今年、岩手競馬で目につくのが短距離戦の大幅増。芝1000m戦にも登録馬が多く、うれしい悲鳴。肝心のレースも迫力、スピード満点でファンに好評を博している。
先週13日、オープン芝1000m・ハーベストCも見応えがあった。人気2頭ライトマッスル、外トートアフィシオンが激しく競り合い、超ハイペースを形成。
その結果、ライトマッスル3着、トートアフィシオン4着に敗れ、1着・スーパーワシントン(6番人気)、2着・ダイワナイト(3番人気)の格上馬がワン・ツー。馬複、馬単とも万馬券。3連単も13万6千円の高配当となった。
芝の特徴はゴール前での入れ替わりが激しいこと。20日メイン、B2「もみじ賞」はその芝1000mが舞台。果たして人気どおりに決着するか、それとも波乱で幕が閉じるか。
本命はシャイニータキオン。中央未勝利から転入後、これまで11戦7勝2着3回。一度4着に沈んだ以外はすべて連対を果たし、抜群の安定感を誇っている。
盛岡芝も2戦1勝2着1回と問題なし。前走・芝1700m2着だったが、勝ったプルミエデマンシュ(父ディープインパクト)が強すぎた。同馬は月曜のJRA交流・プロキオン賞でも1番人気に支持されるであろう強豪。
それを考えると今回はメンバー有利は明白。あとは1000m対応だが、近親がダイタクヘリオスだし、父アグネスタキオン、母父サクラユタカオーならスピード配合。むしろ望むところだろう。
サクラテリオスは中央未勝利から高知2勝後、中央へ再転入。その後、岩手に新天地を求めてきた。近走は入着止まりを繰り返しているが、1800mが長すぎたのも敗因。前走・オクトーバーC(芝1600m)は5着だったが、0秒3差。
芝1000mは一つ上のクラスB1でトートアフィシオンの3着。58秒9のタイムはこのメンバーに入ると光る。脚抜きのいい馬場をもっとも得意とし、待望の岩手初勝利のシーンまで。
クレメンタインは東京芝1400mの3歳新馬戦2着。以降は精彩を欠いていたが、3走前の新潟芝1000mで4着。転入初戦は8着に終わったが、小回り盛岡芝にも戸惑ったか。きついカーブがネックかもしれないが、適性は決してヒケを取らないはず。
ビジュアルサポートはここでもダッシュ力は一番。最後の粘りがひと息だが、今回はマイペースの逃げが打てるメンバー構成。道中で脚を貯めることができれば逃げ残り十分。展開がすべてだろう。
シーグランディは元A級馬。勝ち星には恵まれないが、条件替わっても2着5回。一連の安定感は見逃せない。現状は短距離がベストだけに今回は反撃のチャンス。あとは近走一息だが、芝1000m<2.2.1.3>の実績がある古豪ビュレットライナーも押さえ必要。
◎(7)シャイニータキオン
○(10)サクラテリオス
▲(4)クレメンタイン
△(3)ビジュアルサポート
△(2)シーグランディ
△(1)ビュレットライナー
<お奨めの1頭>
8R メジロオマリー
中央1000万下から転入し、格付けにも恵まれてワンサイドで4連勝マーク。B2昇級でもまだまだおつりがくる
14日、岩手の看板レース「第26回マイルチャンピオンシップ南部杯」は数々のドラマを演出してくれた。詳しくは勝ちそーチャンネル内のテシオ特集に観戦記を書いたので、そちらをご覧になってほしいが、前週に復帰したばかりの後藤浩輝騎手が見事大仕事をやってくれた。
1年以上のブランクがありながら、エスポワールシチーの騎乗依頼を受けた後藤騎手は9月末、栗東で調教にまたがって感触を確かめたという。「とても若々しくて年齢を感じさせない。これで走り切ったら負けるはずがないと信じた」
これは想像の域を出ないが、後藤騎手はエスポワールシチーのレースリプレイを何度も観たに違いない。フェブラリーステークスではグレープブランデーに、かしわ記念ではホッコータルマエに完敗を喫し、逆転する秘策を練った。
同時にライバルたちのレースもじっくり研究した。ホッコータルマエ、グレープブランデーの弱点は何か。そこで出した結論が昨年の南部杯、佐藤哲三騎手のレース運びだった。前半で楽をさせてラスト400m手前から一気に加速。ここでセーフティリードを取れば何とか我慢できる、と。
しかし頭で描いていても実際、そのとおりにいかないのが常だが、後藤騎手はイメージどおりのレースをやってのけた。「レース勘を取り戻していないのが心配だった」と語ったが、いやいや。お見事と言うほかはない。
「エスポワールシチーは騎手人生の中でも心に残る1頭」。自分も気持ちは同じ。南部杯に新たな伝説が生まれた。
19日メインはB1級一組による「オッズパーク杯」(盛岡ダート1600m)。焦点はエクセラン、ファーストメジャーの再激突となった。
主軸はエクセラン。中央500万下から再転入後、7戦連続で馬券対象。毎回上位争いを演じ、抜群の安定感を誇っている。
前走4着でその記録は途切れたが、B1からオープン・1200mへ挑戦。短距離のスペシャリストがそろい、さすがに速い流れにとまどったが、それでも見せ場は作った。
今回は自己の条件に戻り、距離も1600mへ延長。しかも少頭数となって自分の競馬ができること必至。引き続き好気配をキープし、首位奪回のお膳立ては整った。
ファーストメジャーは南関東から再転入。2011年の在籍時に交流重賞・絆カップ2着、オープン特別・栗駒賞優勝などの活躍を見せた。
今年8月、2ヶ月の休養をはさんで岩手初戦2着。マズマズの滑り出しだったが、その後は足踏み。詰めの甘さが目についた。ただ前回5着(エクセランも出走)は自ら超ハイペースを形成して直線一杯となったもので仕方なしの結果。
今回はB1へ降格し、盛岡マイルも2戦1勝2着1回と自信の条件。待望の白星を飾るシーンまで十分。
ファンタジーデイは中央未勝利から転入後、2勝3着2回。一戦ごとに良化を示していたが、前走・白神賞はコパノツイテルのマークがきつすぎて9着。運のなかったレースだった。スンナリの流れで巻き返しに転じる。
ノーティカルスターは中央1勝を芝2000mで上げ、ダート戦は転入直前に経験。初ダートでも0秒7差6着で苦にしないことを証明した。B1なら十分間に合う。
クリスティラビットは今季未勝利。2着2回止まりだが、自分の方に持ち込めなかったのが理由。外枠なら2番手でも我慢がきき、ペースさえ落ち着けば残り目も考えられる。
◎(2)エクセラン
○(5)ファーストメジャー
▲(7)ファンタジーデイ
△(4)ノーティカルスター
△(8)クリスティラビット
<お奨めの1頭>
5R ミキノロココ
短期免許で騎乗中の太田陽子騎手に岩手初勝利をプレゼント。今回は1400mへ延長されたが、逃げ一辺倒の脚質ではなく難なくクリアーできる
10月14日、いよいよこのレースがやってきます。『マイルチャンピオンシップ南部杯』。今年で26回目を迎えるJpnIです。
マーキュリーカップ、クラスターカップと聞くと「暑い」というイメージですが、南部杯と聞くとなんというかもう「冬も近いな・・・」と感じてしまいます。
実際、13日の日曜日には岩手山の初冠雪が報じられました。毎年南部杯の頃にはそんなニュースが流れるのですが、今年はここに来て気温が高くなったりしていたのでもう少し先なのかな・・・と思っていました。それが南部杯前日に雪が降ってきっちりと帳尻を合わせる形に。こうなるともう、あとは冬に向けて一直線ですね。
月曜日に南部杯を現地で観戦しようと思われている皆さん、レースの頃やその後の表彰式の頃はすっかり寒くなると思います。上着を一枚用意しておいでになる事をお奨めしておきます。
●11Rの買い目
馬単(12)→(9)、(12)→(8)、(12)→(3)、(12)→(1)
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昨日に続いて南部杯の報告を。先日、栗東トレセンへ行ってきた。取材対象はエスポワールシチー、グレープブランデー、ホッコータルマエの3頭。本当はセイクリムズン、アドマイヤロイヤル、ダイショウジェットの話も聞きたかったが、時間の都合で3頭に絞らせてもらった。
エスポワールシチー=安達昭夫調教師
「フェブラリーステークスは2着だったが、自分の競馬ができたので仕方がない。今年夏も栗東近くの牧場に放牧に出て9月頭に帰厩して元気一杯。かしわ記念は511キロと太目残りだったが、この馬は輸送してみないと分からないところがある。相手は強力だが、盛岡コースとの相性の良さで頑張ってほしい」
グレープブランデー=安田隆行調教師
「フェブラリーステークス優勝後、軽い骨折が判明。8ヶ月ほど実戦から離れたが、ちょうどいい休養になったと思う。8月には栗東へ戻って順調に攻め馬を消化。諸っ相対性は整っている。フェブラリーSは内に包まれて苦しい競馬だったが、よくしのいでくれた。南部杯からジャパンカップ・ダートへ行く予定だが、最優秀ダートホースのタイトルを取らせてやりたいね」
ホッコータルマエ=西浦昌一調教助手
「レパードステークス優勝と前後してどんどん成長し続けているのを実感している。昨ジャパンカップ・ダート3着は決め手の差。その課題克服のために取り組んだのが今の結果につながったと思っている。夏は北海道で放牧。戻ってきて会ったら一段と逞しくなっていた。もう一度、父を『世界の西浦』と呼ばれたいですね」
各陣営とも秋初戦を迎え、相当な力が入っているのがヒシヒシと伝わってきた。盛岡ダート1600mのコースレコードは3年前、オーロマイスターが更新。1分34秒8の大記録を樹立したが、もしかするとレコード更新のシーンがまた見られるかもしれない。
13日メインはOROターフスプリント・トライアル「ハーベストカップ」(盛岡芝1000m)、12頭立て。トートアフィシオン、ライトマッスルの初対決が見ものとなった。
トートアフィシオンは今季<5.1.1.0>。父(サクラバクシンオー)譲りのスピードが冴え渡っている。特に芝1000m戦での強さが際立っており、5走前のB1・芝1000mで58秒0の驚異的なタイムで圧勝。レコードに0秒2まで迫った。
また前哨戦・FM岩手杯もダイワマックワンとのマッチレースを58秒1のタイムで快勝。目下3連勝と勢いにも乗っている。
加えてA級馬が58キロ(牝馬は2キロ減)の負担重量に対し、B1からの挑戦で56キロで出走できるのも強み。中間の雨が若干心配だが、適性を前面にOROターフスプリントへ向けて是が非でも勝ちたいところだろう。
逆転筆頭はライトマッスル。昨年のハーベストカップを優勝からOROターフスプリントも制し、最優秀ターフホースにも選出。短距離芝で秘めた才能が全面開花した。
こちらの不安は1枠に入って包まれる競馬を強いられる可能性があることだが、好スタートを決めて主導権を握れば問題なし。発馬が最大ポイントとなる。
▲以下に迷ったが、ディアーウィッシュを評価。重賞2戦は着外だったが、短距離戦3、2着。絶対スピードを問うレースが現状は合っている印象だ。芝も中央1勝で問題なさそう。
スーパーワシントンはダート1200m・早池峰賞優勝。10歳馬で待望の初タイトルを獲得した。3走前、桂樹杯(芝1600m)でも3着を確保し、古豪ながら反応の良さは健在。
あとは前崩れの展開でリビングストン、1000m短縮でも思った以上に強いレースを披露するアラマサコマンダーが押さえ。
◎(7)トートアフィシオン
○(1)ライトマッスル
▲(12)ディアーウィッシュ
△(11)スーパーワシントン
△(5)リビングストン
△(9)アラマサコマンダー
<お奨めの1頭>
5R ブリス
転入2戦の1200m戦を破格タイムで連勝。C2では能力の違いが明白で距離1400mも難なくクリアーする
南部杯の取材で栗東トレセンに行ってきた。今年はダートGⅠ2連勝を含め、交流5連勝中のホッコータルマエ、フェブラリーステークスを快勝グレープブランデー。そしてディフェンディングチャンピオンであり、南部杯の顔エスポワールシチー。
以上の豪華な顔ぶれに加え、ブルーコンコルドで盛岡コースを熟知している服部利之調教師が自信を持って送り込んできたセイクリムズン、プロキオンステークスで鮮やかな直線抜け出しをレコードで決めたアドマイヤロイヤル、昨年2着ダイショウジェットとJRA勢は過去最強のメンバーが終結する。気になる枠順が確定した。
コスモワッチミー(高知)
グランシュヴァリエ(高知)
グレープブランデー(JRA)
ダイショウジェット(JRA)
トウホクビジン(笠松)
エプソムアーロン(園田)
セイカアレグロ(金沢)
エスポワールシチー(JRA)
アドマイヤロイヤル(JRA)
セイクリムズン(JRA)
コスモフィナンシェ(岩手)
ホッコータルマエ(JRA)
ランドオウジ(岩手)
グレープブランデーはフェブラリーSと同様、内枠に入ったが、レースがバラけるのは例年どおりのはず。あまり枠順は考えなくていいだろう。金曜時点で小雨だが、水を含んでやや重状態。1分35秒台の決着は確実だろうし、もしかするとレコード決着になる可能性もある。14日、激突の日が待ち遠しい。
12日(土)メインはC1「区界賞」(盛岡ダート1600m)。大本命メジロオマリーの登場で回避馬が続出。8頭立ての少頭数となり、俄然、同馬に有利な条件がそろった。
メジロオマリーは中央ダートで3勝2着3回3着3回の成績で1000万下に在籍。また昨年は「東京カップけやき賞」へ遠征してエバーオンワード(現A級)の3着。この実績があって最下級C2へ格付けされ、相手有利は誰の目にも明白。
案の定、移籍3戦とも圧勝に次ぐ圧勝。C1昇級初戦の前走は2着に1秒6もつける大差でゴールした。距離1600m延長もまったく問題なく、自身の連勝をどこまで伸ばすか楽しみだ。
ただ相手が若干難解。現在、雨の影響で馬場に水が浮いており、当日も重か不良の可能性大。これが各陣営に影響しそうだが、それでも相手はタッチオブマスターが筆頭だろう。
タッチオブマスターは中央0勝園田2勝、北海道1勝から昨年9月に転入。B2で2着の実績を残し、今季はC2スタート。シーズン2戦目から5戦連続で連対を果たしたが、その後は気性難をのぞかせて足踏み。
しかし前走では相変わらずズブい面を見せながらも快勝。ようやく吹っ切れた印象だった。不安は速い時計勝負になったときだが、タイム比較からも2着は譲れない。
リバイヴエンブレムは勝ち星4勝すべて盛岡戦で稼いでいる。コース替わった前走は出遅れを喫しながらも直線抜け出しを決め、改めて盛岡が合うことを証明した。引き続き好気配をキープ。
レッツライドは転入3戦目の芝で8着凡走したが、それ以外の6戦連対。抜群の安定感を誇っている。前走タイムから評価は下がってしまったが、2着候補には外せない。あとは前回1着で弾みついたフィールドグースも押さえが必要。
◎(2)メジロオマリー
○(6)タッチオブマスター
▲(5)リバイヴエンブレム
△(8)レッツライド
△(7)フィールドグース
<お奨めの1頭>
7R ヤマニングランバル
中央未勝利から転入後、2着2回3着1回と安定度一目。勝利できなかったのは相手に恵まれなかっただけ。ここはキッチリ勝ちたいところ