6月2日に行われた3歳馬の重賞『ウイナーカップ』は2番人気ミヤギシリウスが優勝。3月のあやめ賞に続いての重賞2勝目を挙げました。
今回も主導権をつかみに行ったコンバットスプーンを追って道中のミヤギシリウスの位置は4番手あたり。しかし向こう正面に入ったあたりから他に先駆けてスパート、3角を回る頃にはコンバットスプーンに馬体を並べるところまで迫りました。「スタミナはしっかりしていますが瞬発力勝負になると分が悪くなるタイプ。さらに後ろから来る馬に差されるリスクはありましたが、それでも早く動くのが一番良いと思って」と坂口裕一騎手。
直線を向いたところではコンバットスプーンに突き放されかけるシーンもありましたが、鞍上の狙い通りしぶとく長い脚を繰り出したミヤギシリウスも盛り返して、わずかに前に出たところがゴール。僅差でしたが重賞勝ち馬の底力を見せたレースとなりました。
6月4日のメインレースは12Rです。B1級1600mの特別戦『紫陽花賞』。本命は(6)マナホクを採ります。
一昨年の3歳時には盛岡で2000mの重賞不来方賞を勝った同馬。その後は1200mから2000mまで様々な距離で戦い、そしてどの距離でも大きく崩れずにこなしている事で逆にベストの距離がイメージしづらいような戦績になっています。
どの距離でもハマれば強い。1200mはちょっと短い感じですがとはいえ重賞でも入着していますし、一方で2000mの重賞で勝っているわりに1800mや2000mだと長そうな気配も見せる。予想する方としては頭を悩ませる部分です。
ただ、現状のB1・B2というクラスではやはり地力上位と思える近走ですし、先に書いたような事を思えばマイルも丁度手頃な印象。リスクとしては出遅れがありますが、好発さえ決まれば勝ち負けできる力あり、と判断しました。
対抗は(5)アダマスミノルを。やや勝ち味に遅いかと感じる近走ですが差し馬不利な馬場傾向が続いている事を思えば悪い走りでは無いはず。展開ひとつ流れひとつで岩手初勝利まで。
三番手に(7)ヒロシクン。大柄でゆったりした走りを見せる馬ゆえに初の小回りマイルの影響を大きめにみてみましたが、ここまでの走りは文句なし。軽視しすぎはもちろん禁物。
以下、(8)メイショウメイスイは勝ち星から遠ざかりつつも馬自身の状態は良くなってきているように見えますし、水沢マイル・雨の影響が残る馬場いずれも得意。(4)トランセンドパストはしばらく走っていなかった左回りとかマイルとかでも健闘できたように地力は高そう。右回りに変わっての変身を一考すべきでしょう。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(6)=(5)、(6)=(7)、(5)=(7)、(6)→(8)、(6)→(4)
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先週、お伝えしたフジユージーンが東京ダービー挑戦を見送った。辞退理由は寝違え。100%の状態でも厳しいレースを強いられるのは確実。順調さを欠いて遠征すれば後々まで影響するだけに、早々と見送りを表明した。この決定は残念な限りだが、やむなしの選択だったと思う。
先週も報告したが、ダイヤモンドカップ直後は反動が大きかった。それでも思った以上の回復を見せて挑戦を決めたが、競走馬は言うまでもなくアスリート。万難を排してケアしても、いつアクシデントが発生するか分からない。まずは回復に専念して、元気な姿に戻ったフジユージーンに再会したい。
3日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「夢・希望 未来へ前進」(B2級二組 水沢1600m)。中心選択にはあまり迷わなかったが、次位候補には悩んだ。各馬が一長一短、好走あっても凡走しても不思議がないメンバー構成。人気も割れるに違いない。
サダムターゲットは昨年10月、中央未勝利から岩手入り。一度、競走除外されたが、4戦1勝2着2回。最終戦4着に敗れていち早くシーズンを終了。3ヵ月の休養をはさんで3月から始動。2連勝をマークして好発進を決め、B2特別・メイカップへ挑戦。昇級に加え、元A級馬ローグネイションが相手で3着に終わったが、2着馬とはクビ差。前走も2着に敗れたが、再びクビ差の僅差負け。あと一押しが足りなかった。
注目してほしいのは走破タイム。メイカップ、前走とも盛岡ダート1600mでただ1頭だけ1分40秒台をマークした。必然的に今回は他をリードと見るのが妥当。成長続ける4歳の若さも加味すれば、首位を奪回するチャンス到来。
相手筆頭にアジアノカイゾクを抜てきする。昨年、中央2戦未勝利から転入。3勝2着2回3着3回。馬券対象から外れたのは4着一度のみと抜群の安定感を誇った。ただゲート出に課題を抱え、今季は3着3回止まり。特に近走は出遅れが致命傷となって6、4、8着。消化不良のレースが続いている。凡走理由の一つは輸送。激しい気性のため馬運車の移動もこたえたが、今回から地元競馬。内2番枠は微妙だが、レースに集中できれば反撃必至。
アメイジングスターは競馬再開4戦まで着外が続いていたが、近2走2、3着。盛岡遠征で馬体が絞れ、いい脚を長く使える持ち味がよみがえった。今度は地元水沢が舞台で馬体重が気になるところだが、470キロ台前半で臨めれば再び勝ち負けに持ち込める。
ヤマニンエピクーレは開幕2連勝を飾ったが、以降は苦戦の連続。メイカップは11着に沈んだが、前走4着。先着を許したアメイジングスターとは0秒1差。上昇ムードで水沢を迎えたのが心強い。
アドマイヤホルンは通算14勝の古豪牝馬。復帰戦は6着だったが、ひと叩きされて前走3着に粘った。盛岡開催をスキップしてリフレッシュ。気分よく逃げることができれば連対確保。
ヴォウジラールは成績が安定しないが、時に大駆け。うまく自己ポジションを取れれば侮れない存在となる。
◎⑤サダムターゲット
〇②アジアノカイゾク
▲③アメイジングスター
△⑥ヤマニンエピクーレ
△⑨アドマイヤホルン
△①ヴォウジラール
<お奨めの1頭>
1R ピカンチフラワー
デビュー戦は痛恨の出遅れを喫しながらも力強く抜け出して完勝。好発進を決めた。距離延長も問題なく、2連勝濃厚
今週2日(日)から舞台は盛岡から水沢競馬場。騎手、馬もそうだが、我々もリセットして臨みたい。実際、5月5日から盛岡競馬場へ替わった途端、苦戦した馬は少なくなかった。
典型的な例が現在、B2級へ在籍するムゲンノカノウセイ(千葉幸喜きゅう舎)だった。今年、B1からC2へ降格してワンサイドであっさり3連勝。地力の違いを見せつけたが、盛岡に替わって5、9着。クラスもB2へ上がったが、元々はA級の格上馬。盛岡で完全にリズムが狂った感じだった。
ほかにも同じ例が多くあるが、今回は盛岡で鳴りを潜めていた馬が反撃に転じる可能性大。自分もそうだが、コース適性もしっかりと把握してレース検討をしたいと思っている。
2日メインは3歳重賞「第48回ウイナーカップ」(水沢1400m)。フジユージーンは東京ダービー出走を辞退、世代ナンバー2・ミヤギヴァリアントは同日、第7R・3歳B1戦で復帰。またイーハトーブマイルを完勝したレッドオパールも当初、登録があったが、出走を見送り。主役不在、混戦必至のメンバー構成となった。
主軸にバウンスライトを指名する。中央3戦未勝利から転入。持ち賞金がなく3歳最下級へ編入し、初戦を快勝。クビ差2着に退けたラブショックは目下2連勝中。ハイレベルの戦いだった。2戦目は2着に0秒9差を圧勝し、重賞・イーハトーブマイルへ挑戦。一気に相手が強化された上、スタートでも後手を踏んだが、シャープな末脚を駆使して3着。収穫の多い一戦となった。このレースで重賞ペースにも慣れ、今度は首位奪取を狙う。
コンバットスプーンは昨年2勝。ネクストスター盛岡でフジユージーンの2着に粘り、ビギナーズカップでも3着。小柄な牝馬ながら勝負根性のあるところを披露した。冬期は南関東へ転籍したが、4戦着外に終わって帰郷。ダイヤモンドカップは7着に終わったが、イーハトーブマイルでは果敢に逃げてレッドオパールの2着を死守。持ち味の粘りを存分に発揮した。今回も好枠を引き当て逃げの手は確実。距離短縮を味方に逃げ切りをもくろむ。
ミヤギシリウスは金杯5着後、福島県のテンコートレセンへ移動。坂路で鍛え直した効果も大きく、牝馬重賞・あやめ賞を快勝した。これで一皮むけたかと思ったが、留守杯日高賞4着、イーハトーブマイル5着。入着一杯に終わったが、今度はあやめ賞と同じ水沢1400mが舞台。巻き返しに意欲満々。
リトルカリッジは2歳時に4勝。ひと頃は調子を崩したこともあったが、終盤に復調。重賞・金杯を制した。今季は始動が遅れ、調子もなかなか上がらず精彩を欠いているが、実績上位は明らか。うまく最内枠を生かせれば反撃に転じて不思議はない。
マルケイフォルテは芝1000mのデビュー戦3着からダートへシフト。目下6戦連続で連対中と抜群の安定感を誇っている。重賞初挑戦でメンバーが一気に強化されたが、相手なりに駆けるタイプ。
サンエイキャノンは今季初戦を快勝し、スプリングカップでも3着を確保したが、ダイヤモンドカップ8着、イーハトーブマイル12着に大敗。評価が微妙になったが、地元水沢で巻き返したいところ。
◎(10)バウンスライト
〇(2)コンバットスプーン
▲(8)ミヤギシリウス
△(1)リトルカリッジ
△(7)マルケイフォルテ
△(9)サンエイキャノン
<お奨めの1頭>
5R エクチュール
新潟ダート1800m・2歳新馬戦でタイム差なし2着。昨年9月以来の実戦で太目は確実だが、能力検査を叩かれて体が絞れてくるはず