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2007年12月27日 アーカイブ

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やっぱり馬が好き(第43回) 旋丸 巴

2007年12月27日(木)

存続一周年 ばんえい軍団杯

 うにゃにゃにゃにゃ~! と地団太踏んで悔しがったのは、「忘れまじ、結束の11.27杯」という協賛レース名を見たからである。

 ばんえい競走馬の生産者団体=馬事振興会が、12月2日に行った、これなる協賛競走名は、言わずと知れた昨年の存続運動に因んだもの。あの時の危機感を忘れず、生涯、ばんえい存続のために尽力しよう、という心意気を示したもので……。

 しかし、である! 私たちファンだって、1年前、あの存廃の大波の中で溺れそうになりながら必死で頑張ったのである。あの心意気は決して生産者諸氏にも負けていない。協賛レースで先を越されてしまったけれど、よし、ならば、我々も協賛レースをしよう!

 年末進行でお仕事テンコ盛り、ワーキングハイ状態であった私は、以上の様な経緯で協賛レースを執り行うことにしたのである。

 その名も「存続一周年 ばんえい軍団杯」

 「ばんえい軍団」なる怪しい団体は、この1年、競馬場やブログの上で、知り合った「ばんえい仲間」のことであって、いつ誰が言い出したのか、こんな名前がついた、しかし、愉快で変てこりんな人々の集まり。

 今回も、「こういう協賛レースやろうよ」と言ったら、みんながみんな大乗り気。

 元々、私は、「なるべく多くの人と感動を分かち合いたい」と、たくらんでいたから「1口500円で20名を集める」というのが目標だったのだけれど、声を掛けるとアッという間にカンパも集まって、中には、わざわざ大阪から「送料も同じくらい掛かりました~」と言いつつ、500円を送ってくれた人もいたくらい。

 もっとも、本情報局編集長・斎藤さんのように、たまたまお仕事で帯広競馬場に来ていたところ、私からカツアゲ同然に500円を毟り取られた人もいたけれど……(編集長さん、ごめんなさい)。

 さて、そんな次第で、昨年12月14日の存続決定から1年と2日後の12月16日、第9レースに、我らが「存続決定1周年 ばんえい軍団杯」は実施されたのでありますよ。ジャジャーン。

 当日は、私の日頃の行いの良さを反映して、空はあくまでも晴れ渡り、絶好の協賛日和。ばんえい軍団諸氏もわいわいと集まって、いよいよ迎えた9レース……なのだが……。

 レースは、我々の予想通り本命タカラオーシャンが楽々と先頭を行き……しかし、2着に予想外のお馬が入線して、駆けつけた、ばんえい軍団全員、馬券で撃沈。

 「ちくしょー、××さえ来てれば!」

 「わ~、このレースが勝負だと思って、一旦、家に帰ってお金、持って来たのにぃ!」

 存続1周年を寿(ことほ)ぐ、嬉しくも崇高なこの協賛レースで、かような罵詈雑言が飛び交うとは、何と心の汚い……いえいえ、何と情熱的な我が軍団であることよ。とほほ

 とは言え、表彰式となれば、またまた存続の嬉しさが蘇り、全員、にこやかに賑々しく表彰式へ。協賛金授与、口取り記念写真撮影の後には、取材に来て下さったNHKや十勝毎日新聞さんへの取材に応え、しっかり、ばんえい競馬のPR。無事、協賛レースは終了したのでした。めでたし、めでたし。

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「存続一周年 ばんえい軍団杯」の口取り

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藤野俊一騎手のサイン色紙

……と、しかし、話は未だ続くのであって、みんなから集めた協賛金、前述のように1口500円20口でカンパを募ったのだけれど、希望者がオーバー。3口1500円も余ってしまったのである。仕方ないからリッキーの人参代にでもしようかと思っていたら、

 「え? 第2弾ばんえい軍団杯をやるんでしょ」と、皆の衆から当然のように「第2弾コール」が巻き起こったから、あーらら、どーしましょ。

 と、しかし、悩む私でないのは当然で、みんなが、そう言ってくれるなら、またまた協賛レースをやるまでのこと。

 たった500円、1コインで、こんなに楽しめて、仲間と親睦も深められ、なおかつ、ばんえいPRなんかも出来ちゃった協賛レース。

 「次は、どんな趣向で行くかな」と、今から、謀議する怪しいばんえい軍団なのである。

     *     *     *

 というような次第で、存続1周年を協賛レースで祝った、その翌週はクリスマス・イベント!

 リッキーやポニーが引くクリスマス馬車が場内を闊歩し、300名にプレゼントが配られ、子どもたちには騎手サンタさんから御菓子が手渡された。

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クリスマス馬車。ん?トナカイ?

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騎手サンタとちびっこ達

 この催し、主催はNPO法人「とかち馬文化を支える会」だけれど、当日のプレゼントは地元の、大手菓子メーカー「柳月」がシュークリームを260個、佐々木畜産がハムセットを提供して下さったし、調教師さんや騎手さんも、この日に合わせて「ちびっこばんえい」を実施するなど、正に、ファン、厩舎関係者、それに地元企業までが一体となったイベントとなったわけで、う~ん、これぞ「全員参加型競馬」

 こうして、ばんえい軍団の笑顔が咲き、みんなが集う帯広競馬場を見ていると、1年前の、あの「沈没寸前のばんえい競馬」が遠い昔のようで……。

 いやいや、しかし、そうは言っても、まだまだ油断大敵火がぼうぼうの、ばんえい競馬。全国の皆さんの後押しがなければ、再び奈落の底に転落することは必至。

 という訳で、来るべき2008年も、ばんえい競馬、旧年に倍するご愛顧のほど、宜しくお願い申し上げまするぅ。

今週の見どころ(12/28~12/30)

 年末・年始のばんえい帯広競馬は12月28日(金)~30日(日)、大晦日は1日あけて、1月1日(祝・火)~3日(木)の変則開催となりますのでご注意ください。
 さて通算2000勝以上をマークしている坂本東一千葉均の両騎手が、30日のレースをもって手綱を置き、来年からは調教師として第2の人生を歩むことになりました。ぜひともばんえいを代表する名手(千葉騎手は病気のため騎乗しない場合があります)の最後の勇姿を目に焼きつけたいところです。
 ところで28日~30日の3日間、大井競馬場のふるさとコーナー(正門2階)にて、『ばんえい場立ち予想会』を行います。出演は矢野吉彦氏と日替わりのスペシャルゲストで、時間は連日13:25~17:15頃を予定しています。お近くの方はぜひお立ち寄りください。

 12月28日(金)のメイン第11レースは、えりも特別(430万円未満です。
 今開催は、4歳(明け5歳)限定の重賞と条件戦が組まれている関係で、最近のこの条件で中心的存在だった4歳勢が不在。やや手薄なメンバー構成となりました。
 期待したいのは今回が昇級戦のタカラオーシャン。先行力を武器に目下3連勝です。特にここ2戦は、先頭で障害を越えると残り20メートルからは藤野俊一騎手の手はまったく動かずの完勝。能力はここに入ってもヒケを取らないでしょう。不安材料は前走から60キロ増となる重量ですが、勢いには逆らえません。
 相手は、昇級後の4走中3走が3着以内と安定しているタケノホウシュウや、2開催前(12月2日)の平場の430万円未満を差し切ったカネミセンショーが有力。この相手ならヒカルヨシウメの一発にも期待したくなります。
 唯一の3歳馬ニシキガールは、ばんえいオークス優勝、ばんえいダービー2着と近走好調。250万円条件では勝ち負けしていましたがこのクラスに入ってどうか。今回は試金石となる一戦です。

 12月29日(土)のメイン第11レースはクリスタル特別(オープン)です。
 エビスオウジャはこのところ障害で離され、追い込んで届かないレースが続いています。とはいえ相手関係が楽になったここなら決め手では一枚上の存在だけに上位争いを期待。今夏のばんえいグランプリ制覇の実績も光ります。
 前開催の師走特別で今季初勝利を挙げたホクトキングは、ここ5走のオープンで4連対と絶好調。障害がキレている現状なら、今回も勝ち負けでしょう。
 ギャンブラークインは、フクイズミ、トカチプリティーら牝馬一線級が不在なら20キロ減が存分に生きるはず。約4カ月ぶりだった師走特別を僅差4着にまとめたホシマツリや、同レース3着ニシキダイジンの先行押し切りも期待できます。

 12月30日(日)のメイン第11レース、第9回ヤングチャンピオンシップ・ホクレンエン麦特別(2歳)は、産地別特別競走の上位馬選抜レースです。
 実績ナンバー1は釧路産駒特別1着のホクショウジャパン。前回の2歳A1では、デビューから初めて掲示板を外し6着。障害3番手から伸びを欠き、さらにゴール前で一杯になったところを後続に交わされてしまいました。他馬より最大45キロ重い重量が響いた可能性は否定できません。今回もハンデとの戦いとなりそうですが、底力に期待したいところです。
 オレワスゴイは十勝産駒特別1着。ホクショウジャパンとは対戦成績では分が悪いものの、今回はこれまでで最大となる10キロ差を生かし逆転なるかに注目です。
 北央産駒特別1着のウメノタイショウは近走は勝ち切れないレースが続きます。とはいえ強豪相手に互角に渡り合っており、一角崩しを狙うならこの馬です。

 この日の最終第12レースにオッズパーク賞'07ファイナルカップ(500万円未満)が組まれています。
 ミスターセンプーは今季23戦して掲示板を外したのが1度だけと堅実な成績を残しています。今回は昇級戦でも、730キロは前走で2着としておりまったく問題ありません。オープン経験馬の実力で今回も早めの仕掛けから粘り込みが期待できます。
 前開催の十勝おおぞら特別(500万円未満)で2、3着のストロングペガサスタケトップクインは登坂力を武器に今回も上位をうかがう存在。同レースで10着だったコトノカツマは、中団からの競馬で実力を発揮できませんでした。このクラスでは実績上位だけに、今回は先行策に徹し巻き返しを図りたいところでしょう。

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