23日(日)メインはB1級一組、水沢1800m戦。オープン入りを目前に控えたメンバーが顔をそろえたが、10頭中8頭が4歳馬。今後を占う意味でも重要な一戦となった。
主軸にハーツコンセンサスを推す。中央未勝利から昨年9月に転入。最下級C2から連勝街道を突っ走り、7連勝をマーク。ディセンバーカップはB1昇級、初の1900mも影響したと思うが、2着に惜敗。連勝がストップしたが、続く一戦で巻き返して1着。
3歳重賞・ニューイヤーカップ2014で2着だったが、これは勝ったコミュニティが強すぎたため。この一戦で10連勝をマークし、裏街道を歩んできたが、世代№1ともっぱらの評判馬だったから仕方なしの結果。
個人的な話になるが、菅原勲調教師に「この馬(ハーツコンセンサス)を持ってきたいけど、どんなもんかな」と相談された。こちらが分かるのは成績から想像するのみだが、興味深かったのは体重が大幅に増えていること。
中央デビュー戦は436キロだったが、翌年6月には462キロまで増加していた。過去の経験で厩舎に入って成長する馬は間違いなく出世する―と思った。その象徴がメイセイオペラだった。デビュー戦が465キロに対し、フェブラリーステークスを優勝したときは492キロ。これがベスト体重だと思っているが、30キロ増がパワーアップの裏づけだった。
ハーツコンセンサスは転入後も成長し続け、おおよそ10キロ増。実戦を使われながら逞しさを増していった。
今回は2ヶ月ぶりの実戦で「太め残り」(菅原勲調教師)だそうだが、今後のことを考えれば納得。活きのいいメンバーがそろったが、ここを突破できればこれからも楽しみ一杯となる。
コスモデスタンも中央未勝利組。岩手初戦は3着だったが、担当厩務員が「メンコを外したほうがいいかもしれない」と判断したところ、その効果覿面(てきめん)。3歳重賞・イーハトーブマイルで2着を確保し、続く一戦を快勝した。
その後は勝ち切れなかったが、さらに2着2回と好走した。今回の好材料は1800mの距離。中央時代にダート1700m、1800mをメインに使われて2着1回3着1回の実績。すんなり先行できれば身上の粘り強さを発揮する。
ルタドールはJRA中山2歳新馬(芝1600m)2着の逸材。岩手2戦目から圧勝で2連勝を飾った。その後は伸びを欠いているが、折り合いに課題を抱えているからだが、潜在能力の見方なら上位かもしれない。まだ攻め馬のピッチが上がらず単穴としたが、久々の分、うまく折り合いをつけれる可能性もあり、アッサリも十分。
あとは1月5日、B2戦で6連勝中のカバードブリッジを横綱相撲で振り切ったローランズソング、4ヶ月ぶりでも底を見せていないクロワッサン、距離1800m歓迎の転入馬ギンザマーシャルもマークが欠かせない。
◎(4)ハーツコンセンサス
○(5)コスモデスタン
▲(7)ルタドール
△(8)ローランズソング
△(6)クロワッサン
△(10)ギンザマーシャル
<お奨めの1頭>
10R シルクターンベリー
昨年、3ヶ月の休養を経て中央1000万下から転入。3戦1勝2着1回の好成績で冬休みに入った。それが今季はB2へ降格。メンバー有利は明らかだ
お久し振りです。1月14日から約2ヶ月間の冬季休養に岩手競馬でしたが、3月22日から再開。まずは特別開催から始まり、4月5日から新シーズンがスタートします。
現在はようやく冬眠から目が覚めましたが、まだまだ心身ともになまっている状態。体がほぐれるのにはもう少し時間がかかりそうですが、それは競走馬たちにも言えること。また作戦として最初からエンジン全開の厩舎もありますし、レースを使いながらじっくり体調を上げていく厩舎もあります。
それぞれの作戦が入り混じるのもこの時期特有のこと。そうなると仕上がり状態にも目が離せません。今なら画面越しでも毛ヅヤなどが分かりますし、また体重の増減チェックも欠かせません。
もう一つ重要なファクターがあります。岩手競馬のクラスが大きく変動するのも今回の特別開催から。A級馬がいきなり最下級C2に下がる馬も非常に多いのが目につくはずです。
3月22日だけでも1Rからアスペクト、2Rはスマイルバラッド、オウシュウベスト。6Rはイーグルドライヴ。ほかにもB級からC2へ降格した馬も少なくなく、この馬たちは要チェック。メンバーが大幅に甘くなりましたから、勝ち負け必至です。
ただ、逆のケースも考えられます。1600m、1800mを走っていた馬が、いきなり1300mに距離短縮され、ペースに戸惑う可能性も。たとえば2Rのオウシュウベストは追い込み馬ですから、前半で置かれないかが不安。そのあたりも特別開催の楽しみです。
22日(土)メイン9RはB1級二組による水沢1600m戦「オーサムジャパンカップ」、12頭立て。どの馬からでも入れる伯仲メンバーがそろった。
A級から降格したのはアラマサコマンダー。昨年、転入初戦のヴィーナススプリント(牝馬短距離重賞)で2着を確保し、前々走も2着。相手有利は明白だが、勝ち味に遅いのが気になるところ。とりあえずは△評価とした。
本命はカバードブリッジ。岩手転入からいきなり6連勝を飾り、B2も突破。元々、北海道A級からのトレードで格上ともいえる存在。最終戦はローランズソングの徹底マークに屈したが、0秒1差2着。3着以下は突き放しており、B1昇級でも狙いは立つと見た。
サダチカガーベラは大崩れしない半面、追い込み馬ゆえ届かないレースの連続。ずっと白星に見放されていたが、12月に3連勝をマーク。中団からでも競馬ができるようになったのが好走要因となった。仕上がりの良さも目につき、冬をはさんで4連勝するか注目。
ラブソングは◎にもしたかった。理由は昨年も特別開催を勝っているからだが、繊細な牝馬のためその1勝のみ。使い減りするため、なかなか結果を出せなかった。それゆえ今回は狙い頃。体がふっくらとして出走なら大きく推奨したい。
ミツアキジュニアーは中央から再転入後、ちぐはぐなレースが目についたが、体調も本物じゃなかったのも事実。能力的にはB1でも勝ち負けに持ち込めるはずで、好枠を生かせるか。ノーティカルスターはシャープな切れが武器。流れが速くなれば一気突き抜けるシーンまで。
◎(3)カバードブリッジ
○(7)サダチカガーベラ
▲(9)ラブソング
△(1)ミツアキジュニアー
△(10)アラマサコマンダー
△(4)ノーティカルスター
<お奨めの1頭>
8R シグラップロード
水沢コース<3.2.0.1>と抜群の連対率を誇る。メンバーも手頃だし、中間の追い切りも動いた。ここを勝って次走・スプリングカップへも弾みをつける
さあ、岩手競馬も今日13日でいったんラスト。次回の岩手競馬は、2ヶ月あまりの冬休みを挟んで3月22日にスタートします。桐花賞が「暮れの大一番」ならトウケイニセイ記念はシーズンを締めくくる大一番。関係者は力が入るところですが、我々見る側も馬券を決めて気持ちよく締めくくりたいものですね。
レースの前に遠征のお話を。今年の冬季休催中、二名の騎手が他地区で期間限定騎乗を行います。まず南郷家全騎手が高知へ。所属は打越厩舎です。そして菅原辰徳騎手が佐賀で騎乗します。こちらは中川厩舎所属との事。両騎手とも期間限定騎乗の形で遠征するのは初めてで、どんな騎乗ぶりを見せてくれるか楽しみです。
また、1月24日・25日に佐賀競馬場で行われるM&Kジョッキーズカップに村上忍・山本政聡・高松亮・陶文峰の4名が参加します。1月28日に川崎競馬場で行われる佐々木竹見カップにも村上忍騎手が出場すると思われます。岩手競馬がお休みの間も、他地区で騎乗する岩手の騎手たちにご注目を。
昨年からスタートしたゴールデンジョッキーズシリーズ。従来のゴールデンステッキ賞(トップ騎手)、シルバーステッキ賞(基本は若手騎手)を発展的解消。新たに全3戦の総合ポイントで争い、優勝騎手にはボーナス50万円。2位には30万円、3位に20万円がそれぞれ支給される。
50万円の進上金を手にするには1着賞金・1000万円レースを優勝しなければならず、岩手競馬でははっきり言って至難の業。各ジョッキーとも気合いがすごく、第1戦、第2戦とも非常に白熱したレースとなった。
特に第2戦は5頭が横一線でゴール。0秒1差の中でひしめき合い、馬群を割って抜け出したサダチカガーベラが優勝。高松亮騎手の思い切ったプレーがとりわけ光った。
第2戦を終了した時点でトップは高松亮騎手33ポイント。6点差2位(26ポイント)に村上忍騎手がつけ、1点差(25ポイント)で斎藤雄一騎手。最終第3戦で逆転の可能性も十分にあり、最後まで目が離せなくなった。
当初、12頭立ての予定だったが、回避馬が相次いで10頭立て。坂口裕一騎手はケガのため騎乗していないが、それでも1頭が足りず高橋悠里騎手が抽選モレとなった。
今回は運がなかったが、昨年優勝。来年の捲土重来を期す。
主軸はシルククレヴァー=山本政聡騎手。南関東B3から転入後、着外は芝重賞・かきつばた賞6着のわずか一度のみ。ダート戦ではすべて入着を果たし、抜群の安定感を誇っている。
その反面、詰めの甘さに課題が残り、岩手<4.2.7.2>。ここ2戦も3、2着止まりに終わっているが、相手がB1で9勝を荒稼ぎしたコパノツイテルなら仕方なし。その目の上のたんこぶが不在の今回は絶好の勝機と見ていいだろう。
ただ相手が若干難解。常識的には前回快勝で復活なったコアレスランナーが妥当かもしれない。今季始動が8月までずれ込み、復帰後も精彩を欠いていたが、得意の冬を迎えて1着。これで復活なったとも解釈できるが、往時の迫力には程遠い印象。
それならば思い切ってノーティカルスターを狙ってみたい。追い込み一辺倒の脚質で好、凡走の落差が激しいタイプだが、移籍3戦目を鮮やかな直線一気で快勝した。コンビを組むのは今、波に乗っている山本聡哉騎手。これも強い印をつける理由の一つだ。
さすがにコアレスランナー=菅原俊吏騎手は▲以下には落とせず、レディアントデイズ=陶文峰騎手が△。移籍4戦目で9着に沈み、一瞬暗雲が立ち込めたが、その後は持ち直して前走2着。スタートで後手を踏みながらいい脚を長く使った。それゆえ1900mは望むところ。
シルクタイタンの鞍上は現在首位をキープ高松亮騎手。C1へ降格した今季は快調に飛ばして早々と7勝マーク。夏を境に体調が落ちた時期もあったが、再び上昇気配が漂っている。距離延長も問題なく、絶好調・高松亮騎手がどんなレースを見せるか興味深い。
メイショウギリシャ=関本淳騎手はここ2戦3、4着に善戦。前がやり合うようだと台頭のシーンまで。
◎(9)シルククレヴァー
○(1)ノーティカルスター
▲(6)コアレスランナー
△(2)レディアントデイズ
△(4)シルクタイタン
△(3)メイショウギリシャ
<お奨めの1頭>
1R サクララフェスタ
転入初戦を大差で圧勝。タイム平凡だったのは極端に時計がかかる馬場で関係なし。叩かれてさらに気配アップした
1月5日、明け3歳馬による2歳三冠目「第40回金杯」はラブバレットが快勝。若駒賞、南部駒賞連続2着の雪辱を見事果たした。
戦前の予想どおりライズライン、ラブバレットの2強が真っ向対決。内枠を引き当てたライズラインが過去2戦と同様、逃げの手に出て2番手リメンバーキング。ラブバレットは3番手外を追走し、向正面でリメンバーキングが脱落(4コーナーで競走中止)。
3コーナー手前から早くもマッチレースに持ち込まれ、逃げ込みを図るライズラインをラブバレットがピッタリと追走。直線でも2頭は激しい攻防を演じたが、ラスト50mでラブバレットは抜け出して1馬身差。斉藤雄一騎手は派手なガッツポーズでゴールに入った。
「前回(寒菊賞)は勝つには勝ったが、自分としては50点以下の評価。その反省をするためラブバレットのレースリプレイを何度も観た結果、勝負どころで置かれたのが敗因だろうと。1馬身圏内についていければ勝てると踏み、そのとおりの結果を出せてうれしい。今回は100点の騎乗です」と斉藤雄一騎手。
一方、2着に敗れたライズライン騎乗の小林俊彦騎手。「レース間隔が開いたのが痛かった。仕掛けてからいつもの反応の鋭さが見られなかったが、まだ成長途上。これからの馬です」とコメントした。
来期の岩手クラシック戦線はこの2頭がけん引するに違いない。無事に冬を過ごし、さらに成長した姿を我々の前に見せて欲しい。
11日(土)メインは新設重賞「ニューイヤーカップJBC2014」。明け4歳馬による水沢マイル戦だが、期の途中で重賞設立は過去に例のないこと。岩手県競馬組合のJBC成功へ対する意欲の現れと見て間違いない。
主軸はコミュニティ。9戦9勝が強さのすべてを物語っているが、内容もけた違い。すでにオープン級の実力と誰もが認めている。
父は偉大なるブライアンズタイム。母は岩手で2歳牝馬重賞(当時)・白菊賞を制したミチノクレット。母は体高があったが、細身の芦毛だったが、コミュニティは栗毛のがっちりタイプ。まだまだ成長の余地十分。ひそかにJBC、岩手の切り札になるだろうと踏んでいる。
相手はハーツコンセンサス。こちらは9戦8勝2着1回。一度の敗戦は前々走・ディセンバーカップ。マイペースの逃げに持ち込んだが、初の1900mがこたえてキングサーベルの決め手に屈した。しかし前走1着で健在を誇示し、気配落ちはまったくなし。好枠から驚異的な粘りを披露する。
ルタドールは転入2戦目から抜群の破壊力で連勝。ディセンバーカップ、ゴールデンジョッキーズシリーズ第2戦は3、5着に終わったが、両レースとも折り合いに苦労した印象。今回は折り合いを気にしなくてもいい流れとなりそうで、反撃に転じて不思議はない。
ナデシコノハナも近走もたついていたが、前走は岩手8戦8勝メジロオマリーをぴったりマークから抜け出しを決めて快勝。金星を飾り、再び勢いに乗った。
ヴェルシュナイダーはここにきて安定感を増し、ひと皮むけた印象。ハイペースになれば突き抜ける潜在能力を秘めている。
◎(8)コミュニティ
○(3)ハーツコンセンサス
▲(11)ルタドール
△(9)ナデシコノハナ
△(4)ヴェルシュナイダー
<お奨めの1頭>
6R エキゾチックローズ
転入2戦は相手が強く仕方なしの結果。メンバー緩和された前回を快勝し、上昇ムードに乗った