始まりました! 新生ばんえい競馬
皆さん、お待たせしましたっ! 始まりましたよ、新生ばんえい競馬がっ!
さて、しかし、何から紹介しようか、と迷ってしまうのである。競馬場はあっちゃもこっちゃも綺麗になっているし、イベントは目白押しだし、古林先生が一口乗ったお馬は走るしで、話題満載、大騒ぎ。これを全部書いていたら、それこそ本欄はエンドレス。
けれど、やっぱり一番に書きたいのは……。4月27日、開催初日に服部調教師と交わした言葉。「この日があることが嬉しいですね」。存廃に揺れた昨年末を思えば、この日を迎えられたことが、私でさえ感無量なのだから、調騎会会長として日夜奔走に奔走を重ねた服部先生の心中やいかばかりか。
勿論、この感動は皆さんも同様らしく、会う方、会う方、厩舎関係者もファンも「嬉しいね」「嬉しいね」の連続で、いや、実に、めでたいのである。
さて、服部先生と感慨深い挨拶を交わして、しかし、その場所は競馬場南側。以前、パドックがあった場所で、パドックがゴール前に移設された現在、この場所はミニ動物園になっているのである。ポニーや山羊、ウサギなどが展示されているけれど、ちょっと離れたところには、ブタさんまでも!
「旋丸さんの仲間」という超失礼なセリフを吐いたのは他ならぬ我が悪友・谷あゆみ姐さんで、この女性調教師、顔は良いけど、口が悪い! ぶび~!
けど、さすが我が「仲間」だけあって、このおブタ嬢、とっても人気があって、女性騎手の竹ヶ原麻茉耶ちゃんもレースの合間に、こっそり、このおブタ嬢と遊んでいて、ふふふふふ。
さて、そんな話題テンコ盛りの新生ばんえい競馬。イベントも様々行われたけれど、中でも「目玉」は、2日目(28日)に行われた「関口房朗トークショー」。
関口房朗氏と言えば、そう、あの「フサイチ」の冠馬名で知られ、日米ダービーを制覇した大馬主さん。今回、主催者の依頼で、新生ばんえい競馬応援のため、わざわざ帯広競馬場に足を運んでくださって……。
しかし、正直に申し上げて、この企画を知った時、私の脳裡に去来したのは「何で、世界の関口氏が帯広に?」という疑問であって、だって、何億円、何十億円という高額馬を多数所有し、愛馬の実物大純金像を作られる、それほどの世界的馬主さんが、北の果ての小さな競馬場、それも、輓馬なんてマイナーな競馬に、なぜ、多忙の中、駆けつけて下さるのか? 不思議、でしょ?
という訳で、どうしても、関口氏ご自身から、その点についてお聞きしたかった私は、主催者にお願いして、独占インタビューを敢行したのだが……。
まず驚いたのは、大富豪にして大馬主の関口房朗氏が、テレビなどで見る「キンピカ」の印象とは全く違い、実に物静かな紳士であったこと。そして、「何故、ばんえい競馬?」という問いにも、「日本の競馬は世界一賞金が高い。そして、競馬が文化として認められつつもある。けれど、欧米では競馬は既に歴然たる文化として認められ、そこに、きちんとした経済も確立されている。そういう外国の競馬に日本が負けないようにするためには、今、元気の無い地方競馬にも頑張ってもらわないと」と、低く抑制されたお声で、しかし、真摯に答えて下さったのだから、その凄みと迫力に圧倒されてしまった。それで背中のヒヤリヒヤリするのを抑えつつ、では、とお願い申し上げた。
「トークショーで、ばんえい競走馬の馬主にもなって下さる、と、おっしゃられていましたが、本当に何頭か持っていただけますか?」
「勿論」と、一転、世界的馬主さんは微笑んで下さったから、やった~!
今後、どんな風に、ばんえい競馬を応援して下さるのか、それについては、また、色々な関係者と相談の上で、ということだったけれど、フサイチの冠が付いた馬が帯広競馬場で走るだけでもインパクトは強烈。全国に向けて大いなるPRになるから、こんなに有り難い話はない。
有り難いついでに、この際、我が家で生産した馬を買ってもらっちゃおうかな、と考えて……あっ、しまった、うちはアラブ馬しか生産してなかったんだわ。こんなことなら、ばんえい競走馬も生産しときゃ良かったわ、チッ。
というような、私の腹黒い企みはともかく、関口氏が、めでたく、ばんえい競走馬を所有された暁には、その馬名を公募される、とのこと。これなら、我々だって参加できる訳で、はてさて、何て名前をつけましょうか?
関口氏の、本邦競馬界に対する高尚、かつ、寛大な支援のお話を拝聴し終えて、しかし、私の心中には、もう応募する馬名が縦横無尽に駆け巡り……。フサイチカイリキ、フサイチドントコイ、フサイチマケヘンデ……。
さて、皆さんなら、どんな馬名を応募されますか?