5月10日(日)メインは岩手古馬の根幹レース「第35回シアンモア記念」(水沢1600m)。南関東から3頭、迎え撃つ岩手勢8頭の計11頭で覇を競い合う。昨年は南関東代表・ノムラリューオーが3角先頭からそのまま押し切って快勝。南関東重賞2勝馬の底力をマザマザと見せつけた。現在、ノムラリューオーは水沢・小林義明厩舎へ転籍。このシアンモア記念には間に合わなかったが、翌日11日(月)の10レース・A級一組へ出走予定なのでこちらも楽しみにしてほしい。
(ショーターザトッシ 写真・佐藤到)
主軸はショーターザトッシ。南関東時代も重賞特別路線を歩み、07年のサンタアニタトロフィーを優勝。その後は白星に恵まれなかったが、一線級相手にもソコソコの競馬を披露してきた。それがダテでなかったことはトライアル・赤松杯をパーフェクト内容での快勝で証明。岩手勢との勝負付けは済んだ。
唯一気になったのが体重減だったが、「前日追い切りの影響。心配したレース後の反動もない」(三野宮通調教師)とのこと。まずは万全の態勢で臨めそうだ。
あとは南関東勢とのレベル比較のみ。サンキューウィンはクラシック羽田盃優勝馬だが、近走成績が振るわない。ブローザウインドは中央ダート3勝、南関東4勝。ただ06年以降、勝利から遠ざかり2着2回が最高。しかも今回は久々のマイル戦。いかに小回りとはいえ割り引きが必要だろう。
そうなると最も怖いのがリュウノキングダムだ。まだA3級の条件馬だが、着外わずか4度の超堅実派。近5走をすべて3着以上にまとめ、しかも3戦連続で1番人気。惜しいところで勝ちを逃がしているが、人気が実力のバロメーターでもある。
赤松杯2着ソーユアフロストも当然、首位圏内に位置する。中団をキープし、3コーナー過ぎにスパート。ところが直線で外が壁となったため、高松騎手は思い切ってインに進路を取ったのが正解。ゴール前の脚はさすがと言わせるものだった。今回は先に行きたい馬がそろってハイペース必至。そうなると出番は十二分にある。
復活が待ち遠しいのがオウシュウクラウン、サイレントエクセルの6歳世代2頭。かつての実力が戻ればアッサリあって不思議はなく、ここ一番で血を騒がしてほしいと切に願っている。他に赤松杯を叩かれて上昇ムードのアンダーボナンザも軽視できず、春のチャンピオン決定戦は激戦必至となった。
◎ ?ショーターザトッシ
○ ?リュウノキングダム
▲ ?ソーユアフロスト
△ ?アンダーボナンザ
△ ?オウシュウクラウン
△ ?サイレントエクセル
3連単は2を1着固定に10、7折り返しが本線。あとは11、5、1を押さえ少々
馬複は2−10、2−7、2−11、2−5
<お奨めの1頭>
8レース マイネルケルン
名古屋A級の格を見せつけて初戦を圧勝。C2では役者の違いすぎる
5月3日 第9回留守杯日高賞(3歳牝馬オープン 水沢1600m)
(日高賞ゴール 1着・シルバーカテリーナ 写真・佐藤到)
1着 シルバーカテリーナ
フジフーフーが逃げ、2番手にアンダージョイナー、少し離れてリリーミッション、その後ろ外にシルバーカテリーナ。前半はさほど速くはなく、シルバーカテリーナが2コーナー過ぎからスパート。リリーミッションの手応えが本物ではないこともあって菅原勲騎手は「相手をフジフーフー1頭に絞って」3コーナーで早くも馬体を併せる。
シルバーカテリーナの手応えが抜群で4コーナーでフジフーフーを交わして先頭。直線でややもたつくシーンもあったが、大勢に影響なし。ラスト50mでは菅原勲騎手が後ろを何度も振り返りながら余裕でゴールに入った。
「フジフーフーを追いかけようとしたら反応がすばらしく、早め先頭に立ってしまった。ちょっと強引なレースをしてしまったが、まだまだ強くなりそうな印象。これなら牡馬とも互角の競馬ができるかも」と菅原勲騎手。
次走予定は6月1日、ダイヤモンドカップ。そこで牡馬一冠目を制したマヨノエンゼルと雌雄を決することになる。
2着 フジフーフー
前回はマイナス13キロも体重を減らして反動が心配だったが、プラス9キロまで回復。パドックでもどっしり落ち着いて好状態で臨む。
予想どおり逃げの手に出てマイペースに持ち込む。しかしシルバーカテリーナが早めに仕掛けて外から馬体を併せられる。これでは道中で息を抜くことができず厳しい流れとなり、4コーナーで2番手に下がる。
それでも決してバテることなく半馬身差2着に粘る。シルバーカテリーナとの実力差ははっきり出たが、スピードは最後まで衰えなかった。
3着 テンショウスズラン
こちらはプラス15キロの428キロ。元々、飼い葉が細いタイプで体重増が最大の課題だったので明らかに好材料。本音を言えば骨格的に430キロから440キロ台はほしいところ。
道中は5番手インを進み、自身の能力をキッチリ出して離されたが、3着を確保。これで今後のメドが立った模様だ。
6日(水)メインはC1級「石桜杯」(水沢1800m)、10頭立て。直結するレースは4月26日に行われた同じC1級「田沢湖賞」。こちらは1600m戦だったが、中団をキープしたヒカルアルタイルが早め抜け出したグラスバラードをラスト50mで捕らえ、大外強襲リーガルマインドの追撃を0秒1封じて快勝。転入2連勝を飾った。
(ヒカルアルタイル 写真・佐藤到)
この結果からヒカルアルタイル有利は動かないのだが、今回はトップハンデの57キロ。対するリーガルマインドは据え置きの56キロで出走でき、これがどう影響するのか。
一方、別路線を歩んできたワイルドシャトー。かつて岩手B1でも勝ち負けを演じ、最高格付けがA2。園田移籍後は2着が最高だったが、里戻りしてC2へ降格。当然のように再転入戦を快勝したが、その後は3、2着にとどまっていた。しかし前回は好位キープからアッサリ抜け出しを決め、格上をアピール。しかも水沢1800mは6戦4勝と抜群の実績を誇り、この距離を最も喜ぶのがワイルドシャトーだろう。
結論は57キロでもヒカルアルタイルが◎。中央3勝の底力はダテではなく、このクラスでは役者が違う。必然的に対抗はリーガルマインド。田沢湖賞では惜しくも捉え切れなかったが、ゴール前の勢いは明らかにヒカルアルタイルより上だった。ハンデ1キロ差を生かして逆転のシーンまで。
レッドルンバは中央6戦未勝利から昨年8月に岩手転入。あっさり2連勝をマークして再び中央入りしたが、3戦とも大差負けを喫して岩手に戻ってきた。
初戦は2番人気2着。これが中央との格差とも言えるが、馬体重に注目してほしい。前回はプラス29キロ!の447キロでの出走だったのだ。また昨年の岩手2戦は431キロ、434キロ。中央時代はほとんど420キロを割っていたが、調整がハードすぎたとも解釈できる。実戦を使いながら仕上げていく地方競馬との違いだろうが、フックラした方が能力を発揮できるタイプかもしれない。
しかも53キロの軽ハンデ。これを見逃す手はない。
あとはタイム比較で劣るが、抜群の安定感を誇るヤマニンペティアンも押さえが必要だろう。
◎ ?ヒカルアルタイル
○ ?リーガルマインド
▲ ?ワイルドシャトー
△ ?レッドルンバ
△ ?ヤマニンペティアン
3連単は5、7の1、2着折り返しから2、1を厚め。逆に△1から入る手もおもしろい
馬複は5−7、2−5、1−5、1−7
<お奨めの1頭>
7レース ウイニングアース
前々走4着のお返しとばかり、前回はパーフェクト内容で完勝。昇級戦も問題にしない
皆さん、連休はどこか遠くに出かけたりしましたか?私は水沢開催の時は盛岡から移動しているのですが、高速道路、本当に混んでますよね!
お盆や年末年始も水沢に移動するんですが、凄く混んでいるのはその間の1日くらいだし、上下線のどちらかだけ混んでいる、という事がほとんどでした。でもこのGWは上下線とも混んでいるという日が何日も続きます。サービスエリアやパーキングエリアもいつ見ても大混雑だし、ここ10年くらいで最高に混んでいるんじゃないかなあ・・・。
ま、そうはいうものの、私たちが水沢競馬場へ行く時は高速道路上を走ってもせいぜい1時間弱。もっと長い距離を移動している方もいらっしゃるでしょう。事故や疲労には十分にご注意を。
GW開催3日目のメインレースはダート1400mの駒形賞。B級のような上位の条件では久々の短距離特別で、出走各馬の近走を見ても1600mや1800m、1900m等という数字が並んでいます。
ただ、距離短縮はむしろ好材料という印象の馬が多く、1400mという条件はあまり気にしなくていいでしょう。最近の調子や勢い優先で良いと思います。
本命は(4)ケンタッキーハットを狙います。前走は逃げ馬に辛いコース状態に加え距離も長すぎました。水沢1400mの経験こそないものの、最初の転入時の1300m戦での圧勝、2回目の転入後の盛岡1400mでの圧勝を思い返せば“この距離でこそ”の期待がかかります。今開催初日の日曜よりは逃げ馬に優しいコース状態になっているのもプラス材料。
(10)ヒドゥンアジェンダが対抗。岩手で短い距離の経験はないものの、過去実績からは十分こなせて良いはず。冬場休まなかった調子の良さがアドバンテージになっているうちに何とかしたいところ。
(7)サイレントカイザーは三番手に留めます。どちらかと言えばスピードタイプだけに距離歓迎なのでしょうが、最近は長めの距離でしぶとく差してくる競馬が板に付いている印象。今季としては時計が速いコース状態が続いていることでもあり、今のこの馬にこの距離は、逆に微妙なのでは。
伏兵として挙げるなら(9)リバーサイドと(1)ヘライカントリー。まず(9)の持ち味は少々競り合おうが気にしない先行力。強力同型いるここはむしろこの馬向きの流れになるかも。(1)はここ3戦で5着→3着→1着と、スローながらも着実に上昇。前走勝ったのは1800m戦ですがむしろ1400mで差し脚を活かせるタイプです。
◆買い目
馬単(4)=(7)、(4)=(10)、(7)=(10)、(4)→(9)、(4)→(1)
◆お奨めこの一頭
7R:セイントプラウド
前走は意地の勝利。今回の相手もまた強いが、得意の条件でもう一丁!
4日(月)メインはB2級「メイカップ」(水沢1600m)、11頭立て。この日から第1レース発走が11時45分へ変更。それにともないメイン10レースは発走17時05分となりますので、お間違いのないように。
4月途中からB1級以下の特別は賞金ハンデ制を導入し、同クラスで1勝ごとに1キロの負担重量が加算される。このメイカップも最高57キロ、最低53キロと4キロのハンデ差。これがどう影響するのかにも注意を払いたい。
とは言っても基本予想は能力重視。トップハンデ57キロでもヤマニンエレメントを主軸視するのが妥当だろう。岩手転入後、着外に沈んだのは昨年10月、昇級初戦のC1・盛岡ダート1400m戦で出遅れて後方のままに終わった1度のみ(9着)。
ほかはすべて3着以上にまとめ、目下2連勝中。前回・エイプリルカップでも水沢1800mの外8枠の不利もモノともせず、2番手追走からアッサリ抜け出して快勝した。
懸念材料はやはり57キロのハンデ。昨年12月、同じ57キロを背負ったC1・かまくら賞で3着に敗れているが、当時と今とではパワーの差が歴然。加えて550キロ前後の巨漢馬には前走より1キロ増ぐらいは“屁”みたいなものだろう。
ダンスシェイカーの前走内容には正直、驚いた。半年ぶりの実戦でレース勘が戻っていなかったのだろう、スタートで後手を踏んで後方2番手からの競馬。中央時代の脚質が先行だったゆえ、絶好の1枠から逃げ切り有望と思っていただけに、痛恨の出遅れになったと思った。
しかし小林騎手はあわてず騒がず後方でジックリ待機。3コーナーから徐々にスパートをかけ、バルクが逃げ込みを図るところゴール前できっちり交わして1着。スケールの大きさをアピールした。
この一戦を叩かれて気配アップは明らかだろうし、潜在能力の高さはここでも間違いなく上位。岩手で素質が一気に開花するか注目してみたい。
マイネベリンダは小柄な牝馬だが、全身がバネの塊。たとえハイペースになっても先手さえ取れれば強じんな粘りを発揮する。しかも絶好の1枠を引き当てたことも心強い。
コスモフェデラーは岩手で着外はわずか1回。ほかはすべて4着以上と抜群の安定感を誇っている。ハイペースになれば一気台頭のシーンまで。
以下、エイプリルCは57キロが影響して3着コアレスブライトも侮れないし、時に大駆けがあるジェドバトラーが連下。
◎ ?ヤマニンエレメント
○ ?ダンスシェイカー
▲ ?マイネベリンダ
△ ?コスモフェデラー
△ ?コアレスブライト
△ ?ジェドバトラー
3連単は5、4、1のボックスが本線。あとは5、4の1、2着折り返しから1、3、8、2流し
馬複は4−5、1−5、3−5、5−8
<お奨めの1頭>
11レース シルクライムライト
連勝は4でストップしたが、これはヒカルメイオーが強かった。このメンバーなら逃げ切り濃厚