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2006年3月10日 アーカイブ

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やっぱり馬が好き(第15回)  旋丸 巴

2006年3月10日(金)

いつかオーナーズカップに…

 5日、私は勇んで帯広競馬場に出かけた。わざわざ「勇んで」と書いたのは、それは、この日、当情報局の斎藤修編集長が東京からやって来るから……という訳ではない。

 いえいえ、斎藤さんはTOKIOの城島リーダーを渋くしたような人で、「僕にとっては、ドバイに行くのも帯広に行くのも同じなんです」なんてセリフを嫌味なく言ってのける素敵な男性なんである。だから、勿論、斎藤さんに会うのは嬉しいのだけれど、しかし、私を「勇ん」だ気持ちにさせるのは、もっと他にあって、それは、この日、帯広競馬場で行われた第4回オーナーズカップ。

 オーナーズカップは、その名の通り、馬主さんが自らの馬に乗って出走するレース。勿論、エキシビションレースだから馬券は発売されない。けれど、馬主さんとは言え、アマチュアの騎手が、公式のコースで、しかも開催日に、本物同様のレースをするなんて、アマチュア騎手が活躍する外国ならいざ知らず、国内では他に絶対見られない稀有な企画。だから、これは一見の価値ありと、前述「勇んで競馬場へ」と相成った次第である。

 因みに、これなるレースに出走するのは8組の人馬。10歳のオープン馬から4歳牝馬まで、と出走馬もバラエティー豊かなら、騎乗する馬主さんも17歳から66歳の男女、と更に様相多彩。

Photo_8  そんな中で、私が注目したのは6番ツルマキシンザン。オープン馬だけに、ここでは680キロの最大重量を課せられて、560キロの最軽量馬に比べると、かなり不利。それでも、私が敢えてこの馬を応援するのは、手綱を取るのが井内香さんという21歳の女性だから。既に彼女はオーナーズカップでの優勝経験もあり、同性として、紅一点を肩入れしないわけにはいかないのである。(写真:ツルマキシンザンと井内香さん)

 と、期待し、注目したオーナーズカップは14時25分、発馬! 各馬一斉に飛び出して……けれど、重量も馬の格も、そして、騎手の技量も玉石混交のこのレース。だから、各馬のペースもまちまちで、第一障害を越えて、すぐに立ち止まる馬やら、第二障害まで駆けぬけて行くのやら、てんでんばらばら。

 そして迎えた第二障害。ここでも、また、巧みな手綱さばきで馬を誘導する玄人裸足の騎手から、微笑ましく懸命に追う騎手まで、各人各様の「坂越え」で、観客も大いに沸く。

 この第二障害を軽々と越えたのは我らがツルマキシンザンと井内騎手。オープン馬の地力で早々と直線に駆け出し、このまま優勝……かと思ったけれど、世の中、そんなに甘くなかった。終盤、足寄町・南信良さんが繰るイサムニセイと、本別町・林千代吉さんのプリティブライトに抜かれて3着に敗れた。

 優勝した南さん62歳。2着の林さんは最年長66歳。いずれもプロ顔負けの技術を持つベテランで、だから、今回のオーナーズカップは完全に「老練の技」が「若さ」に圧勝した形。でも、まあ、井内・ツルマキシンザン組だって3着だったのだから、よしとすべし。

 公式戦では絶対に見られない、或いは、許されない「多様性」を見せてくれたオーナーズカップ。それだけに、また、日頃接しているプロのレースの精密さも、また、しみじみ感じさせられたレースでもあった。プロって、凄いんだわ、やっぱり。

 それにしても、である。

 こういうレースを見ると、『いつか自分も馬主になって、このレースに出よう』なんて本気で考えちゃいませんか?

「そんなこと考えるの、あんただけ」って夫は言うけど、そんなことないよねー、皆さん。

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