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2007年8月17日 アーカイブ

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馬券おやじは今日も行く(第36回) 古林英一

2007年8月17日(金)

ばんえい新時代を実感

 猛暑お見舞い申し上げます。涼しいはずの北海道も猛暑が続きました…と過去形にしてしまってもいいのでしょうか。木曜からすっかり涼しくなっております。冬は厳寒のなかで暮らすんですから、夏場くらいは涼しくてもバチはあたらんと小生は思うのであります。

 猛暑のなかでも、ばんえい十勝の熱戦は続いております。

 先月・今月と札幌でおこなわれたばんえい絡みのイベントのお手伝いをしました。先月(ちょうどJRAの騎手が帯広に来場した日でした)はサッポロビール園に隣接した広場にリッキー君が来場しました。次から次へと子供たちが集まり、リッキー君にまたがったり、ニンジンをあげたり、ほんとに大はしゃぎでした。彼は偉い。何が偉いといって、子供たちから差し出されるニンジンを飽くことなく、延々4時間にわたり食べ続けておりました。いかに好物とはいえこれはなかなかできることではないでしょう。さらに、彼が偉いのは、到着直後に放尿し、その後イベント終了まで一切排泄をしなかったのです。いやあ、なかなかできることじゃないです。ご立派。

 8月は恒例のビアガーデンの最終日でした。十勝観光連盟のイベントで、レース映像を流してのイベントです。ばんえい大賞典のレース映像を途中で止め、勝ち馬を当てるという出し物がおこなわれました。ばんえいファンならご承知のとおり、プリンセスモモが直線一気の波乱のレースです。大逆転のこのレース、観客にも大ウケでありました。

 こうしたイベントに参加してみると、ばんえいが十勝の観光資源としてしっかりと位置づけられていることがよくわかります。今にして思えば、昨年の今頃は廃止策動が急ピッチで進められていたわけですから、ほんとに「一発逆転!馬のライブショー」です。

 「お上」がテラ銭稼ぎのためだけにやっている競馬を「財政競馬」といいます。財政競馬ではテラ銭が稼げなくなったら、馬も人もあっさりお払い箱です。もちろん、「財政競馬」を無視してもいいとはいいません。だが、今のばんえいを見ていると、本来市民が自らの手で始めた競馬という営みを、再び市民の手に取り返したように思われるのです。まことにもって慶賀の至りであります。これでいま少し小生の思い描くとおりに馬が走ってくれれば最高なんですが…。

今週の見どころ(8/18~8/20)

 今週日曜日(19日)には今季2歳最初のオープン特別・青雲賞が行われます。人気を集めそうなホクショウジャパンは、昨年の「全道祭典ばんば1歳馬決勝大会」雄の部の優勝馬。先日のばんえい大賞典で2着に入ったコーネルフジも05年の同大会雄の部を制していました。
 北海道各地で盛んに行われている「草ばんば」の1歳馬レースは、毎年秋に行われる「全道祭典ばんば1歳馬決勝大会」への出場をかけた地区代表決定戦的意味合いがあります。8月中だけでも「共和かかし祭輓馬競技大会」(19日・共和町)、「標津・中標津馬事競技会」(26日・中標津町)などが行われ、9月に入っても毎週のように予定されています。
 未来のスター候補を探しに、「草ばんば」観戦というのもいいかもしれません。

 8月18日(土)のメイン第11レースは十勝ワインばんえいラベル発売記念特別(430万円未満)です。
 注目は4歳牝馬ニシキユウ。約1カ月半ぶりのレースとなった前走(8月4日)混合430万円未満では、早めの仕掛けから先頭で障害を越えるとそのまま押し切り、約半年ぶりの勝利を挙げました。思い返してみると昨年は、1番人気を背負いばんえい大賞典を勝利、ばんえいダービーでも2着に食い込むなど3歳三冠路線で活躍していました。7月~9月は、一昨年は7戦して複勝圏を1度も外さず、昨年も9戦して5勝、2着2回など、1年でもっとも実力を発揮できる時期。今回ぜひとも狙ってみたい1頭です。
 相手は、昇級戦となるミスターセンプー。現在2連勝中と勢いもあります。昨季650万円条件で勝ち負けしていた実力を発揮できれば引き続き好勝負が期待できます。
 前開催のマリーン特別(430万円未満)を競走除外となったメジロショウリキにとっては仕切りなおしの一戦。今季この条件で3戦2連対と好調です。
 このクラスで安定した成績を残しているヤマトゼンシンや、障害巧者のストロングペガサスなどが一角崩しを狙います。

 8月19日(日)のメイン第11レース、はまなす賞(3歳)は、全馬が前走でばんえい大賞典に出走していました。
 そのばんえい大賞典は、真っ先に障害をクリアしたのが1番人気のアローファイターでしたが、差なく障害を越えたプリンセスモモが残り20メートル付近で捉え先頭に立つと、そのままリードを広げ優勝。2着には障害4番手から追い込んだコーネルフジが入りました。
 期待したいのは、惜しくも3着のアローファイター。当時プリンセスモモと35キロ、コーネルフジと15キロあった重量差が、それぞれ25キロ、10キロ差に縮まりました。年明けの重賞で2、3着と実力上位は確かだけに、負担重量的に有利になるここは負けられません。
 シベチャタイガーカイセゴールデンマルニゼウスらともつれた混戦の4着争いを制したニシキガールは、末脚に見どころがありました。同馬も勝ち馬との負担重量の比較で10キロ軽くなっており上位進出が期待されます。3番人気で8着に敗れたエリザベスライデンは、力のいる馬場になりそうな今回は巻き返しを期待したいところです。
 カネサリュウは、ばんえい大賞典より10キロ軽くなりましたが、それでもトップハンデ660キロ。今回も厳しい戦いが予想されます。

 この日の第10レースには、注目の2歳オープン・青雲賞が行われます。
 デビューから8戦6勝、2着2回のホクショウジャパンと、同じく5戦4連対のオレワスゴイの2頭が人気を二分しそうです。これまで2回対戦してホクショウジャパンが2度とも先着していますが、今回はホクショウジャパンが5キロ加増されるため、オレワスゴイに逆転の目もあるかもしれません。
 7月22日の2歳A1戦で、この2頭に先着しているコトブキタイガーも侮れない存在です。

 またこの日の第9レースには古馬のオープン戦が組まれています。
 前走サマーカップ(オープン)で3、4着のタケタカラニシキトカチプリティーや、前開催のオープンを制したスターエンジェルなどが出走します。

 8月20日(月)のメイン第11レースは十勝川特別(360万円未満)です。
 注目はキングシャープ。昨季の800万円条件から降級した今季、スタートととなった250万円条件から順調にクラスを上げてきました。まだまだ上を目指せる器だけに、ここで足踏みするわけにはいきません。6月18日の楽天競馬特別(混合360万円未満)では、このクラスの安定勢力であるホクショウドラゴンタケノホウシュウらを破っています。
 前開催の同条件戦アクア特別で2、3着だったツジノコウフクと、ヒロノドラゴンは、それぞれ第2障害を2、3番手でクリアし、よく脚を伸ばしましたが、勝ったミスターセンプーが強すぎました。
 キングシャープを中心に、ツジノコウフクヒロノドラゴンホクショウドラゴンタケノホウシュウらが熾烈な戦いを繰り広げそうです。

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