いよいよ盛岡競馬がスタートする。今年は開設して20周年。1996年、地方競馬では初の芝コースを併設。アメリカの主要競馬場を範に取り、メインのダートは1周1600m左回りのコースは各方面から熱い支持を受けた。
その後、存廃問題、馬インフルエンザ、東日本大震災など何度か危機的状況に追い込まれた時期もあったが、数々の苦難を乗り越えて20周年を迎えた。
旧盛岡競馬場(緑ヶ丘)からかかわってきた一人として去来するものは抱えきれないほど。20周年の重みを改めて実感する次第だ。これからも岩手競馬をよろしくお願いします。
開幕初日を祝し、5月1日は10R、3歳重賞「第29回やまびこ賞」、前後して9R、11Rに行われる「南関東ジョッキーズフレンドリーマッチ」のダブルメイン。南関東所属ジョッキー8名、岩手6名が日ごろ鍛えた腕を披露する。
10R、やまびこ賞は前哨戦・スプリングカップを圧勝したエンパイアペガサス、盛岡に替わって反撃を狙う昨2歳最優秀馬メジャーリーガーの対決が見もの。
エンパイアペガサスは10月デビュー。2戦2着後、圧巻の3連勝をマークしてシーズンを終え、今季初戦のスプリングカップが重賞初挑戦。3番人気に甘んじたが、直線でアッサリ突き抜けて6馬身差で圧勝。4連勝目を飾り、初タイトルを手にした。
盛岡2戦2着と未勝利が若干気になるが、500キロを超すエンパイアメーカー産駒が本格化した今なら難なくクリアー。重賞2連勝を飾り、岩手クラシックの主役を確定させる。
メジャーリーガーはスプリングカップ5着。南部駒賞以来、4ヵ月半ぶりの実戦だけではなく入れ込みが激しく、折り合いを欠いたのが最大敗因。
元々、地元水沢では入れ込むのに対し、輸送がある盛岡に替わると落ち着きを取り戻すタイプ。実戦を使われた変わり身も十分なら逆転首位まで十分。
カントリーサインはひと冬を越して一回り大きくなった。それも後押しして初戦1着、スプリングカップ2着。終いの脚がしっかり伸びるようになった。父がティンバーカントリー、母父トニービンなら距離延長は望むところ。2頭をまとめて負かすか注目。
リュウノファンタジは南関東1勝から転入。スプリングカップは4着だったが、今度は走り慣れた左回り。コース替わりを味方にする。
サンエイホープはメジャーリーガー不在の金杯を優勝。スプリングカップは休み明けだったにもかかわらずマイナス4キロ。馬体も細く映った。体重が戻れば軽視できない。
ドリームピサは特別開催2着から2連勝マークと地力アップ。いま話題のヴィクトワールピサの血が騒いだ。メンバーは一気に強化されたが、勢いに乗っているのは確かだ。
◎(3)エンパイアペガサス
〇(4)メジャーリーガー
▲(7)カントリーサイン
△(8)リュウノファンタジ
△(1)サンエイホープ
△(6)ドリームピサ
<お奨めの1頭>
5R サンファーゴ
逃げたい馬が願ってもない1枠に入り、距離も1200mへ短縮された。剛腕で鳴らした父・西康志元騎手と同じ勝負服を身にまとった西啓太騎手が、思い出の地で勝利を飾る
★重賞・留守杯日高賞は地元サプライズハッピーが優勝
24日の水沢競馬場で行われた3歳牝馬の重賞『留守杯日高賞』。遠征馬一頭を交えた9頭立ての戦いは2番人気の地元サプライズハッピーが優勝しました。
逃げたスクリーンハッピーを巡っての戦いはサプライズハッピーのみならず1番人気ディックカントウ、6番人気チャイヨーまでが加わっての大激戦。ゴールでは4頭が横一線で競り合う中、サプライズハッピーがアタマ差で勝利を手にしました。
1番人気ディックカントウは僅差ながら4着。3番人気に推された遠征馬ベッロポモドーロは6着。この留守杯日高賞は2010年にGRANDAME-JAPANのシリーズに組み込まれて以降6年連続で遠征馬が制していましたが、7年目にして初めて地元馬が優勝を果たしました。
4月25日の月曜日は春の水沢競馬最終日。来週、5月1日からは盛岡競馬場での開催がスタートし、次に水沢競馬が行われるのは2ヶ月後の6月25日になります。
今シーズンは岩手県で国体が開催され、その中の馬術競技を水沢競馬場を会場として行うために開催日割が例年とちょっと異なっており、11月までほとんど盛岡開催が続きます。あるいみ貴重な水沢開催を最後までしっかりとお楽しみください。
月曜メインはA級一組の特別戦『桜花特別』。転入馬有り休み明け初戦有りで少頭数ながらやや難解な印象。
本命は、ここは(2)ツクバローレルでどうでしょうか。転入初戦で休み明け、それもJRAでの最終戦は競走除外というローテーションは確かに手を出しづらいものですが、JRA時代はダートの中距離で先行して好走していた馬。距離・枠順そして馬場傾向も味方してくれそうな今回は不利な材料には目を瞑って狙ってみたいです。
対抗は(5)マイネルコランダム。展開に左右されがちな所がありますが、二走前の3月のレースなどを見るにパワーに任せて早めに捲りを打つこの馬には今のコース傾向は合いそうな感触。極端に出遅れることなく流れに乗れば上位争い可能と見ます。
▲はやはり(4)ショウナンダイチ。この馬も今の水沢の馬場ならスピード勝負よりゆったり行ける距離の方が脚質に合うのでは、という印象。前走を見る限りこの辺のメンバーでは力が上。変身有り、と判断。
以下で挙がるのは(3)シャーク。ただ、前走の印象では今の馬場が合ってない可能性も。春二戦目でどれだけ変わっているか?に注意しつつの狙いで。(6)シルクアーネストはポン駆け効くし時計かかるダートも合いますから、こちらも気配次第では厚く狙ってみる手もあると思います。
●10Rの買い目
馬単(2)=(5)、(2)=(4)、(2)→(3)、(2)→(6)
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岩手競馬の看板を背負ってきた櫻田浩三調教師が21日、永遠の眠りについた。75歳だった。
櫻田浩三調教師は岩手県調騎会会長の重責を長きにわたって務めただけではなく、数々の強豪を育ててきた。タービュレンス、オウシュウクラウン、アプローズフラワー、パラダイスフラワー、アテスト...。
昨年も先輩女子を退け、2歳馬で最優秀牝馬に選ばれたサプライズハッピー(留守杯日高賞に出走)も忘れてはならない。謹んでお悔やみを申し上げます。
24日メインは「第41回留守杯日高賞」(M2 水沢1600m)、『GRANDAME-JAPAN2016』3歳シーズン第6弾。大井・オウカランブが回避し、遠征馬は笠松・ベッロポモドーロ1頭。トライアル・あやめ賞を圧勝したディックカントウが重賞2連勝へ王手をかけた。
昨年、北海道1勝から岩手入り。初戦の寒菊賞でイチダイの2着を確保して上々の滑り出しを切った。2戦目の金杯はハイペースに巻き込まれて6着に沈んだが、その後、宮城の山元トレセンへ移動。坂路で鍛え直した効果は絶大だった。
あやめ賞でプラス21キロと大幅増だったが、太目感はまったくなし。レースでも砂をかぶる厳しい競馬だったが、ひるむところなく直線で一気に加速。2着に4馬身差をつけて圧勝した。
山本政聡騎手「オフシーズンを過ごしていた山本トレセンで一度乗ってみたら一回り大きくなっていた。体重が大きく増えていましたが、動きが軽く成長を感じました。母も奥手だったそうですが、ディックカントウもその血を受け継いだんでしょうね」とあやめ賞優勝コメントで絶賛した。
過去に出世した競走馬たちの共通点は成長確かなこと。典型はメイセイオペラでデビュー時は460キロ前後だった馬体重が500キロまで増加。筋肉も見違えるほど隆々となった。
ディックカントウがどこまで出世するか注目してほしい。
相手筆頭はベッロポモドーロ。北海道4戦0勝2着1回3着1回から笠松へ移籍。2勝マークしたほか、ライデンリーダー記念2着、園田クイーンセレクションでもタイム差なし2着。
遠征競馬でも結果を出し、強豪相手と戦ってきたのが最大の強み。キャリアを生かして初タイトルを手にするか。
サプライズハッピーはあやめ賞2着。4馬身差は決定的だったが、マイナス10キロが大きく影響した。見た目にも細く映り、毛ヅヤもひと息。地力で2着を死守した。まだ仕上がり途上だが、ひと叩きされた変わり身は見込めるはず。全能力を発揮できれば巻き返して不思議はない。
アクエルドはディックカントウの陰に隠れたが、こちらも成長確か。あやめ賞は距離不足に泣いて4着だったが、直線の伸びはなかなか。舞台がマイルなら本領発揮できる。
ニャチャンは名古屋から再転入戦にスプリングカップを選択。牡馬相手に果敢に逃げて3着は評価に値し、牝馬同士ならさらに上を望めるかも。
チャイヨーも軽視できない。太目残りのあやめ賞でも3着。1枠が微妙だが、体が締まって来れば楽しみ。
◎(3)ディックカントウ
〇(6)ベッロポモドーロ
▲(9)サプライズハッピー
△(5)アクエルド
△(7)ニャチャン
△(1)チャイヨー
<お奨めの1頭>
11R ドリームバスケット
転入2戦目の前走を4馬身差で圧勝。中央オープンの底力を見せつけた。相手強化感もさほどなく、2連勝もらった
先週報告した新人ジョッキー・鈴木祐騎手、木村直輝騎手が16日、そろってデビューしたが、鈴木祐騎手が初騎乗初勝利の快挙をやってくれた。
第1R、ミエノコマンダーに騎乗した鈴木祐騎手は、道中5番手インを追走。後方でじっくり待機し、直線は馬群を割って抜け出して快勝。7番人気の低評価を見事覆した。
鈴木祐騎手「とても緊張しましたが、冷静さを保つように心がけました。先生(工藤雄幸調教師)から道中で我慢すれば終いで脚を使うからと指示をいただき、そのとおり伸びがすばらしかった。
直線は外に出すのは全然考えていなかった。内で前が開くのを待っていました。
初騎乗で勝てるなんて自分でも信じられない。調教師、両親を始め、応援してくださったみなさんに感謝の気持ちで一杯です。
この勝利で慢心しないで謙虚に頑張っていきたいと思います」
初騎乗初勝利は2002年10月、千田和江騎手以来、14年ぶり。また岩手競馬史上4人目の快挙となった。
また第6Rで1番人気クラジェントリラブに騎乗した高橋悠里騎手が余裕の逃げ切りを決めて完勝。韓国から帰国後、初勝利を飾った。
前の週11日、A級一組戦でモズに騎乗。剛腕で2着に残して周囲から賞賛をあびた。モズは昨年6月、みちのく大賞典で2着を確保したが、高橋悠里騎手が渡韓。
以降、モズはずっと精彩を欠いていたが、高橋悠里騎手とのコンビ復活。久々に"らしさ"を見せて復活の兆しを見せてくれた。今年の岩手競馬は競走馬はもちろんのこと、騎手にも注目してほしい。
23日メインはC1・水沢1600m戦「田沢湖賞」、12頭立て。主軸にデルマカマイタチを指名する。
東京ダート2100mで未勝利を脱出。また新潟ダ1800mで2着1回、ほかにダート1400m戦で3着2回、ダ1700mで3着1回。
中央500万下の在籍し、B2へ編入。初戦3着に終わったが、一戦のみでC1へ降格して快勝。3コーナーからロングスパートを決めた。
この内容からC1では地力上位を証明。メンバー的にスローの流れは考えられず、2連勝の可能性十分と見る。
逆転筆頭はマンボプリンス。昨年は1勝のみにとどまったが、3歳重賞・不来方賞3着の実力馬。今季はB1からC1へ降格して連続2着にまとめた。
特に前走は1400m戦。距離不足が不安材料だったが、直線で台頭。2着にまとめ、能力の高さを改めて証明した。マイル延長なら久々の首位まで。
シャイニーパンサーは昇格を問題にせず2戦とも2着確保。自在脚質を武器に好勝負を演じている。4歳の若さを前面に、ここも突破の構え。
イマジンジョンは相手なりに駆ける堅実さがセールスポイント。半面、詰めの甘さがつきまとい今季も連続3着だったが、意欲的に乗り込まれて反撃をもくろむ。
エントラールは昨年中盤から精彩を欠いたが、特別開催を勝ってスランプ脱出した。前走はその反動だったか4着に終わったが、活気を取り戻せば巻き返しに転じれる。
ナムラキャニオンは前回快勝で弾みついたのは確実。水沢4勝の実績は侮れない。
◎(10)デルマカマイタチ
〇(11)マンボプリンス
▲(7)シャイニーパンサー
△(1)イマジンジョン
△(8)エントラール
△(12)ナムラキャニオン
<お奨めの1頭>
2R ナゲットハント
前走2着でようやく軌道に乗った印象。タイム比較でリードは明らかなら、順当に白星を飾るチャンス
★新人・鈴木祐騎手が初騎乗初勝利!
今週から岩手競馬でも新人騎手の騎乗がスタート。この春デビューするのは木村直輝騎手・鈴木祐騎手の二名ですが、鈴木騎手が見事なレースを見せてくれました。
4月16日の1R、このレースがデビュー戦となった鈴木祐騎手は7番人気のミエノコマンダーに騎乗。中団追走から直線は内を突いて抜け出すと、後続にリードをつけたままゴール。なんと初騎乗で初勝利という快挙を達成しました。
4月18日・月曜日のメインレースはB2級の特別戦『エイプリルカップ』。マイル戦にフルゲートの12頭、それも好調馬揃い。いかにも激戦必至という顔ぶれになりました。
本命は(7)ドナエテルニテを狙ってみます。昨季はマイルでは少し長いかという戦いをしていましたがこの春の二戦は距離も問題なくこなす走りを見せました。速い流れに対応しつつ好位差しの形も板に付いてきています。今ならむしろマイルがベスト、この条件でなら力量も上位。狙ってみる価値は十分にあります。
対抗は(4)キャンディッド。この馬もこの春はとにかく好調。二連勝の内容は確かに僅差ではありますが、今の水沢の馬場で僅差とはいえ後方からの差しを決めるのは簡単な事ではないもの。もちろん、もともとの脚質が後方一手という事でもなく流れ次第で好位からの競馬もできる馬。
三番手は(12)イルポスティーノを。前走はC1級でしたが昨季はB1級上位で普通に勝ち負け。その内容は今回のメンバーの中でも上位のものです。マイル戦の大外枠はさすがに不利という事で▲に留めたものの、上位争いの期待はかけていいはず。
ヒモはまず(11)キトラ。春の二戦は確かに勝ち切れていませんがソツのない走りは軽視できません。(2)サンマルウィークは前走が好内容。更なるコース慣れが見込める3戦目、この馬も軽視禁物でしょう。
●10Rの買い目
馬単(7)=(4)、(7)=(12)、(7)→(11)、(7)→(2)
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