
今週4月13日(日)から7月15日(火)までの約3ヵ月間、千葉県騎手会所属の山本聡紀騎手が岩手競馬で騎乗する。同騎手はご存じの方も多いと思うが、山本政聡騎手、山本聡哉騎手の弟。1992年3月生まれで現在33歳。2012年4月30日、船橋第5R・マチコセンセイで初騎乗初勝利の快挙を果たし、現在まで2908戦177勝。
勝負服は師匠だった故・佐藤賢二元調教師の騎手時代と同じ胴黄・赤ひと山形一本輪・袖緑。岩手の所属は板垣吉則きゅう舎(水沢)。さっそく騎乗開始の13日から第2R・グッドラックガール、4R・ノーブルジャック、5R・チャオコーリー、6R・インディーフィルム、7R・ジャルディブラック、10R・トーアアネラ、11R・ヤマニンビロー、12R・サイタブラウンと計8鞍に騎乗する。
岩手での騎乗は2013年8月14日、クラスターカップ当日4鞍を皮切りにピンポイントで計4回、盛岡競馬場で騎乗したが、水沢競馬場が今回が初めて。そして山本三兄弟のそろい踏みは13日、第6R・3歳C1級。⑦アークメテオ=山本聡哉騎手、⑩スマートラウンド=山本政聡騎手、⑫インディーフィルム=山本聡紀騎手で激突する。水沢競馬場へいらした方は貴重な写真。ぜひ、騎手整列の瞬間を記録してください。
13日メイン12Rはオープン「スプリント特別」(水沢850m)。7頭立てながら白嶺賞組3頭、転入馬2頭、今季初出走、昨年7月以来の久しぶりなど多士済々のメンバー構成。距離も850mへ替わり、波乱の要素も含んでいる。
ラストバリオンは中京ダート1200m1勝、阪神ダート1200m2着1回から南関東へトレード。大井1000mで5勝、川崎900mで2勝をマークしたスプリンター。初戦の白嶺賞は距離実績のない1400m戦に加え、先行馬が総崩れの展開。3角で早め先頭に立ったが、直線一杯8着に沈んだ。今回は距離が850mへ短縮され、流れも先行有利。コース2度目で首位を奪取する。
カタナは前走は走路悪化のため開催取り止め。今回が仕切り直しの一戦となった。昨年10月、オープンからC1級へ降格後5勝3着2回と活躍。オープン復帰初戦となったが、水沢850mは6勝2着1回3着2回と最も得意とする条件。適性を前面にアッサリのシーンまで。
オスカーブレインは快速を武器に2歳時に門別重賞・サッポロクラシックカップ、3歳時に地方競馬全国交流・ハヤテスプリント(盛岡1200m)を優勝。転入後は4戦とも着外に終わったが、自分の競馬に持ち込めなかったのが敗因。今度は7頭立ての少頭数、好枠と好走要因がそろった。
ラピッドベルは中央ダート1200m~1400mで2着3回。園田1230m3勝から再び中央入りし、園田を経て転入。初戦の白嶺賞は9着だったが、先行競馬がベスト。すんなりなら巻き返し必至。
シアーラインは中央ダート1200m~1400m4勝、高知5勝から8ヵ月の休養を経て岩手入り。久々の実戦、12歳の高齢がネックだが、能力検査を使って態勢整った。
◎⑤ラストバリオン
〇⑥カタナ
▲②オスカーブレイン
△①ラピッドベル
△⑦シアーライン
<お奨めの1頭>
7R デザーヴ
中央未勝利から転入初戦をハイタイムで逃げ切って好発進。1400m延長にも対応でき、もう一丁いける
4月6日(日) 「第2回ネクストスター北日本」(門別・岩手3歳交流 水沢1400m)
ポマイカイが先手を主張し、2番手ミカヅキカネミツ、3番手にマキシマムドライブがつける。続いてミラクルヴォイスが4番手インから押し上げ、ヴィグラスデイズは外に出し、その外にバリウィールがつけたが、ミラクルヴォイスが外に行きたがる仕草を見せる。その瞬間、バリウィール=石川倭騎手はスッと控えて最内に進路を取った。
その読みがズバリ。ミラクルヴォイスが1コーナーで外に膨れ、そのあおりをヴィグラスデイズが受けたが、バリウィールは影響なし。スムーズなレース運びができた。向こう正面でミカヅキカネミツが早くも一杯となり、ポマイカイの外でマキシマムドライブがプレッシャーかけて追走する。バリウィールは中団イン、ミラクルヴォイスも態勢を立て直して先陣に接近。ヴィグラスデイズは若干もたつきながらも進出した。
残り400mでマキシマムドライブが先頭に立ち、外に持ち出したバリウィール、さらに大外からミラクルヴォイスも並びかけ、内からヴィグラスデイズも伸びてきたが、最後は内バリウィール、外ミラクルヴォイスの叩き合いに持ち込まれたが、ハナ差でバリウィールが先着した。
1着・バリウィール=石川倭騎手
「3番手ぐらいをイメージしていたが、外枠でしたから臨機応変に行こうと考えた。タテに列が長かったので競馬がしやすかったし、勝負どころの反応も良かったのでスムーズに運べた。直線は集中していなかったが、外の馬が視界に入ってからもうひと伸びしてくれた。少しづつレースを覚えてきている点に成長を感じます」
小国博行調教師
輸送は3度目なので、まったく問題なかった。自分から行くタイプではないので、コーナー入りから鞍上がうまく乗ってくれた。直線で先頭に立つとフワッとするが、競り合いで勝ったのも収穫。距離は1600m以上あった方がいいと思うが、1400mもこなしてくれたので95点をつけることができる内容。次走は北斗盃(5月1日 門別1600m)か、ダイヤモンドカップ(5月4日 盛岡ダート1800m)になると思う」
2着・ミラクルヴォイス
課題だった輸送はクリアーしたが、門別出発時がプラス20キロ。今回はネクストスター門別以来の実戦でプラス11キロ。やはり初輸送がこたえたのかもしれない。加えて1コーナーを回り切れず、外に膨れるロス。1周1200mの小回り水沢にとまどった。それでも直線でバリウィールとの接戦に持ち込んだのはさすが。ネクストスター門別の勝利はダテではなし。次走は軌道修正できると思う。
3着・ヴィグラスデイズ
1コーナーで不利を受けた影響が尾を引いたのか、終始外へ行きたがる仕草を見せる。それが2コーナーで若干もたついた要因だったが、3コーナーからは徐々に進出。1、2着馬と2馬身半差は完敗だったが、道中の不利を考えれば上々の結果。こちらも巻き返しに転じるに違いない。
今週の岩手競馬
4月13日(日) 12R「スプリント特別」(オープン 水沢850m)
4月14日(月) 「若草特別」(A級二組 水沢1600m)
4月15日(火) 「第50回赤松杯」(オープン 水沢1600m)
2025シーズン開幕の4月6日に行われた3歳重賞、北海道・岩手交流『ネクストスター北日本』は1番人気に推された北海道・バリウィールが優勝。昨年の南部駒賞に続いて岩手で二つ目の重賞タイトルを手にしました。
8枠11番からのスタートだったバリウィールでしたが最初のスタンド前の直線のあいだに上手く内ラチ沿いを確保。1コーナーでゴチャついた影響も受けずに勝負所に進みます。そこからは「遊ぶところもあった(石川倭騎手)」という同馬でしたが脚を止めることなく前進、最後はミラクルヴォイスの猛追撃を受けましたがこれもハナ差で退けた、いや差し返したところがゴール。昨年の南部駒賞以来の重賞制覇を、再び水沢で達成しました。
2着はそのミラクルヴォイス、3着にはヴィグラスデイズ。以下6着まで遠征勢が占めて北海道勢の上位独占の結果となりました。
4月8日のメインレースは12Rの『夢・希望 未来へ前進』、B1級スプリントのダート1400m・10頭立てです。
このレースは岩手県調騎会騎手部会協賛の震災復興祈念レースとして、このレースに騎乗した騎手はその騎乗手当の一部を『いわての学び希望基金』に寄付します。昨年度は先の3月7日に岩手県庁にて贈呈式が行われました。
さてこのレース、本命は(3)ツルマルベルを狙います。
この春の2戦は1着・2着と順調に滑り出した同馬。差しのイメージがありますが盛岡よりは水沢の方が好成績が多い、水沢の方が"脚にハマる"タイプ。加えてこの春の水沢はどちらかといえば本格的な差し馬にとってあまり有利とは言いがたい馬場傾向が続いており、そんな中で連続して好成績を残しているあたり、好調さだけで無くコース適性の高さも示していると考えられます。
一方で成績を見て分かるとおりに"人気の逆を行く"タイプでもあります。勝った春初戦が6番人気、2着の前走も4番人気、過去にも人気で敗れて人気薄で勝つパターンが目立つ馬ではありますが、それは差しタイプの宿命でもあるでしょう。ここでも期待値は大と言っていいはず。
対抗は(2)テングクラブ。前走はA級のマイル戦、相手関係だけで無く距離も苦戦の要因だったのでは。今回はB1級に下がって距離も手頃な1400m、前走のような結果にはならないと見ます。
(8)マコトダイトウレンは完勝だった春初戦と思いのほか動けなかった前走の差が気になりますが、元々勝っても負けても僅差、B1級でそんな戦いを見せてきていた馬です。いつでも巻き返してくる力はある、前走の印象で人気が下がるようならむしろ狙い目と見て3番手に。
(5)コンバットココの前走は◎のさらに後ろから差し込んできていましたし、二走前にしても転入初戦ながら◎と0.3秒差に迫る末脚を見せていました。水沢は今回が3戦目、コース慣れしたらさらに・・・と不気味な存在。もう一頭は(9)プリンセスナイトを。こちらは昨夏にJRA未勝利から転入してきて、3歳のほぼ最下級のクラスからここまでのし上がってきた地力がある馬です。前走より活きが良い馬が多い印象の今回、ここで前走のような競馬が再現できるか試金石に。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(3)=(2)、(3)=(8)、(3)=(5)、(3)=(9)
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先週31日(火)で2024年度の岩手競馬がすべて終了したが、再開した3月競馬で思ったのは"ずいぶん荒れていたな"だった。それを裏付けるデータを発見したのでご覧になってほしい。
・2024年度 3月最終週の1番人気結果
1着 2着 3着 万馬券回数 最高配当
3月29日(金) 5回 4回 1回 11R中 4回 19470円
3月30日(土) 4回 2回 1回 12R中 8回 346100円
3月31日(日) 5回 3回 1回 12R中 6回 39450円
・2025年度 3月最終週の1番人気結果
3月29日(土) 3回 4回 2回 11R中 5回 216320円
3月30日(日) 3回 3回 0回 12R中 9回 68090円
3月31日(月) 6回 1回 1回 12R中 10回 937640円
2024年3月29日は1番人気5勝2着4回3着1回。全11R中10Rで1番人気が馬券対象(3着以上)を果たした。対して今年2025年は1番人気3勝2着4回3着2回。ひとまず全11R中9R、1番人気が3着以上を確保したが、1番人気=1着は3回のみ。21万6320円の高配当もあった。
さらに今年3月31日は1番人気が全12R中6頭が1着入線を果たしたが、万馬券が12R中10回。第6Rでは9番人気→8番人気→2番人気の順で入線し、93万7640円の特大万馬券も飛び出した。
そして昨年、4月7日(日)から新シーズンがスタート。同様に1番人気の結果も報告したい。
・2024年度 4月第1週の1番人気結果
1着 2着 3着 万馬券回数 最高配当
4月7日(日) 5回 2回 1回 全11R中 5回 34200円
4月8日(月) 5回 2回 1回 全12R中 6回 44490円
4月9日(火) 4回 0回 3回 全12R中 8回 470470円
果たして結果はどうなるでしょうか。
4月7日メインはB2級「エイプリルカップ」(水沢1400m)。前走1着馬が3頭、2着馬が2頭、3着馬が2頭。同じ水沢1400mが舞台なら前走着順、走破タイムも重要なファクターとなる。
フェアリーは昨年8月30日、C1特別・焼石岳賞を快勝後、脚部不安が発生。戦列離脱を余儀なくされたが、今年3月に復帰。あえて850m戦を使って4着から2戦目は自己条件に戻って快勝。陣営の読みがずばり当たった。水沢4勝をすべて1400mでマークし、最も得意とする条件。2連勝へまい進する。
サトノマッスルは一昨年6月、南関東C1級から岩手入り。格付けにも恵まれて、あっさり3連勝を飾った。以降は1勝のみにとどまり、久しく鳴りを潜めていたが、今季2戦3、2着。前走はメンバー最速の上がりを駆使してフェアリーに0秒1差に惜敗した。ペース速くなれば逆転の目も十分考えられる。
フェンドオフは前走、豪快なまくりを決めて快勝。昨年4月以来の美酒を味わった。追い込み一辺倒の脚質のため展開に左右されるが、今年10歳馬でも健在を誇示。ツボにはまれば再現の可能性もある。
メイザーキックは中央2着4回から転入。岩手でも未勝利が続くが、今季は逃げ粘って2、3着1回。揉まれなければ控える競馬もこなせるタイプ。ペース落ち着けば持ち味の粘りを発揮。
ゴールデンギフトは今季B1からB2級へ降格。前走は積極的なレース運びから昨年6月以来の勝利を手にした。元々が相手なりに駆ける堅実さが身上。引き続きマークが欠かせない。
ストームサージは中央1勝クラス、佐賀2勝から転入。初戦を2着にまとめ、B2通用のメドが立った。
◎⑩フェアリー
〇⑥サトノマッスル
▲④フェンドオフ
△⑧メイザーキック
△③ゴールデンギフト
△②ストームサージ
<お奨めの1頭>
2R ライヴロッキー
中央未勝利から転入初戦を快勝。目にも鮮やかなまくりを披露した。昨年7月以来の実戦を叩かれてさらに気配アップも確実
4月6日(日)、2025年度の岩手競馬が開幕。メインは門別・岩手交流「第2回ネクストスター北日本」(3歳 水沢1400m)。1着馬に5月1日(木)、園田1400mを舞台に行われるJpnII・兵庫チャンピオンシップの優先出走権が与えられる。
昨年、第1回ネクストスター北日本はストリームが優勝。レース間隔が詰まって兵庫チャンピオンシップには挑戦しなかったが、短距離路線で活躍。楠賞(園田)はフジユージーンにタイム差なし2着に惜敗したが、笠松グランプリを優勝。すでに重賞5勝をマークしている。
ネクストスター北日本は1年ごとの持ち回りで行われ、第1回は岩手所属馬の出走はなかったが、今年は地元・水沢1400mで行われ、トライアル・スプリングカップ1,2,3着馬ポマイカイ、ラヴェイ、ミヤギヴォイジャーが名乗りを上げた。
しかし、地区レベル比較からも上位評価は門別所属馬に集中する。主軸にバリウィールを指名する。門別デビュー2戦目を勝ちあがり、2戦置いて2連勝マーク後、地方競馬全国交流・南部駒賞へ参戦。アッサリ逃げ切り勝ちを決めた。走破タイムは同日の古馬B1最高をはるかに上回るもの。能力の違いを見せつけた。
その後、2ヵ月の休養を経て1月22日、JpnIII・ブルーバードカップ(船橋)へ挑戦したが、相手が強く6着に終わった。今回は門別・岩手の地区限定戦。水沢コースも南部駒賞で経験し、実際に勝っているのが最大の強み。重賞2勝目に王手をかけた。
ミラクルヴォイスはみちのく大賞典で史上初めて牝馬優勝を果たし、門別・岩手で通算13勝をマークしたミラクルフラワーの子供。昨年10月、ネクストスター門別で豪快なまくりを決めて快勝。重賞ウイナーの仲間入りを果たした。続いて南部駒賞へ遠征予定だったが、無念の出走取り消し。仮に出走していれば1番人気に支持されるのは確実だった。
今回は南部駒賞取り消しのリベンジ戦。昨年10月以来の実戦で仕上がりがカギを握るが、ネクストスター門別の強さは本物。母が活躍した岩手で錦を飾るか、期待が高まる。
ヴィグラスデイズは門別10戦3勝2着3回3着2回からJpnII・兵庫ジュニアグランプリへ挑戦。8番人気の低評価を覆して0秒5差4着に善戦した。初遠征、長距離輸送も難なくクリアーした。ネクストスター門別でミラクルヴォイスに完敗6着が気がかりだが、地力アップは確実。
マキシマムドライブはデビュー2戦目から2連勝をマーク。その後、JRAへ積極的に挑戦。芝を舞台に4着1回5着2回の成績を収めた。パワーの要るダートがカギを握るが、門別2勝なら問題なし。上位の一角を形成する。
ポマイカイは7戦3勝2着3回。馬券対象から外れたのが1600mが長かった若鮎賞6着のみ。ネクストスター盛岡を制し、休養明けのトライアル・スプリングカップも完勝。課題だった折り合いを克服できたのも収穫だった。今度は強力・門別勢が相手だが、地の利を生かす。
ラヴェイは門別1勝から岩手入り。初戦2着以降は精彩を欠いていたが、昨最終戦・金杯を快勝。今季初戦のスプリングカップも2着にまとめた。ポマイカイが先行タイプに対し、どんな競馬もできるのが武器となる。
◎⑪バリウィール
〇②ミラクルヴォイス
▲①ヴィグラスデイズ
△⑩マキシマムドライブ
△③ポマイカイ
△⑥ラヴェイ
<お奨めの1頭>
3R ネオステラス
前走2着は相手が強かった。走破タイムはこのメンバーで抜けており、順当に首位を奪取する