オレノココロが頂点に君臨!
20日(祝・月)は重賞・ばんえい記念(4歳以上オープン)が行われ、単勝1番人気のオレノココロが優勝。ばんえい記念初出走で、見事に大仕事を成し遂げました。
【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
1.フジダイビクトリー 3.1
2.コウシュハウンカイ 9.5
3.ニュータカラコマ 4.3
4.カイシンゲキ 80.7
5.フクドリ 86.6
6.キタノタイショウ 8.4
7.ホクショウユウキ 46.0
8.オレノココロ 2.4
9.サクラリュウ 38.6
ばんえい記念初挑戦ながら、帯広記念制覇など、高重量戦でも結果を残しているオレノココロが1番人気。昨年の覇者フジダイビクトリーも、チャンピオンカップで勝利するなど上昇気配を見せており、差のない2番人気に支持されました。崩れ知らずのニュータカラコマが続き、これが引退レースとなるキタノタイショウ、昨年3着のコウシュハウンカイまでが単勝ひと桁台。馬場水分は0.6%と乾き切り、文字通りのパワー勝負となりました。
砂煙を上げながら、9頭が第1障害へ。フクドリが多少詰まったものの、まずはひとつ目を突破。各馬とも刻みながら、一歩ずつゴールを目指します。キタノタイショウ、オレノココロ、コウシュハウンカイあたりが先行し、ニュータカラコマもこの一角。フジダイビクトリーも離れず追走し、続々と第2障害下へたどり着きました。
じっくりと、ためにためて、フジダイビクトリーとオレノココロが登坂を開始。遅れてコウシュハウンカイ、障害巧者ニュータカラコマも動きます。この間にオレノココロがヒザを折りますが、すぐに立て直しに成功。ここでホクショウユウキ、キタノタイショウ、サクラリュウも仕掛け、カイシンゲキも馬体をのぞかせます。さすがに1トン戦だけにヒザ折り続出で、各馬とも大苦戦。膠着状態となりましたが、前肢を踏ん張り、ニュータカラコマが懸命に荷物を曳き上げます。障害巧者の面目躍如、ようやく難関を突破し、先頭で最後の平坦路に入りました。しかし、差なく追ってきたのはフジダイビクトリー。絶好の位置でクリアし、末脚に望みをつなぎます。やや遅れての3番手はカイシンゲキで、半馬身ほどの差でコウシュハウンカイ。オレノココロは5番手から追う展開となりました。
ただ、先頭の2頭は障害後の脚が今ひとつ。ここで外から飛んできたのがオレノココロで、残り30メートル付近であっさりと先頭に立ちます。コウシュハウンカイ、ニュータカラコマ、フジダイビクトリーも懸命に食い下がろうとしますが、脚いろの差は歴然。オレノココロは残り20メートル付近でピタッと脚を止めますが、鈴木恵介騎手がうながすと、また同じような脚で歩き始めます。そこからは完全に独壇場。ゴール寸前で再度脚を止めましたが、リードは十分。余裕をもって立て直し、4分7秒6のタイムで1トンの荷物を運び切りました。
2着争いが激しくなり、残り20メートルで2番手に上がっていたフジダイビクトリーが、10メートルを切ったあたりでストップ。そこへ6番手から伸びてきたキタノタイショウが、帯広記念の再現とばかりに強襲。フジダイビクトリーも立て直し、コウシュハウンカイ、ニュータカラコマが差なく追走。各馬が入り乱れる大混戦となりました。しかし、その中では脚いろが優っていたキタノタイショウが、力強くゴール線を切って2着。僅差でゴールしたかと思われたフジダイビクトリーはゴール線上で止まっており、その間にゴールしたニュータカラコマが3着。結局フジダイビクトリーは4着となり、連覇はなりませんでした。
名実ともにばんえいの頂点に立ったオレノココロ。持ち前のスピードに加え、着実にパワーアップを果たし、高重量戦でも結果を残せるようになりました。多少障害で手間取る面はありますが、障害後に見せた次元の違う脚は王者にふさわしいもの。来季の活躍も十分に期待できそうです。
キタノタイショウは引退レースで2着。イレネー記念、ばんえいダービーを制し、常に一線級で戦い続けてきた古豪が、最後の最後まで威厳を示しました。221戦の疲れを、ゆっくり癒してほしいと思います。
これまで、最後の根性比べでは分が悪かったニュータカラコマが、粘りを発揮して3着。持ち前の障害力はもちろんのこと、この馬のパフォーマンスが今まで以上に発揮された一戦と言えるでしょう。来季はタイトルの量産を期待したいところです。
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鈴木恵介騎手「重い馬場で行われるばんえい記念は久々だったので未知の世界でした。オレノココロは平らな場所では強いけど障害は苦手なので、障害をいかにうまく越えられるかを意識しました。最初の一腰目が思ったより上がらなくて苦労しましたね。オレノココロはこれからばんえいを代表する馬になると思います。連覇を目指して来年度も頑張ります」
槻舘重人調教師「普段よりも重量を積んで長い時間をかけ調教をつけてきました。第2障害でヒザをつくことは想定していました。しかし、持ち直してから持久力はあるのはわかっていましたが、思った以上にしっかり走ってくれました。開業17年で初めてのばんえい記念優勝です。このレースをこれからも1勝、2勝できるような調教師を目指していきます」