★岩鷲賞/ナムラタイタンが優勝
7月5日に行われた重賞『第47回岩鷲賞』。実力馬が多数登場して注目を集めた一戦は1番人気に支持されたナムラタイタンが優勝。今季重賞2勝目を挙げました。
4月の赤松杯以来約3ヶ月ぶりの戦線復帰に加え久しぶりの短距離戦だったナムラタイタンですが、レースでは逃げたラブバレットの2番手を楽に追走しつつ最後もしっかり抜け出して、ゴール寸前だけで1馬身半の差をつける強さ。今季2勝目、岩手では6勝目の重賞制覇です。
2着はラブバレット。3着はアフリカンハンターが食い込んでライズラインは4着でした。
●10Rの買い目
馬単(2)=(4)、(2)=(8)、(2)→(6)、(2)→(5)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
5日メインはクラスターカップ・トライアル「第47回岩鷲賞」(水沢1400m)。1着馬に優先出走権が与えられる。
メンバーを見て分かるとおり、今年一番のメンツが顔をそろえた。宿命のライバル・ラブバレット、ライズライン。その若駒2頭に立ちはだかる帝王ナムラタイタン。まったく予期しなかったプレゼントだった。
この岩鷲賞をステップにクラスターカップ挑戦を考えているラブバレット、ライズラインは帝王ナムラタイタンの破らなければならない高い壁。全く歯が立たなかったら、今後に暗雲が立ち込めるのは必定。掛け値なしにおもしろい一戦となった。
ラブバレットは2歳時、ライズラインと激闘を繰り広げ、若駒賞、南部駒賞で苦杯を喫したが、2歳三冠目・金杯で雪辱を果たした。
しかし3歳になってラブバレットは距離の壁とスランプに陥ってライズラインとの水は開けられる一方。やまびこ賞5着、岩手ダービー・ダイヤモンドカップ3着に沈み、ライズライン不在のウイナーカップでは初の二けた着順10着に敗れた。
こうなると負の連鎖は続くもの。7月の3歳戦4着後、骨折が判明。8ヵ月の休養を余儀なくされた。向かった先は福島県のテンコートレセン。
ドラマはどこに転がっているか分からないもの。骨折治療明け後、テンコートレセンの坂路がラブバレットを変えた。
いわゆる早熟タイプかと思われていたラブバレットは心身ともに急成長。休み前に比べて30キロも体重が増え、まるで別馬のようになっていた。
実際のレースでもパワーアップは歴然。水沢2戦を圧倒的な強さで完勝し、JpnII・さきたま杯へ挑戦。
いきなり全国の強豪相手に4着善戦。しかも勝ちに行って4角で一旦先頭。見せ場を十分に作り、周囲を驚かせた。岩手所属馬がグレードレースで好レースを見せたのは本当に久し振りだった。
ラブバレットは今年上半期の最大目標をクラスターカップに据えた。そこで好勝負に持ち込むためにナムラタイタンはちょうどいい尺度になるはず。陣営も力が入っている。
ナムラタイタンは昨年4月、鳴り物入りで転入。噂どおりの強さで重賞3連勝を飾り、南部杯、JBCクラシック連続6着。
これまで地元同士の戦いで先着を許したのは桐花賞でコミュニティに屈して2着一度のみ。今年開幕の赤松杯も新興勢力の挑戦を退けた。
今回は赤松杯以来、2ヵ月半ぶりの実戦。ダート1400m戦も2012年5月、栗東ステークス3着以来、久々だが、デビュー6連勝はすべて1400mが舞台だった。
なによりも9歳馬とは言え、過去実績が抜けた存在。意地でも負けられないところだろう。
ライズラインは2歳時からラブバレットと死闘を繰り広げ、若駒賞、南部駒賞を連勝。金杯ではラブバレットに屈し、2歳三冠達成はならなかったが、冬場に南関東へ移籍し帰郷後は岩手ダービー・ダイヤモンドカップ、不来方賞を制圧。完全にラブバレットを突き放した。
今年も交流・シアンモア記念を逃げ切り、古馬のビッグタイトルを獲得した。前走から矛先を短距離路線に方向転換して早池峰賞2着。1200mの速い流れに完全にとまどっていた。
短距離も2度目ならペースにも慣れるだろうし、1400m延長は望むところ。しかも絶好の1枠を引き当て、ラブバレットとの雌雄対決第二章の幕開けを勝利で飾るか。
アフリカンハンターは中央ダート1200m4勝・準オープンから転入。当初は仕上がり切らず太目だったが、実戦を使われながらシェイプアップ。それと同時にシャープさを取り戻して早池峰賞3着。有力3頭が激しく競り合えば漁夫の利を得る可能性もある。
テイクエイムもダート1200m4勝・準オープンに在籍。今年1月の中山ダート1200m戦を快勝した。地方ダート対応がカギだが、実績的には間に合うはず。
◎(2)ラブバレット
〇(3)ナムラタイタン
▲(1)ライズライン
△(6)アフリカンハンター
△(7)テイクエイム
<お奨めの1頭>
3R トーホクノキズナ
前走は2ヵ月ぶりの実戦だったが、きっちり白星を手にした。叩かれた上積みを見込めば連勝濃厚と見るべき
7月7日(火)、大井競馬場で行われる「スーパージョッキーズトライアル(SJT)2015」へ岩手から村上忍騎手、山本聡哉騎手の2名が参戦する。
昨年のリーディング1位は村上忍騎手。山本聡哉騎手は2位だったが、ワイルドカードで見事本選出場権を獲得した。岩手所属騎手がSJTへ2名で出場するのは初めて。
村上忍騎手「昨年は盛岡第1ステージ一戦目を勝って同ポイント1位(3名)で通過したが、10月18日の落馬で鎖骨と肋骨を骨折。第2ステージを見送らざるを得なかったのが悔しかった。
なおさら今年は優勝したいという気持ちが強い。最後のチャンスだという気持ちで臨みたい」
山本聡哉騎手「金沢競馬場(ワイルドカード)は初めてでしたが、水沢と似た形態だったので安心して乗れました。
あのメンバーで一戦目を勝てたことは自信となった。本選も2度目ですから不安よりも楽しみの方が大きい。
カミさんがタイガーアイ(虎目石)を勝ってくれたので運気も上がるはず。しっかりと研究してSJTへ行きます」
詳細はネット・テシオ情報局(7月5掲載)で報告しますので是非、ご覧になってください。
4日メインは「ジュライカップ」(C1 水沢1300m)。このクラスのスピード自慢が一挙集結した。
本命はエスカーダ。中央芝1200mで3勝、準オープンまで駆け上った。昨年5月、C1に格付けされ、地力の違いマザマザに3勝2着2回。JpnIII・クラスターカップにも挑戦した。
9月、セプテンバーカップ圧勝後、骨折が判明。9ヵ月の休養を余儀なくされ、ようやく鮮烈に復帰。久々でも自慢のスピードで3着に粘った。
この一戦を叩かれて変わり身必至だし、水沢1300m戦も一つ上のクラス(B2)のセプテンバーCで適性は証明済み。勝つお膳立ては整ったと見ていいだろう。
コスモリボンはA級からC2最下級へ降格。8戦5勝2着3回と連対パーフェクトを継続中と抜群の安定感を誇っている。
1300mは生涯初めてだが、1400mの内容を見る限り問題なし。先行馬がそろいハイペース必至なら、自在脚質も強い武器となる。
ミナスジェライスは中央から再転入して5勝3着3回と元気一杯。焼石岳賞3着だったが、相手が強すぎて仕方なしの結果。1300m4戦3勝3着1回と距離短縮は望むところ。
トウケイカガヤキは今季2勝2着2回と元B1の底力を発揮。前走は一転して差し競馬から2着確保と収穫多い一戦となった。
ダンストンスリルは水沢1300m4戦4勝。今季2着が最高だが、次開催から盛岡が舞台。得意の水沢で好走したいところ。
ファーマフレアは転入2戦目のB2・水沢1300m3着。短距離向きなら軽視はできない。
◎(7)エスカーダ
〇(5)コスモリボン
▲(2)ミナスジェライス
△(8)トウケイカガヤキ
△(9)ダンストンスリル
△(3)ファーマフレア
<お奨めの1頭>
5R マリノエトワール
復帰は6月までずれ込んだが、アッサリ2連勝。格の違いを見せつけている。メンバー強化感もなく、3連勝に待ったなし