17日メインはOROカップ・トライアル「第37回桂樹杯」(盛岡芝1600m)。1着~3着馬に優先出走権が与えられる。
すでにせきれい賞を完勝したカリバーンが出走意思を表明。9月28日、OROカップにはまだ気が早いかもしれないが、対決図式はカリバーンvs岩手。もっと突っ込んでいえばコスモセンサーが順当に桂樹杯を迎えてほしいと願っている。
今春、ナムラタイタンが鳴り物入りで転入。赤松杯、シアンモア記念、みちのく大賞典とすべて圧勝。残念ながらマーキュリーカップは夏負けの影響が大きく自重したが、秋のJBCへ向けて順調に調整を進めている。
おそらくナムラタイタンの活躍に刺激を受けたのも理由だと思うが、今年6月、コスモセンサーが転入。3歳時にアーリントンカップ(GⅢ)を優勝し、2012年の安田記念3着。ビッグネームの参戦に競馬サークルは色めき立った。
注目の岩手初戦は6月21日、水沢1300m戦。ダート実績ないのが不安だったが、逃げたマイネヴァイザーの2番手を追走し、3角で早々と先頭。あとは後続を突き放し、コスモフィナンシェに3馬身差で圧勝。1分21秒8の破格タイムに、さすが中央オープンと大向こうを唸らせた。
当然のように岩鷲賞でも圧倒的な1番人気に支持され、果敢にハナに立ったが、3角で一杯となって失速。2秒4差8着に敗れてしまった。
敗因はダートか、速い流れがこたえたのか。それにしても失速ぶりが極端すぎたため、陣営は芝へ路線変更。芝2400m交流・せきれい賞の選択肢もあったが、距離適性を考えて桂樹杯一本に絞って調整を進めてきた。
当然だが、このメンバーでは地力の違いが明白。雨の影響で馬場が渋った場合に若干不安が残るが、それは総合力でカバー。コスモセンサーの真価が問われる一戦となった。
チェリービスティーは中央芝1200m2勝・500万下、北海道一度使って岩手入り。いきなりオープン馬相手に加え、芝1700mが長すぎるのでは...と9番人気だったが、それを見事に覆して2着。
続いて短距離重賞・早池峰賞(盛岡ダート1200m)でも2着に健闘。岩鷲賞は11着に終わったが、前走・芝1000mで大本命エスカーダを徹底マークから競り落として快勝。上昇一途をたどっている。中間の動きも絶好。格不足は勢いでカバーできると踏んだ。
ドリームフォワードは芝1200m3勝、1000万下から転入。中央芝1400mでも好走実績があり、仕上がりも上々。いきなり勝ち負けまで十分。
レオパルドゥスはダート戦3着もあるが、主戦場は芝。かきつばた賞2着、せきれい賞(いずれも芝2400m)4着。直線で鋭い伸びを披露する。マイルが舞台でも自慢の切れを発揮するか。
ハカタドンタクは今季精彩を欠いているが、重馬場で行われた3歳交流・オパールカップを圧勝。雨を含む芝を最も喜ぶのがこの馬だろう。
ターントゥタイドは3歳からの挑戦。いきなり古馬オープンは荷が重い印象もあるが、盛岡芝1600m4戦3勝3着1回と自信の条件。53キロの軽ハンデを活かして善戦を期待したい。
◎(11)コスモセンサー
○(6)チェリービスティー
▲(1)ドリームフォワード
△(4)レオパルドゥス
△(3)ハカタドンタク
△(10)ターントゥタイド
<お奨めの1頭>
6R タケデンイエロー
佐賀C1から転入後、けた違いの破壊力で2戦2勝。走破タイムも文句なしだった。相手はニコットサンキュー
13日、盛岡ダート1200mを舞台に行われたJpnIII「第19回クラスターカップ」は4歳牝馬サマリーズが快勝。
2歳時に全日本2歳優駿(JpnI)を制したが、その後は精彩を欠くレースの連続。しかし前々走・三宮ステークスで1年半ぶりの勝利をモノにし、クラスターカップで2つ目の重賞を獲得。長いスランプからついに脱出した。
以下に勝利調教師、勝利騎手のコメントを紹介してみたい。
藤岡健一調教師「2歳ダートチャンピオンになったが、体調が戻るのに時間がかかった。女の子は一度体調を崩すと機嫌を取るのが大変だからね。でも今年夏にいい状態に戻って、よく復活してくれた。今回は斤量にも恵まれたが、同じ舞台のJBCスプリントでまたGI馬になってほしいと思っている。これからは1200mに特化して使った方がいいかもしれないね」
藤岡祐介騎手「スタートのタイミングが合わなかったが、1頭(タイセイレジェンド)前にいてレースを作れたのが好都合。2番手の強みを最大に活かすように心がけました。今日はコントロールもきいたし、反応も上々。ゴールまでしっかり伸び切ってくれました。この馬は左回りが合っているのでJBCも楽しみ。久しぶりに強いサマリーズにまたがれて幸せな気分です」
全日本2歳優駿を勝ち、クラスターカップ優勝は昨年の覇者ラブミーチャンと似た足跡。サマリーズ、JBCスプリントでの再会を楽しみにしている。
16日メインは2歳第一弾の重賞「第15回若鮎賞」(盛岡芝1600m)。6頭立ての少頭数になったが、まだ子供の2歳馬ゆえ仕方なし。激戦を期待したい。
コンクエストオールの意味は『すべてを征服』。千葉サラブレッドセールで高額で落札された期待馬。デビュー戦は逃げたコウギョウタイムを捕らえ切れなかったが、わずかハナ差。ゴール前の勢いは完全に上回っていた。
そのレース内容を考えればマイル延長は大歓迎。420キロ台の牡馬だが、均整が取れて体重以上に大きく見せているのも魅力。最有力候補と見ていいだろう。
コウギョウタイムは函館競馬場で行われたトレーニングセール出身馬。全体の特長は仕上がりの早いこと。デビュー戦にそれが顕著に現れ、見事な逃げ切りを決めた。
今回は1600mが舞台。距離対応が若干不安だが、姉は園田・プリンセスカップ、笠松・プリンセス特別、水沢・プリンセスカップとプリンセス重賞を3勝したカクシアジなら大丈夫か。デビュー2連勝を飾る。
キモンイーグルは初芝がネックだが、兄が3歳交流・オパールカップなどを制したハカタドンタクならむしろ望むところか。デビュー2戦ともハイレベルメンバーの戦いで、そのキャリアが活きる局面。アッサリも十分。
コパノブライトンは芝1000mの新馬戦を快勝。走破タイム1分1秒3は平凡だが、レースセンスでは引けを取らない。
クインオブザナイトは新馬・芝1000m5着。本質的にはダート向きの印象だが、キャリアを積んだ今なら克服できる可能性もある。
◎(3)コンクエストオール
○(6)コウギョウタイム
▲(1)キモンイーグル
△(5)コパノブライトン
△(4)クインオブザナイト
<お奨めの1頭>
8R ブライトライジン
前走2着に破れ、連勝は5でストップしたが、油断負け。軌道修正をして再び連勝街道を突っ走る
岩手競馬は現在お盆の5日間連続開催中。今日金曜日はちょうど中日にあたります。前半戦の大きな山場だったクラスターカップは13日に終わりましたが、後半も16日には2歳芝重賞・若鮎賞が、日曜日にはオープンの芝重賞・桂樹杯があります。まだまだお楽しみ満載ですので、お盆開催最終日まで岩手競馬を満喫してください。
●10Rの買い目
馬単(3)=(5)、(3)=(9)、(3)=(1)、(5)→(9)、
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14日メイン「葉月賞」(B2)は芝1600mが舞台。本題に入る前に菅原俊吏騎手のネタを取り上げてみたい。
ご存知の方も多いかもしれないが、菅原俊吏騎手はオーストラリアで騎手免許を取得。3年間ほどの騎乗で通算24勝をマークして日本へ帰国。厩務員生活を送ったあと、一発試験で見事合格して生まれ育った岩手で騎手の仲間入りをした。
現在は中堅どころで活躍中だが、芝で結構、穴をあけるケースが多い。言うまでもなくオーストラリアは芝がメインコース。菅原俊吏騎手が騎乗すると思った以上に馬が動く。
同様のケースで昨年、短期騎乗で太田陽子騎手がミキノパンサーで大本命マイネリッカを破る金星。また今年は西谷泰宏騎手が日本初勝利を飾ったのも芝。ブービー人気のメモリアルメイトで鮮やかな逃げ切りを決めた。
オーストラリアと盛岡芝はコース形態がまったく違うが、馬が動く何か理由があるに違いない。今回、葉月賞で菅原俊吏騎手はヤマニンパニエに騎乗する。メンバー比較で▲評価にしたが、果たして結果は如何。
主軸はマイネリッカ。前走3着に終わったが、クラスはB1。相手も強かった上、ダイワマックワンが絶妙の逃げに持ち込まれ、なし崩しで脚を使わされたのが敗因。
それでも3着死守が芝適性の証明。盛岡芝の連対はストップしたが、<4.1.1.0>と抜群の安定感を誇っている。
今回は自己の条件B2に戻り、流れもスローにはならないはず。本来の後方待機策から直線抜け出しを決める。
レーリュッケンは転入当初、クラスの壁にぶつかったが、レースを使われながら上昇一途。2着2回のあと、目下2連勝と完全に波に乗った。
ネックは1600m延長に対応できるか否かだが、中央時に芝1200m2、3着1回の実績。小回り盛岡芝ならこなせるとみていいだろう。
ヤマニンパニエは姫神賞3着。レーリュッケンに0秒5差は完敗だったが、メンバー最速の上がりを披露。久々の芝で前半34秒0の超ハイペースに前半はとまどった。今度は流れが落ち着くし、芝にも慣れること必至。菅原俊吏騎手がどんな戦法に出るか注目。
テンプトミーノットは芝で動きが一変し、芝1600m戦、芝1000m戦と連勝。C1昇級戦で相手強化されたが、適性は上位馬にも引けを取らない。
ホアピリは芝1000m3、5着。これは距離適性の差が出たもので度外視。1600m前後がベストの条件なら一発の怖さ十分。
アラマサコマンダーは中央1勝を芝でマーク。今季未勝利だが、軽視できない。
◎(9)マイネリッカ
○(5)レーリュッケン
▲(8)ヤマニンパニエ
△(11)テンプトミーノット
△(3)ホアピリ
△(7)アラマサコマンダー
<お奨めの1頭>
5R ランデックハーツ
転入2戦目から圧巻の3連勝。破格のタイムで2着以下を圧倒した。いずれは重賞でも活躍できる器と見て間違いない。
13日メインは毎年、お盆恒例となったスプリント決戦「第19回クラスターカップ」(JpnⅢ)。盛岡ダート1200mを舞台にフルゲート14頭で争う。何度か報告したと思うが、今年のJBCは盛岡開催。それを占う意味でも重要な一戦となった。
興味深いデータがある。過去5年とも1番人気が優勝し、5歳馬3勝、6歳馬が2勝2着3回。そしてサイアーライン(父方)・ミスプロ系は過去3年で馬券対象(3着以上)になったのが9頭中8頭!
この条件をすべてクリアーしているのが5歳牝馬スイートジュエリー1頭だった。これまで芝1200m1勝、ダート1200m3勝、ダート1000mで1勝。
まだ重賞タイトルには縁がないが、昨年10月、1000万下(夙川特別)を5馬身差で圧勝。従来のレコードを0秒9も更新し、1分8秒8の驚異的タイムをマークした。
前開催の盛岡ダートはハイタイム決着の連続。加えて今週中間に台風などの影響で激しい雨が降り続け、さらに高速決着に輪をかけそうな予感。しかもノンタイトルホースで牝馬ゆえ52キロの軽ハンデで出走できるのは恵まれた条件。
ここ2戦の二ケタ着順は芝挑戦での結果で度外視。好走条件がそろった今回、自身の全能力を発揮。先日のマーキュリーカップはキングカメハメハ産駒ナイスミーチューがレコードで見事優勝したが、今度はキンカメ産駒スイートジュエリーが盛岡1200m戦を制す。
アドマイヤサガスは芝からダートへ路線変更後、4勝はすべて1400m戦だったが、前走・北海道スプリントカップで豪快なマクリを決めて快勝。初の重賞を手にし、1200mも克服した。ダート1200m最高タイムが北海道SCの1分11秒0が若干物足りないが、勢いに乗ったのは確実だ。
シルクフォーチュンはダートグレード3勝。一昨年のフェブラリーステークスで目にも鮮やかな追い込みで2着など一連の重賞で上位争い。今年8歳馬で展開に左右されるのが気になるが、3ヵ月半ぶりの前走・プロキオンSで8着ながら0秒4差。上がり35秒4の脚を披露した。この一戦を叩かれて上昇必至。
タイセイレジェンドは一昨年の覇者で昨年は59キロを背負いながらラブミーチャンの2着を確保した。今回はJBC金沢以来の実戦に加え、60キロのトップハンデと厳しい条件がそろった。陣営はあえてクラスターカップを選んだのは盛岡で開催するJBCスプリントをにらんでのこと。この過酷条件でどこまでやれるかを図る意味と解釈すれば△評価が妥当。
サマリーズは2歳時に全日本2歳優駿を逃げ切った実力牝馬。プロキオンSの13着が不満だが、スイートレジェンドと同様、52キロの軽ハンデが魅力。
◎(13)スイートジュエリー
○(4)アドマイヤサガス
▲(14)シルクフォーチュン
△(1)タイセイレジェンド
△(9)サマリーズ
<お奨めの1頭>
11R ニホンピロララバイ
今シーズンは徹底して短距離戦のみを使って6戦6勝。けた違いの破壊力が冴え渡っている。レース間隔が開いても適性上位は明らか