19日(日)メインは岩手古馬の看板レース「第39回一條記念 みちのく大賞典」。優勝馬主には今をときめく種牡馬ネオユニヴァースの配合権利が提供される。
舞台はダートのクラシックディスタンス2000m。4コーナー奥のポケットからスタートし、直線が約600m。盛岡自慢のコースで枠順の有利不利はほとんどなし。実力どおりに決着する。
主役はロックハンドスター。門別・コスモバルク記念を叩いてみちのく大賞典は当初の予定どおり。陣営はみちのくを制して真夏のJpnⅢ・マーキュリーカップへ駒を進めたいと考えている。
そのコスモバルク記念でロックハンドスターは5着。同期の三冠馬対決に沸いたが、クラキンコに完敗を喫した。これが現時点での実力差と認めるほかはないが、最終追い切りではフックラしていた体が輸送で減り、当日の馬体重がマイナス10キロ。改めてアウェーの厳しさも垣間見せた。
それから1ヵ月半が過ぎ、輸送疲れも完全に払拭。1週前はベストマイヒーローと併せ馬を消化し、最終追い切りは単走で好タイムをマーク。「1週前とは動きがガラリと変わった。自信を持って送り出せる」と瀬戸幸一調教師は納得の表情で語った。
盛岡ダ2000mもすでに2度経験済みで距離不安もまったくなし。飛躍の4歳を迎えてどのようなレースを披露してくれるのか楽しみで仕方がない。
しかし今回、伝統に一戦にふさわしく岩手トップがほぼ顔をそろえた。一昨年の年度代表馬マヨノエンゼルは仕上がり途上で回避したのが残念だったが、ロックハンドスターが不在だったら、ほとんどが主役を張れる馬ばかり。非常にワクワクしている。
まずコアレスレーサー。540キロ前後の大型馬で明らかに叩き良化型。今季初戦・あすなろ賞は3コーナー過ぎに先頭に立ち、そのまま押し切るかと思ったが、久々がこたえて3着。
だが、この一戦を叩かれて気配が一変。前走は積極的な逃げの手に出て上がり3ハロンが37秒5。このタイムでまとめられたら、ちょっと太刀打ちできないような完ぺきな内容で圧勝した。
これで弾みがついたのか、さらに体調アップ。昨年、同じ盛岡ダ2000mで行われたJpnⅢ・マーキュリーカップで4着に善戦して条件ベスト。ロックハンドスターを破り、待望の初重賞制覇に燃えている。
リュウノキングダムはトウケイニセイ記念優勝後、一度、園田へ転籍して再転入。初戦に早池峰賞を選び、久々の短距離・1200mが不安だったが、目が覚めるような最後方一気を決め、さすが重賞3勝馬と大向こうを唸らせた。
1200mからいきなり2000m延長は常識的にはきつい印象を持つが、リュウノキングダムは別格。最大の特長はどんな流れにも対応ができ、一昨年の北上川大賞典(盛岡ダ2500m)も完勝。器用さも兼ね備えている。
サクラマジェスティは前走・あすなろ賞で1番人気に支持されたが、5着に凡走。ちょっとミソをつけた感じだったが、珍しくゲート入りを嫌って先頭モードに入っていなかったか。
昨年、黒潮盃から帰郷初戦のロックハンドスターを子供扱いにして完勝。その後の成長力があるにせよ、アッサリ切って捨てたのは厳然たる事実。コースの広い盛岡で全能力を発揮するタイプだけに、前走のみで見限るのは早計だろう。むしろ気楽に乗れる今回の方が不気味さが漂う。
ワイルドキャットは転入初戦のあすなろ賞2着。前走比プラス12キロと見た目にも太め残りだったが、見せ場を十分に作ってクビ差の僅差負け。こちらも叩かれた上積みを十分に見込めるし、レースを作れる強みもある。結果的に評価は下がってしまったが、軽視はまったくできない。
あと印は回らなかったが、あすなろ賞快勝マイネルプロートス、早池峰賞で惜しくも3着ゴールドマインも怖さ十分。各陣営ともそれぞれの思惑を秘め、最高におもしろい一戦となった。
◎(9)ロックハンドスター
○(11)コアレスレーサー
▲(10)リュウノキングダム
△(3)サクラマジェスティ
△(8)ワイルドキャット
3連単は9を1着固定に勝負。あとは11、10、3、8と手広く流したい
馬複は 9-11、9-10、3-9、8-9
<お奨めの1頭>
3レース アクセルファイヤー
前走はマツリダベストの逃げ切りに屈したが、これは相手を誉めたい。今度は負けられない
18日、メインは盛岡芝2400mを舞台に行われる「かきつばた賞」。盛岡ターフ戦線がこのレースから始まり1、2着馬には芝の全国交流・第33回せきれい賞(同じく芝2400m)への優先出走権が与えられる。
盛岡芝と言えばボスアミーゴ、ボスアミーゴと言えば盛岡芝の鬼。盛岡ターフ王の異名を欲しいままにし、3年連続で最優秀ターフホースの座についてきたが、昨年ついにターフ王の座をシーグランディに明け渡した。
昨年、ダート戦を2度使われ、いよいよ芝を向かえようとした直前、脚部不安が発生して無念のリタイア。しかし無理をしなかったのは芝重賞の完全制覇=グランドスラム(2歳・テシオ杯ジュニアグランプリ、3歳・オパールカップ、3歳以上・せきれい賞、OROカップ)を最優先させたからだった。
ところが思ったほど調整が進まず、OROカップ5着。結局、8戦未勝利に終わってしまったが、それでも距離が短すぎた(芝1000m)きんもくせい賞(当時:特別)で3着に食い込み、ターフ王だった意地は見せた。
その後、12月初旬のA級(水沢1800m)5着で早々とシーズンを終了。今季に復活を賭けて半年ぶりに復帰。初戦は4・6秒差の大差7着に終わったが、このレースを叩いてかきつばた賞は当初の予定どおり。
このまま引き下がるのか、それとも巻き返しなるか。今回、ボスアミーゴは正念場を迎えた。
以上の理由からボスアミーゴは対抗に落ち着き、本命はサウンドサンデー。南関東で通算11勝をマーク。重賞には手が届かなかったが、常連として名を馳せ、岩手の芝へ3度参戦し2着1回3着2回。
もちろん重賞が舞台での好成績で隠れていた芝適性を披露した。岩手転入は昨年暮で、4戦(2度は遠征)を使って園田へ一旦トレード。2戦8、10着後、再び岩手へ戻り、初戦を鮮やかなマクリで快勝した。
順調度、芝適性、そして臨戦課程とどれを取り上げても他を一歩リード。絶好の勝機を迎え、本番・せきれい賞へ好発進を決めたいところだ。
サウンドサンデー、ボスアミーゴのラインに割って入るのがドリームスナイパー。中央未勝利から一昨年9月に転入。一戦ごとに地力をつけ、昨年はB1条件から強気にかきつばた賞へ挑戦。そこで3着に健闘し、重賞・せきれい賞では前記サウンドサンデーに先着して2着。ステイゴールド産駒らしく、芝2400m戦で秘めた素質がついに開花した。
その後、JRA入りしたのは芝の長距離で力を試してみたかったからだが、4戦して8着が最高。速い流れが合わず、名古屋2戦を経て岩手へ里戻り。初戦はB1・2混合戦で3着。伸びひと息に終わったが、元々が通算2勝と勝ち味に遅いタイプ。
これがドリームスナイパーの持ち味であり、欠点。相手なりに駆ける堅実さと最後の破壊力差で▲評価となる。
マルブツコンバットも芝で素質開花したクチ。昨年の桂樹杯(盛岡芝1600m)で格上馬相手に快勝。サッカーボーイ産駒の特長である切れる脚を存分に発揮した。ただ、気になるのが昨年終盤から精彩を欠いている点。今季初戦も大差しんがり負けを喫し、得意の芝でどこまで反撃なるか。
あとは前回快勝で再び勢いを取り戻したブライティアピア。盛岡芝は初めてだが、中央時の1勝は芝1200m戦でマーク。折り合いに苦労しないタイプなので脚をためることができれば2400mも克服できる。
◎(5)サウンドサンデー
○(6)ボスアミーゴ
▲(2)ドリームスナイパー
△(8)マルブツコンバット
△(3)ブライティアピア
3連単は5を1着固定に6、2の折り返しが本線。あとは8、3を3着押さえ
馬複は 5-6、2-5、5-8、3-5
<お奨めの1頭>
1レース コスモティーピー
岩手初戦は重め残りのため5着だったが、一度叩かれて動きが一変。前走は4角先頭の圧勝劇を演じ、周囲をアッと言わせた。中間、さらに良化
6月第2土曜日はチャグチャグ馬コの日。今回はばんえい十勝からリッキーとミルキーの2頭が参加、全行程を歩き通したとの事で、まことにお疲れさまでした。
私も土曜日の朝、出発地点である滝沢村・蒼前神社に行っていたのですが、たくさんの馬コの中でリッキー&ミルキーをはっきりと捉える事ができずじまい(後で確認すると、遠くの方に写っているコマがありましたが・・・)。
チャグチャグ馬コに出てくる馬は農耕用在来種ばかりでなく元ばん馬という経歴の馬も少なくなく、さしものリッキー&ミルキーといえどその大きさで見つける事ができません。
という事で、ここに掲載したのは10日の金曜日に行われた撮影会での一コマ。前の芦毛がミルキーですね。装束を普通に着こなして実に立派です。
そして。12日の日曜日、盛岡競馬場に鈴木邦哉調教師がいらっしゃったのですが、そこで師のお顔を拝見した後、改めて10日の画像を見ると・・・鈴木調教師がミルキーを引いているじゃないですか!11日の本番の写真は・・・当然ここにも鈴木調教師・・・!
というかリッキー&ミルキーは今回いらっしゃったばんえい関係者の皆さんで引いていた様ですね。はっぴ姿に姉コ姿・・・皆さん似合いすぎで分からなかったですよ!いやはや本当にお疲れさまでした。
前走は彼なりにいろいろな課題があったのですがそれも全てクリア。加えて世代のライバル・シーグランディが芝路線に向かったため、めぼしい強敵も見あたらなくなりました。中間はあくまで順調、陣営も自信を持って送り出せるとの事。「競馬に絶対はない」といいますが、よほどの事がない限りこの馬がここで敗れるシーンは想像できません。
では対抗は?これが悩みどころ。前哨戦や2歳戦の結果を見る限り(4)ヤマトスバル(9)トーホクスピリットが優勢なのでしょうが、いずれも展開に注文がつくタイプゆえ過信はできません。スローと読むなら(4)、ある程度速めの流れになると読むなら(9)か。血統的には2000mはこなせる背景を持ち、その点はある程度信頼できそう。
それ以外となると、過去ベストマイヒーローやシーグランディに数秒の単位で負けている馬がほとんどで何とも手掛かりがありません。比較的"負け具合"が小さいのは(2)スパルタンや(7)ドキドキなのですが、どちらも1800mすら未経験では強気になれる材料が無く・・・。
やはり◎鉄板、2着もある程度実績のある馬で・・・というのが、結局ベターなのではないでしょうか。
●10Rの買い目
馬単 (10)→(4)、(10)→(9)、(10)→(2)、(10)→(7)
12日メインは"震災に負けないいわて牛"協賛「ねむの木賞」。盛岡ダート1600mを舞台に争われ、A級入り目前の好メンバーが顔をそろえた。
主軸はオウシュウサンクス。協賛どおり、ここは負けられない一戦となった。昨年は3歳トップグループの一角を形成し、今季スタートがB1。オープン入りへノンストップだと誰もが疑わなかったが、2戦連続で2着。初戦はバラディーのイン強襲に屈してハナ差。2戦目はマイネルサウダージの粘り腰に屈してクビ差と悔しい連敗スタートとなった。
その悔しさを誰よりも思っているのはオウシュウサンクス陣営。中間の追い切りで併せ馬を敢行したのは、僅差負けへの対策。競り合いに持ち込んでもキッチリ勝てるよう万全の態勢で臨んできた。今度こそスッキリ勝ちたい。
ただ包囲網もなかなか強力だ。オンワードアコールは転入後、ダート戦で馬券対象から外れたのはわずか2度のみ。4走前の銀嶺賞は出遅れがこたえて7着、前々走・岩手日報杯は2000mの距離に戸惑って6着と敗因がはっきり。
それを含めて岩手ダート<9.6.1.2>と驚異の連対率を誇り、前走も2着できっちりお返しをした。
オンワードアコールの最大特長は追い出してからの反応のすばらしさ。特に今回と同じマイル戦での信頼度は非常に高く、盛岡・水沢含めて5勝2着4回。連対パーフェクトと絶対の自信を持っている。
モエレハナオーは昨年までA級へ在籍して勝ち負けの実績。今季はB1へ降格してメンバーが楽。初戦1番人気も当然だったが、直線で粘りを欠いて3着。物足りない結果に終わったが、門別・コスモバルク記念遠征の疲れが残っていたのが敗因か。オンワードアコールと同様、ベストのマイルで反撃に転じる。
バラディーの△は評価が低すぎるかもしれない。中央4戦0勝から一昨年8月に転入して<3.4.1.0>の成績を残して再度中央入り。2戦着外に沈み、岩手へ戻ってきたが、そこから7戦連続で連対を継続。初戦でオウシュウサンクスを破った1勝を含めて目下4連勝をマークしている。
実は前走、不安が大きかった。9月のC1特別を快勝後、脚部不安が発生して無念のリタイア。今年5月に復帰を果たしたが、C1からいきなりB1へジャンプアップ。常識的には苦しい戦いとなったが、様々なハンデをはね返して1着。しかも破ったのがオウシュウサンクスだったから、評価は上がる一方だ。ここも突破するようならばオープンでも間違いなく通用する。
キャニオンルナの初戦劇走には驚かされた。中央未勝利ながら2着1回3着2回の成績は悪くなかったが、南関東での成績が振るわず4戦とも着外。それで5番人気の低評価となったが、勝負どころの3コーナーからスルスル進出して完勝。自分もその強さに唖然とした。
牝馬ながら510キロ以上と馬格に恵まれ、おそらく時計のかかる馬場が歓迎のクチ。スタートダッシュがそれほど鋭くなく、内で包まれると厳しいが、4歳の若さを前面に2連勝を飾るシーンまで考えたい。
◎(10)オウシュウサンクス
○(4)オンワードアコール
▲(5)モエレハナオー
△(9)バラディー
△(3)キャニオンルナ
3連単は10を1着固定で勝負。2、3着に4、5、9,3と手広く流したい
馬複は 4-10、5-10、9-10、3-10
<お奨めの1頭>
3レース アクセルファイヤー
転入初戦を逃げ切り圧勝。さすが中央4勝馬と大向こうをうならせた。ここも迷わず中心
個人的に大好きなのが短距離レース。しかも1000m戦はスピード感がたまらなくいい。一般レースの最短は1200m。ほとんどC2クラスで実施され鮮度がないが、ダート(芝も)1000m戦は2歳戦で、古馬は希少価値を増す。
最近で最も成功したケースはウメノレイメイだろう。芝ダートを問わず1000mのスペシャリストで名を馳せ、ついには新設の芝重賞・OROターフスプリントまで創設させてしまった。
11日メインはB2級・盛岡ダート1000mが舞台「ジューンカップ」。このクラスは普段、1600mか1800mで行われており、一気に距離が短縮されて各馬とも戸惑うこと必至。逆に沈黙していた隠れた適性馬が、いきなり浮上するの可能性がある。
最も優勝に近い距離にいるのはゲイリークインだろう。岩手通算16戦9勝2着2回。特にJRAから再転入後が圧巻で昨年、C2から6連勝をマーク。一度3着に敗れたが、最終戦を1着にまとめてシーズンを終了した。
今季初戦は伸びを欠いて3着だったが、これは初の1800mがこたえたから。マイル短縮された前回快勝でキッチリお返しをした上、2着に退けたのがキタサンアイドルなら強さ一目。
気になる1000m適性だが、JRA4戦中3度までが芝1000m(新潟)。いずれも着外だったが、タイム差1秒前後にまとめ、短距離適性は証明済み。あとは超ハイペース必至で1枠がマイナスに作用しないかどうかだけが不安点だ。
相手筆頭はバルパライソトート。前走は4角先頭の横綱相撲で完勝し、幸先のいいスタートを切り、その後はジューンカップ1本に絞って調整。1000m戦は生涯初めてだが、父アジュディケーティング、母父スプラッシュオブカラーはスピード血統。陣営も意欲満々で臨んできた。
続く有力馬は初戦の岩手日報杯(2000m)で2着に粘り、前走1800m戦を逃げ切ったマイネルサウダージ、今季3戦3勝と絶好調を誇るバルク。ただ、先にも記したが、1000m戦は超ハイペース必至。1本調子のタイプが1000m戦をしのぎ切るのは至難の業、が過去のデータだ。
両馬ともそのイメージが強く、それならばセンリグランピーに白羽の矢を立ててみたい。スキャターザゴールド×リアルシャダイは長い距離向きと見ていいし、実際、近走は長い距離を中心に使われきた。また3歳時に優勝したサファイア賞も芝2400mが舞台だった。
それでも狙ってみたい理由は2歳時に北海道遠征した「岩手山特別」での2着。門別1200mを舞台に、ポツンと最後方を進みながら直線だけで一気に突っ込んできた。このときの勝ち馬クラフィンライデンは後に重賞を制し、現在は南関東B1に在籍し、実力はお墨付き。
先週のオープン1200m・早池峰賞を制したのはスキャターザゴールド産駒リュウノキングダム。しかもコンビは菅原俊吏騎手で今回のセンリグランピーとまったく同じ。強気に攻めてみたい。
◎(1)ゲイリークイン
○(2)バルパライソトート
▲(6)センリグランピー
△(10)マイネルサウダージ
△(5)バルク
△(3)エスユーシルバー
3連単は1を1着固定に2、6、10、5へ2、3着流し
馬複は 1-2、1-6、1-10、1-5
<お奨めの1頭>
11レース アースグラヴィティ
移籍2戦とも2着だが、前走はJRA相手と中身が濃い。地元同士の戦いなら待望の岩手初勝利