今週はいろいろな節目の多い週となりました。まず、前回のこの項でもお伝えした村松学騎手が1000勝を達成しました。「999」で迎えた土曜日の1Rでの達成で、今か今かと待っていましたが決まってみれば実にあっさりとしたもの。こういう時は得てしてこんなものですね。
そして、調教師試験に合格した板垣吉則騎手が今週いっぱいをもって現役引退の運びとなり、日曜日に引退セレモニーが行われました。
これまでは試験の時期が年末で、岩手の冬季休催期間中にいつの間にか引退していて翌春から調教師として登場・・・というパターンが多かったのですが、試験の時期が変わってシーズン途中での引退という形になりました。
そのおかげ、といっては何ですが、岩手では史上2人目となる騎手引退セレモニーを行う事ができ、たくさんのファンが見守る中で『騎手・板垣吉則』に別れが告げられました。
板垣吉則騎手といえばサイレントエクセルでの活躍が印象深かったですし、古いファンの皆さんならビソウウエスタンらアラブ馬とのコンビも思い出深いでしょう。
私は、ゴールでの決めポーズの印象ですかね。ゴール手前でカメラを探してきっちり決めのポーズを贈ってくれた板垣騎手。ベテランならではの余裕であり貫禄であり、性格的にも板垣騎手らしいなと思ってみていました。
もう一つ。今なら言えるこの秘密。「板垣騎手が返し馬で笑っていたら、その馬の調子が良い」。冗談みたいだけど本当なんですよ。
本人にも尋ねた事があります。馬の調子が良いと思ってにっこりしているんですか?って。「そう?笑ってるつもりはないけど・・・」という答えでしたが、実際それで穴馬券を獲った事もあります。
そんな時の写真も見せた事があるんですよ。
「ほら、笑ってますよ」
「あれ。本当だね。何でだろうね(笑)」
本当に気が付いてないようです。
板垣騎手の最後のレースはメインのダイヤモンドカップ、ミスギンレイ。返し馬で笑っているかどうか、よく見ておいて下さいね。それによっては穴馬券につながるかも・・・。
本命は(5)ロックハンドスターで揺るぎないでしょう。春初戦のスプリングカップ、前哨戦の阿久利黒賞のいずれも圧勝。全く追う所無く、ムチを使わずの走りは格の違いとしかいいようがありません。
中間の調整も順調で、追い切りについても「すでに使ってきているのでこれで十分。状態は万全」と、騎手・調教師とも口を揃えます。
唯一心配があるとすれば2000mの距離。芝・ダともマイル以上の経験がない同馬にとって、もし足枷になるなら距離だろうと、これも騎手・調教師ともが揃って言う所。
ただ、血統やこれまでの走りから距離が伸びて悪いようには見えませんし、2000mの経験がないのは他の馬も一緒。例えば既に距離経験豊富な古馬の中に飛び込んで・・・というのならともかく、3歳馬相手で困るとは思えません。
岩手の3歳三冠戦は全て2000mですし、この後の全国レベルの舞台もほとんどが2000m。ロックハンドスターにとっては、この距離でもきっちり強さを発揮して見せて、今後の活躍への弾みにしたいところ。いや、しなくてはなりません。
事実上の「1対11」の構図で2着以下は何とでも選べそうです。という事で2着は少しひねって(1)サクラエルセダンとしてみます。
前走は3着でしたが距離適性・コース適性は十分に発揮しました。小回り水沢では身体をもてあますような感じでしたから盛岡で変身するかも・・・と思っていたら案の定。今週は差しも届く馬場だし、スロー必至の2000mなら立ち回りも楽になるでしょう。
三番手はトライアルの勝馬(12)モエレフットライト。メンバー中唯一の1800mでの優勝経験と2000m出走経験が強みになるのは間違いなし。ただ、気性的にまだ子どもっぽく、前走があんな勝ち方だっただけに今回は逆に・・・という心配はあります。
(4)ダークライは距離よりも状態面がそろそろ不安。前走は2着に粘ったもののあまり良い感じには思えませんでした。距離に関しては、過去の3歳2000mのレースで「明らかなマイラー」という馬がスローペースを利して粘る例は多く、それほど不安視しなくても良いと思います。◎にかわいがって貰ってどこまで・・・では。
★買い目
馬単 (5)→(1)、(5)→(12)、(5)→(4)
30日(日)、31日(月)の両日ともメインレースは3歳戦。30日は芝1600mが舞台「はまなす賞」。そして31日はダービーウィーク第2戦目「第30回岩手ダービー ダイヤモンドカップ」。こちらはダートのクラシック・ディスタンス2000mが戦いの舞台。
連日に渡って3歳戦が組まれ、絶対頭数の少ない岩手で馬が分散化してしまうとの声があるが、要はそのヴァリエーションをどう生かすか次第。実際、適性のあ有り無しがハッキリ出ている。
試行錯誤はこれからも続くだろうが、芝ダートを生かす術(すべ)は必ずある。今の岩手に必要なのは前向きさだ。
さて「はまなす賞」。実力比較、好調度、さらには芝適性のファクターも加わり、軸の選定に迷うが、これは望むところ。盛岡芝は初めてだが、転入後5戦5勝ゲンパチオブラヴの勢いを重視したい。
中央4戦未勝利から3月に転入。獲得賞金が"0円"だったため、最下級C2からスタート。メンバーにも恵まれて中団からアッサリ抜け出して完勝。これで弾みがついて以降、2着に1・2秒、1・1秒、0・4秒、そして前走も1・2秒差で圧勝。走るたびに迫力が増すばかり。
懸念材料は盛岡芝が初めてに尽きるが、中央時代に東京芝1400mを使って1分23秒3。1着馬から0・7秒差7着なら何とかクリアーできそうだし、何よりゲンパチオブラヴには勢いがある。
逆転候補はイシノウォーニング、リュウノオパール。イシノウォーニングは七時雨賞で1番人気に支持されたが、直線で一杯となって5着。逃げたダークライ以外はすべて先行馬が沈んだレースで、流れもきつかった。また1800mの初距離にも戸惑った印象もあり、芝に替わるがマイルなら本領を発揮できるはず。
リュウノオパールは父がダービー馬アグネスフライト、兄が菊花賞、天皇賞・春、宝塚記念を制したヒシミラクルの良血馬。素質はまだ花開いていないが、盛岡芝<1.2.1.2>と適性の高さを証明。今季の成績度外視して狙ってみたい。
本調子を欠いていても潜在能力はメンバー中一番、ダイメイジュエリーも不気味だ。七時雨賞のペースを速めた張本人がダイメイジュエリーで、結果4着に敗れたが、その時に見せた脚に実力の片りんをのぞかせた。
他に輸送で体重が減っていなければ実力互角以上ベルデンアイン、JRA交流「フレンドリートロフィー・アンバー賞」で2着に善戦リュウノヒーローも侮れず、馬券的にも非常におもしろい一戦となった。
<お奨めの1頭>
6レース コスモジャーニー
転入後、アッサリ2連勝をマーク。特に前走は2着に1秒差をつける圧勝劇を演じ、走破タイムも出色。もう一丁いける
週半ばから極端に気温が低下し、愛馬の体調維持に各陣営とも苦労している。しかし盛岡替わりの5月中旬に比べると向正面の木々が青々と繁り、まさに新緑の季節を迎えた。29日(土)メイン10レース「五月雨賞」の舞台、芝1700mも緑がさらに色濃くなっている。当日の天気予想は晴れ時々曇りだそうだから、きれいなターフのもとで好レースが期待できる。
人気はドーリーゴンザレスに集中するだろう。過去、盛岡芝<6.2.1.1>と適性抜群。特に1700m戦に絶対の自信を持っており、6戦5勝2着1回と連対率100%を誇っている。前走の芝1600m戦でもヒドゥンアジェンダの強襲に遭ったが、驚異的な粘りを見せて1着同着。改めて盛岡芝の鬼ぶりを発揮した。
ただ、この結果にケチをつける訳ではないが、それ以前の4戦にかつての勢いが感じられなかったのが気になる。好調時には芝だけではなく、水沢でも勝ち負けしていたことを考えれば不満が残る内容。8歳の年齢的な衰えが見え隠れする。
主軸にポイントプリムを指名する。昨年10月、中央未勝利から転入後、すべて3着以上にまとめ依然、底を見せていない。また冬休みをはさんで4戦連続で2着に敗れていたが、前走・メイカップで鮮やかな逃げ切りを決め、これまでのうっ憤を一気に晴らした。
加えて2着が続いたのは相手も強かったから。今年の1着馬タニノレジェンド、ハルサンヒコ(バンドマスターはB2)は現在、B1へ昇級しており、むしろ2着を死守したポイントプリムを評価するべきだろう。
肝心の芝適性だが、父アグネスワールド、母父フジキセキなら逆に大歓迎。実際、中央時代に札幌芝1200mで0・5秒差4着に入線を果たしているし、芝1200mの持ちタイム1分10秒5なら十分通用する。
ヒドゥンアジェンダの前走には驚いた。4コーナーでは後方2番手にいたが、大外に進路を取ると矢のように伸び、ゴール前ではドーリーゴンザレスを交わす勢い。さすが中央3歳新馬戦・京都芝1400m戦で0・1秒差3着に入っただけのことはある。今回は100m延長の芝1700mなら、さらに切れを発揮する可能性も高い。
アドマイヤセレスは前走、ドーリーゴンザレス、ヒドゥンアジェンダから0・3秒差3着。これは決定的な差ともいえるが、道中ずっと前が壁になる不利が続き脚を余して負けた印象。一戦のみで見限るのは早計だろう。
そのアドマイヤセレスにタイム差なし5着サイレントステージ、中央芝で3勝ラストモアも不気味な存在だ。
◎(6)ポイントプリム
○(5)ドーリーゴンザレス
▲(9)ヒドゥンアジェンダ
△(11)アドマイヤセレス
△(2)サイレントステージ
△(12)ラストモア
3連単は5、6の2頭軸から9、11、2、12へ3着流し
馬複は 5-6、6-9、6-11、2-6
<お奨めの1頭>
9レース サクラカムイオー
北海道から転入後、スケールの違いを見せつけて5戦5勝。B2昇格も難なくクリアーし、黙って追いかける手
村松学騎手が地方通算1000勝まであと「1」に迫っております。
長身でイケメン、ファンも多い村松騎手(ついでに奥さんもお子さんも綺麗&かわいい)。同い年で同期の村上忍騎手との"ムラ・ムラ"コンビの呼び名は、岩手競馬ファンなら一度は聞いた事があるでしょう。
昨秋くらいからカウントダウンが始まって、「冬はまた九州に行って、荒尾で達成しちゃおうかな~」などとからかわれました。開幕した途端、肺炎で休みがちになってヒヤヒヤもしました。が、なんとかようやく、岩手で達成シーンを見る事ができそうです。
既に1600勝を超える村上忍騎手に対し村松騎手はようやく1000勝という事なんですが、だから村松騎手の腕が劣るって印象はないんですよね。人気馬なら圧倒的な強さを感じさせるような、人気薄ならあっと言わせるような、そんな思い切ったレースを挑んでくるタイプ。
村上騎手が人気サイドの馬をちゃんと持ってくる事を期待されているのなら、村松騎手は人気が薄い馬で"面白い"レースをやってくる。そんな印象で見ています。
私の夢はムラ・ムラの2人でリーディングを争ってくれる事なんだけどな。まだ30ちょいなんだし、老け込まずにまた年間100勝、そしてリーディングを狙ってほしいと思います。
月曜日はJRA条件交流が2レース組まれ、メインレースはそのうちの一つ、ダート1600mの「アンバー賞」となりました。条件はJRA3歳未勝利・岩手は3歳2勝以下。
芝では岩手勢も健闘してくれる条件なのですがダートでは圧倒的にJRA勢有利。昨年はダートで行われたこの条件の交流戦では全てJRA勢が掲示板を独占しています。
過去の成績を振り返っても、JRA勢に混じって掲示板に食い込んでいるのは3歳重特路線で勝ち負けをしてきたような馬だけ。岩手の3歳B級あたりで苦戦している馬では、残念ながら全く歯が立たないという結果が残っています。そして今回も、JRA勢があくまでも優位に戦いを進める事になるでしょう。
本命はJRA勢から(7)スペースニードルを採りました。キャリア2戦と少ないですが4月デビューで使い込みは順調。デビュー戦が5番人気、2戦目が4番人気と評価が高い事も窺えます。
この馬の押しはやはりタイム。中山ダートマイルで1分38秒0、東京のダートマイルで1分42秒5のタイムは過去のこの条件の上位馬と比較して水準級~水準以上と言っていいものです。前走は先行力も見せているし、出遅れさえなければ好勝負可能。鞍上も交流戦に強い菅原勲騎手なのが魅力です。
対抗もJRAから、お隣の(6)ディアユウキを。芝なのかダートなのか、差しなのか先行なのか、まだ判然としない部分はありますが、こちらも中山ダート1800mで1分58秒を切るタイムで走っている点に注目。これなら勝っておかしくないレベルです。
(3)ミツアキゴールドは1200mでも長いのか、というレースをしている部分で3番手としましたが、今のコース状態なら先行力だけで好勝負できそう。無理に切る事はないか。
あとはまず(12)クレバーシチー。大型馬の久々、それは全くもって消し要素なんですが、中間は順調との事ですしデビュー戦で見せた先行力も魅力。ポンと行ければ好走可。
もう一頭は岩手から(8)コスモマーシャルを入れてみます。岩手では4連続2着と勝ち切れていませんが、JRA時代の内容は今回の遠征馬と比べて大差ないと言っていいレベル。コース替わりもプラスになるでしょうし、少し意識してみたいですね。
★買い目
馬単 (7)=(6)、(7)=(3)、(6)=(3)、(7)→(12)、(7)→(8)
23日、メインは「あすなろ賞」(盛岡ダート1800m)。
当初、マヨノエンゼル、ゴールドマインの名前もあったが、マヨノエンゼルは脚部不安が発生。放牧に出されて休養に入った。昨年度の年度代表馬だけに、じっくり態勢を立て直して復活を待ちたいところ。
ゴールドマインはみちのく大賞典を使った直後なので、予定どおりのスキップ。ちょっと気になったのは赤松杯からマイナス11キロでの出走だったこと。見た目には細く映らなかったが、3着に敗れた理由はそれにあるかもしれない。
普通ならば上記2頭が不在で興味半減になってしまうが、それを補うに十分の激突が見られる。コアレスレーサー、ソニックルーラーの初対決だ。この「あすなろ賞」はみちのく大賞典トライアルだが、優勝馬はおそらく本番でも好勝負は間違いなし。非常におもしろい一戦となった。
コアレスレーサーは中央1勝からC1へ編入。朝日杯FSへ駒を進めたのはダテではなく、圧巻の6連勝をマーク。530キロを超す大型馬で一戦ごとに強さが増す一方で大晦日、ファン投票・桐花賞へB2から強気の挑戦。さすがに一線級が相手で0・8秒差6着に敗れたが、レース中に落テツのアクシデントもあり、仕方なしの結果だった。
その後は完全休養に専念し、今年は3月から始動。B1自己条件に戻って再び快進撃。3戦ともけた違いの強さを発揮し、このレースへ駒を進めてきた。昨年暮の時点ですでに今シーズンの重特戦線を賑わすのはコアレスレーサーと言われていただけに、陣営も満を持してオープン特別に名乗りを上げた。
ソニックルーラーは中央3勝準オープンから今年3月に転入。父バラシア、母父マキアヴェリアンはスピード色が強そうに見えるが、勝ち星の内訳は芝2500m、芝2600m、ダート2100mでそれぞれ1勝と完全なステイヤーの実績。
いわゆるパワータイプで先行してそのまま押し切るのが勝ちパターンだったが、岩手転入後は4番手、後方3番手から2連勝を飾っており、自在脚が最大の武器。特に前走はサンシャインヘイロに半馬身差まで詰め寄られたが、決して本調子ではなかったとのこと。それでも勝ってしまうのだから能力は相当のもの。この連勝馬対決は見逃せない。
ダンストンリアルは昨年の岩鷲賞優勝で重賞ウィナーの仲間入り。しかし常識にかからない面があり、その後は平場戦の1勝のみにとどまってしまった。それでも怖さが残るのはシアンモア記念でゴールドマインに次ぐ4着を確保したこと。一発を警戒するべきだろう。
サンシャインヘイロは今季2戦とも2着。昨年は不本意なシーズンに終始したが、順調に使われているのが何よりも強み。前走もソニックルーラーに0・1秒差まで肉薄。2頭がやり合うようだと割って入る可能性もある。
アンダーボナンザはひと頃の迫力を取り戻せずにいるが、昨年の同レース優勝馬。その1勝を加えて盛岡ダート1800m<2.1.0.1>の好成績も見逃せない。
◎(8)コアレスレーサー
○(6)ソニックルーラー
▲(2)ダンストンリアル
△(3)サンシャインヘイロ
△(7)アンダーボナンザ
3連単は8、6の1、2着折り返しから2、3、7へ3着流し
馬複は6-8、2-8、2-6、3-8
<お奨めの1頭>
11レース トーホウドロン
連勝は6でストップしたが、前走はスタートで出遅れる致命的な不利。それでもタイム差なし2着にまとめ、改めて強さを証明。ここは仕切り直しの一戦。