ニシキエーカンが大一番で雪辱!
11日(日)に行われた重賞・イレネー記念(3歳オープン)は、単勝2番人気のニシキエーカンが優勝。ナナカマド賞、ヤングチャンピオンシップで2着だったうっぷんを、世代チャンピオンを決めるこの一戦で見事に晴らしました。
好天に恵まれ、馬場水分は1.7%。明け3歳馬には厳しい670キロの負担重量もあって、道中はゆったりと進みました。ブラックボス、オメガグレート、アサヒリュウセイあたりが先行態勢。しかし他馬も差なく続き、第2障害下にはほぼ横一線で到達しました。
ブラックボスが最初に仕掛け、続けてオメガグレートも登坂を開始。ひと呼吸おいて各馬も障害に挑みはじめましたが、なかでもニシキエーカンが抜群の障害力を発揮して先頭クリア。さらにエビスダイチ、テンカムソウ、アサヒリュウセイも一気に障害を登り切り、ゴールへ向けて一目散に走り始めました。
先頭のニシキエーカンが後続を突き放して、残り30メートル地点を通過。4、5馬身ほどのセーフティーリードを築きます。2番手争いは混戦を極め、わずかにテンカムソウが抜け出しますが、追うアサヒリュウセイの脚いろも上々。これにエビスダイチも懸命に食い下がって残り20メートル。しかし先頭は完全にニシキエーカン。後続の激しい争いを尻目にゆうゆうと荷物を運び切り、2歳シーズン王者の座を手にしました。テンカムソウが粘り切って2着を確保し、3着にはアサヒリュウセイ。重賞2勝馬で、単勝1番人気に推されたブラックボスは5着に敗れました。
勝ったニシキエーカンは、重賞ではともにブラックボスの2着に敗れましたが、この大一番で雪辱。叔父のホクショウバンク(牡6・現役)がナナカマド賞とヤングチャンピオンシップを勝ちながら、イレネー記念で3着に敗れた無念をも、ここで晴らしました。母系の仕上がりの早さに父マルニエーカンの成長力を加味すれば、今後のさらなる活躍が期待できそうです。
テンカムソウは障害をスムーズに越え、しまいも淡々と歩き続けて2着。これまで一線級相手では苦戦を強いられてきましたが、高重量で他馬のスピードがそがれる今回のようなレースは向いているのかもしれません。今後も重量を課せられるレースでは無視できない存在となりそうです。
アサヒリュウセイは重賞初挑戦で3着に健闘。とはいえ一連のA-1での実績から世代トップクラスにあることは明らかで、重量を課せられても崩れなかった点が今回の大きな収穫と言えるでしょう。今後も要注目の一頭です。
鈴木恵介騎手「ブラックボスにはこれまで重賞で負けていたから、ここで勝ててよかったです。また春から馬と相談しながら調整していきたいと思います」