前田淳がGIIミッドナイトチャンピオンカップ初代王者!
飯塚オートで行われていたミッドナイトレース初の記念レース・GIIミッドナイトチャンピオンカップは、山陽の27期・前田淳が制した。前田はこれでGIIを3度目の制覇。GI1回を含めて、記念タイトルは4となった。
競争は良走路で行われ、試走は平田雅崇と伊藤信夫が27で一番時計。次いで、角南一如が29、東小野正道と有吉辰也が30、高宗良次と前田が31だった。
スタート争いは最内の高宗がしっかりと先行。これに2枠の東小野が乗っていく。前田も3番手発進できたが、すぐに有吉が交わしていく。角南と平田はダッシュがつかず、伊藤信は枠どおり7番手からのスタートになった。
まずは高宗が逃げる展開。後ろでは東小野が追走していたが、前田をパスした有吉が仕掛けの態勢を作っていた。そして、すぐに有吉は東小野を差す。逃げる高宗と追う有吉で一騎打ちムードになったが、割と早い段階で動きがあった。4周1コーナーで有吉が高宗のインに突っ込んでいく。しっかりと交わしたように見えたが、有吉が態勢を崩し、外にいた高宗を巻き込んで共に落車。後ろで東小野を交わしていた前田が先頭に踊り出た。今度は前田が逃げる展開。すぐ後ろには同期の角南がつけていた。残りの周回、角南は前田を抜こうと仕掛けのタイミングをうかがっているが、前田はコースを外さない走りで隙を与えない。結果的に最後まで先頭を譲らずゴール。後半に猛追を見せていた伊藤信が3着に入った。
前田は約3年ぶりに記念レースで優勝。元々、底力のある選手だが、近況は好成績が残らない時期もあった。それでもオートレースに取り組む姿勢は、以前と変わらず真剣そのもの。整備を含め、オートレースに真面目に向き合い続けた事が今回の結果につながったのだろう。スタート力は上位級、走りは小さいコースを通ってスピードに乗せる事ができる。この2つの武器がある限り、まだまだ記念タイトルを増やす事は可能だろう。
永井大介VS荒尾聡、他にも好調者が続々!
6月は昼間開催が3節あった川口オート。今回は5月のGII川口記念以来のナイターレース。昼間開催よりは試走も上がりも好タイムがマークされやすく、スピードレースになりやすい。レースの時間帯にしっかりとエンジンを合わせられる選手が有利になる。
今回出場する中で地元ランクトップは永井大介。前走は伊勢崎GIIだった。ここでは初日から好成績でまとめ、優勝戦まで進出していた。結果は4着だったが、試走タイムは出ていたので、エンジン自体は悪くない。地元走路にもしっかりと合わせてくるだろう。同期の若井友和も前走は伊勢崎GIIだった。優勝戦までは進めなかったが、シリーズ中は大崩れする事なく随所に好走を見せていた。今回も主力選手としてシリーズを盛り上げる。
地元S級で好調なのは山田達也と五十嵐一夫。どちらも3節連続で優出中。山田達は直近の優勝戦で試走28。エンジン自体は高いレベルにあるので、あとは夜の時間帯に合わせるだけ。スピードが乗りやすいナイターの方が山田達には合っているか。五十嵐も勝負どころを逃さない走りで結果を出し続けている。エンジンも中堅上位で安定している。佐藤裕二はエンジン状態が並より少し上といったあたり。差しを主体にした攻めが決まっている。
外来S級では荒尾聡と浦田信輔が有力。どちらも前走は伊勢崎GIIだった。荒尾は準決3着で優出はできなかったが、シリーズを通して悪くはない動きだった。その前は地元で準優勝、更にその前は地元GIで優勝。良い流れできている。浦田は3日目にフライングがあり勝ち上がり権利を喪失。ただ、シリーズは2勝を含む、4回車券に貢献できていた。しばらくスタートは無理できないが、元々スタートに頼るレーススタイルではないので、そこまで影響はないか。
他には伊勢崎から新井恵匠と内山高秀が参戦。新井は3節前に飯塚GIで優出したが、その後は好リズムを保てないでいる。再び良くなるきっかけを掴みたい。内山は大崩れしている訳ではないが、今年はまだ優出がないようにエンジンが上向いてはきていない。
地元A級では上和田拓海と川原剛が前走で優出していた。上和田は同期ナンバー1の評判どおりの成長を見せている。まだ、レース運びに粗さはあるが、これは一流選手になるための登竜門でもある。走りが洗練されればS級シングルになる日も遠くない。優勝戦は6着だった川原だが、近10走中8回は車券に絡めている。最重ハンの30M前に置かれ続いている限りは好成績を残せるだろう。
外来A級では山中充智が地元のGIIで優出していた。結果は6着だったが、予選準決の4走はオール連対。直線はかなり伸びている印象だった。そのGIIでは佐久間健光、鈴木清市、笠原三義なども奮闘していた。
※6月30日時点。当日は欠場などにより、出場選手が変更になる可能性があります。
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主な出場予定選手
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永井 大介〔川口 S-8(25期)〕
若井 友和〔川口 S-14(25期)〕
佐藤 裕二〔川口 S-19(24期)〕
山田 達也〔川口 S-27(28期)〕
五十嵐 一夫〔川口 S-39(21期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-7(27期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-18(23期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-20(30期)〕
有吉辰也がミッドナイトのGIIで初代王者へ!
オートレース界初の試みとなるミッドナイトレースでの記念開催。GIIミッドナイトチャンピオンカップも優勝戦のメンバーが出揃った。準決に乗った軽ハン勢は4日目からハンデが重化。その中では高宗良次が唯一、優勝戦へと駒を進めた。
優勝戦のハンデ構成は10Mオープンで最内から高宗、東小野正道、前田淳、角南一如、平田雅崇、有吉辰也、伊藤信夫となった。
まずはスタート争いだが、ここは最内の高宗が外枠勢を突っ張って出そう。今回は節間にハンデ重化はあったが、一時期は最重ハンでも走っていた選手。スタートの切れも悪くないので、最内の利を生かして先行しそうだ。これに続いて行くのは前田。今節は以前のようなスタートの切れが戻っており、内寄りの3枠なら好ダッシュが期待できる。次いで、有吉。10Mオープンの6枠は楽ではないが、準決では見事なスタートを決めてみせた。かつて全国トップのスタート力を誇っていた有吉が完全に戻ってきた。
逃げる高宗のペースだが、近況はだいぶスピードが出ており、ハイペースの逃げになりそう。序盤2周でリズムを掴んでリードを作れれば、先行逃げ切りも十分考えられる。ただし、当ブログでの本命には有吉を挙げる。レース序盤で2~3番手に付けられそうで、高宗がペースを掴む前に差し込むとみた。もちろんトップスタートが切れれば変幻自在の走りで後続をブロック。最後まで先頭を譲らないだろう。
相手は高宗。いきなりの独走に入れそうだし、後続が競り合ったり進まないようだと、自身初優勝が記念タイトルとなるかもしれない。そのスピードとスタート力は十分にある。次に伊藤信。10Mオープンの大外は序盤の展開が苦しくなりがちだが、今節は素晴らしい上がりタイムが出ている。記念の優勝戦で8周戦になる事を考えると、2周伸びるのは伊藤信にとって好材料。レース中盤から後半にかけて番手を上げていくか。そして前田。今節はいつもに増して気合が入っている様子。準決は2着だったが、最後は伊藤信を追い詰める動きがあった。序盤の位置取り次第では、自身4度目の記念タイトルを奪取する可能性もある。最後に角南。スタート争いに不安な点はあるが、最低でも準決ぐらいのスタートが切れれば、8周戦となるロングバトルで角南の力走が見られるかも。
◎有吉辰也
○高宗良次
△伊藤信夫
△前田淳
▲角南一如
木村武之が今年の初優勝を目指す!
今回の浜松オートは、地元S級が6名、外来S級が2名参加予定。鈴木圭一郎、伊藤信夫は不在だが、地元の牙城を守るべく総力をもって外来勢を迎え撃つ。S級以外にも調子を上げている選手が散見されるので、そちらも取り上げていきたい。
今回出場する中で地元ランクトップは木村武之。近況の調子はまずまずといったところで、走路温度が高くなっている昼間のレースでも試走31近辺は出せている。今回のような一般開催なら十分通用する状態。今年は6回の優出があるが、優勝はまだゼロ。そろそろ今年の初優勝を決めておきたい。
金子大輔は前走が飯塚GIだった。初日から調子はイマイチだったが、肝心の準決で1着。見事に優勝戦まで進んで見せた。0Mオープンの2枠からの競争だったが、スタートで好位置を奪えず5番手のままゴールとなった。それでもGIで優勝戦まで進んでいたのだから、エンジンも乗り手も流れとしては悪くない。その同期の佐藤貴也は前走が伊勢崎GIIだった。ここでは3日目に白星はあったものの、準決は5着で優勝戦には乗れなかった。ただ、試走タイム自体はそこそこ出ていたのでエンジン面はそれほど心配ないか。
他の地元S級は笠木美孝、青島正樹、渡辺篤。笠木と青島の22期コンビはエンジン堅調。完全に仕上がっている、という状態ではないがある程度で戦えない事はない。どちらもスタート力があり、差しがしっかりしているので、混戦になりやすいこの時期のレースでも番手を上げていけるだろう。渡辺は前走では準決3着だったが、ここ最近の大きな流れで言えばリズムは悪くない。
外来S級は山陽から佐々木啓と松尾啓史。佐々木の前走は伊勢崎GIIだった。ここでは優勝戦に進めなかったばかりではなく、シリーズを通して白星もなかった。ただ、試走28のタイムが出ていたようにエンジン面は悪くない。乗り心地の面でしっくりしない様子なので、フレーム修正などで改善されればレースでもエンジンが生きてくる。松尾の前走は飯塚一般開催。ここでは予選準決をオール連対で通過し、優勝戦でも3着に入っていた。試走は28出ていたし、最後方から追っての3着なので価値がある。
地元A級は、前回の浜松一般開催で準優勝だった藤波直也に注目。爆発力が売りで、モードに入った時に大活躍するタイプ。実際、前走の準優勝のシリーズもオール連対だった。仲口武志も近況は動きが活発。前走は準決6着だったが、それ以外の3走は全て1着。更にその前の節では準優勝を決めていた。若手では佐藤大地が成長中。前走は伊勢崎GIIで、初日は不成立で競争できなかったが、2日目以降の4走は1着2本を含む、全て車券に絡めていた。
外来A級は谷津圭治、西原智昭、穴見和正が前走の伊勢崎GIIで優勝戦まで進んでいた。谷津はスタートが良く切れていた。西原は本来の軽快な走りが見られていた。穴見も直線の行き方が良く、強烈なインブロックが炸裂していた。
B級では馬場雄二が長らく好調。前走の地元でも優勝戦まで進んでいた。また、鈴木章夫は前走で自身の持つ公営競技最年長勝利記録を塗り替えた。まだまだ、記録を更新できそうな勢い。
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主な出場予定選手
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木村 武之〔浜松 S-5(26期)〕
金子 大輔〔浜松 S-11(29期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-12(29期)〕
笠木 美孝〔浜松 S-24(22期)〕
青島 正樹〔浜松 S-33(22期)〕
渡辺 篤〔浜松 S-47(31期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-9(23期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-17(26期)〕
高橋貢がレース巧者ぶりを見せつけ優勝!
大会最終日は途中で軽く雨が降る時間帯もあったが、優勝戦までには走路が回復し、良走路で競争が行われた。試走タイムは青山周平が一番時計で28。次いで永井大介と高橋貢が29、松本やすしが32、谷津圭治と西原智昭が35、山中充智と穴見和正が36だった。
レース序盤の争いだが、まず0ハンの山中はスタートを残す事ができなかった。10線から叩いて行ったのは谷津。谷津がいきなりの逃げ展開に入った。1周目から2周目あたりは中団は混戦状態。それを抜け出して2番手に立ったのは高橋貢。そこからの仕掛けは早かった。3周目の1コーナーで谷津のインに突っ込んで行く。そして、先頭を奪取。そこからは落ち着いた走りだった。
人気を背負った青山は、スタートこそ良かったが最初のコーナーでやや流れてしまう。一時は最後方まで下がってしまった。その後も中団が重なり、思うように車を進めて行けなかった。混戦を抜けて2番手に立った時には、高橋貢は独走状態に入っており、遥か前方だった。そこからは多少、差を詰める事はできたが先頭までは行けなかった。
高橋貢は絶対王者の異名に相応しい貫禄を見せた。準決までは機力不足に思われていたが、決戦には整備でしっかりと仕上げてきた。試走は2番時計だったが、見た目にはかなり良さそうだった。そして、レース運びもさすがだった。スタート争いでは、外の青山に行かれていたが、最初のコーナーでの位置取りが巧かった。そこからは混み合う車群を見て、外のコースを選択。一気に番手を上げる事ができた。整備力、走行テクニック。この両方がマッチして最高の結果を手に入れることができた。全盛期ほどの迫力は薄れてきたと言われて久しい高橋貢だが、豊富なレース経験は決して裏切らない。まだまだタイトルを積み重ねられる。