたい。
相手にはムーンバレイ。復帰3戦目となった前走のA2で、ようやくこの馬らしい強いレースを見せた。
9歳のマヤノグレイシーは、今年中央から転入後、地元名古屋のオープンでは3、1、1という成績だけに、ここでも十分チャンスはある。
アグネスミステリーは兵庫で重賞4戦連続2着。ただここに入ると実力的には入着級だろう。
ホーマンブラヴォーは、中央から転入後、白山大賞典を除けば地元金沢のA1または重賞で6戦4勝。ただ、オータムスプリントカップでは東海勢に歯が立たなかっただけに、やはりこちらもがんばって入着級。
中央から移籍初戦のリスティアダーリンは、中央で1000万勝ちまであり、ここで通用してもおかしくないが、07年以降は障害を走っていた。平地のレースは2年近くぶりで、ここは様子見が妥当だろう。
◎ノゾミカイザー
○ムーンバレイ
▲マヤノグレイシー
△アグネスミステリー
△ホーマンブラヴォー
来年は9歳になろうかというマヤノオスカーが積極的に遠征を続けて元気だ。前走JBCクラシックJpnIはしんがり負けだったが、3走前のオータムカップは笠松に遠征しての重賞勝ち。JBCの反動さえなければ、このレース連覇の可能性も高そうだ。
今回も人気薄だろうが、長距離戦で出番がまわってくるのがテンリットル。昨年、あっと驚かされた中日杯以降勝ち星から見放されているが、もともと05年4月に金沢に転入して以降、勝ち星はたったの3つ。しかもその3勝は、いずれも伝統の古馬重賞。このレースは、05年以来3年ぶりの勝利を目指す。
前走A2を勝ったシャインカイザーは、今年の百万石賞で2着。この馬も大レースで勝負強いところがありそう。
今年の金沢3歳3冠馬ノーブルシーズが古馬相手にどこまで。A2クラス連勝はあるものの、A1や古馬重賞になるといきなり苦戦。3冠を制したとはいえ、古馬相手ではさらに力をつけないと難しそうだが。
◎マヤノオスカー
○テンリットル
▲シャインカイザー
△ノーブルシーズ
岩手の2歳チャンピオン決定戦ともいえる南部駒賞には、ホッカイドウ競馬から2頭が遠征してきた。
景気のいい話があまり聞かれない岩手だが、2歳馬の重賞として1着賞金500万円は、ホッカイドウ競馬勢としてはかなり魅力的な賞金。それゆえに北海道・堂山厩舎の2頭は本気で狙ってきているのではないか。
とはいうものの、ワタリシンセイキの前走若駒賞の勝ち方も見事だった。スタートで隣の馬にぶつけられ、しかも落鉄していたそうだ。それでいて直線一気に伸びて余裕で差し切るという圧巻のレース。ダートならあらためて強いところを見せた。
ここはワタリシンセイキかホッカイドウ勢かという争いだが、好位から確実に差してくるアラベスクシーズが中心。
2連勝中のカヌマサクラ、トウホクビジンは、さらなる成長があれば一角崩がありるかもしれない。
◎アラベスクシーズ
○ワタリシンセイキ
▲モエレオフィシャル
△カヌマサクラ
△トウホクビジン