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2009年5月 1日 アーカイブ

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やっぱり馬が好き(第55回) 旋丸 巴

2009年5月 1日(金)

ばんえい界のニュースター

 いや〜、昨年度末のばんえい記念、凄かったですね。重量戦でのトモエパワーの強さもさることながら、私が胸熱くしたのはミサイルテンリュウ。今年こそは、の願いは叶わなかったものの、しかし、あの第2障害での勇姿といったら……。山に食らい付き、はいつくばってでもソリを引き揚げようとする、あの根性。

 ばんえい競馬は虐待だ、という人々には、是非にも、あの一生懸命なミサイルの姿を見ていただきたい。あれぞ人馬一体。騎手の心が通じてこそのパフォーマンスなのである。

 と鼻息荒く語ってしまう「ばんえい記念」だけど、鼻息荒いついでに、先月、当コラムで古林先生が告知していた「ばんえい前夜祭」についても、鼻息荒くご報告を。

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ばんえい記念前夜祭で「ばんえい記念」について語ってくださった金山調教師。さすがミスターばんえいだけあって、オーラが……(写真提供・斎藤友香氏)

 だってね、大盛況だったんだもん! 立見が出るほどの超満員。ミスターばんえい金山調教師の、ばんえい記念にまつわるお話も、とっても興味深かったし、予想会では我らが古林先生が精緻な回帰分析による予想を披露。「その結果、1番数値が良かったのは……」と観衆に固唾を飲ませ、「イケダガッツでした」と爆笑の渦に叩き込むあたりなんざぁ、さすが元落研。並みの学者さんじゃあ、ございませんぜ。

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予想コーナーでは古林先生(右から2番目)が精緻な予想と見事な話術を披露。(写真提供・斎藤友香氏)

 さて、そんな楽しい前夜祭のトリは「お楽しみ抽選会」。ばんえい記念出場騎手さんのサイン入りグッズなどを用意したのだけど、ここに強力な協力者が現れて、それが他ならぬ大河原騎手。

 「俺の家に置いとくよりファンが喜んでくれた方がナンボいいか」と提供して下さったのが、何と何とリーディングジョッキーに輝いた時のトロフィーや貴重な写真の数々。

 「そんなもの提供してもらっていいの?」と観客の皆さんも恐縮されるほど。勿論、当選した方は大喜びで持ち帰られました。

 古林先生や斎藤友香さんと、「やろうか」「やろうよ」と軽い気持ちで企画した前夜祭。だけれど、これほどまでに盛況ならば今年度もやらなければ……いやいや、どうせのことなら、ばんえい記念と言わず、夏、グランプリの時にでもやろうよ、と仲間内で既に大盛り上がり。

 という訳で、読者諸氏よ、夏には是非、帯広競馬場にいらっしゃいませ〜。

     *    *    *

 さてさて、そんな楽しいばんえい記念も終って、気が付けば、もう新年度開催。今年は、どんな馬が活躍するのかしら、とご期待の面々に不肖・旋丸が新馬情報をお伝えするのですよ。

 4月12日に行われた第1回能力検定で、40年間培った我が相馬眼に一際、輝かしく映ったのは……。

 じゃじゃーん! ノーフェイト。3着入線だったし、時計も凄く早いってわけじゃなかったから、当日、あまり話題になっていないようだけど、坂を降りてからの豪快な脚は「素敵」以外の何物でもなかった。骨太の栗毛で、馬っぷりもよく見えて、将来が楽しみ〜♪

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坂を降りてからの爆発的末脚が「素敵」だったノーフェイト

 もう1頭、エビスオニワカ、アオノレクサスの全弟キングマサライも、これまた凄い脚を見せてくれて大満足。

 私の兄貴分であるSさんの生産馬であり当歳から見知っていた同馬だけに大いに期待して見守っていたけれど、レースのほとんどをキャンターで駆け抜ける豪快な走りを見せてくれたから、満足、満足、大満足。亡き父エビスタイショウの闘魂を発揮してくれれば、兄以上の活躍も期待できるはず。

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スタートからゴールまで、ほとんどをギャロップで駆け抜けたキングマサライ

 因みに、このキングマサライ、能検の後、馬名を一般公募。5月2日には新馬名が発表されるから、今後は新しい馬名で活躍してくれるでしょう。

 以上2頭が私の今年の注目馬……と思っていたら、谷調教師から新情報が入りましたぞ。27日に行われた第2回の能力検定で「凄い馬」が現れた、と。

 その名もミントヒッパルゾー。3人引きという超VIP待遇で登場。本馬場入場でスタート地点に向かったところまでは良かったけれど、谷さん曰く、「勢い余って、3人の厩務員を引きずったまま逃走し始め、 スタート地点近くまで来てUターン、いきなりスタンド側の柵を障害飛越。数十mエキサイティングゾーンでエキサイティングな走りを見せ、もう一度柵を斜めに障害飛越!で、本馬場に戻ってきました」

 こんな派手派手パフォーマンスを見せたにも関わらず、ヒッパルゾー君、蛇行しまくりながらも見事合格!

 残念ながら、私のこの模様を見られなかったけれど、名前といい、この暴れ方といい、早くデビュー戦で遭いたい!

     *    *    *

 という訳で、楽しみな新スター候補生を紹介したけれど、最後にオマケとして最近話題の「ばんえい界のスター」をばご紹介。

 某人気テレビ番組で全国的に紹介された新スターは馬ならぬ犬=ダルメシアンのティアラちゃん。皆川厩舎所属の彼女は、前述番組で同厩舎の活躍馬オレワスゴイの背に乗っている勇姿を披露し話題となった。そんなワンコだから、早速、皆川厩舎に行って彼女の写真を撮らせてもらった。

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全国放送で紹介された「ばんえい界の新スター」=ティアラちゃん

 意外に小柄で、とってもシャイなティアラちゃん。華麗な乗馬姿は見られなかったけど、馬たちに負けず、新スターとして、ばんえい界を盛り上げてくれるよう切にお願いして帰って来た。

 馬もワンコも、勿論、関係者は言うに及ばず、全員参加で頑張る「ばんえい競馬」を、皆さん、今年度も宜しくお引き立ちのほど、お願い申し上げますっ!

今週の見どころ(5/2〜5/4)

  ゴールデンウイーク開催の3日間は、競馬場に今年も「ふわふわランド」が登場します。
 また今週は、4月12日の第1回能力検査で好時計を出した2歳馬たちが続々デビュー予定。一番時計(1分46秒1)をマークしたレットダイヤ(牡、松井浩文厩舎)と牝馬トップタイム(1分57秒1)のアオノラブチャン(金田勇厩舎 ※能検時の名前はキタノオジロワシ)が4日(祝・月)に、2番時計(1分51秒6)のバカヂカラ(牡、尾ケ瀬富雄厩舎)は2日(土)第2レースにエントリーしています。将来を嘱望される若駒たちの初戦にご注目ください。

 5月2日(土)のメイン第11レースはスーパージョッキー賞(オールカマー・16:50発走予定)。昨年度のリーディング上位騎手による選抜戦です。
 4月25日第10レース(オールカマー)の再戦。その前走はハマナカキングが障害先頭から後続を突き放し、昨年8月以来の実戦を白星で飾りました。休養をはさんで5連勝中の勢いをここにつなげたいところです。
 今回は特別戦で、各馬20キロずつ負担重量が加増されています。馬場も乾きそうなだけに、前走2着のヤマノミントにとっては障害力を生かせる舞台となり、逆転まで考えられそう。同じことがキョウエイボーイ(前走4着)、トウリュウ(同5着)にもいえ、上位争いは混戦となりそうです。

 5月3日(祝・日)のメイン第11レースは大雪賞(オープン混合・17:00発走予定)。オープンから7頭、450万円条件から3頭が出走します。
 ここはアローファイターに注目。昨季、スーパークリントン、ホクショウダイヤらオープン一線級と互角にわたりあってきた実力はこのメンバーなら格上でしょう。
 次位争いは混戦です。アローファイターと世代限定戦で好勝負のシベチャタイガーや、すんなり逃げればニシキユウの残り目も考えられます。ナカゼンスピードは障害が安定しないもののきっちり末脚を使えるようになりました。
 大口泰史騎手とのコンビでは掲示板を外していないエメラルド、重馬場得意のニシキガールも最軽量だけに侮れないところです。

  5月4日(祝・月)のメイン第11レースはすずらん賞(4歳オープン・17:20発走予定)
 2月8日の白雪賞(4歳オープン)のメンバー10頭中6頭が出走しています。そのレースでライデンロックはトップハンデを課せられながら障害を先頭でクリア。ゴール前、マルモスペシャルの急襲にあったものの僅差2着を確保しました。ばんえい大賞典、ばんえいダービーを制し、チャンピオンカップでも見せ場を作った世代ナンバー1馬だけに、当時45キロあった差が30キロに縮まるここは逆転必至でしょう。
 相手はもちろんマルモスペシャルが筆頭格。3歳牝馬三冠に輝いたニシキエースも白雪賞(3着)より重量的に有利になっており、2頭との差を詰めてきそうです。
 白雪賞は9着もその後巻き返し、5連勝で昨季を締めくくったウメノタイショウも侮れません。

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