オレノココロが頂上決戦を連覇!
25日(日)は重賞・ばんえい記念(4歳以上オープン)が行われ、単勝1番人気のオレノココロが優勝。昨年に続く連覇を果たし、ばんえいナンバーワンの座を堅守しました。
【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
1.トレジャーハンター 61.9
2.サクラリュウ 7.6
3.ソウクンボーイ 14.6
4.フジダイビクトリー 9.1
5.ホクショウユウキ 53.1
6.オレノココロ 1.7
7.ニュータカラコマ 6.7
8.コウシュハウンカイ 5.6
年度末の大一番に、精鋭8頭が集結。今シーズンのばんえいを沸かせた各馬がここに名を連ねましたが、やはり注目は昨年の覇者オレノココロでしょう。多少障害に不安を残すものの、断然の1番人気に支持されました。2番人気はコウシュハウンカイ。近況は今ひとつですが、今季は帯広記念、北見記念を制し、高重量戦で結果を残してきたことが評価された印象です。3番人気のニュータカラコマは、このレースで4、2、2、3着。安定感を買われて上位人気に推されました。
馬場水分0.9%のなか鳴り響いた、ばんえい記念スペシャルファンファーレ。8頭のゲートインが完了し、いっせいにスタートを切りました。ニュータカラコマが多少第1障害で詰まったものの、そのほかの各馬はすんなり突破。砂煙を巻き上げ、ゆったりと歩を進めます。トレジャーハンターが若干リードするも、ニュータカラコマ、コウシュハウンカイも先行態勢。これを見る形でオレノココロが追走します。ただ、各馬とも離れず、ほぼ横一線で推移。トレジャーハンター、ニュータカラコマ、コウシュハウンカイと、各馬が続々と第2障害下にたどり着きました。
じっくりためたのち、最初に動いたのは障害巧者ニュータカラコマ。それを合図としたかのように、各馬が次々と障害を登り始めました。なかでも抜群の登坂を見せたのはコウシュハウンカイ。1トンを曳いているとは思えないような掛かりで、一気に天板まで駆け上がります。多少体勢を崩しながらも荷物を天板まで曳き上げ、あっさりと障害をクリアしていきました。他馬は苦戦を強いられ、先頭のコウシュハウンカイに水を開けられます。離れた2番手で下りたのはフジダイビクトリー。3番手でサクラリュウとオレノココロが並んで突破し、ばんえい記念初挑戦のソウクンボーイが5番手でクリアしました。
先頭のコウシュハウンカイは多少脚いろが鈍りましたが、それでも懸命にゴールを目指します。しかし、オレノココロとコウシュハウンカイが砂を蹴散らすようにして急接近。ソウクンボーイもサクラリュウをかわして猛追します。そして残り15メートル付近でオレノココロがコウシュハウンカイに並び掛け、一気に突き抜けるかと思われたところで、いったんストップ。つられるようにコウシュハウンカイも脚を止め、立て直して歩き始めたオレノココロも再度ストップ。鈴木恵介騎手、藤本匠騎手ともに目いっぱいに手綱を引っ張り、ほぼ同時に動き出しましたが、勢いよく弾けたのはオレノココロ。ゴール前で一気に抜け出し、ライン上で一度は止まったものの、後続の追撃を振り切り、ばんえい記念連覇を果たしました。そのオレノココロも含めた混戦のなか、ゴール寸前で鋭く伸びたのはフジダイビクトリー。西将太騎手の叱咤に応え、コウシュハウンカイをかわして2着で入線。終始レースをリードしていたコウシュハウンカイは、最後にこらえきれず3着となりました。
これが王者の風格。障害を下りてからの脚に絶対の自信を持つオレノココロが、測ったように差し切り勝ちを演じました。課題だった障害でのヒザ折りも見られず、パーフェクトなレースを演じたと言えるでしょう。これで重賞17勝目。オレノココロ時代はこれからも続いていきそうです。
今回のように力の要る馬場での高重量戦なら、やはりフジダイビクトリー。一昨年のこのレースの覇者として、その名に恥じないレースを見せました。一時期の不振を脱したのみならず、再び旬を迎えた印象で、来シーズンも持ち前のパワーを披露してくれることでしょう。
驚いたのはコウシュハウンカイの第2障害。1頭だけ別次元の登坂を見せ、大きなリードを作り上げました。結果的には差し切られたものの、持ち前のスピードに加えてパワーも備わってきた印象。来シーズンはさらなる進化を見せてくれそうです。
残念だったのはニュータカラコマの競走中止。第2障害通過後、ゴールを目指して歩を進めていましたが、途中で転倒。そのまま動かなくなり、レース後、同馬の死亡が発表されました。名うての障害巧者として、2011年のイレネー記念、昨年のばんえいグランプリなど重賞8勝。長らくばんえいを沸かせてきた同馬に、哀悼の意を捧げます。
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鈴木恵介騎手「レースの流れはゆっくりで、十分に息を入れられるペースだったと思います。第2障害は去年よりいい手応えで、越えた後は先頭と結構差がありましたが、先頭も脚が鈍っていたので、なんとか追いつけるかなと思いました。オレノココロもいっぱいいっぱいの中、ゴール際でよく頑張ってくれました」
槻舘重人調教師「連覇ができてほっとしています。馬体重が21キロ減っていましたが、近走の走りを見て少し絞った方がいいかなと考え、いい調整ができました。6歳ではばんえい記念に出さずに、昨年7歳で初出走をさせたことも、今回の連覇につながったと思います」