13日メインはA級一組「皐月特別」(盛岡ダート1600m)。岩手トップ陣は前日のシアンモア記念へエントリー。手薄なA級一組戦となったが、この後は5月26日、一條記念みちのく大賞典トライアル・あすなろ賞へ向かう組、また短距離路線に駒を進める組が入り交じり、年齢幅も4歳から9歳までヴァリエーションに富んだメンバー構成となった。
本命はゲンパチプライド。中山ダート1200mで未勝利を勝ち上がり、東京ダート1400mで2勝目をマーク。ほかにダート短距離で2着1回3着3回の実績を残し、2勝クラスでも4、5着1回を確保した。
転入戦から重賞へ名乗りを上げて白嶺賞、栗駒賞でゴールデンヒーラーの2着。当初は小回り水沢をこなせるかが課題だったが、問題なくクリアーした。今度は盛岡ダート1600mが舞台。過去にマイル経験がなく、ダート1700m12着と距離が若干不安だが、盛岡マイルはワンターンコース。東京ダート1400mを勝っていれば守備範囲と見ていいはず。仮にこなせるようならば選択肢も増えるだけに陣営も力が入っているに違いない。
マイネルアストリアは一昨年、中央3勝クラスから転入。赤松杯、あすなろ賞と重賞2勝。ビッグレースでは自分の競馬をさせてもらえず苦戦だったが、平場戦で持てる能力をフルに発揮。昨年も5勝2着2回3着2回。着外はみちのく大賞典10着、桐花賞8着のみと抜群の安定感を誇った。
今季初戦はメンバーが甘く1番人気に支持されたが、早々と失速して10着。案外の結果に終わったが、ひと叩きされて反応が一変。前走は逃げ粘って2着を確保した。このメンバーでも前回同様、マイペースの逃げが確実。アッサリまで十分。
ボウトロイは門別2勝、南関東1勝、門別0勝から転入。一昨年3勝、昨年5勝。一時は頭打ちのレースを繰り返していたが、昨年最終戦を快勝。今季も3戦1勝2着1回と戦力になることを証明した。コース替わりも問題ないし、過去実績からもマイルがベスト条件。有力馬がもたつけばアッサリまで。
トキノパイレーツは詰めの甘さに課題を抱えているが、相手なりに駆ける堅実さが身上。今季は4着が最高だが、2戦は重賞が舞台で仕方なし。平場戦なら勝ち負けに持ち込める。
ゼットセントラルはいい脚を長く使えるのが武器。今シーズンはまだ軌道に乗れないでいるが、前走は1800mが長かっただけではなく、スローに落とされたのが痛かった。盛岡コースと相性が良く、今度こその期待。
ブローヴェイスは中央から再転入後、2着2回3着1回。安定した取り口を披露している。このメンバーならペースが落ち着くのは確実。先行馬に有利の流れになるはず。
◎(3)ゲンパチプライド
〇(6)マイネルアストリア
▲(8)ボウトロイ
△(2)トキノパイレーツ
△(1)ゼットセントラル
△(10)ブローヴェイス
<お奨めの1頭>
2R ブルーローズ
南関東B3から転入後、余裕の2連勝。850mもまったく問題にしなかった。1000m延長はもちろん望むところ
5月12日メインは春の総決算レース「第49回シアンモア記念」(盛岡ダート1600m)。過去10年で1番人気の優勝は4頭。意外に荒れるレースで定評があり、昨年も1着ノーブルサターン(5番人気)、2着スズカゴウケツ(8番人気)、3着セイヴァリアント(4番人気)の着順で入線し、3連単が49万900円の超万馬券が飛び出した。また3年連続で1番人気は最高3着止まり(昨年はゴールデンヒーラー6着)に終わっている。果たして今年は荒れるのか、固く収まるのか。
本命はノーブルサターンにした。過去、休み明け実績は16戦1勝3着1回。3ヵ月半休養の4歳春、中京ダート1800m1勝のみ。昨年も赤松杯4着、夏休み明けA級一組5着に凡走。500キロを優に超す大型馬で典型的な叩き良化型と判断して間違いがない。対して休み明け2戦目は<3.1.2.8>。昨年のシアンモア記念も赤松杯4着から1分36秒2の好タイムで完勝した。
3歳時にJpnII・兵庫チャンピオンシップ(1870m)2着、ジャパンダートダービー5着。5歳時にはJpnIII・マーキュリーカップ2着。一昨年12月、岩手へ新天地を求めて再生。トウケイニセイ記念、桐花賞と重賞2連勝を飾ってシーズンを終了。昨年もシアンモア記念、終盤に北上川大賞典、トウケイニセイ記念、桐花賞と重賞3連勝を飾り、年度代表馬に選出された。今年10歳の年齢が若干気になるが、ひと叩きされてシアンモア記念2連覇へ王手をかけた。
グランコージーは2歳時6戦5勝、2歳最優秀馬の座を獲得。その後、南関東へ移籍してクラウンカップ6着から帰郷。岩手クラシック一冠目・ダイヤモンドカップを逃げ切った。その後はフレッチャビアンカに主役を奪われ、南関東へ移籍。2勝をマークして里帰り。シアンモア記念でヴァケーションの2着に粘った。ほかに桐花賞でも3着を確保し、再び南関東入り。1勝後、昨年11月、3度目の里帰り。初戦の1勝のみにとどまったが、今年はあっさり2連勝。赤松杯を逃げ切り、ダイヤモンドカップ以来の重賞を手にした。舞台は水沢から盛岡に替わるが、盛岡マイル5戦3勝とまったく問題がない。
ヴァケーションはJpnI・全日本2歳優駿を優勝。以降は秋の鞍(名古屋)1勝のみにとどまり、一昨年に岩手入り。赤松杯2着からシアンモア記念を快勝。JpnIホースが復活。以降も一條記念みちのく大賞典3着、JpnIII・マーキュリーカップで3着に善戦。桐花賞でも2着を確保して年度代表馬に選ばれた。昨年は一條記念みちのく大賞典を8馬身差で逃げ切って圧勝した。川崎遠征以降は順調さを欠いたが、トウケイニセイ記念2着、桐花賞3着。盛岡は3着最高だが、赤松杯を叩いて変わり身見込める。
スズカゴウケツは中央ダート1600m2勝、ダート1800m1勝から一昨年転入。初戦を快勝し、OROカップ7着後、名古屋へトレード。1勝をマークして再度岩手入り。シアンモア記念2着、みちのく大賞典2着と大舞台で活躍した。今冬は南関東で2戦3着。帰郷初戦の赤松杯は7着だったが、左回りに替わって巻き返しに転じる。
ライアンは2歳時、重賞・平和賞を含めて6戦4勝。翌年は羽田盃で2着を確保した強豪。その後は精彩を欠いて中央入り。障害戦3戦を使って岩手入りし、赤松杯で2着を死守した。過去4勝をすべて左回りであげ、盛岡替わりは望むところ。
フレイムウィングスは中央ダート2勝、南関東1勝・B1級から転入。未勝利ながら一條記念みちのく大賞典3着、北上川大賞典2着、桐花賞2着と好走。マイルより中距離以上向きだが、ワンターンの盛岡マイルなら十分こなせる。
◎③ノーブルサターン
〇①グランコージー
▲⑥ヴァケーション
△④スズカゴウケツ
△⑤ライアン
△⑧フレイムウィングス
<お奨めの1頭>
2R アエリアン
転入戦をハイタイムで圧勝。近走は精彩を欠いていたが、格付けにも恵まれて好発進を決めた。同じ1000m戦ならもう一丁いける
5月5日(日)「第44回ダイヤモンドカップ」(3歳 盛岡ダート1800m)
スプリングカップと同様、内枠に入ったためフジユージーンが馬なりで先手を奪った。2番手にエドノバンザイ、3番手サンエイキャノン、4番手外にエスケンドリーム。以下、コンバットスプーン、パンセ。前走(牡羊座特別=門別)でカプセルを深追いし、4着に失速したオオイチョウは一転、7番手に控えた。
行きたがる仕草を見せたフジユージーンは2コーナーで後続を5馬身ほど離したが、鞍上・村上忍騎手が何とか抑えてなだめる。前半ラップ13秒1-11秒7-12秒3-13秒4-13秒0。この数字でも明らかで2番手エドノバンザイとの差が詰まっていく。しかし残り800mから再びペースアップ。エドノバンザイは何とか食らいつこうとするが、逆に離される一方。一方、前半で脚を貯めていたオオイチョウが3コーナーからスパートをかけ、フジユージーンに接近を図ったが、その差は詰まらずフジユージーンが4馬身差でゴール。自身の連勝を無敗7に伸ばした。
1着・フジユージーン=村上忍騎手
「今回も強かったと思う。初めて戦う相手がいたが、フジユージーンの力を発揮することだけを心がけた。前半は力んでしまって、なだめるのに手間取りましたからね。今後、試行錯誤するところだと思った。折り合いがついたのは1000m過ぎたあたり。あとは後ろから来てもいいように最後の脚は残した。次走にどのレースを選択しても2000mが舞台。あと1ハロン延びても対応できるように騎乗。ファンの期待も高い馬ですし、自分もどこまで成長するか楽しみです」
瀬戸幸一調教師
「前半、気負いすぎたが、折り合ってからはしっかり走ってくれたので安心した。前回(スプリングカップ)を使った後の体調管理が難しいところがあったが、追い切りで動いたので不安なくレースへ向かうことができた。今回、初めての距離だったが、まったく問題なかったので今後1ハロン、2ハロン延びてもやれる手ごたえをつかんだ。次走については1週間ほど時間をください。馬の状態とも相談しながら、じっくり決めたいと思っています」
*今回もフジユージーンの独壇場だったが、課題は折り合い。スタートが上手になったのは好材料だが、スプリングカップと同じく、行きたがって折り合いに苦労していた。その分、追い出してからの反応が甘くなっていたのは事実。今後、全国区の強豪と戦うためには折り合いが重要。それでも3歳で盛岡ダート1800m1分52秒8のタイムは破格。次走の決定を焦らず待ちたい。
2着・オオイチョウ
昨年、ジュニアグランプリに続く2度目の来盛。ジュニアGPは芝も合わず8着に終わったが、続いて船橋・平和賞へ遠征。0秒2差3着にまとめた。その後は休養に入り、地元・門別1700m戦から始動。1番人気カプセルを徹底マークする戦法に出たのが裏目に出て直線失速4着に終わったが、今回は待機策に転じて0秒7差2着。これで今後のメドが立った。
3着・エドノバンザイ
逃げたフジユージーンの2番手を追走。ペースが落ちた2コーナー過ぎから徐々に接近したが、3コーナーから再び離される一方。それでも3着に粘れば上々の結果。
今週の岩手競馬
5月12日(日) 「第49回シアンモア記念」(オープン 盛岡ダート1600m)
5月13日(月) 「皐月特別」(A級一組 盛岡ダート1600m)
5月14日(火) 「スプリント特別」(オープン 盛岡ダート1000m)
5月5日に行われた3歳馬による東日本交流重賞『ダイヤモンドカップ』はフジユージーンが優勝。圧倒的な1番人気に応えると共に自身のデビューから7連勝、5つ目の重賞タイトルを獲得しました。
好発を切った代わりにかかってしまったフジユージーン。向こう正面に入ったあたりで折り合いをつけたら後続に迫られて・・・の苦しい展開に見えましたが「勝てるだけの力は残っていると感じたので」と村上忍騎手はそれほど不安ではなかった模様。最後もオオイチョウの追撃をしっかり跳ね返して4馬身差ゴール。単勝・複勝ともに1.0倍の圧倒的な人気に応える勝利を果たしました。
5月5日から始まった盛岡開催。初日は好天にも恵まれて場内は大賑わいでした。ちょっと暑かったですけども好天が続くのは大歓迎。・・・だったのですが、5月7日は終日雨の予報になっております。馬場傾向、レースの展開なども変わってきそうですのでご注意を・・・。
5月7日のメインレースは12Rのメイカップです。本命は(6)サダムターゲットを狙います。
JRA未勝利から昨秋に転入してきた同馬はJRA時代の主戦場が中距離だったこともあり自分も当初はやはり芝の長めの距離向きかと考えていたのですが、ダートの1200mや1300mという距離にも対応して勝ち星を増やし、C1級に上がって迎えた今シーズンも2連勝でC1を突破してきました。ゲートはまだちょっと危なっかしさがあるように荒っぽい所はまだ少しあるのでしょうけども、これくらいあっさり出世してきた点、それだけの力量は素直に高く評価していいと思います。
今回はB2級の特別戦、周りは昨季A級やB1級から降級してきた馬もいて相手強化は間違いないのですが、この馬の直近の走りは時計比較で遜色ないですし、かつての主戦場を思えばマイルでの戦い、広いコースでの戦いはむしろ望むところでは?の印象もあります。前走も僅差ではありましたがまだまだ上昇余地がありそうな走りでした。ここでも好勝負できると期待して本命視。
(1)ローグネイションが対抗。先ほど触れた"昨季A級から降級してきた馬"はこの馬の事。こちらは今季C2に降級していたのですが4連勝でB2級まで戻ってきました。降級のおかげと言うべきか完全に勢いを取り戻したように見える近走ですしこの馬も盛岡マイルの条件に苦手感無し。勝ち負け候補と見るのが妥当でしょう。
三番手は(11)モンサンイルベントを。左回り経験があまりないですが合わない感じはない戦績です。岩手での二戦を見ても大きなコースの方が戦いやすいのでは?という印象。重・不良も悪くなさそうですし、3連勝を飾っても不思議は無し。
印上位勢は割と拮抗と見ています。なのでヒモはちょっと穴っぽく(3)ゴールデンギフト、(4)ペインティトブルーをピックアップ。盛岡マイル、雨馬場にも対応できますし、白星先行ではないものの近走の内容も十分と思える二頭。極端な前残りか、あるいはそんな中でのハイペースか。いずれ流れがもつれるようなら食い込んでくる可能性ありと考えます。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(6)=(1)、(6)=(11)、(1)=(11)、(6)→(3)、(6)→(4)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
6日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「夢・希望 未来へ前進」(B1級一組 盛岡ダート1600m)。前日からスタートした盛岡競馬。まだ傾向はつかめないが、コース替わりは重要なファクター。今回の有力メンバーは盛岡歓迎が多く、結果にも大きく影響する。
サンエイブレーヴは2歳時から重賞路線に乗った実力馬。タイトルこそ手にできなかったが、ウイナーカップ2着、東北優駿3着などの好走実績がある。父ロージズインメイ、母父アブクマポーロだから奥手血統と見られていたが、昨年A級戦で2着1回が最高。なかなか軌道に乗れなかったが、夏の格付け再編成によりC2級へ降格。4勝をあげ、B1級でも2勝をマークした。
これで軌道に乗ったかと思ったが、終盤から今年春まで4戦連続で4着。歯がゆいレースを続けていた。しかし鞍上に新人・坂井瑛音騎手を迎えて前々走3着。上昇ムードをうかがわせ、前回完勝。すんなり2番手を追走すると、抑えきれない手応えで向こう正面で早々と先頭。そのまま押し切り、坂井瑛音騎手に嬉しい初勝利をプレゼントした。
元々が常識にかからないタイプで全幅の信頼はできないが、坂井瑛音騎手「返し馬の手応えがすばらしく、担当の(菅原)秀さんに伝えたらニコッと笑ってくれました」とコメント。今度の盛岡1600mも2勝2着2回と相性上々。勢いに乗って2連勝に王手をかけた。
ミヤコプレジールは一昨年、中央未勝利から転入して3勝後、再び中央入り。初戦15着、2戦目・競走除外から再転入。B1級で2勝2着1回と好発進を決めたが、A級入り後は苦戦が続き、終盤もB1で凡走を繰り返した。その後、4ヵ月の休養に入り、前走・水沢1600m戦で復帰。8番人気の低評価を覆して0秒2差3着に健闘した。
今回から舞台は盛岡。水沢は未勝利に対し、盛岡は10戦5勝。決め手を生かせる盛岡で全能力を発揮する。休み明けを叩かれて良化は確実で、豪快なまくりを決めるか期待が集まる。
アダマスミノルは中央未勝利に終わったが、ダートで2着3回3着2回。その後、南関東へ移籍して5戦目の浦和1400mを快勝した。以降は頭打ちが続き、岩手へ新天地を求めて2戦連続2着。前走もサンエイブレーヴに0秒2差2着にまとめた。左回りに替わるのは望むところ。直線の長い盛岡で待望の白星を手にする。
リリーアローは昨年の同時期、入着止まりから盛岡に替わって4戦連続で連対。実戦を使われながら頭角を現し、2勝2着5回3着3回。今季も2戦4着と持ち味の堅実さを発揮している。今回はA級から降格2戦目。あっさりあって不思議はない。
シャイニーポケットは昨年、中央未勝利からC2へ編入。10戦連続で連対を継続してシーズンを終えた。今季は9、5着と精彩を欠いていたが、徐々に良化。休み明け3戦目で侮れない存在となった。
マルケイアローはコーナーワークが上手ではなく、本質的にコース広い盛岡向き。叩き3戦目で本領を発揮するか。
◎(3)サンエイブレーヴ
〇(10)ミヤコプレジール
▲(11)アダマスミノル
△(5)リリーアロー
△(4)シャイニーポケット
△(7)マルケイアロー
<お奨めの1頭>
5R ヤマニンエルモサ
中京芝1600m・2歳新馬戦を快勝した逸材。今年7歳だが、レースキャリアは浅く、ダートでのタイム一目。C2フリーパスは誰の目にも明らか