4月26日に行われた3歳牝馬の地方競馬全国交流重賞『留守杯日高賞』。遠征馬4頭対地元馬8頭の戦いの結果は浦和からの遠征馬・ボンボンショコラの圧勝で幕を閉じました。
不利と言われる1600mの外枠からのスタートとなったボンボンショコラでしたがゲートが開いた瞬間から楽にリードを取るスピードを発揮。追いすがるアンズビジンを振り切り、替わって迫ってきたレッドカードも凌ぐと、そのレッドカードに2馬身差をつけたままゴール。キャリア5戦目での重賞制覇は見事な逃げ切り勝ちとなりました。
懸命に食い下がったレッドカードが2着を手にし、3着争いは大きく離れつつもキクノナナが確保。最後捉えられる形になったミステリーベルンが4着となり、結果遠征勢が1~4着を占めています。
4月28日・火曜のメインレースは第11R・C1級特別『田沢湖賞』。2週間前にも同じC1級の特別『大屋梅賞』がありましたが、そちらは1300m、こちらはマイル。距離範囲が異なっていることで今回の出走馬12頭中、大屋梅賞に出走していたのは1頭だけと、顔ぶれは大きく変わっています。
さて本命は(7)フォローユアハートを採りました。キャリア全体での戦績を見ると1200m・1400mの短距離と言える距離の実績が厚いのですが、前走あるいは三走前のようにマイルも十分こなしますし、それは以前在籍していた南関東でも同様でした。距離に問題はないと考えていいでしょう。
同様にこれまでの戦績通りやや相手なりの走りになって勝っても負けても僅差、という事が目立つタイプでもあります。とはいえ時計が速い馬場では苦戦しがち、その点今週は程々のタイムに収まっているのでこの馬にとっては戦いやすい条件でもあるはず。その辺の堅実さ、距離適性に期待しましょう。
対抗は(3)コウギョウスターでどうでしょうか。この馬も短めの距離での戦いが多く、レースから受ける印象でも1400mが強いように思いますが、マイルをこなせないタイプではない。そしてこの馬も適度に時計がかかる馬場の方が得意に感じます。今回の条件は決して悪くないはず。
(6)サクセスストーリーが3番手。1300mの大屋梅賞から転戦してきた唯一の馬です。血統的にも実績的にも短距離のイメージが強い馬ですが、昨季はマイルのA級戦でも勝ち負けを争うくらいに好走しており、要は展開ひとつ・流れひとつなのでしょう。前走などはいわゆる前が止まらない馬場傾向。差し届く馬場なら雪辱可能。
以下はまず(2)アルカサル。直近の着順はソコソコという感じですがこのメンバー中で比較すれば上位になる内容でした。そろそろ元A級の力を見せてきそうな休み明け3戦目。(10)ウップスアデイジイも本来はもう少しやれる馬。叩かれてきたことで本来の好位先行の競馬ができるようになれば結果も変わってくるのでは。当日の気配にも注意したいですね。
●11Rの買い目
馬単(7)=(3)、(7)=(6)、(7)→(2)、(7)→(10)
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先週4月19日から山本聡哉騎手が騎乗再開。さっそく復帰初戦の第1Rをマイネルエメで快勝。好発進を決め、以降も勝ち星を積み重ねて7勝2着2回。週間トップを飾った。
しかし現在リーディング1、2位の高松亮騎手は5勝2着2回。村上忍騎手も5勝2着1回と好成績を続け、両騎手とも通算26勝と快調に飛ばしている。
先週3日間で計35Rが行われたが、3人を合わせると17勝。ほぼ半数を占めたことになり、リーディング争いは昨年以上にし烈になるのは確実だ。
一方、岩本怜騎手は先週1勝のみだったが、すでに14勝をマーク。あとは目につくのは南郷家全騎手の活躍。何度も高配当を演出し、皆さんにもインパクトを与えたと思うが、先週も3勝。通算12勝でリーディング6位に入っている。
そして26日(日)から小林凌騎手(板垣吉則きゅう舎)がついに復帰を果たした。昨年9月30日以来、約7ヵ月ぶりのレースとなった。
26日は2鞍のみだったが、試運転も兼ねてのこと。骨折した腕にプレートが入っているため、徐々に慣らしていこうという意向だから。岩手ではただ一人となったピンクと黒の勝負服を追いかけてほしい。
27日メインは「スプリント特別」(水沢850m)。短距離に自信ありのオープン馬が顔をそろえた。
先週は雨の影響もあり、日によって馬場傾向が変わった。19日は一転して逃げが厳しく先行、差し有利。20日も同じかと思ったが、逃げ6勝2着1回。先行4勝2着4回。21日もほぼ同じく逃げ6勝2着1回。先行4勝2着7回だった。
シャドウパーティーは今季8、6着。一見すると年齢的な衰えかと思わせるが、単純に距離が合わなかった。極端に言えばいい脚を使えるのは一瞬だけ。なし崩し的に脚を使うと伸びないため、乗り方が非常に難しい。
その意味で瞬発力勝負(逃げもダッシュ力という意味で瞬発力)となるスーパースプリントは大歓迎。過去水沢850m2戦1勝2着1回がそれを裏付けている。ベスト条件を迎え。直線一気を決める。
コンサートドーレは門別1000m1勝後、岩手へ転入。未勝利に終わり、南関東へ移籍。1000mから1200mで7勝。B1まで駆け上った。
850mは未知の距離だが、南関東B1なら岩手オープン通用は当然のこと。3走前に大井1200mで3着確保の実績からも勝ち負けになる。
ゴーインググレートは中央ダート1200m3勝、ダート1000m2勝。オープンに在籍し、GIII・プロキオンステークス4着の実績。その後、金沢1勝を経て岩手転入。
最大ネックは850m対応だが、金沢で行われた日本海スプリント(900m)でエイシンテキサスの2着。好位キープしたことからも問題なし。アッサリ首位まで十分。
ツララはシーズン初戦で11着に大敗したが、1600mが敗因。昨年2勝は盛岡ダート1000m、1200mでマーク。850mでも2、3着1回と適性の高さは証明済み。変わり身あれば上位進出。
トブガゴトクは中山ダート1200m1勝、函館ダート1000m1勝。前走は落馬競走中止のアクシデントがあったが、気配落ちなし。好枠を生かしたいところ。
サマニーは東京ダート1300m1勝。距離短縮に活路を開くか。
◎⑨シャドウパーティー
〇⑦コンサートドーレ
▲③ゴーインググレート
△①ツララ
△②トブガゴトク
△⑤サマニー
<お奨めの1頭>
1R ノーブルシリウス
南関東から転入戦を大差で圧勝。C2下級では地力の違いを見せつけた。ここも迷わず主軸視
26日メインは今シーズン最初の交流レース「第20回留守杯日高賞」(水沢1600m)。騎手は今の緊急事態を鑑みて地元ジョッキーを起用したが、予定どおり"GRANDAME-JAPAN2020"が行われる運びとなった。
中心はボンボンショコラで迷いはない。2歳新馬戦(東京ダート1400m)を逃げ切り、オキザリス賞5着。浦和移籍後は南関東牝馬クラシック路線を歩み、ユングフラウ賞4着、浦和桜花賞4着。
2戦とも2番人気に支持されたが、ユングフラウ賞はレイチェルウーズに0秒7差。浦和桜花賞はアクアリーブルに0秒8差。自慢のスピードで逃げたが、直線一杯になった。
しかし今回は相手が楽。外枠を引き当てたが、このメンバーならスピードの違いが明白。右回りも未経験だが、絶対能力でカバーできる。
鞍上にはアクアリーブルとのコンビで浦和桜花賞を制した山本聡哉騎手を指名。3戦連続で入着止まりのうっ憤を一気に晴らし、重賞制覇は目前に迫った。
それに待ったをかけるのはミステリーベルンが筆頭格。2歳牝馬重賞・フローラルカップ、金沢シンデレラカップを優勝。
名古屋で行われた若草賞が川崎・鈴木義久きゅう舎へ移籍初戦。2ヵ月半ぶりの実戦に加え、輸送もこたえたのかマイナス9キロで臨んだが、2着を死守。相手が園田で圧倒的な強さを誇るステラモナークならば健闘と見ていいだろう。ひと叩きされ、距離もマイル延長なら逆転首位まで考えられる。
ここで横道に逸れるのをご了承いただきたい。ミステリーベルンは2012年のジャパンカップ・ダートを制したニホンピロアワーズの初年度産駒。父に重賞2勝をプレゼントしたが、2歳時に管理したのが小国博行調教師だった。
前走からバトンを受けたのが川崎・鈴木義久調教師。そして鞍上に指名したのが関本淳騎手。
上山競馬時代を知っている方ならピンとくるだろう。そう、3名とも上山競馬で騎手仲間だった。
2003年11月、上山競馬が廃止。それに伴い、関本淳騎手は岩手競馬、小国博行元騎手はホッカイドウ競馬、鈴木義久元騎手は川崎競馬へ移籍した。
セタノキングでさくらんぼ記念などを制した鈴木義久元騎手は2011年に調教師開業。上山競馬でリーディングを張った小国博行元騎手は2015年に調教師開業。
そして今回、上山競馬の"絆"で、かつての戦友・関本淳騎手に騎乗を依頼した。おそらく全国に分散した上山時代の仲間たちも注目しているに違いない。
仮にミステリーベルン=関本淳騎手=鈴木義久調教師が優勝したら劇的なドラマ。昔、足しげく上山競馬に通った一人としても密かな期待を抱いている。
レッドカードは門別1200m2勝。牝馬重賞・ブロッサムカップでネーロルチェンテの2着を確保し、川崎へ2度遠征。5、4着の成績から3ヵ月半休養。復帰戦に留守杯日高賞を選んだ。
シーズン初出走はハンデだが、ホッカイドウ所属馬はいきなりでも走るケースが多々。管理するのは林和弘調教師ならきっちり仕上げてくるに違いない。
対する地元岩手の注目一番手はグラマラスマリー。中央6戦0勝4着1回から転入。3歳B2は格付けにも恵まれて1番人気。関本玲花騎手を背に逃げ切り勝ちを収めたが、電光掲示板のタイムにびっくり。
岩手競馬再開3日目の第1Rだったが、当時は時計がかかる馬場。ほかのレースでは1分31秒台をマークするのがやっとだったが、水沢1400m1分30秒0は破格すぎるタイムだった。
結果、トライアル・あやめ賞で2番人気に支持され、鞍上は昨年度リーディングジョッキーの座を奪い返した村上忍騎手。
ところがグラマラスマリーはスタートでヨレた上、両脇からはさまれて後方からの競馬。追走するので一杯かと思ったが、盛り返して3着。勝ったアンズビジンから1秒差をつけられたが、収穫の大きい一戦となった。
この内容から控える競馬も問題ないことが証明され、今度は内2番枠。好スタートから好位キープできれば反撃必至。
チャルメーラは春競馬から始動。準重賞・奥州弥生賞3着。ひと叩きされて臨んだあやめ賞ではグラマラスマリーに先着2着を確保。目立たないが、着実に成長を遂げているのか明らか。
ボルドーリブロンはあやめ賞1番人気4着に終わったが、久々を叩かれて上昇。北海道1勝、南関東2勝の実績から巻き返しに転じて不思議はない。
◎⑩ボンボンショコラ
〇⑧ミステリーベルン
▲⑥レッドカード
△②グラマラスマリー
△④チャルメーラ
△⑨ボルドーリブロン
<お奨めの1頭>
2R ファヴール
前走3着で復調のメド。時計軽かったにせよタイムも上々だった。今回は絶好の勝機を迎えた
4月21日・火曜のメインレースは第11Rになります。B1級一組1800mの『復興祈念 夢あふれる未来へ』。
1800mのレースは今季2度め。しかし前走はA級特別戦だったのでB1級のこの距離のレースは初めてになります。今回のメンバー中でも水沢1800mの経験を持つのは10頭中2頭のみ。このレースのカギは距離になるかもしれません。
本命は(3)エイシンニトロです。"1800mの経験を持つ2頭"のうちの1頭。勝ち星もある点はライバルたちに対するアドバンテージになりますし、その勝った時のクラスが今回と同じB1級、その後A級でも健闘していた点もまた同様。力量はここで上と言っていいはずの存在。
★エイシンニトロ
問題は前走の評価でしょう。序盤から行き脚が鈍く3角過ぎには既に最後方あたりを進む形になってのしんがり負け。確かに激しい流れになったし勝った馬も強かった・・・のは確かですが気にかかるのもまた確か。
ただ、昨年も快勝後にブービー負け、そしてその次戦に何事もなかったかのように2着に巻き返したり・・・と読みづらい走りをするタイプではあるようです。前走は参考外と見なせるなら、本来の地力発揮を改めて期待してみる手ではないでしょうか。
対抗は(4)ネイチャーモルサム。B1級では以前のように勝ち星を手に入れられずにいるものの、前走、エイシンニトロが破れたレースで4着に食い込んでいるように能力はこのメンバー中でも互角以上。1800mの経験はありませんがこの距離でよりスムーズに流れに乗れるのなら着順が前進するチャンスも増す事になるでしょう。
(1)ジェイケイブラックが三番手。前走の敗戦は休養明け初戦という事で一旦度外視したい所。昨年、転入後に4連勝した実力も高く評価できる存在。ここでの課題は距離ではないでしょうか。JRA時代は中長距離のみの実績で十分に健闘していたとはいえ岩手ではまだ目処が立っていません。好枠を得た今回、1800mでどんなレースを見せるか。
(8)ヤマトタケルにとって一番強気で動けるのはマイルという印象も、昨年は1900m戦でも勝ち星を挙げ距離をこなす所は見せています。この春の2戦も好内容であり好印象。この勢いなら。
(10)ケルヴィンサイドもやや上下の変動がありますが1800mや1900mに苦手感がない馬。この距離では不利な大外枠ですがこのメンバー中での距離実績は軽視できません。
●11Rの買い目
馬単(3)=(4)、(3)=(1)、(3)→(8)、(3)→(10)
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今回も先週3日間(4月12日~14日)の連対脚質を報告してみたい。
12日
逃げ 1着 4回 2着 4回
先行 1着 4回 2着 3回
差し 1着 1回 2着 1回
追込 1着 2回 2着 2回
13日
逃げ 1着 6回 2着 2回
先行 1着 3回 2着 6回
差し 1着 1回 2着 4回
追込 1着 2回 2着 0回
14日
逃げ 1着 3回 2着 1回
先行 1着 2回 2着 4回
差し 1着 5回 2着 4回
追込 1着 1回 2着 2回
以上の数字でわかることは12日、13日は逃げ、先行が圧倒的に有利。人気薄でも先手を取れば残るケースが多かったが、特に13日が顕著だった。
しかし14日になると差し戦法で1着5回。逃げ切ったことも3回あり、逃げ有利の馬場に変わりはなかったが、外差しの馬が届いてきたのがはっきり分かった。
岩手競馬の攻略には馬場傾向の把握が大事。もちろん前半ペースによっても大きく変わるが、まずは基本傾向を押さえるのが必要不可欠。
今週は18日、土曜日に雨が降って乾いた馬場から湿った馬場になる可能性が高く、時計が速くなるのは確実。その影響で先行有利となるか差し有利となるか。実力が抜けていれば展開不問だが、勝った馬だけではなく2着以下の位置取り、脚いろもチェックしてほしい。
20日メインはB2級一組「ライラック賞」(水沢1600m)。メンバー構成を考えると名古屋から転入ウインハートビートをめぐる争いになる公算大。
ウインハートビートはデビュー3戦目の阪神芝1400mを逃げ切って快勝。その後、中京、小倉芝1200mで2勝をマークして2勝クラス(1000万下)へ在籍した。
名古屋移籍は今年2月。初戦は生涯2度目のダート戦に加え、時計のかかる馬場にもとまどって5着に終わったが、2戦目2着。そして前走、アッサリ逃げ切りを決めて4馬身差で圧勝。直後に岩手転入した。
おそらく陣営は芝ダートの両にらみを考えているはず。ダートもこなすのを分かった上で、いずれは芝重賞挑戦を構想に描いていると判断して間違いない。
まずは足慣らしの意味もある岩手初戦。小回り水沢対応に必要な先行力があり、名古屋B級→岩手B2級も恵まれた格付け。好発進を決める格好の舞台となった。
ラフレシアオジョーは2歳時に2勝マーク。昨シーズンは表街道を歩み、ひまわり賞(オークス)2着のほか、留守杯日高賞4着、あやめ賞4着。また牡馬相手の東北優駿でも4着を確保した実力牝馬。ただ、勝ち味に遅い面があって昨年0勝2着1回。入着止まりのレースを繰り返していた。
今季はB2へ降格して相手が緩和。初戦は5着に終わったが、前走は久々にシャープな伸びを披露。一昨年10月以来の美酒を味わった。
相手は骨っぽくなったが、これからが成長期を迎える4歳馬。弾みついたのをきっかけに、2連勝をもくろむ。
スクリーバは昨年3勝2着2回。B1級でも上位を確保した安定勢力。今季初戦はなんとマイナス24キロ。大幅に体重が減って厳しい競馬になるかと思ったが、見せ場を作って3着。改めて地力の高さを披露した。
前走はプラス8キロと好転。結果は同じ3着だったが、1着アルアンダルスとは0秒2差。上昇気配をうかがわせた。
過去、水沢1600mは4勝2着1回3着5回と最も得意とする条件。仕掛けどころ次第では単の可能性も十分ある。
レッドダニエルは昨年A級からB2へ降格したが、初戦10着に大敗。年齢的な衰えかと思わせたが、前走6着にまとめて良化ムード。A級で上位を確保していたことを考えればアッサリまで。
ヒデノホープはいい脚を長く使える反面、勝負どころでもたつくケースも多いのがネック。今季初戦2着から前走6着でも裏付けている。理想はハイペースだが、好位に取り付けるなら反撃一考。
ヤマショウプリンスは前走、出遅れを喫して自分の競馬ができず7着。発馬がカギだが、互角なら軽視できない。
◎③ウインハートビート
〇⑥ラフレシアオジョー
▲①スクリーバ
△⑦レッドダニエル
△⑧ヒデノホープ
△⑨ヤマショウプリンス
<お奨めの1頭>
3R クールジョーカー
B1から降格初戦は大きく体重を減らしながらも2着を死守。続く2戦目を圧勝し、格上をアピールした。メンバー強化感もなく、2連勝はもらった