南部杯が終わりましたね。結果はまぁ順当ということで何の文句もないのですが、それにしてもあの天気はどうにかならないのでしょうか? ……ってどうにもならんのは分かっているのですが (-_-;)、撮影にはまったく厳しい条件でした。競馬というスポーツは、雨や雪が降ってもまず中止になることはありません。雨に濡れるのはまぁ覚悟しているのですが、暗い空の少ない光で走る馬を写すというのは、撮影には都合の悪い条件がいろいろ揃って撮影者にとっては辛い状態なのです。南部杯は、今年のメインレースの中では一番暗かったのではないでしょうか。
あれ、そういえば昨年の今頃もこんな愚痴を書いてなかったかな?日没が早まってくるこの時期以降は、毎年ますます悩むんですよね。もちろんこれは競馬だけではなく、室内スポーツやナイターで行われる試合を撮影するカメラマンは誰もが苦しんでいる、逆に言えばスポーツ系のカメラマンにとっては当然の事なのですけどね。先日、大雨の富士スピードウェイで行われたフォーミュラ1日本GPのカメラマンたちもさぞ大変だったでしょう。なにしろあちらはMAX300km/hオーバーですから…。
そんな天候不順な南部杯でしたが、お客さんはけっこう入ってくれたように思います。今回のような連休中の開催時は、面白いことに天気が良すぎると入場者数はイマイチ伸びないのだそうです。気持ちよく晴れた空を見れば、ドライブやアウトドアレジャーに気持ちが傾いてしまうのも無理はないですね。やや雲が多くて、平地では雨の心配は無いけれど八幡平アスピーテラインに紅葉を見に行っても霧がかかって良く見えないかもしれないね、ぐらいが岩手競馬にとっては一番いいのかもしれません。
一方、土日は好天に恵まれましたが、日曜のメインに行われた2歳牝馬の特別戦プリンセスカップでは、ピンクゴールドが見事に優勝を果たしました。テシオPOG2007の対象馬では2頭目の特別勝ちです。オーナーのみなさん、おめでとうございます!
なお同POGは現在、『テシオ』の改変に伴い再募集中となっており、またピンクゴールドは、新たにスタートする「ホッカイドウ&岩手コラボPOG」でも対象馬となっています。みなさまどしどしご応募下さいませ。詳しくは岩手競馬サポーターズネットtesio.jpをご覧下さいm(_ _)m
話は変わりますが、上のゴール写真の背景で、パトロールタワーの中程で光っているオレンジ色の光は何だかご存知でしょうか?これは「放馬警報」と言いまして、落馬などで空馬が発生したときに馬場管理委員がスイッチを押し、注意を喚起するものです。放馬した馬はたいてい自分で馬場の出口から下馬所のほうに戻ってくるか、もしくはコースを走り続けるので係員が制止します。(これがなかなか止まらないときもあるんですが)
このレースではスタート時に2頭がつまずいて騎手が落馬し、うち1頭は真面目にも自発的に(?)馬群の外をあがって逃げ馬の直後まで進出してしまいました。逃げたセイントクイーンや、空馬を外から交わそうとしたマツリダベストには少し影響があったかもしれませんね。ところがこれらを内から差したピンクゴールドの小林俊彦騎手は、「ゴール写真で空馬に負けていたり被っていたらカッコ悪いから頑張って交わした」のだそうです。トシヒコさん、私たちカメラマンのことまで考えてくれてありがとう!
(文/写真・佐藤 到)
10月8日 第20回マイルチャンピオンシップ南部杯(Jpn? 盛岡ダート1600m)
(南部杯ゴール 写真・佐藤到)
1着 ブルーコンコルド
帝王賞2着以来、3ヶ月ぶりの実戦だったが、マイナス2キロで出走。これについて服部調教師は「体重的には506キロだったが、今秋緒戦なのでビッシリと仕上げた訳ではない。外見ができた感じで、これから段階を経て中味がついてくる」と語り、100%ではないが、納得の馬体重だったようだ。
レースはブルーコンコルド2番枠、キングスゾーン11番枠が微妙に影響する。戦前から強力な逃げ馬が不在でスローに近い流れだろうと言われ、そのとおり各馬がけん制しあう中、キングスゾーンが先手を取ったが、半馬身差直後インにブルーコンコルドがつける。「完全に被されそうだったら、前に行こうと思っていた」(幸騎手)そうだが、ずっとその間隔で3コーナーに入る。
フェブラリーステークスの時が顕著だったが、ブルーコンコルドは左回りだとコーナーでささるクセがあり、幸騎手の手が動く。その一方でキングスゾーン、そして3コーナー過ぎからスパートをかけたカフェオリンポスが、4コーナーで完全に先頭に立つシーンもあった。しかし、直線を向いてからはブルーコンコルドの独壇場。最内を突いてグイグイ抜け出してラスト150mで先頭に立ち、大外を強襲したワイルドワンダーの追撃も半馬身差封じて快勝。堂々、南部杯2連覇を果たした。
次走はJBCクラシック(大井)。そして幸騎手は「JRAのG?も是非、取らしてやりたい」とも語り、今後の動向にも目が離せない。
また服部調教師「JBC3連覇、それも3階級制覇にやってみたい」とコメントした。その3階級とは一昨年のJBCスプリント(名古屋)、昨年のJBCマイル(川崎)、そして今年、大井で開催するJBCクラシック(2000m)。これは前人未到であり、今後もあり得ないことだから是非、達成してほしい。
2着 ワイルドワンダー
ブルーコンコルドをマークする形で5番手インをキープ。道中は馬群の中にいたが、直線を向いて大外に進路を選んで一気に伸びてきたが、半馬身差届かず2着に敗れた。岩田騎手「自分のレースをして力を出せただけに悔しい。向正面で何度か行きたがったが、それで最後伸び切れなかったかも」。
先にも記したが、前半はスローペース。その流れを意識して岩田騎手はいつもより早め追走に心がけ、直線でも鋭くは伸びていた。しかしレースの上がり3ハロンが35秒3。ダートでこの上がりでは、ワイルドワンダーがいかに末脚の爆発力を持っていても如何ともし難かった。とは言え初のG?、初の地方ダートで半馬身差2着なら収穫は大きいのではないか。これでG?でも勝てることを証明した。
3着 カフェオリンポス
終始4、5番手の外につけて3コーナーからスパートをかけて直線入り口でキングスゾーンと一旦先頭に立ったが、ラスト150mで突き放される。しかしキングスゾーンとの叩き合いではクビ差先着した。
「補欠4番手だったので、ギリギリ間に合わせた状態。それが響いたが、もともとの実力を考えればこのぐらい走ると思っていた」と勝浦騎手。
たしかに3歳時、ジャパンダートダービー優勝以降、グレードタイトルには縁がなかったが、ダートオープンで3勝、フェブラリーステークスでも0・7秒差4着にまとめたことを考えれば納得。今回は5ヶ月ぶりの実戦で、これからどんどん良化するに違いない。
4着 キングスゾーン
他の出方をうかがい、押し出される格好で逃げの手へ。しかし内からブルーコンコルドに終始つつかれる流れではさすがに苦しい。それでも見せ場を十分に作ったのだから、収穫は大きいはず。
「5歳馬だが、まだまだ力をつけている。これまでと同じような戦いをできたが、最後は瞬発力の差。それでもG?でいい競馬ができたのでこれからも楽しみ」安部幸夫騎手。次走は予定どおりJBCクラシック。
5着 サンライズバッカス
スタートで出遅れ、後方3番手からの競馬。直線を向いてようやくエンジンがかかったが、後方から差を詰めるだけに終わった。「久々の影響。中間も強い追い切り2本しかできなかったし、動きもひと息。でもこれで変わってくれると思う」と安藤勝己騎手。こちらもJBCクラシックへ向かう。
月曜のメインレースはマイルチャンピオンシップ南部杯Jpn1。馬インフルエンザ騒動で実施が危ぶまれた時期もありましたが無事開催の運びとなり、全国からの強豪が盛岡マイルで覇を競う姿を見ることができるようになりました。
早速予想に行きましょう。JRA5頭・地方他地区5頭・岩手4頭。計14頭が競うこのレース、中でもJRA勢は5頭中4頭がG1馬という強力な布陣でやって来ました。
中でも実績が目を惹くのはブルーコンコルド。昨年のこのレースの覇者はその後さらに3つのG1タイトルをコレクションに加え、計G15勝のNo.1ホースとして再来しました。
本命はこのブルーコンコルドです。以前は「1400mなら最強」でもマイル以上だとなかなか勝てなかった同馬ですが、折り合いに進境が出ると共にマイルどころか中距離でも勝ち星を手に。マイル戦も安心して見ていられるようになりました。
7歳となった今年ですが、ここまでのレースはむしろ堅実味を増した感。G11勝、2着2回の実績はもちろん言うまでもなし。難点があるとすれば6月以来の休み明けという点で、もともと休み明けは走る馬ですが、7歳という年齢で以前のようにきちっと仕上がるかどうか。しかし伝え聞く状態からは仕上がりに特に不安はないようです。
対抗はサンライズバッカス。3歳時はカネヒキリと互角に戦った馬ながら4歳の昨年は全くの不振。それが今年は見事に復活を遂げ、G11勝、3着1回5着1回ならもうトップクラスの走りを取り戻したと見ていいでしょう。
今回は、ブルーコンコルドとの今年の対戦成績と、この馬は休み明けに大きな体重変動があって力を出し切れない事があるのを考慮してあちらを本命・こちらを対抗としましたが、Jpnランキングでは両馬115ポンドの対等の評価をされているとおり実力は互角。状態さえ問題なければ優勝を争えます。
もう一頭は、これもJRAのワイルドワンダーを。サンライズバッカスらと同世代の5歳馬ですが昨年まではやや地味なキャリア。それが今年は一気に開花し、現在ダート重賞連勝中です。
この馬にとってはやはり距離が課題になるのではないでしょうか。1800mのアンタレスSでも勝ってはいますが、やはりこの馬の本質はマイル以下の短距離馬では。脚質からも、上記2頭が流れをつくればこの馬の展開にならないかも。そんな事で3番手評価としましたが、嵌れば突き抜けてもおかしくない力があり、いずれこの馬の走りには注目したいですね。
この3頭は強力と見ますが、地方勢から加えるならまずサイレントエクセル。冬女らしく涼しくなるにつれて調子が上昇、体調自体は昨年のダービーグランプリ時に近づいてきました。前走の勝ちタイム1分38秒7がこの馬の盛岡マイルのベストタイム、例年1分36秒台前半で決まるこのレースでは厳しいですが、DG同様無欲のレースができれば詰め寄る事も可能。月曜日には天気が崩れそうなのもプラスになるのでは。
もう一頭はキングスゾーン。勝ち星のほとんどは1400m戦、マイルは少し長いという実績ですが、今年は以前よりも粘りの利いた走りをするようになっています。先行して流れに乗ればそう簡単に崩れないのでは。
買い目は2枠2番ブルーコンコルドと7枠12番サンライズバッカスを連単の裏表で。以下は3着候補としてフォーメーションをセット。
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◇お奨めこの一頭
9R:ハナケンロマン
芝は久々だが、以前の内容からは距離が伸びれば問題ないはず。力はもちろんここでも通用で、他にも強豪がいるがだからこそ強気で狙ってみたい。
7日(日)メインは2歳牝馬による盛岡ダート1400m戦「第24回プリンセスカップ」、10頭立て。現時点で2歳トップを突っ走るジェベルロバーツの登録もあったが、JRA・いちょうステークス(東京)へ挑戦する予定で、当然だが自重。
一転して混戦模様となったが、ジェベルロバーツ不在でも非常に興味深いメンバーとなった。カギを握るのは1戦1勝セイントクイーン。ダートで一時代を築いたゴールドアリュールの初年度産駒で、すでに子供たちは芝ダートを問わずに活躍中だが、このセイントクイーンもデビュー戦芝1000mをアッサリ逃げ切って圧勝。今季一番時計となる58秒7を叩き出した。
今回は初ダート、1400m距離延長と不確定要素が多かったために▲評価としたが、ここも勝つようなら将来も約束されたもの。ここは先物買いの手も十分にあるだろう。
本命は一連のキャリアからミラクルジョンコに落ち着く。新馬芝1000mを快勝後、特別2戦・若鮎賞5着。ビギナーズカップ5着。また前走・重賞ジュニアグランプリでも積極的なレース運びを見せたが、4コーナーで早めに交わされてそのまま失速するかと思ったが、内で渋太く粘ってジェベルロバーツから0・5秒差4着。このレース内容は評価でき、その時の上位3頭が不在の今回、絶好のチャンスを迎えたと言っていいだろう。
相手筆頭はサチノマオ。デビュー戦3着から一戦ごとに着順を上げて3戦目に初勝利をマーク。前回、ジュニアグランプリでは4着ミラクルジョンコから0・2秒差6着。特別を飛び越し、初の重賞挑戦だったことを考えればマズマズの結果。しかも今度は適性高いダートへ戻って本領発揮のシーンまで。
続く評価は前記セイントクイーンだが、りんどう賞2、3着トーホウノゾミ、ピンクゴールドも軽視できない。りんどう賞は前半35秒台の超ハイペースとなり、前が総崩れ。展開に恵まれた印象もあったが、それでも上位入線を素直に評価するべきだろう。逆にハイペースで失速8着アイリッシュクインも一戦のみで見限るのは早計かも。
◎ ?ミラクルジョンコ
○ ?サチノマオ
▲ ?セイントクイーン
△ ?トーホウノゾミ
△ ?ピンクゴールド
△ ?アイリッシュクイン
3連単は6、2、4のボックス。あとは6、2の1、2着折り返しから広めに流したい
馬複は2−6、4−6、2−4、3−6、1−6
<お奨めの1頭>
9レース ステキナリング
M&Kジョッキーズカップ第二戦は目下2連勝と絶好調、ステキナリングが制する
6日メインは「M&Kジョッキーズカップ」。毎年、南部杯ウィーク好例となった岩手の所属騎手と九州、佐賀・荒尾騎手との交流レースだが、第一戦はB1級馬による盛岡ダート1800mを舞台に行われ、7日の第二戦は第9レース・C2級(盛岡ダート1600m)、8日の第三戦は第9レース・B2級(盛岡芝1700m)で実施する。なお全3戦シリーズだが、総合ポイントで争われるものではなく単発。せっかくのシリーズなのだから、ファンにも分かりやすい総合ポイント制を導入した方がいいと思うのだが…。
主軸にウエストサンオペラ=関本浩司を指名する。昨シーズンまでなかなか勝ち切れず通算2勝のみに止まっていたが、今季は早くも3勝マーク。総じてメイセイオペラ産駒は奥手タイプが多いが、ウエストサンオペラもその典型。秘めた素質が全面開花した。
最大の特長はいい脚を長く使える点。小回り水沢だと届かないケースが多いが、直線の長い盛岡は<5.4.0.5>と5勝すべてを荒稼ぎしており、絶対の自信を持っている。コース替わりの前回(盛岡ダート1600m)もしっかり2着を確保したが、今回の舞台は2戦2勝の盛岡ダート1800m戦とベストの条件。豪快なマクリを期待する。
逆転筆頭はミススズラン=小林俊彦。今シーズンはB1級へ降格してメンバーにも恵まれて1勝2着3回3着2回。唯一の着外10着はオープン牝馬特別・フェアリーカップに挑戦したもので基準外。自己の条件のB1では毎回堅実に着を拾っている。
何度も騎乗経験がある小林騎手を引き当てたのも心強いが一つだけネックがある。詰めの甘さだ。4コーナーまでは抜群の手応えで楽勝ペースかと思わせるのだが、最後の伸びがひと息。それが今季も1勝のみに止まっている理由で、これを小林騎手がどう御すか。興味はそこに尽きる。
サンデーカーニバル=菅原勲はB1級へ昇級初戦となるが、終いの脚が実にシャープ。前々走の盛岡ダート1600m戦で2着に食い込んでいる。前回は距離不足(盛岡ダート1400m)にも泣いて5着止まりだったが、タイム差は0・5秒。マークした1分28秒9もB1級で通用のタイムだった。懸念材料は水沢5勝に対して盛岡は未勝利。前々走の2着が最高だが、好調サイクルの今なら克服十分と見る。
マルワグランディ=村島俊策もマイペースに持ち込めば非常に渋太い。スンナリ逃げた前々走(盛岡ダート1800m)、前走(盛岡芝1600m)と目下逃げ切り2連勝がそれを証明している。今回も好枠3番枠を引き当て、同型をさばいて一気逃げ切りを決めたいところだ。
以下、距離1800mは気持ち長いが折り合いもつくダンストーンアレス=村上忍、ハイペースで台頭十分トーホウハヤテ=下條知之も軽視はできない。
◎ ?ウエストサンオペラ
○ ?ミススズラン
▲ ?サンデーカーニバル
△ ?マルワグランディ
△ ?ダンストーンアレス
△ ?トーホウハヤテ
3連単は8、5の1、2着折り返しから11、3を厚め。あとは6、1を押さえ
馬複は5−8、8−11、3−8、5−11、6−8
<お奨めの1頭>
6レース エプソムブラスト
転入初戦ははるか前をトーセンコマチが突っ走っていたが、前回は順当勝ち。ここも実力の違いを見せつける。