2014年の最初の盛岡開催も後半戦、そして次開催からはいよいよ芝のレースがスタートします。
皮切りになるのは18日・日曜日に行われる3歳芝1600mの重賞「はまなす賞」。続いて19日月曜日にはJRA条件交流の「フレンドリーカップ・アンタレス賞」が芝1700mで行われる予定です。また後半週には芝1000mの特別「新緑賞」やオープンの芝1700m戦も実施が予定されています。
ひとつ残念かもしれないのが、予定では25日に組まれる事になっていた2歳新馬戦。1着賞金を200万円にして岩手版"スーパーフレッシュ競走"のような形にする予定なのですが、出走態勢が整った2歳馬が少なく、現時点でレースが組めるかどうか流動的とのこと。せっかくの新企画ですしなんとかならないかと思うのですが・・・。
今シーズンの盛岡競馬は2週目に突入。10日、11日の土日2日開催となる。前半4日間を終え、全体的な傾向は先行有利。特に5月3日、6日は顕著だった。
4日、5日は勝負どころで外を回った馬の活躍が3、6日に比べて多かったが、基本は先行馬が狙い。もちろん先行激化の場合はその限りではないが、ある程度、前で競馬ができないと苦しい印象だった。果たして今週はどのような傾向になるのか。
物差しとしてちょうどいいレースが第2レースのC2戦。人気は前走タイムから(7)メビュースプラチナが集めるが、後方待機策から3着確保した。今回は流れがゆるく、もう少し先行すると思うが、仮に(2)ミナチャン、(4)キャンディタフトのいったきりで決まったら明らかに先行有利の馬場。メビュースプラチナが外を回って届けば差しタイプにも出番十分。まずはこの一戦に注目してほしい。
10日メインはA級「皐月特別」(盛岡ダート1600m)、12頭立て。目下2連勝と波に乗るダノンボルケーノに期待する。
冬休み明けの特別開催でコミュニティの2着を確保して上々のスタート。続く一戦からB1へ降格。メンバーが甘くなって2連勝を飾り、A級へ復帰した。
今回、昇級戦に加え、転入馬の動向が気になるところだが、順調度、コース実績を考えればダノンボルケーノが総合点でリードと見ていいだろう。
ソールデスタンは中央2勝・1000万下から転入。芝1600m、芝1800mでそれぞれ1勝した。不安はダート適性。500万下時代に3度経験したが、10、7、9着。なんとも微妙な成績だ。
それでも移籍直前の中山芝1800mで8着ながら0秒4差。また近走は2000m以上を使われているのはスピード勝負が厳しかったから。地方ダートもこなせると判断した。
ボンバルディエーレは順調だったら本命まで考えられる。ただ前走2着後、馬場入れを自重したのがどうでるか。中央ダート1600m3勝と実績は申し分なし。当日の仕上がり状態をチェックしたい。
シルクランスロットは中央芝2600m2勝、2200m1勝。1600万下へ在籍し、ソールデスタンより格は上。こちらは南関東6戦を使っての転入で5戦着外だったが、前々走の浦和1600mで3着確保。ダート通用を証明したか。アッサリまで十分。
キョウエイヒドラは500万下と格下だが、転入初戦4着。叩かれてさらに気配アップ。コスモプランタンは前走2着にまとめ、1600m適性も高い。
◎(6)ダノンボルケーノ
○(2)ソールデスタン
▲(9)ボンバルディエーレ
△(3)シルクランスロット
△(10)キョウエイヒドラ
△(12)コスモプランタン
<お奨めの1頭>
11R オーバーザレインボ
前回快勝で弾みつき、得意のダート短距離戦。自慢の切れ味は1000mでさらに生きる
5月3日からOROパーク盛岡競馬場での開催が始まりました。昨年11月11日以来、ほぼ半年ぶりの実戦で、自分たちにとっても「懐かしいな~」みたいな感覚があります。
予想の方も、これまた悩みます。なにせ半年ぶりなわけですから出走してくる馬の馬柱に「盛岡」の文字がある馬はほとんどいませんし、昨冬くらいに転入してきた馬などは水沢では何戦もこなしているのに盛岡は初めて・・・という馬も少なくありません。
まあ、今の盛岡のコース傾向は先日までの水沢に似た感じの、パワータイプの先行馬に有利で切れ味を武器にするあるいは軽い馬場でスピードを活かすタイプには不利な状況。それもあってまだ分かりやすい感じがしますけども、これでまとまった雨が降って傾向が一変したら、レースの方も難解かつ荒れはじめるのじゃないかと戦々恐々です。
5月4日、盛岡ダート1800mを舞台に行われた3歳重賞「第27回やまびこ賞」はライズラインが7馬身差で圧勝。南関東から帰郷初戦を白星で飾った。
南関東2戦とも着外に沈んだが、馬体重が岩手在籍時に比べてマイナス10キロ以上減。京浜盃後、一度放牧に出て立て直しを図ったが、赤血球が増えて疲労のあとがはっきり。どこまで疲れが取れたかが懸念材料だった。それに伴い、2歳時は元気が良すぎてスタッフが余し気味だったが、大人しくなってなかなか気が入らなかった。
それゆえ陣営も半信半疑でやまびこ賞に出走させたのだが、パドックに入って気合いが一変。コンビを組む小林騎手もそれを見て一安心したという。
レースではいつもどおり逃げの手に出て、3コーナーから仕掛けると後続をジワジワと突き放し、直線は独壇場。2着シグラップロードに7馬身差をつけ、貫禄の違いを見せつけた。
再び小林騎手「内枠だったので包まれるよりは逃げた方がいいと思った。道中の手ごたえがよかったし、追い出してからも反応があったので大丈夫だなと。それでも着差をみてびっくり。盛岡コースが合うし、今回の内容なら2000mも問題ない。ダイヤモンドカップも楽しみにしている」
一方、ラブバレットは4着。若干出負けを喫し、2番手につけるまで結構、手が動いていた。またライズラインについていけたのは4コーナーまで。あとは直線一杯となってしまった。立ち直るにはもう少し時間がかかるかもしれない。
6日メインは「スプリント特別」(オープン 盛岡ダート1400m)。主軸はコスモフィナンシェで動かない。
中央2戦0勝から転入後、叩かれるたびに力をつけ、ついには岩手伝統のみちのく大賞典を優勝。さらにはマイル重賞・すずらん賞も制し、一気に頂点に君臨した。
その後は精彩を欠いて栗駒賞10着後、名古屋へトレード。1400m戦1勝から岩手へ里帰りした。初戦に水沢1400m戦を選び、2着に3馬身差で圧勝。元々、1400m8勝と適性の高さには定評があったが、地力の違いがマザマザだった。
今回は盛岡ダート1200mが舞台。みちのく大賞典=2000mも勝っているが、本質的には快速が身上。すでに勝負付けが済んでいるメンバーだし、さらに甘くなっているのは確か。シアンモア記念をスキップし、万難を排してこのレースに臨む。
焦点は相手探しに絞られ、筆頭はスズヨシーズン。3ヵ月半ぶりの前走はいつもどおり後方待機策から直線一気に伸びて2着。コスモフィナンシェには離されたが、短距離で自身の能力を最大発揮した。
スズヨシーズンは追い込み馬だが、典型的なスプリンター。先行有利の馬場であるのは不利だが、それでも対抗は譲れない。
ヒシジェントリーは大きく狙ってみたい。南関東B3から転入。半年ほど実戦から離れ、レース勘を取り戻せず6、8着だったが、タイム差を詰めているのは見逃せない。しかも1200mは<3.1.0.3>とベストに近い条件。先行力もあり、ソロソロ一発がありそう。
レオパルドゥスは中央500万下から転入。2戦とも6着止まりだが、1600mでも折り合いを欠いていたのを見ると短距離向きの可能性十分。それを見越してスプリント戦に駒を進めてきた。
ヒカルジョディーは今季2戦とも自慢の末脚が不発に終わっているが、前走はナムラタイタンを始め、岩手の一線級が相手。相手が楽になって反撃に転じて不思議はない。あとは3歳からの挑戦ジャリーヴは現時点で古馬オープンは荷が重い気がしないでもないが、全馬57キロに対し、52キロの軽ハンデが魅力。
◎(2)コスモフィナンシェ
○(9)スズヨシーズン
▲(7)ヒシジェントリー
△(1)レオパルドゥス
△(8)ヒカルジョディー
△(6)ジャリーヴ
<お奨めの1頭>
8R ケイアイブリザード
今季はC2へ降格し、相手が甘く2戦目から圧巻の3連勝中。クラスが一つあがったが、元A級馬。ここも楽々と突破
4日メインは3歳重賞第二弾「第27回やまびこ賞」。スプリングカップは水沢1600mが舞台だったが、今度は盛岡ダート1800m戦。
昨シーズンまでなら条件が変わってもライズライン、ラブバレットの本線は動かず、焦点はどちらに軍配が上がるかだけだった。
ところがラブバレットはスプリングカップ4着。休み明けだったにもかかわらずマイナス16キロと大幅な体重減。菅原勲調教師「歯替わりで飼い葉が上がった」とのことだった。
正直、装鞍所でラブバレットを見て驚いた。細くなっているとは聞いていたが、想像以上。毛ヅヤも張りもなく、まったく迫力が感じられなかった。
肝心のレースでもスタートから斎藤雄一騎手が追いっ放し。いつもは軽快に先行するタイプなのだが、ようやく3番手をキープできただけ。4コーナーまでは何とかがんばったが、直線で伸びを欠いて馬券対象から外れてしまった。
「前回(スプリングC)より調子は上がったが、まだまだ本調子になっていない」と菅原勲調教師。これをどう評価するか迷った。
一方、ライズラインは2歳三冠がかかった金杯でラブバレットの2着に敗れた後、南関東へ移籍。雲取賞11着、京浜盃13着と大敗を喫し、岩手へ里帰りした。
こちらも気になるのが金杯で468キロあった馬体重が454、5キロまで減っていたこと。それで一旦放牧に出て水沢の千葉幸喜厩舎へ戻ってきた。
追い切りでは半マイル49秒台をマークして一応態勢を整えてきたが、「まだ気がない」と小林俊彦騎手が語ったのが不安材料。盛岡輸送でスイッチが入る可能性があるが、現状では強い印をつけることができない。悩ましい限りだ。
そうなると順調度が何よりも強み、シグラップロードを主軸視したい。昨年はライズライン、ラブバレットの二強に歯が立たなかったが、前走・スプリングカップで豪快なマクリを決めて快勝。待望の重賞タイトルを手にした。
盛岡へコース替わりは決してプラス材料ではないが、一冬を越して成長したと解釈。やまびこ賞も制すれば本物。今回が真価を問われる一戦となる。
ユナイテッドボスもひと皮むけた。3月の特別開催でシグラップロードを交わして1着。着差はクビだったが、内容的には完勝だった。
スプリングカップはシグラップロードに完敗3着だったが、1枠が災いしてなし崩し的に脚を使い、末伸び切れなかったもの。これで判断を下すのは早計だ。
左回りだとササるクセがあり、それでもたつく可能性あるが、びっしり追い切りを消化して万全の態勢。今回が初重賞を手にする絶好のチャンスとなった。
フラッシュモブは3歳牝馬交流・留守杯日高賞から連闘で臨むが、笠松時代にも経験豊富。その日高賞はスローの流れに落とされたのが致命傷。結果、先行競馬で決着したのは運がなかった。決め手勝負なら牡馬にも引けを取らない。
◎(10)シグラップロード
○(8)ユナイテッドボス
▲(4)ラブバレット
△(2)ライズライン
△(1)フラッシュモブ
<お奨めの1頭>
8R コスモリリパット
岩手転入後、アッサリ2連勝。内容も文句なしだった。仮にやまびこ賞に出ても勝ち負けに持ち込めるほどの強さだった