先週から岩手は真夏日の連続。いきなりの猛暑で人も馬もバテている。その影響もあり、8月1日メイン「第38回すずらん賞」(盛岡ダート1600m)も7頭立ての少頭数となった。
このすずらん賞から南部杯の道がスタート。1着馬から3着馬に青藍賞の優先出走権が与えられ、青藍賞の優勝馬は南部杯の出走権を獲得。
本命と目されていたライズラインの回避は残念だった。シアンモア記念の強さは特筆もの。その後、早池峰賞2着、岩鷲賞4着と伸びを欠いたが、これは短距離適性の差も大きかった。
短距離戦はスペシャリストがそろい、ライズラインはなかなか自分の競馬をさせてもらえなかった。岩鷲賞も1枠が災い。内で包まれてナムラタイタン、ラブバレット、アフリカンハンターの後塵を拝した。
しかし盛岡マイルの強さは特筆もの。2歳時の若駒賞しかり。今年のシアンモア記念しかり。2000mもこなすが、間違いなくライズラインは典型的なマイラー。
もう一つすずらん賞回避馬が続出したのは8月12日にJpnIII・クラスターカップを控えているから。今から断言するが、ラブバレット、デュアルスウォード、エーシンシャラク、アフリカンハンターなど過去最強の布陣で岩手勢は臨む予定だ。
他地区地方からも昨年のJBCスプリント・盛岡でタイム差なし2着サトノタイガー、北海道へ移籍初戦の北海道スプリントカップ2着ポアゾンブラックなど勝てる実力馬が参戦する。今年のクラスターカップは目が離せない一戦となりそうだ。
本題に戻る。すずらん賞の主軸にランドオウジを推す。昨年はコミュニティ以下の追撃を封じて見事優勝。ほかに早池峰賞、栗駒賞と重賞3勝して盛岡の鬼ぶりを存分に発揮した。
今季も1勝ながら毎回見せ場を作って上位争い。守備範囲を超えた1800m・あすなろ賞、そして前走も3着に粘った。
ランドオウジは盛岡1000mから1600m戦で最大能力を発揮するタイプ。少頭数も後押しして、すずらん賞2連覇に燃える。
逆転筆頭はヴェリイブライト。大井1勝から3歳時に岩手へ転入。不来方賞2着、桐花賞4着の成績を残して南関東へ再トレード。2勝マークしてB1でも勝ち負けの実力を誇っている。
対抗としたのは抜群の安定感を誇る反面、最後の詰めに課題があるから。岩手時代もそうだったが、あと一押しがほしいところ。相手甘くなって勝ち味の遅さを解消するか。
アフリカンハンターは中央ダート4勝・準オープンに在籍。爪に難点があり、転入当初は乗り込めず太目だったが、実戦を叩かれながらダイエット。
それに伴い、早池峰賞、岩鷲賞と重賞で連続3着を確保した。本質的にはスプリンターでマイル延長がカギだが、直線で確実に台頭。2頭に割って入ることも十分可能だろう。
エアラギオールは前走2着で通用のメドが立ったし、キーンソードも一戦ごとに良化傾向。3着候補には押さえたい。
◎(6)ランドオウジ
〇(3)ヴェリイブライト
▲(2)アフリカンハンター
△(1)エアラギオール
△(4)キーンソード
<お奨めの1頭>
2R チャイヨー
デビュー戦の芝1000mは2着だったが、ダートに替わって全能力を発揮。水沢1300m戦を完ぺきの内容で勝ち上がった。ダート戦なら主役は譲れない
★マーキュリーカップ/大井・ユーロビートが優勝
先週の7月20日に行われたダートグレードレース『第19回マーキュリーカップJpnIII』は大井のユーロビートが優勝しました。
スローペースの流れを自ら崩しに行ったユーロビートはその勢いのままにレースの主導権を握り、直線は6馬身差をつけて圧勝。ユーロビート、同馬を管理する渡邉和雄調教師、鞍上の吉原寛人騎手いずれもグレードレース初制覇となりました。
1番人気メイショウコロンボは直線で勢いを失い5着に、2番人気テイエムダイパワーは勝負所から手応えを失って9着に終わっています。
またマーキュリーカップを地方所属馬が制したのは1998年のメイセイオペラ以来です。
★ジャパンジョッキーズカップ2015/総合優勝はTeamJRA・優秀騎手は戸崎圭太騎手
マーキュリーカップと同じく7月20日に行われた騎手・チーム対抗戦『ジャパンジョッキーズカップ2015』。JRA代表4名、地方・東日本エリア4名、地方・西日本エリア4名の3チームが全3戦で争った結果、チーム戦ではTeamJRAが、個人では戸崎圭太騎手が優勝しました。優勝チーム・騎手には賞金の他に岩手の特産品が多数贈られました。
●10Rの買い目
馬単(10)=(9)、(10)=(6)、(10)→(4)、(10)→(3)
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23日(木)、園田競馬場で「スーパージョッキーズトライアル(SJT)」第2ステージ(2戦)が行われた。
岩手から村上忍騎手、山本聡哉騎手の2名が第1ステージ大井で活躍。第1位で山本聡哉騎手(26ポイント)、同ポイント3位で村上忍騎手が第2ステージ・園田へ向かった。
第3戦・シルバーブーツ賞で1番人気に騎乗した村上忍騎手が果敢に逃げて2着。大外強襲・藤田弘治=ウィステリアメジロに屈したが、この時点で村上忍騎手は41ポイントを獲得して首位。山本聡哉騎手36ポイントで2位と夢のワールドオールスタージョッキーズ出場の可能性が広がった。
ところが思わぬどんでん返しが最終戦で待っていた。第1ステージで最下位4ポイントでぎりぎり通過の藤田弘治騎手が最終戦も勝利で飾り、見事2連勝。
これで一気に44ポイントを稼ぎ、わずか1ポイント差で村上忍騎手が2位(43ポイント)。同じく1ポイント差で山本聡哉騎手(42ポイント)が3位タイとなった。
今年のワールドオールスタージョッキーズの舞台は8月末、札幌競馬場。惜しくも切符を逃がした村上忍、山本聡哉両騎手に惜しみない健闘の拍手を送るとともに、捲土重来を期したい。
26日メイン10RはB1・盛岡芝1600m「レインボーカップ」、12頭立て。芝に自信ありの好メンバーがそろった。
主軸はキャンディキー。中央未勝利ながら芝1800m~2000mで2着2回3着2回。その後、園田で1勝マークして岩手入り。3戦とも芝のみを使ってJRA条件交流6、3着。
3戦目は地元同士の戦いで相手が緩和。逃げたランデックディオサを徹底マークから競り落として快勝した。
盛岡芝1700m・1分45秒7の走破タイムも非常に優秀。レースを自分で作っての勝利だから、なおさら価値がある。盛岡芝スペシャリトが誕生する。
ソールデスタンは昨年、中央芝2勝・1000万下から転入。2戦目のA級・芝1700mを快勝し、かきつばた賞4着、秋嶺賞2着。オープンで勝ち負けを演じた。
今季も芝で3着を確保し、前走はキャンディキーの0秒1差2着。メンバー最速の上がりを披露した。調子も上向き、逆転をもくろむ。
ツキミチャンはジャパンジョッキーズカップ第3戦・芝1700mを真島大輔騎手とのコンビで快勝した。
今度はB1馬が相手だが、盛岡芝との相性抜群。成長続ける4歳の若さもここでは最大の武器となる。
ユナイテッドボスは実戦を使われながら良化一途。前回2着で復調の手応えをがっちりとつかんだ。
芝も昨年、3歳全国交流・オパールカップでライズラインの0秒3差3着。芝替わりは望むところだろう。
ランデックディオサは叩かれながら調子を上げて芝ダートで2連勝。前走はキャンディキーのマークがきつく7着に沈んだが、スンナリなら反撃に転じて不思議はない。
最も不気味なのが格上馬ケイアイアストン。中央芝短距離路線を歩んできた重賞の常連。昨年暮に転入してダート1勝2着2回。健在をアピールしたが、今季は凡走の連続。
しかし芝1000mに舞台が替わって反応が一変。レコードに0秒6まで迫る好タイムで2着を確保した。小回り盛岡なら1600mも守備範囲だろう。
◎(8)キャンディキー
〇(6)ソールデスタン
▲(5)ツキミチャン
△(10)ユナイテッドボス
△(2)ランデックディオサ
△(9)ケイアイアストン
<お奨めの1頭>
6R オーバーチュア
転入2戦とも大差で圧勝。地力の違いを見せつけている。ここでも持ちタイム断然。連勝をどこまで伸ばすか
20日、盛岡ダート2000mを舞台に行われたJpnIII「第19回マーキュリーカップ」は大井代表・ユーロビートが6馬身差で圧勝した。
最大勝因は吉原寛人騎手の好判断。ハロンラップがそれを証明している。スタートから12秒2-11秒6-12秒5。前半3ハロンこそ36秒3と速かったが、メイショウコロンボ=武幸四郎騎手が1コーナーで13秒9-14秒1と一気に減速した。
当然のように後続は掛かり気味となったが、後方4番手にいたユーロビート=吉原寛人騎手がひとまくり。2コーナーで逃げたメイショウコロンボを交わして先頭に立ったが、内から手をしごいてメイショウコロンボが再びハナを主張した。
吉原騎手「「大外枠だったので内に潜るのはできないだろうと思っていたが、スタートしてからも反応がひと息でした。1~2コーナーで一気にペースが遅くなって、これでは競馬にならない。それで一気にまくって目標のメイショウコロンボまで行けたのが良かった。あとは最後の坂に向けてひと息入れました」
この位置を取ってユーロビートを楽にさせたのが絶妙のプレーだった。あとは直線入り口でメイショウコロンボを抜き去り、あとは独走状態に入った。
再び吉原騎手「グレードでここまでうまくいくなんて最高の気分。今年の目標はグレード制覇でしたが、まさかこんなに早く勝てるとは思っていませんでした」
人気がなかった(6番人気)ことで思い切ったレースもできたとは思うが、地方所属馬がマーキュリーCを制したのは第2回メイセイオペラ以来の快挙。人馬ともにあっぱれだった。
渡邉和雄調教師「このコースなら内枠がほしかったが、よりによって大外。想像していたより後ろの位置だったが、ペースが遅くなった時に吉原騎手が前に行ってくれた。脚を貯めて一瞬の切れ勝負よりいい脚を長く使えるので、いいポジションを取ってくれました。私も初グレード制覇なのでとてもうれしい。岩手遠征は今回が3度目。3着、2着ときたので今度は優勝だと公言していましたが、まさか現実になるとは思ってもいませんでした」
関係者のみなさまに心から祝福を申し上げます。
25日メインは「震災復興 子ども達に夢と笑顔を」(B1二組 盛岡ダート1600m)。主軸はタフガイだ。
タフガイはトレーニングセール出身馬でデビュー戦を破格タイムで圧勝したが、その後は足踏み。順調さを欠いたのも痛かった。
しかし今季は3勝2着2回とオール連対。水沢2000m・ジューンカップも1番人気に応えて完勝した。
今度はB1馬が相手だが、さほど強化感もない。しかも強力な逃げ馬が不在なら先手か2番手をキープ。緩急自在の脚質がここでは最大の武器となる。
マンボプリンスは今季2戦目を快勝したが、以降は5着2回3着2回。詰めの甘さが目につくが、前走は0秒1差の僅差負け。得意の盛岡マイルで白星を飾りたいところだろう。
マイネルウィットは中央1勝、南関東2勝・B3から転入。初戦は体重も重く8着だったが、キッチリ絞れた前走0秒3差5着。上昇ムードに乗り、今度は連対を確保する。
イマジンジョンは復帰後、精彩を欠いているが、馬体印象は悪くない。7頭立ての少頭数なら思い切った逃げの手に出る可能性も十分。それならば持ち前の渋太さを発揮し、反撃必至。
◎(5)タフガイ
〇(1)マンボプリンス
▲(3)マイネルウィット
△(4)イマジンジョン
<お奨めの1頭>
9R グッドギアー
前走、2着に1秒4差で圧勝。これで岩手9戦6勝として転入後の成長は誰の目にも明らか。
7月18日に行われた重賞『第16回フェアリーカップ』は人気上位馬が総崩れの波乱となりました。1番人気ナリタメロディ、2番人気コウギョウデジタル、3番人気コスモリボンが伸びを欠く中、最後方から大外を通って伸びたシェイプリーが突き抜けて優勝。転入初戦かつ自身2年5ヶ月ぶりの勝利が重賞制覇となりました。
2着ヴァイキング、3着スパンコールはいずれも人気薄。1~3番人気の3頭は馬券圏外に終わり、馬番三連単は12万7880円の波乱。
●9Rの買い目
馬単(2)=(6)、(2)=(14)、(2)=(1)、(2)=(10)
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