勝ったり負けたりの馬ばかりで難解な2歳戦だが、実績的に抜けているのはフジヤマヒーロー。ここまで4勝は、ハヤテヤブサメオーと並んでメンバー中最多の勝ち星。今回のレースは1700メートルだが、多くの馬が経験している1500メートルの持ちタイムでも、フジヤマヒーローが唯一、1分40秒を切るタイムを記録している。
ハヤテヤブサメオーも差はない。フジヤマヒーローの主戦でもある吉原寛人騎手が、今回はこちらを選んできたのは気になるところ。
兼六園ジュニアカップ2着のリトルポエットはここまで6戦して勝ち星なし。ただ2着も3回あり、連下なら十分にありそう。
サンクスチケットは笠松に遠征してのサラ・プリンセス特別で3着があり、こちらも連下なら。
◎フジヤマヒーロー
○ハヤテヤブサメオー
▲リトルポエット
△サンクスチケット
かつてダートグレードとして行われていた全日本サラブレッドカップが、現在では東海・北陸・近畿・中国地区交流の笠松グランプリとして引き継がれたが、今年は「グランプリ」というレース名にふさわしいメンバーが顔を揃えた。
正直なところ、本命にしたい馬が4頭いて、予想に困った。
印をつけた6頭のうち、上位4頭がその本命候補なのだが、思い切って3歳牝馬サチコゴージャスに賭けてみることにした。前々走1800メートルの秋桜賞で見せた圧巻のレースぶりは、牝馬同士とはいえ驚きだった。前走岐阜金賞2着はあきらかに距離不適の1900メートル。今回、この馬がもっとも力を発揮できる1400メートルに戻れば、歴戦の古馬が相手でも、持てるスピードを遺憾なく発揮するものと見る。
帝王賞JpnI・4着のマルヨフェニックスを対抗に落とすのは申し訳ない気がしないでもないが、1400メートルは昨年2月の園田ユースカップ以来。スピードならサチコゴージャスのほうが上と見る。地元笠松は昨年の岐阜金賞(2着)以来で、東京大賞典JpnIに向けたひと叩きと見るべきかもしれない。
シールビーバックは、遠征競馬となったTCKディスタフ(6着)はともかく、1番人気に推されながら3着に敗れた秋桜賞は残念だった。このときはスタートで後手を踏んだのがすべて。地元に戻れば期待の1頭だが、今回はとにかくメンバーが揃った。
兵庫のベストタイザンも1400メートルのスペシャリスト。前走のJBCスプリントJpnI(10着)や、前々走の1700メートル戦(4着)はともかく、9月18日の1400メートル戦でアルドラゴンに7馬身もちぎられたのはどうしたことか。今回はアウェーでもあり、本来の状態にあるかは疑問と見て狙いを下げた。
中央から兵庫への移籍初戦を制したダイワバンディットは、中央では芝だがオープン勝ちの実績があり、ここで通用してもまったく不思議はない。元笠松の川原正一騎手なのも大きなアドバンテージ。
中央1戦後笠松に移籍して12連勝中のストライクリッチだが、重賞初挑戦で今回のメンバーではいかにも荷が重そうだ。
◎サチコゴージャス
○マルヨフェニックス
▲シールビーバック
△ベストタイザン
△ダイワバンディット
△ストライクリッチ
10頭立てで6頭もに印をつけるのはどうかと思ったが、それだけ期待馬、素質馬が多いということで。
このレース、実はモエレエキスパート◎で予想原稿を書いてしまっていた。枠順発表の前日、24日にちょっと時間ができたので、さすがにもう登録から回避はないだろうと思い、前倒しで原稿を書いていたのだった。札幌2歳Sで3着、北海道2歳優駿で2着という実績は十分で、スーニとアースリヴィングに人気が集中するだろうから、馬券的な妙味もあった。
モエレエキスパートがホッカイドウ競馬トレーディングセールの最高価格で取引されたというニュースは知ってはいた。が、なぜかそっちとこっちが結びつかなかった。
というわけで結局は人気2頭が中心の予想になってしまうわけだが、本命はアースリヴィング。スーニのレコード勝ちもすごいが、アースリヴィングのデビュー戦楽勝9馬身という将来性にも期待してみたい。
この兵庫ジュニアグランプリJpnIIや、3歳春の兵庫チャンピオンシップJpnIIは、期待の大きい中央馬が案外だったことも少なくないレースで、中央とは環境が違い、極端な小回りコースや、砂の質がその原因と思われる。そういう意味でもスーニがあまりに人気になるならむしろ疑ってかかりたい。
平和賞を勝ったチョットゴメンナは、ホッカイドウ競馬のなかでは数多くいる活躍馬の1頭で、それほど目立った存在ではなかったが、平凡なタイムで未勝利を勝ちあがった中央のあとの2頭よりは上。
その他の地方馬は、地元馬も含め、ダートで圧倒的なレースをしてきた中央の2頭がいては、かなり苦戦を強いられそう。
◎アースリヴィング
○スーニ
▲チョットゴメンナ
△メイショウローツェ
△ナリタカービン
昨年から水沢での開催となった北上川大賞典。過去にも何度か水沢で行われたことがある。
ひとつの主催者が複数の競馬場で開催を行っている場合、重賞の開催場を変えるのはなかなか難しい。たとえばホッカイドウ競馬の赤レンガ記念。赤レンガとは、ご存知のとおり旧道庁のことであり、札幌の象徴のひとつでもある。赤レンガ記念は当然のことながら札幌競馬場で行われることが多かったが、遠く帯広で行われたこともあるし、最近では07年が門別の開催だった。過去に、主催者のエライ方が「赤レンガは札幌の象徴なんだから、どうしても札幌でやれ」と言ったというような話もあったとかなかったとか。
兵庫の姫山菊花賞も、ここ6年は園田での開催となり、なんで姫路じゃないのという感じではある。
その点、北上川大賞典は、水沢でも盛岡でも違和感がない。水沢競馬場は、まさに北上川の河川敷にあるし、盛岡ではすぐ駅前を北上川が流れてもいる。
さて、その北上川大賞典だが、北海道から遠征し菅原勲騎手が鞍上のラプレを狙ってみる。9月13日のJRA札幌500万下の2400メートル戦は、ブービー人気ながらメンバー中最速の上がりで見事な差し切り勝ち。その距離適性は魅力だ。前走A3-2組の1800メートル戦では7着に敗れたが、その後道営記念を制すコンテ(2着)から0秒8しか遅れていない。
相手筆頭は、前走芝のきんもくせい賞で重賞初制覇を果たしたカネショウエリート。雨の不良馬場とはいえ4馬身差は見事。そもそも父がメイセイオペラで、水沢でもそこそこの成績を残していることから十分期待はできる。
前走赤松杯2着のヤマニンエグザルトも8歳だが衰えはなく、このメンバーならチャンスはありそう。
ソーユアフロストは、中央のオープンから転入して、水沢では2戦して1、2着。中央では活躍の舞台が芝だったが、もしかして水沢の深いダートが合うのかもしれない。
サイレントエクセルが復活したのかどうかは、ここで見極めたい。
ボスアミーゴは、昨年3歳時の七時雨賞以来水沢での勝ち星がないだけに今回は見送る。
◎ラプレ
○カネショウエリート
▲ソーユアフロスト
△ヤマニンエグザルト
△サイレントエクセル
荒尾の九州ジュニアグランプリが「未来優駿」のひとつとして行われ、1着賞金が250万円にまでアップしたため、この九州ジュニアチャンピオンを賞金面では逆転することになった。
本命は、やはりギオンゴールド。その九州ジュニアグランプリでは、粘るアビンニャーを振り切ってレコード勝ち。デビューから5連勝とした。不安は初距離だが、血統的にもこの距離なら問題ないだろう。額の「扇」の流星にも注目してほしい。
相手にはミライキング。九州ジュニアグランプリは6着だったのでここは人気を落としそうだが、それだけに狙い目。その九州ジュニアグランプリは、スタートでつまずいて落馬寸前の体勢からよく持ち直した。それゆえにまったくレースにならなかった。まだ底は見せていない。
アビンニャーは、九州ジュニアグランプリで最後までギオンゴールドに食い下がったが、勝負付けは済んだ感じ。真っ向勝負では逆転は難しそうだ。
ホッカイドウ未勝利から転入し、2歳1組で2戦して1、2着のパスカルは、このメンバーに入ってどこまで。
◎ギオンゴールド
○ミライキング
▲アビンニャー
△パスカル