7月30日に行われた3歳馬の重賞『オパールカップ』。今年は芝からダートに変更されての戦いになりました。遠征馬2頭を迎えてのレースは地元ベルベストランナーが勝利。転入初戦、それも自身の初勝利が重賞制覇となりました。
遠征勢2頭を交えた先行争いを繰り広げられる序盤、ベルベストランナーはスタートでちょっと加速がつかずに最後方追走。しかし向こう正面半ばあたりから外をマクって上昇していったベルベストランナーは3コーナーあたりでは先行集団の直後まで迫ります。
一方の前方ではルーラーオブダートが4角先頭の勢いで抜けだしを計り、それを目標にマイベネラブルも接近。しかしその時には大外ベルベストランナーがまとめて突き抜ける勢いで直線に向いています。
「長く脚を使い続けた分、最後はさすがに少し勢いが止まった(高橋悠里騎手)」でしたが食い下がるライバルたちを振り切ってゴール。岩手転入後の初戦を勝利、それも重賞制覇で飾りました。
さて今週の岩手競馬は月・火・水の変則開催。この稿も通常はあまりない水曜日の物として書いています。JRAの暑熱対策開催を避ける形でのこの日程なのですが、岩手は今のところ暑い暑いといいながらも関東や西日本のような猛暑にはなっておらず、どちらかといえば過ごしやすいと言える(あくまでも"最近の夏"に比べれば、ですが)7月でした。まだ梅雨も明けていませんしね。
しかし明日からの8月はいよいよ東北も梅雨明け、そして猛暑がやってくるという予報になっております。このあとはどうなるんでしょうかね?もの凄く暑い時期が後ろにずれただけ・・・では無い事をお願いしたいものです。
7月31日のメインレースは11Rに行われる2歳馬の重賞『若鮎賞』。このレースも当初予定の芝1600mからダート1600mに変更されての実施です。かつてはネイティヴハートも制した伝統の2歳芝重賞がダートになるのは残念ですが、とはいえ今年は芝の新馬戦がひとつしか行われていないので芝だったならそれはそれで難解になったでしょうし・・・と思うところ。
さて本命は、(2)サウザンドマイルを採ります。
同馬はここまで2戦、デビュー戦は快速ラポジートに敗れましたが2戦目は競り合いを制しての勝利。レース内容は敗れたデビュー戦も含めて安定感がありますし、前走も水沢850m→盛岡1400mの大きな変化を乗りこなしたところは高く評価していいはず。デビュー戦から初のマイルに一気の距離延長という馬もいる今回のメンバーの中では1400mをこなして挑める点も武器になっていいでしょう。
対抗は(9)ミヤギプリンセス。でどうでしょうか。この馬はその850mから1600mへ一気に距離が伸びる組。このパターンは確かに不利な傾向が強いのですが、デビュー戦の走りは2歳馬にありがちなスピードだけで押し切ったものではない勝利と感じました。レースセンスは高そう、今回はそこに期待しつつ狙ってみます。
(10)ポマイカイが三番手。前走は◎に敗れましたがゴール寸前まで接戦を演じての2着ですから評価は◎同様と言ってもいいはず。であれば勝機もあっていいと判断すべきでしょう。
(7)ステイクラッシーの前走は評判馬同士の一戦を制したもので評価は高め。ちょっとうるさめな点、それで初輸送・距離延長でどうか?走りも短距離の芝向きっぽい印象を受けたので印はここまでに。もう一頭は(8)エイシンダリア。先に挙げた唯一の芝の新馬戦を勝ってきた馬で、確かに終いのキレは見事でしたが芝専用という感じでもない走り。距離がどうか?な血統ですが、ここではそれはあまり気にせず勢い重視の手。(横川典視)
●11Rの買い目
馬単(2)=(9)、(2)=(10)、(2)→(7)、(2)→(8)
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30日メインは3歳・地方競馬全国交流「第25回オパールカップ」。すでにお伝えしたように芝走路の悪化のため芝1700mからダート1600mへ変更して実施される。オパールCがダートで行われるのは2020年、第21回以来のこと。優勝はエイシンアポロン産駒エイシンハルニレ。続いてダート1200m交流・ハヤテスプリントも制し、交流重賞2連勝を飾った。
ダート変更前、GII・ニュージーランドトロフィー0秒5差7着エイムフォーエースの登録があったが、出走を見送り。芝1700mが舞台なら圧倒的な1番人気に支持されるはずだっただけに残念な限り。それでも南関東勢2頭の優位は動かないだろう。
本命はマイベネラブル。昨年9月、芝交流・ジュニアグランプリに参戦して7着からJpnIII・JBC2歳優駿7着。その後、南関東へ移籍して半年ぶりに戦列復帰。2着に0秒4差で完勝し、以降も勝ち続けて目下3連勝中。前走は僅差だったが、競り合いにも強いことを証明した。盛岡芝はジュニアGPで経験済みだったが、7着の評価が微妙。しかしダート戦に替われば素直に快進撃を信じる手。
移籍後、馬体重も10キロほど増えてパワーアップは確実。迎え撃つ岩手勢も有力馬は登録時からスキップして手薄なメンバー構成。距離1600mも不安なしなら、重賞初制覇は目前に迫った。
ルーラーオブダートはデビュー3戦目の門別1200mを勝ち上がり、一戦置いて3着からジュニアグランプリに参戦。マイベネラブルに先着2着を確保した。続いて船橋・平和賞へ挑戦して9着後、南関東へトレード。初戦を3着にまとめた。2戦目・東京ダービーチャレンジは2000mの距離、相手強化がこたえて大差10着に終わったが、自己条件に戻って2着に巻き返した。
芝が舞台ならマイベネラブルより評価が上になった可能性も高いが、ダートなら一枚割り引き。芝ダートを問わずマイル戦は4戦2着2回3着1回。距離適性を前面に逆転をもくろむ。
ラブショックは重賞初挑戦。母ハーツコンセンサスは中央未勝利から岩手入りして通算13勝をマーク後、繁殖入り。ラブショックは4頭目の産駒で母同様、中央未勝利から転入。3勝2着2回3着1回の好成績を収めている。取りこぼしはいずれも前半で位置を取れなかったとき。前走2着も典型だったが、それでもメンバー最速の上がりを披露。まだ底を見せていない。
プリズムスペクトルは2歳時、3戦0勝だったが、今季2勝2着1回。初芝のサファイア賞でも3着に善戦し、成長をアピールした。今度はダートに戻るが、軽い走路なら能力をフルに発揮できる。
コンバットスプーンは南関東から里帰り後、イーハトーブマイル、ウイナーカップで逃げ粘って2着。前走・ハヤテスプリントでは6着ながら岩手最先着を果たした。馬体重が増えないのがきゅう舎サイドの悩みだが、まじめなタイプで全力で走り切るのが持ち味。マーク欠かせない。
ベルベストランナーは中央芝2000m3着、芝2200m3着。4走前はダート1800mで逃げて3着。未勝利だが、このメンバーなら通用する実績と見ていい。
◎⑧マイベネラブル
〇②ルーラーオブダート
▲①ラブショック
△⑪プリズムスペクトル
△⑩コンバットスプーン
△④ベルベストランナー
<お奨めの1頭>
2R ガーデンアイル
前走は7ヵ月ぶりの実戦だったが、1秒3差で逃げ切り圧勝。B1からC2へ降格して地力の違いを見せつけた。目下2連勝中ビスケットとのラインは強力
今週はJRA新潟の薄暮開催に伴い、29日(月)~31日(水)の変則開催。重賞も30日(火)、3歳交流・オパールカップはダート1600mへ変更。31日(水)、今季第一弾の2歳重賞・若鮎賞もダート1600mへ変更となりましたので、お間違えのないようお願いします。
29日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「夢・希望 未来へ前進」(B1級一組 盛岡ダート1600m)。有力各馬がそれぞれ死角を抱え、波乱の要素もたっぷり。ジョッキーの駆け引きも重要なファクターとなった。
マナホクは3歳時、門別から転入初戦で伝統重賞・不来方賞を優勝。混戦に断を下した。その後、南関東、門別と転戦して昨年11月に再転入。重賞・絆カップ4着、トウケイニセイ記念5着入線を果たした。
今季は4月から始動してB2へ降格。地力の違いを見せつけてエイプリルカップを快勝し、幸先のいいスタートを切った。以降も2着4回3着1回と安定度を発揮したが、勝ち切れないレースの連続。加えてスタートで出遅れるようになって前々走4着。前走も出遅れたが、思い切った待機策からメンバー最速の上がり36秒3の上がりを駆使して快勝。これで弾みついたと解釈していい。今回は9頭立て9番枠も強運。仮にスタートで後手を踏んでもさほど不利はないはず。2連勝に王手をかけた。
グレートキャンベラは昨年、中央1勝クラスから転入。最下級C2編入にも恵まれて5勝2着1回の好成績を残した。今季初戦も逃げ切りを決めて好発進かと思ったが、A級7着に終わり、前走も5着。順調さを欠いて今回は1ヵ月はぶりの実戦。当然、割り引きが必要だが、今回はB1へ降格。メンバーが甘くなって反撃態勢が整った。
アダマスミノルは南関東B3級から今年転入し、2着5回3着2回。馬券対象から外れたのが前走4着のみと抜群の安定感を誇っている。ただ勝ち味に遅く昨年4月、浦和1400m・B3級の1勝のみ。岩手でも同様ケースが続いているが、毎回勝ち負けを演じており、上位評価が妥当。
ラブロックは前回快勝。自らハイペースを形成しながら逃げ切りを決めた。気になるのは枠順。前回が2番枠に対し、今回は8番枠。逃げがベストのタイプで逃げを主張するのは確実。そこで脚を使ってしまうと最後が甘くなり、すんなり先行策が好走条件。
ホワイトパスは前々走しんがり人気で快勝。得意の不良馬場で反応が一変した。前走は8着だったが、良馬場では仕方なし。週明けの天気予報は雨。仮に軽い走路になった場合、再現の可能性も十分。
ロワマージュは今シーズン2戦目を快勝し、A級入りを果たしたが、以降は4着最高。ただ前走7着だったが、B1へ降格。先行激化になれば浮上あるかも。
◎⑨マナホク
〇④グレートキャンベラ
▲⑥アダマスミノル
△⑧ラブロック
△③ホワイトパス
△⑤ロワマージュ
<お奨めの1頭>
2R ハコダテメモリー
前走は9ヵ月半ぶりの実戦に加え、スタートで出遅れたのが致命傷。位置を取るために前半で脚を使ったのが敗因。ひと叩きされて首位を奪取する
7月21日(日) 「第4回いしがきマイラーズ」(オープン 盛岡芝1600m)
好枠を引き当てたスターオブケリーが逃げ、2番手にアーバンキッド、3番手外にアルサトワ。以下、アオイカツマ、トチノヒーロー、6番手にソロフレーズ。その後ろにレベランス。1番人気ギャレットは先行グループの動きを見ながらじっくり中団に待機した。
勝負どころの3コーナー、後方2番手にいたブローヴェイスが外を回ってスパートをかけたが、躓くアクシデントが発生して落馬中止。直線入り口でアーバンキッド、アルサトワが先頭に立ったが、残り200mでレベランス、ギャレットが強襲。レベランスが一旦抜け出したが、ギャレットがゴール前でもう一伸び。2歳・若鮎賞以来、久々の重賞タイトルを獲得した。
1着・ギャレット=山本聡哉騎手
「前走もゲート出が遅かったが、今日もダッシュがつかなかったので位置取りは出たなり。この馬は勝ちに行くと最後が甘くなるので、様子を見ながらレースを進めた。今回は他の馬を気にせずリズムを大事にして乗ったが、うまく差し切ってくれた。攻め馬も自分がつけているが、状態が良かったのも勝因だったと思う。(菅原)辰徳が落馬して心配だったが、幸い怪我がなかったと聞いてホッとしました」
佐藤浩一調教師
「改めて芝が合うと思わせる内容だったと思う。あまりレース間隔を詰めて使いたくないので、前走後はいしがきマイラーズに合わせて調整した。これで適性を再確認できたので、次走予定はOROカップ。ダート変更だったが、せきれい賞を勝ったライアンといっしょに挑戦しようと思っています」
すでに岩手県競馬組合から発表があったとおり、今開催に予定していた3歳交流・オパールカップ、2歳・若鮎賞、そして8月4日のOROカップはすべて芝からダート変更。今後の芝レースについては走路状況を見ながら決める。よってOROカップは芝1700mからダート1600mへ変更して行われる。
2着・レベランス
中央芝3勝をすべて左回りでマークしたサウスポー。今回は小回り盛岡芝の対応が課題だったが、巧みなレース運びから僅差2着。これで問題ないことを証明した。
3着・ソロフレーズ
昨年、中央オープンから再転入していしがきマイラーズ4着、ハーベストカップ3着。さすがに年齢的な衰えは隠せないが、典型的な芝ホースぶりを発揮して3着を確保。一昨年の最優秀ターフホースはダテではなかった。
今週の岩手競馬
7月29日(月) 「夢・希望 未来へ前進」(B1級一組 盛岡ダート1600m)
7月30日(火) 「第25回オパールカップ」(3歳・地方競馬全国交流 盛岡ダート1600m)
7月31日(水) 「第25回若鮎賞」(2歳 盛岡ダート1600m)
7月21日に行われた芝の重賞『いしがきマイラーズ』は1番人気に支持されたギャレットが優勝。2歳時の若鮎賞以来となる重賞タイトルを手にしました。
好天、良馬場での芝での戦いとなって激しくなった先行争い、ギャレットはそんな先行集団を前に置いて単独中団と言える位置を追走します。直線に向いても7~8番手あたりだった同馬でしたがそこからレベランスと並んで追い上げ開始。最後まで一進一退の接戦を繰り広げたこの2頭、レベランスが盛り返そうとしたところを再度ギャレットが交わした所がゴール。6月に岩手に再転入してからの初勝利、自身の7勝目は2歳8月の若鮎賞以来の重賞制覇となりました。
7月23日のメインレースは11Rです。オープン級ダート1000mの特別戦『スプリント特別』9頭立て。本命は(1)グットフォーチュンです。
5月から岩手で走り始めて今回が5戦目。二走前の重賞・早池峰スーパースプリントでは9着に敗れたものの前走では直線鋭く抜け出して4馬身差快勝。岩手での初勝利を挙げました。重賞では敗れましたがここまでの4戦では1勝2着1回3着1回、重賞以外では3着以内を確保しており能力の高さは見せていますし、その重賞にしても小回りの850m戦というそれまで経験したことがない条件が合わなかったという見方もできるでしょう。OP特別とはいえ歯ごたえある顔ぶれになっていますが、舞台は力を出し切れるもののはず。勝った勢いは通用と見ます。
対抗は(7)ダイセンメイト。自他共に認める水沢850mのスペシャリスト、早池峰スーパースプリントで◎を寄せ付けなかったのはこの馬です。一方でそれ以外の距離では不思議と信頼度が下がる馬なのですが、しかし盛岡の1000mではそれほど崩れたことがなく、水沢850mに次ぐ得意条件と言えるでしょう。頭まではどうか?と考えてもしまう分、印は対抗としましたが、勝ち負けに参加して全く不思議なし。
三番手は(5)セイシークエンスでどうでしょうか。1400mよりは1000m、1200m。850mは忙しい。昨秋ほどの勢いではない今季ですが逆に言えば昨秋くらいの走りができればここでも足りていいし、それだけの力は備えていると考えたいところ。
以下、しばらく勝ち星から遠ざかっているものの徐々に上昇してきている(8)アヴェントゥリスト、昇級・相手強化ですが一連の時計は通用している(2)アブシンスを押さえに。
昨日は前半戦の極端な前残り傾向から、後半はハイペースからの差し決着連発に変わっていきました。ここも展開面の非常は大きそうです。(横川典視)
●11Rの買い目
馬単(1)=(7)、(1)=(5)、(7)→(5)、(1)→(8)、(1)→(2)
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