26日メインは今シーズン最初の交流レース「第20回留守杯日高賞」(水沢1600m)。騎手は今の緊急事態を鑑みて地元ジョッキーを起用したが、予定どおり"GRANDAME-JAPAN2020"が行われる運びとなった。
中心はボンボンショコラで迷いはない。2歳新馬戦(東京ダート1400m)を逃げ切り、オキザリス賞5着。浦和移籍後は南関東牝馬クラシック路線を歩み、ユングフラウ賞4着、浦和桜花賞4着。
2戦とも2番人気に支持されたが、ユングフラウ賞はレイチェルウーズに0秒7差。浦和桜花賞はアクアリーブルに0秒8差。自慢のスピードで逃げたが、直線一杯になった。
しかし今回は相手が楽。外枠を引き当てたが、このメンバーならスピードの違いが明白。右回りも未経験だが、絶対能力でカバーできる。
鞍上にはアクアリーブルとのコンビで浦和桜花賞を制した山本聡哉騎手を指名。3戦連続で入着止まりのうっ憤を一気に晴らし、重賞制覇は目前に迫った。
それに待ったをかけるのはミステリーベルンが筆頭格。2歳牝馬重賞・フローラルカップ、金沢シンデレラカップを優勝。
名古屋で行われた若草賞が川崎・鈴木義久きゅう舎へ移籍初戦。2ヵ月半ぶりの実戦に加え、輸送もこたえたのかマイナス9キロで臨んだが、2着を死守。相手が園田で圧倒的な強さを誇るステラモナークならば健闘と見ていいだろう。ひと叩きされ、距離もマイル延長なら逆転首位まで考えられる。
ここで横道に逸れるのをご了承いただきたい。ミステリーベルンは2012年のジャパンカップ・ダートを制したニホンピロアワーズの初年度産駒。父に重賞2勝をプレゼントしたが、2歳時に管理したのが小国博行調教師だった。
前走からバトンを受けたのが川崎・鈴木義久調教師。そして鞍上に指名したのが関本淳騎手。
上山競馬時代を知っている方ならピンとくるだろう。そう、3名とも上山競馬で騎手仲間だった。
2003年11月、上山競馬が廃止。それに伴い、関本淳騎手は岩手競馬、小国博行元騎手はホッカイドウ競馬、鈴木義久元騎手は川崎競馬へ移籍した。
セタノキングでさくらんぼ記念などを制した鈴木義久元騎手は2011年に調教師開業。上山競馬でリーディングを張った小国博行元騎手は2015年に調教師開業。
そして今回、上山競馬の"絆"で、かつての戦友・関本淳騎手に騎乗を依頼した。おそらく全国に分散した上山時代の仲間たちも注目しているに違いない。
仮にミステリーベルン=関本淳騎手=鈴木義久調教師が優勝したら劇的なドラマ。昔、足しげく上山競馬に通った一人としても密かな期待を抱いている。
レッドカードは門別1200m2勝。牝馬重賞・ブロッサムカップでネーロルチェンテの2着を確保し、川崎へ2度遠征。5、4着の成績から3ヵ月半休養。復帰戦に留守杯日高賞を選んだ。
シーズン初出走はハンデだが、ホッカイドウ所属馬はいきなりでも走るケースが多々。管理するのは林和弘調教師ならきっちり仕上げてくるに違いない。
対する地元岩手の注目一番手はグラマラスマリー。中央6戦0勝4着1回から転入。3歳B2は格付けにも恵まれて1番人気。関本玲花騎手を背に逃げ切り勝ちを収めたが、電光掲示板のタイムにびっくり。
岩手競馬再開3日目の第1Rだったが、当時は時計がかかる馬場。ほかのレースでは1分31秒台をマークするのがやっとだったが、水沢1400m1分30秒0は破格すぎるタイムだった。
結果、トライアル・あやめ賞で2番人気に支持され、鞍上は昨年度リーディングジョッキーの座を奪い返した村上忍騎手。
ところがグラマラスマリーはスタートでヨレた上、両脇からはさまれて後方からの競馬。追走するので一杯かと思ったが、盛り返して3着。勝ったアンズビジンから1秒差をつけられたが、収穫の大きい一戦となった。
この内容から控える競馬も問題ないことが証明され、今度は内2番枠。好スタートから好位キープできれば反撃必至。
チャルメーラは春競馬から始動。準重賞・奥州弥生賞3着。ひと叩きされて臨んだあやめ賞ではグラマラスマリーに先着2着を確保。目立たないが、着実に成長を遂げているのか明らか。
ボルドーリブロンはあやめ賞1番人気4着に終わったが、久々を叩かれて上昇。北海道1勝、南関東2勝の実績から巻き返しに転じて不思議はない。
◎⑩ボンボンショコラ
〇⑧ミステリーベルン
▲⑥レッドカード
△②グラマラスマリー
△④チャルメーラ
△⑨ボルドーリブロン
<お奨めの1頭>
2R ファヴール
前走3着で復調のメド。時計軽かったにせよタイムも上々だった。今回は絶好の勝機を迎えた