次週27日、今シーズンの古馬重賞第一弾「第39回赤松杯」(水沢1600m)があるが、今年の超目玉ナムラタイタンがいよいよ始動する。
2011年の武蔵野ステークス(GⅢ)を制し、今年2月の佐賀記念で3着。明らかに盛岡で開催するJBCを狙ったビッグトレード。開幕前から競馬サークルで話題持ち切りだったが、まずは赤松杯でお手並み拝見といきたい。
その赤松杯の前哨戦ともいえるA級戦が先週3レース組まれた。12日のスプリント特別は名古屋から帰郷初戦のコスモフィナンシェが快勝。プラス18キロと大幅に体重が増えていたが、みちのく大賞典馬の貫禄を見せた。
翌13日には水沢1600m「陽春特別」が行われ、圧倒的1番人気に支持されたコミュニティが余裕の逃げ切りを決めて圧勝。自身の連勝を12とした。
14日の「卯月特別」(水沢1800m)には桐花賞1、2着馬スーブルソー、モズが出走。快調に飛ばしたモズがゴール過ぎた瞬間、勘違いして走るをやめるハプニング。鞍上・高橋悠里騎手があわてて手をしごいて再び加速したが、直線でスーブルソーに交わされて2着。結果はともかく以降に期待を抱かせる内容だった。
スーブルソーは赤松杯に向かい、モズもひとまず登録はあるが、シアンモア記念に直行の可能性もある。以上の馬たちは今年のオープン戦線の主役。今後も逐一、報告をしていきたい。
19日(日)メインはB1級馬による水沢1800m戦「駒形賞」。ダノンボルケーノ、レディアントデイズの雌雄対決が焦点となる。
ダノンボルケーノは昨年、中央1000万下から転入して2勝2着3回。一頃、スランプに陥った時期もあったが、冬場に復調。いいムードでシーズンを終えた。
今季初戦は前記コミュニティが相手。7馬身差ちぎられたが、2着確保なら上々。健在を誇示した上、ラッキーなことにB1へ降格。当然のように前走を勝ち上がり、駒形賞へと臨む。負担重量は1キロ増えたが、480キロ台の馬格なら問題にしないはず。A級復帰へ弾みをつける。
レディアントデイズは休み明け2戦目を完勝。一瞬のうちに馬群を割って抜け出し、成長の跡がはっきりとうかがえた。
昨年はなかなか波に乗れなかったが、一冬を越してパワーアップ歴然。勢いに乗ってここも突破するか楽しみ。
ナデシコノハナは好、凡走の落差が激しいタイプだが、前走はレディアントデイズの2着。こちらも叩かれた変わり身十分だった。今年1月、メジロオマリーの連勝をストップさせた実績があり、潜在能力は相当なもの。集中力さえ途切れなければ首位も望める。
クロワッサンも前回快勝。太目を叩かれて反応が一変した。ネックは1800m対応だが、控える競馬で勝ったのが収穫。依然、底を見せていない。
テンショウリバイヴは休み明け戦を2着にまとめたが、前走7着。流れも合わなかった印象だが、元々がムラなタイプ。一戦のみで見限るのは早計。
ギンザマーシャルは前走、スローの流れをはねのけて3着。いい脚を長く使えるのが武器。ペース速くなれば台頭のシーンまで。
◎(1)ダノンボルケーノ
○(5)レディアントデイズ
▲(2)ナデシコノハナ
△(6)クロワッサン
△(9)テンショウリバイヴ
△(4)ギンザマーシャル
<お奨めの1頭>
6R イーグルドライヴ
前走は2戦2着のうっ憤を晴らし、4馬身差で圧勝。元オープンがきっかけを掴めば鬼に金棒だ
19日メインはB1・水沢1400m「JBCイヤー シャクナゲ特別」、12頭立て。
興味深いのは全馬が距離適性を求めて出走申し込みをしたこと。岩手競馬のシステムを分からないと理解しづらいが、クラス分けは格付け賞金によって振り分けられる。
たとえばB1級の場合、格付けが多い順に一組、二組と編成が組まれ、一組は1800m。二組以下は1600m条件となる。
しかし今回の1400m戦は別扱い。仮に頭数がそろわなかった場合はレース自体を組まないが、このレースの登録は13頭。結果的にハーツコンセンサスが回避したが、距離に自信ありのメンバーが見事に集まった。
必然的に我々、予想陣も楽しみが増えるし、馬券を買う側にもおもしろいレースとなったはず。絶対頭数が少ないため、なかなかうまくいかないケースもあるが、短距離戦が組まれたことによってバリエーションが非常に増えたのは大歓迎。今後もこのようなレースを編成してほしい。
マスターミニスターは中央0勝2着2回、南関東0勝2着3回から転入。白星に恵まれなかったのは中央、南関東を通じて多頭数が本質的に合わなかったのが大きい。
あとは瞬発力勝負、速い時計勝負向きではなかったのだと思う。追い込んで届かず、先行しても交わされるレースを繰り返していた。
このタイプが岩手で変わることは少なくない。中央、南関東のハイペースの流れを経験した馬に岩手のペースは楽だったのだろう。転入初戦、絶好の4番手インをキープして直線で逃げたヤマニンノワゼットをきっちり捕らえて快勝。デビュー33戦目にして待望の初勝利を飾った。
続いてオープン「スプリント特別」にエントリーしたが、出走見送り。万全を期してこの一戦に臨んできた。同じB1、水沢1400mが舞台なら再現の可能性は非常に高い。
一つ不安点をあげれば前走は重馬場だったこと。先週3日間は馬場が乾いた良馬場で行われ、時計がいつも以上にかかっていた。結果、大型馬のパワータイプに有利だったが、果たして前回より力の要る馬場をこなせるかどうかだけがネックだ。
コスモアックスは北海道2歳時に交流重賞・知床賞、南部駒賞へ参戦して連続3着。その後、南関東へ移籍して1勝をマークした。
クラスはマスターミニスターと同じ南関東C1。転入初戦は未経験の1800m戦だったが、積極的なレース運びを見せて2着。しかも勝った馬は元A級ダノンボルケーノだから敗れて仕方なしだったが、クビ差まで粘ったのだから価値大。
元々、短距離をメインに活躍し1400m短縮は望むところ。互角以上の評価もできるかもしれない。
ルタドールは前走9着に凡走したが、久々の実戦でレース勘が戻らず出遅れを喫したことと、1800mの外枠がこたえて自分の競馬もできなかったため。しかし一度叩かれて気合いが一変。スタートさえ決まれば反撃に転じて不思議はない。
マイネルレーサーはB1の安定勢力。4ヵ月半ぶりの一戦は6着に終わったが、叩かれた前走を3着にまとめ、着実に良化。こちらも発馬互角で好勝負に持ち込む。
エクセランはまだ昨年の迫力を取り戻していないが、A級4着一戦から降格。相手有利、得意距離は見逃せない。
ヤマニンノワゼットは4ヶ月ぶりを2着にまとめて上々の滑り出し。マークがきつくなりそうで評価は下がったが、すんなりマイペースなら軽視できない。
◎(7)マスターミニスター
○(4)コスモアックス
▲(10)ルタドール
△(1)マイネルレーサー
△(11)エクセラン
△(2)ヤマニンノワゼット
<お奨めの1頭>
4R メイキングパワー
中央2戦0勝後、1年1ヶ月の長期休養を経て転入。初戦は仕上がり途上だったが、2着確保して非凡な才能を披露した。その後は5戦連続で2着と勝ち運がないが、相手甘い今回は絶好の勝機
東京はもう桜が散ったという話ですが、東北はこれからがお花見シーズンです。岩手も3月下旬になって雪が積もったりしてどうなることかと思いましたけども、ここにきて気温急上昇、いよいよ春も本格化・・・という雰囲気になってきました。水沢競馬場の桜並木、毎年ここで書いているような気がしますが、今年も楽しみです。
桜満開の前線は仙台あたりまで来ているようです。とすると水沢あたりに到達するのは早ければ今週末頃か。うまくすれば今週末の週末、そして来週の週末と二週にわたって桜と競馬を愛でることができそうですね。
そして今週末19日からは鈴木麻優騎手の騎乗もスタートします。ここ何日か、ヘルメットやプロテクターといったレース用の道具を揃えて確認している鈴木騎手の姿を見ます。こちらも「いよいよ」という感じになってきました。
桜も鈴木騎手も非常に楽しみ。お時間がある皆様、ぜひ水沢競馬場へおいでください!
では本命は。ここは(3)スーブルソーに期待しつつの◎。前走は僅差の2着でしたがあれは展開のあやというべきもの。やはり得意の水沢だと安定して力を発揮できるし、叩かれた上積みも見込めば前進あるのみでしょう。
対抗は、これも叩かれた分の利を見込んで(8)ランドオウジ。この馬の前走は、馬体はまとまっていたけれど気合不足という印象でした。気合面が上昇すれば変わり身あるはず。
(7)モズは休み明けがもう一つという実績に思え今回はちょっと控えめに。ただ、もともと気で走る逃げ馬、展開さえ自分好みになればそのまま・・・という事は念頭に置いておくべきでしょう。
以下は(9)エバーオンワード、(4)ジョーモルデュー。一息入っている分やや不利でしょうから当日の仕上がりを見つつ最後は彼らの底力に期待で。
●10Rの買い目
馬単(3)=(8)、(3)=(7)、(3)→(9)、(3)→(4)、
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岩手にもようやく春が来たかなと思った矢先、木曜日から再び寒波が到来。小雪もちらほら舞い上がり、風も結構強い。特に朝晩の寒さが厳しく、競馬場を訪れる際には厚着をしていらして下さい。日がさすと失敗したかなと思うかもしれないが、夕方になると防寒具が必需品となる。
13日メインはC1級馬による「大屋梅賞」(水沢1400m)だが、もう1レース注目しているのが最終11レースのA級二組「陽春特別」(1600m)。岩手11戦11勝コミュニティ、転入初戦を鮮やかに逃げ切ったマイネルヴァルムが出走する。
コミュニティは中央6戦0勝から昨年転入。3歳最下級からスタートしたが、連戦連勝。すべてワンサイドで決着させ、年明けの4歳重賞「ニューイヤーカップJBC2014」で初めて表舞台に登場。そこでもハーツコンセンサスに6馬身差をつけて圧勝してシーズンを終了。今季注目の1頭だったが、期待をはるかに上回る強さを披露した。
コミュニティは3月29日、A級二組に出走。B2条件から、いきなりオープンへ編入し通用するか半信半疑の面があったが、それをあざ笑うかのようにダノンボルケーノ以下に7馬身差。しかもほぼ持ったままだったから舌を巻くばかり。昨年度よりさらにパワーアップは明らかだった。
ここを勝てば赤松杯に出走すると思うが、グレードウイナー・ナムラタイタン、そしてモズ、スーブルソーなどそうそうたる顔ぶれがそろい、現時点でのコミュニティを図る格好の舞台となりそう。まずは陽春特別をクリアーするか、楽しみで仕方がない。
メインの話に戻そう。大屋梅賞に4歳馬5頭がエントリーしたが、元A級ディアーウィッシュ、ニホンピロララバイが登場なら形無し。このラインは相当強烈だ。
ディアーウィッシュは中央3勝、南関東オープンに在籍。京成盃グランドマイラーズ2連覇、スパーキングサマーカップと重賞3勝した強豪。9歳馬の転入でさすがに往時の迫力は薄れたが、盛岡ダート1200m2着1回、水沢1300m3着1回など短距離戦で健在を誇示した。
今季は最下級C2へ降格し、役者の違いマザマザに2連勝マーク。まだC2の身分だが、あえてC1特別にぶつけてきたのが陣営の自信の表れ。マイルが舞台なら迷わずニホンピロララバイ本命だが、適性を重視。ディアーウィッシュでいけると見た。
決め手勝負ならニホンピロララバイに軍配が上がるだろう。こちらはA級からC1へ降格。前走はスローの流れに落とされたが、早めスパートをかけて3角先頭。そのまま押し切って地力の違いを見せつけた。
1400m対応も中央時代にダート1400m1勝2着2回と問題なし。またもや自慢の破壊力をさく裂させる。
この2頭に割って入るのは至難の業のような気もするが、ラインを崩すとすればコスモジャックか。昨年、南関東から再転入してB2で1勝マーク。今季はC1へ降格し初戦を4角先頭の横綱相撲で快勝した。水沢1400m<3.1.0.0>の成績も見逃せない。
サダルスードは中央未勝利から移籍2戦以降、4連勝を飾った逸材。タイムも破格だったが、脚部不安が発生して1年2ヶ月の長期休養。昨年暮にひとまず復帰したが、仕上がり途上のために2戦凡走して冬休みに突入。
2ヵ月半の休養から初戦4着に終わったが、この一戦を叩かれて気配アップ。変わり身は十分うかがえた。ここで見せ場を作れれば今後の視界も明るくなる。
ケイビイテルマは前走がうれしい岩手初勝利。直線で馬群を割って抜け出し、力強いレースを披露した。格不足の印象はあるが、調子の良さなら負けないはず。あとは前走2着にまとめたタキノウェーブも押さえ必要か。
◎(7)ディアーウィッシュ
○(6)ニホンピロララバイ
▲(9)コスモジャック
△(5)サダルスード
△(3)ケイビイテルマ
△(8)タキノウェーブ
<お奨めの1頭>
4R グリッドマトリクス
A級からC2降格して3、2着。勝ち切れないレースだったが、相手も強すぎた。メンバーが大幅に緩和され、今度は首位を譲れない
先週開幕した岩手競馬は初日5日、そして6日と2日連続で3歳重賞「第39回スプリングカップ」、牝馬「第39回あやめ賞」が行われ、スプリングカップは3番人気シグラップロード、あやめ賞は4番人気アイスカチャンが優勝。波乱の幕開けとなった。
スプリングカップ1番人気ラブバレットはマイナス16キロと大きく体重を減らし、毛ヅヤもひと息。その影響だったと思うが、いつもの行きっぷりが見られず、鞍上・斎藤雄一騎手の手がほとんど動いていた。それでも4コーナーまでは重賞3勝の底力を見せたが、直線で力尽きた。一日も早い回復を待ちたい。
あやめ賞は中央1勝馬ジャリーヴが人気の中心。福島ダート1150mを逃げ切り、ほかのダート3戦ともすべて逃げの手。絶好の1枠を引き当て、先手を疑わなかったが、もっさりスタートで内に包まれる厳しい競馬。終始インで苦しんでいたが、3着死守が意地。絶好枠だと思っていたのだが、出遅れれば逆に1枠が災い。これが競馬の難しさと改めて実感した。捲土重来を期待したい。
スプリングカップを制したシグラップロードは重賞6度目の挑戦でうれしい初制覇。父アグネスデジタルは昨年度の年度代表馬ドリームクラフト、最優秀牝馬コウギョウデジタルを送り出したが、シグラップロードも同産駒。岩手との相性が抜群のようだ。次走・やまびこ賞(5月4日 盛岡ダート1800m)でも再現するか。
あやめ賞馬アイスカチャンは佐賀新馬戦を4馬身差で圧勝。その後、3ヶ月の休養を余儀なくされ、復帰後は2着2回3着1回。再び戦線離脱し、5ヶ月の休養を経て岩手入り。初戦は出遅れも響いて3着だったが、直線で猛追。そして今回は久々を叩かれた上積みも大きかったのだろう。道中の手応えも抜群だった。
ところが、続報が入った。あやめ賞を優勝したアイスカチャンはレース後、骨折が判明。残念ながら現役を引退し、乗馬へ転用されることになった。これもレースの激しさを物語っていた。
12日メインはオープン馬による水沢1400m戦「スプリント特別」、12頭立て。主軸はコスモフィナンシェとした。
コスモフィナンシェは中央2戦0勝から転入。一戦ごとにたくましさを増し、名古屋転籍でさらにパワーアップ。帰郷当時は条件クラスだったが、早々と卒業。ついには岩手を代表するビッグレース・みちのく大賞典を制し、秘めた素質が開花した。
その後もマイル重賞・すずらん賞を優勝したが、以降は精彩を書いて栗駒賞10着後、名古屋へトレード。5戦1勝の成績を収めて岩手へ里帰りした。
今回、なかなかのクセモノぞろいだが、コスモフィナンシェは1400m通算10戦8勝2着1回。冬場の1勝も笠松1400mでマークし、ベストの条件。大外が若干気になるが、差し競馬もできるオールラウンダーだ。
ドリームクラフトの評価に正直、迷った。昨年重賞を4勝し、年度代表馬の栄誉も獲得したが、激戦の疲れが残っている印象で攻め馬の動きもいまいち。臨戦過程に不安が残っている。
それでも水沢1400m~1600m戦に絶対の自信を持っており、体調面は適性でカバーしてくれると踏んだ。果たして結果は如何。
ライトマッスルは前走5頭立て4着だが、敗因ははっきり。休み明けと守備範囲を大きく超えた1800mが舞台だったからだ。しかしひと叩きされて気合いが一変し、距離短縮も大歓迎。反撃のお膳立ては整った。
カミノマーチは岩手デビュー。6勝をマークし、その後、より高いステージを求めて南関東入り。敗戦を繰り返しながらも地力をつけ、岩手含めて14勝。B3級まで出世した。帰郷初戦を白星で飾るか。
スズヨシーズンは昨年3月、転入初戦で鮮やかな直線一気を決めて快勝。その後は追い込一辺倒の脚質が災いして届かないレースが多かったが、ハイペースになれば一気突き抜ける可能性も十分にある。
ヒカルジョディーもテッポー駆けがきくタイプだが、まだ動きが重いかも。前崩れの流れになった際に浮上するか。
◎(12)コスモフィナンシェ
○(9)ドリームクラフト
▲(3)ライトマッスル
△(8)カミノマーチ
△(4)スズヨシーズン
△(7)ヒカルジョディー
<お奨めの1頭>
5R カズノタイショウ
さすが南関東C1馬。2番手キープからアッサリ抜け出して完勝した。タイム以上に強さが際立ち、追いかけて損はない