今年度の岩手競馬は開幕初日5日が3歳「第45回スプリングカップ」、6日(月)は3歳牝馬「第45回あやめ賞」(水沢1400m)と重賞2連発。シーズン3歳戦線を占う重要なレースが行われる。
やはり競馬の華はクラシック。特に牝馬は10月25日、「第1回OROオータムティアラ」(盛岡ダート2000m)を創設。
昨年度まで留守杯日高賞、ひまわり賞(オークス)の二冠で終わっていたが、岩手競馬史上初めて牝馬三冠体系が確立された。
OROオータムティアラは全国交流・ダービーグランプリ(10月4日)から2週間後。また中央3歳未勝利馬が8月をピークに続々と転入。それを考えれば留守杯日高賞、ひまわり賞とは違った顔ぶれになる可能性大。
また牡馬三冠は地元同士の戦いに対し、牝馬クラシック一冠目・留守杯日高賞は地方競馬全国交流。牝馬三冠のハードルは相当高いと見ていいだろう。
あやめ賞は留守杯日高賞トライアルで1着馬から3着馬に優先出走権が与えられる。果たして牝馬クラシック三冠を達成するヒロインが誕生するか。今回のレースは見逃せない一戦となった。
ボルドーリブロンは門別2歳新馬フレッシュチャレンジで2着確保したが、以降は勝ち切れないレースの連続。初勝利まで8戦もかかった。
その勝利直後に南関東へ移籍。初戦を快勝し、2戦置いて2勝目をマーク。4戦2勝の好成績を残して岩手入りした。
陣営は奥州弥生賞から始動予定だったが、挫石のために見送り。幸い大事に至らず、乗り込みを再開。ぶっつけであやめ賞へ臨むが、乗り込み十分。トライアルを勝って本番へ臨みたいところだ。
逆転筆頭はグラマラスマリー。中京芝1600mの2歳新馬戦は0秒4差4着。勝ったマイネルグリットは3連勝で小倉2歳ステークス(GIII)を優勝。4着は仕方なしだった。
残念ながら中央では6戦未勝利に終わり、岩手転入。初戦の3歳B2戦で逃げ切ったが、注目してほしいのは勝ちタイム。再開3日目の22日は馬場が結構深く、パワー競馬の連続。その中で1分30秒0は驚異的な時計だった。
3月20日、奥州弥生賞を圧勝したフレッチャビアンカの勝ち時計が1分30秒2。これ自体も優秀だったが、グラマラスマリーはそれを上回るタイムをマークした。
気になって調べてみてさらに驚いた。春競馬の6日間で1分30秒を切ったレースは一度もなし。1分30秒0の決着は21日の「スプリント特別」1着タイセイプライド。馬場差があるにせよ、オープンに匹敵する勝ち時計だった。
今回も同じく水沢1400mが舞台。前走は関本玲花騎手が騎乗して4キロのアドバンテージがあったが、定量の54キロでも時計的にはアッサリあって不思議なし。一躍、注目の的となった。
オーゴンノカゼはデビュー6戦目の門別1000mで初勝利を飾ったが、アタマ差2着がチャルメーラで1馬身差3着がボルドーリブロン。今回も有力視される2頭を破っている。
岩手移籍2戦は3着止まりだったが、終盤に2連勝。早々と休養に入ったのは今季をにらんでのこと。3ヵ月半ぶりの実戦でも勝ち負けは必至。
チャルメーラは奥州弥生賞へエントリー。結果3着だったが、積極的なレース運びを披露して2番手キープから4角先頭。内容が上々だった。ひと叩きされた強みを生かし、上位をもくろむ。
シーサンプーターは芝重賞・若鮎賞を優勝。デビュー戦で水沢850m2着だったが、終盤はダートに手こずった。そのため奥州弥生賞は最低人気だったが、見事覆して2着確保。今度も末脚勝負に賭けると思うが、ハイペースなら再現十分。
アンズビジンは北海道1勝、南関東2着1回から転入。うまく流れに乗れれば馬券対象の可能性がある。
◎⑪ボルドーリブロン
〇⑦グラマラスマリー
▲①オーゴンノカゼ
△③チャルメーラ
△⑥シーサンプーター
△⑩アンズビジン
<お奨めの1頭>
4R ピスタロッソ
転入初戦は出遅れに加え、コーナーで気難しい面を見せたが、それでも直線で豪快に突き抜けた。絶対能力の差で2連勝を飾る
2020年度の岩手競馬は4月5日(日)が開幕日。年明け1月11日までがレギュラー開催。そして冬休み明け3月の特別開催を含め、全130日間のロングラン興行を予定している。
特に注意を払ってほしいのは開催曜日。昨年度、好評だった火曜開催をさらに拡充。7月28日の盛岡競馬までぶっ続けで日・月・火の3日間開催。先週は土・日・月の開催だったが、お間違いのないようお願いします。
先月3月の春競馬と同様、今週5日~7日も馬券購入できるのはインターネット発売のみ。"無観客競馬"となりますので、ご了承ください。
開幕初日を飾るメインは恒例の3歳「第45回スプリングカップ」(水沢1600m)。昨年、一昨年は準重賞で行われていたが、今年は重賞へ再格上げ。M2へ昇格し、1着賞金も倍増の300万円。
例年、スプリングカップは岩手クラシックを占う重要な一戦。昨年優勝したパンプキンズはスプリングC快勝で弾みをつけ、東北優駿(岩手ダービー)、ダイヤモンドカップの二冠を獲得した。
今年はダイヤモンドカップ(5月3日)が一冠目に替わり、1着馬から3着馬に優先出走権が与えられ、条件も同じく水沢1600mが舞台。スプリングCがさらに一冠目へ直結する一戦となった。
フレッチャビアンカは北海道デビュー。当初は忙しい競馬の短距離が合わず入着止まりだったが、1600m延長から頭角。門別1600mで初勝利を飾り、1700m3着2回から南関東へ移籍。2戦2、3着から岩手入りした。
初戦は前哨戦「第2回奥州弥生賞」(水沢1400m)。2歳最優秀馬グランコージーが南関東へ移籍。また金杯を制したシンボも北海道へ戻って強敵不在。
さらに2月まで実戦を使われていた強みもあり、1番人気に応えて1秒9差で圧勝。道中インで我慢させ、直線外に持ち出すと鋭く反応。一瞬のうちに後続を突き放し、大差でゴール。最高の形で好発進を決めた。
「折り合いがつくので距離延長も大丈夫でしょう」と村上忍騎手。1600mは望む条件で重賞制覇に王手をかけた。
ナーリーは中央3戦から里帰り。終盤の重賞・寒菊賞でグランコージーの0秒5差3着。年明けの金杯ではシンボの0秒1差2着で能力は証明済み。
フレッチャビアンカのパフォーマンスが強烈だっただけに対抗扱いとしたが、実績はナーリーが上位。加えて中央で強豪相手に揉まれてきた経験も大きく、逆転首位まで。
ヒガシブレーヴは北海道1勝、南関東3戦3着2回とフレッチャビアンカとほぼ同じ足跡をたどって転入。奥州弥生賞は逃げの手に出たが、4コーナー手前で一杯となって4着。ハイペースもたたった印象だった。
南関東移籍戦は7着に敗れたが、2戦目から差しに徹して連続3着。メンバー最速の上がりを披露して好走したことを考えれば、今回も差しに転じて活路を見出すか。位置取りがカギを握る。
エネルギヤは船橋デビュー戦3着から2戦目を0秒8差で圧勝し3戦1勝。右回り経験はなしだが、馬格にも恵まれて伸びしろ十分。先に行ける脚があるのが心強く、ノーマークできない。
リュウノブルックは中央未勝利、園田1勝から転入。初戦2着だったが、フレッチャビアンカは別格にタイム的には遜色なし。
レールガンは豪快なまくりを決めて初戦を完勝。ペース速くなれば一気台頭のシーンまで。
◎③フレッチャビアンカ
〇⑨ナーリー
▲①ヒガシブレーヴ
△⑧エネルギヤ
△⑦リュウノブルック
△⑪レールガン
<お奨めの1頭>
2R クールジョーカー
今季初戦は5ヵ月半ぶりの実戦に加え、大幅な体重減だったが2着を確保。叩かれて今度は首位奪取に燃える