オッズパーク・テシオブログをご覧のみなさま、新年明けましておめでとうございます。
m(u u)m
しかし毎年誰かが言うことではありますが、大晦日と新年2日に開催している岩手競馬に関わっていると、1月半ばのシーズンオフに入らない限りは新しい年という気持ちは持てませんね。
いえ私ごときが「関わっていると」などと生意気にも書いてしまいましたが、実際に馬を扱っている厩務員さんは休みなど無く、騎手に至っては年越しの夜に家で一泊しただけで元旦の午後からは再び調整ルーム入りですからね。さらには3月開催が実施されるようになって、中休みに入っても年度は終わっていないという、新年で心改まらない状態。
ま、そんな気持ちになるのも岩手に競馬があるおかげと思って楽しみましょうか。
とかなんとか言いながらも、わたくし元朝参りには毎年しっかり行っています。というのは滝沢村の蒼前神社で行われる「チャグチャグ馬コの初詣」を見に行くから。馬コ初詣は、6月のチャグチャグで出発地点となる蒼前神社に本番と同じきらびやかな装束を着けた馬たちが集まり、年始の御祓いを賜るもの。数年前から行われており、毎年十頭程度が参加します。
そんな中、今年目をひいたのは、大きな農耕馬達に混じって参加したポニーの親子。親でも体高1mほどのポニーといえどしっかりとそれなりの衣装を着ており、姉っこ姿の女性に曳かれて歩く姿は立派なもの。そしてその親馬の傍らにぴったりと寄り添う明け1歳の仔馬がまた反則なぐらいカワイイ!これはカメラの被写体にもってこいですね。案の定、アマチュアカメラマンの砲列に囲まれ、さらには居合わせた岩手県写真連盟の重鎮サマがポーズを指示して突然のミニ撮影会となっていました。
蒼前神社は、駒形神社とおなじく馬の神様を祀る神社。もちろん岩手競馬のこともお願いして来ましたよ。本年も、岩手の馬と人が怪我無く元気に走り続けられますように……
(文/写真・佐藤到)
12月31日 第34回桐花賞(3歳以上オープン・ファン投票 水沢2000m)
(桐花賞ゴール 1着・カネショウエリート 写真・佐藤到)
1着 カネショウエリート
予想どおりジュリアが逃げ、2番手外にダンディキング。カネショウエリートは3番手インにいたが、1周目スタンド前でうまく外に出して理想のポジションをキープ。12秒台の平均ペースで進み、カネショウエリートが3コーナー手前から早めスパートをかけた。
「脚を貯めたからといって末脚が伸びる馬ではなく、早めに動いて粘るのが勝ちパターン。そういう形にいかに持ち込むかを考えた」(村上忍騎手)
4コーナーを回ってジュリアを交わして先頭。これで勝負が決まり、2着ヤマニンエグザルトに2馬身半差をつける完勝劇できんもくせい賞(盛岡芝2400m)に続く重賞2勝目を飾った。
「これがこの馬の勝ちパターンだが、自分が思った以上に強いレースだった。今の馬場も味方しただろうが、ダートでも一線級と戦える力がついてきたのだと思う。来年、どこまで伸びるか楽しみ」と村上忍騎手。
カネショウエリートは昨シーズンまで2勝のみにとどまっていたが、今年は素質が全面開花。桐花賞を含めて今季7勝をマークした。メイセイオペラ産駒はジュリアもそうだが、総じて奥手。年を重ねれば重ねるほど成長するタイプのようだ。
今年のオープン戦線は大混戦で終盤に突入したが、カネショウエリートがそれに断を下した格好。ちなみに古馬オープンの芝ダート重賞優勝はサクラティアラ(せきれい賞、B・ドリーマーカップ)、トキオパーフェクト(OROカップ、早池峰賞)に続く史上3頭目。
また桐花賞の父子制覇はトウケイホープ―トウケイニセイ以来、史上2頭目の快挙となった。
2着 ヤマニンエグザルト
道中は5番手インの経済コースを進む。勝負どころの3コーナーでややもたつき、前に離されるシーンもあったが、菅原俊吏騎手の好判断で直線馬群の中を割って抜け出す。大外ピンクゴールドが一旦2番手に進出したが、内をついたヤマニンエグザルトの脚が上回り2着を確保。
3着 ピンクゴールド
「小林騎手から最近は道中で折り合いを欠いた分、最後伸びなかったと聞いていたので、折り合いをつけることに集中」と沢田騎手のコメントどおり、後方3番手でじっくり待機。各馬がスパートをかけたあと、ワンテンポ遅らせたのも絶好だったようで直線大外から鋭く伸びて3着に入る。
シーズン当初は体重減に悩まされたが、馬体回復とともに本領を発揮。岩手3歳の頂点・不来方賞を牡馬相手に制し、待望の重賞タイトルを獲得。古馬編入後は折り合い面で苦労していたが、今回は前半で脚を貯めることに成功。「ヤマニンエグザルトが選んだコースを取れたら2着があったかも」と沢田騎手がレース後に語っていたが、この結果なら上々。来期の活躍も期待できそう。
8着 リュウノツバサ
菅原勲騎手がテン乗りだった前走は外を回って折り合いを欠いていたが、今回は馬込みに入れて中団を追走。3コーナーからスパートをかけ、その時の伸びはマズマズに映ったが、直線で失速。「調子そのものより、今の泥んこ馬場はこの馬には合わない」と菅原勲騎手。
1月2日 第35回金杯(2歳オープン 水沢1600m)
(金杯ゴール 1着 ワタリシンセイキ 写真・佐藤到)
1着 ワタリシンセイキ
いつもどおりスタートは抜群。そして例によって手綱をガッチリ抑えたが、指定ポジションの最後方ではなく5番手外を追走。「馬に逆らわず行く気にまかせたらこの位置になったが、だからといって下げるつもりはなかった」(関本淳騎手)
2コーナーを回ってから、鞍上がゴーサインを出すといつもどおりの反応を見せ、3コーナーでダンストンジールを交わし、4コーナーでは逃げるトウホクビジンに馬体を併せる。
直線入り口で早々と先頭に立つとあとは独り舞台。ゴールで関本淳騎手は左手で3本の指を出し、三冠達成をアピール。続いてウイニングランを決め、水沢競馬場を訪れたファンから喝采を浴びた。
「レースをするたびに強くなっていくのを実感。自分がこれまで乗った2歳馬では間違いなく最強馬。まだまだ成長しそうなので南関東でも活躍を期待したい」と関本淳騎手。
このコメントにもあるとおり、ワタリシンセイキは南関東へトレード。予定では川崎に入ることになるそうで是非、南関東クラシックでも旋風を巻き起こして欲しい。
2着 トウホクビジン
内枠に入ったこともあってスンナリ先手を奪い、マイペースの逃げに持ち込む。道中の手応えも良く、他に競りかける馬もなし。
加えてワタリシンセイキが2番手以下を3コーナーで掃除してくれたので、4コーナー手前まで楽に逃げることができたのが最大の好走要因。さすがに直線入り口であっさり交わされてしまったが、他に台頭する馬もなく2着に粘った。
3着 マサノシャルナ
北海道から転入初戦は1番人気に支持されたが、マイナス23キロと大きく体重を減らした影響もあって3着。今回はプラス4キロまで回復し、担当厩務員によると「飼い葉も食っているし、見た目でも細くないので力は出せるはず」と踏んでいた。
レースは4番手外を追走してワタリシンセイキといっしょにスパート。しかし脚色が違いすぎて3コーナーで交わされ一旦下がったが、直線で再び盛り返す。「今回は動きも良かったし、最後まで気力も失わないで頑張った。牝馬路線なら十分、主役になれると思う」(菅原勲騎手)
4着 センリグランピー
スタート直後に控えて後方2番手を追走。ワタリシンセイキが動いたのを見てスパートをかけ、徐々に進出。ただ1頭、ワタリシンセイキのまくりの被害には遭わなかったが、スピードの差が歴然。3着マサノシャルナに首差まで詰め寄るのが精一杯だった。
5着 ダンストンジール
トウホクビジンの2番手外を追走し、ワタリシンセイキが襲ってくる前にスパートをかけようとしたが、寒菊賞でみせた反応が見られず、3コーナーでアッサリと交わされる。「中間に大雪が降って思ったとおりの攻め馬ができなかった。飼い葉調整で体重の帳尻は合わせたが、中味が伴わないとやはり苦しい」と村上忍騎手。
昨日のこのコーナーで触れたシャンパンスコール、無事優勝しました。
逃げた馬をようやく捉えて1馬身差、という結果ではありましたが、騎乗した小林俊彦騎手によると「初ダートだし右回りも久々。それに飛びが綺麗な馬なので今のようなコース状態ももう一つだったと思います。背中の良さはオープン馬のそれ。これから成長する馬なのは間違いないでしょう」とのこと。まずは1勝を挙げたことを良しとしましょう。
気になる今後ですが、とりあえずJRAに戻る条件の2勝を挙げるまで岩手に留まるとのこと。ただ、3月の特別開催でもう1勝を狙うか、ゆっくり始動させるかは未定だそうです。個人的希望としては岩手の芝で走るところを見てみたい!
4日の田瀬湖賞はC2級の1400m戦。実力馬揃いのC2級、そして各馬にとって走りやすい距離。コース状態も今のままなら脚質による差がそれほど極端ではなく手頃。激戦必至です。
本命は(12)マイネマシェリで行きましょう。前走の圧勝は少々出来過ぎではありましたが、しかしあのスピードがこの馬本来の武器。ここまでの印象だと番手や控えての競馬では良さが出ない感じ。少々無理をしてでも主導権を奪ってしまえば前走の再現も十分。
対抗は思い切って(5)コンゴウフクフクを。前走は逃げて勝ちましたが差す競馬もできます。詰めが甘い甘いと思われていますが、この馬の末の伸びだってここで通用するはず。
(7)オメガユーロスターは前走のマイル特別勝ちで吹っ切れた感。勝った時の相手がやや軽いのが少し気になる点も、前走の勢いには乗っておきたいところ。
(2)マイネルオスカー。なかなか勝ちきれないですが、戦ってきた相手は確かに強かった。1400m戦はプラスになるし、今までの相手関係と比較すればここは楽。
穴なら(3)ノボルシラオキ。やはりこの時期は走ります。前々走は決してフロックではないはず。
●買い目
馬単(12)=(5)、(12)=(7)、(5)=(7)、(12)=(2)、(12)=(3)
◆お奨めこの一頭
7R:ダークリン
メインに出ていても勝ち負けを争えるスピードの持ち主。ここも一気に駆け抜ける。
3日の水沢競馬6Rに、なんとも驚きの馬が出走します。その名はシャンパンスコール。カジノドライヴの帯同馬としてアメリカに遠征した馬です。
このシャンパンスコール、アメリカでも好走したものの格付けとしては「JRA未勝利」。この岩手移籍は当然、こちらで勝ってJRA復帰するという路線をにらんでのもの。
こうしたJRA未勝利馬が地方競馬で走って復帰するためには、地方で『2勝』もしくは『5戦1勝以上』という条件をクリアしなくてはなりません。
シャンパンスコールほどの力があれば、この条件をクリアするのはさほど苦にならないでしょう。しかしここで問題が。通常、JRA未勝利馬はたいていC級に入ってくるのですが、この馬は新馬戦3着やアメリカでの賞金などもあるため、B級に組み込まれてしまったのです。
いや、B級でも力は足りる。問題はそれではなく出走回数の方。岩手競馬は今開催でひとまず冬休みに入るため、例え3日に勝っても、次の出走機会は3月になってしまうのです。
じっくり待ってもらって盛岡の芝で走るのを見てみたい、とは思うのですが、そうもいかないでしょう。とりあえず2勝するまで今後も岩手に残るのか、それともさらに他所へ移籍するのか。非常に気になるところです。
年明けの3日間開催、2日目。睦月賞はダート2000mのレースです。ほとんどの馬はこの条件の出走経験が無く、またレース間隔が詰まっていたり、コース状態も変わりやすかったりと微妙な要素が多い印象。
ただ、出走各馬とも最近の調子は悪くなく、それぞれ力は出せるでしょう。距離は皆どっこいどっこい。となると、最近の力関係のままに、基本的には順当と思って組み立てるのが良さそう。
ということで本命は(6)ヒカルメイオー。あまりにも順当すぎますが、10連勝中の馬に無理に逆らうこともない。コース状態や展開がどう変わっても自在に乗り切れるだろうし、気になるとすればここのところのレース間隔の詰まり方ですが、よほどの馬体重変動でもない限りそれも問題ないでしょう。
対抗は(2)エアテムジンでどうでしょう。取りこぼしやすい印象があった1400m以下に比べるとマイルになって安定感があります。半兄はダービー馬、この距離で意外な変身あってもいいはず。
(4)ジェドはブリンカーを付けて大変身。元々B2級上位の馬だけに、こうなると軽視できません。ただ、1800mあたりの距離はわりと正攻法になりやすい馬“意表を衝いた一発”はないのかも。
(10)コスモスパングルはJRA時代に芝2000mで2勝しており距離不安は無し。また、今週は芝馬が好走する例が多く、この馬には有利な状況にあります。(3)ジェドバトラーにとってはこの距離は長いでしょうが、しかし最近の勢いには注目。先行しそうな馬がやや頼りないだけに、この馬が差し込んでくるチャンスもありそうです。
●買い目
馬単(6)=(2)、(6)=(4)、(2)=(4)、(6)→(10)、(6)→(3)
◆お奨めこの一頭
6R:シャンパンスコール
ややクラスはキツイが、この馬なら楽に突破。ここはなんとしても勝ちたいレースだ。
新年明けましておめでとうございます。本年も岩手競馬をよろしくお願いします。
1月2日(金)は大晦日の桐花賞と同様、毎年恒例となった明け3歳馬による重賞「第35回金杯」(水沢1600m)。
今年はワタリシンセイキの、ワタリシンセイキによる、ワタリシンセイキのための金杯。死角まったくなしの大本命となった。
ダート戦は水沢、盛岡を問わず6戦無敗。2歳ダートの重賞・特別を総なめにし、この金杯を勝つとと完全制覇。社台スタリオンステーションから種牡馬ダンスインザダークの配合権利プラス、三冠ボーナス300万円が競馬組合から提供され、陣営も俄然、力が入る。
ワタリシンセイキの最大特長は、いい脚を長く使えること。前半は最後方に待機し、水沢なら2コーナー過ぎから鞍上・関本淳騎手がゴーサインを出すと、矢のように反応。アッという間に前にいた馬をすべて駆除し、ゴールまで突き抜けてしまう。
しかもダート戦で最も肉薄されたのは南部駒賞=マヨノエンゼルの首差だったが、今回マヨノエンゼルは自重。関本淳騎手が「後ろから来る馬が一番怖い」と日頃から語っていたように、追い込み馬ながら自分で競馬を作るワタリシンセイキにはマヨノエンゼルが最も強敵。その馬が不在とくれば負ける要素は本当に見当たらない。
相手も順当にダンストンジール。デビュー戦の芝1000mを圧勝し、若鮎賞(盛岡芝1600m)も完勝。その一方で同じ芝1600m・黄菊賞8着、父がウイングアローならダートもってこいと思ったビギナーズカップ、りんどう賞でいずれも5着に敗れ、期待を裏切ることも多々。
これはダンストンジールの精神面の問題だった。470キロ台の馬格を誇り、均整の取れた体は父ウイングアロー以上。ところがレースに集中しないときが間々あり、それが凡走要因だった。
しかし若駒賞以降はレースに集中力が出て安定した取り口を披露。ただ相手がワタリシンセイキだったから白星に恵まれなかっただけで、一戦ごとに成長しているのは確か。寒菊賞と同様、早めにスパートをかけて2着は是非とも死守したい。
マサノシャルナは北海道1勝オープン。現役馬セールで購入し、鳴り物入りで転入し、初戦から注目を集めたが、なんとマイナス23キロで出走。これはセール直後に長距離輸送で岩手へ入り、水沢の移動でも体重が減ったため。
いかに牝馬とはいえパドックでも明らかに細く、これでは着すらも厳しいかと思った。結果は0・3秒差3着。格下相手に3着は評価が微妙だが、大幅減の馬体重を考えればむしろ健闘の部類。
今回は輸送にも慣れ、コースも2度目でエンジン全開といきたいところだ。
以下はワタリシンセイキが早めに動いた場合、そのラインに乗れるセンリグランピー、先行力と渋太さが身上トウホクビジンを押さえたい。
◎ ?ワタリシンセイキ
○ ?ダンストンジール
▲ ?マサノシャルナ
△ ?センリグランピー
△ ?トウホクビジン
3連単は3を1着固定に7、8の折り返し本線。あとは4、2を押さえ少々
馬複は3−7、3−8、3−4、2−3
<お奨めの1頭>
5レース フェスティブムテキ
前回は水を開けられた2着だったが、これは相手を誉めるべき。今度こそ首位奪回