B級勢の下克上がありそう!
直前にプレミアムカップが行われている関係で、今回はS級とA級上位選手が不在。A級中堅以下とB級による戦いになるが、選手それぞれに走りに個性があり、レースとしては大いに盛り上がる。特に今回はB級に注目選手が多く、B級の中から優勝者が現れるかも。
今回出場する地元の中で最もランクが高いのは宍戸幸雄。スピードの面ではそこまで望めないが、道中のレース運びは達者。混戦になればなるほど宍戸にとって展開が向いてくる。精度の高い差しを繰り出し、車群を突破していく。スタートはやや甘いほうだが、今回は最重ハン大外からのレースが増えるだろうから、その点は気にしなくていい。
地元ランク次位は田中哲。前走のアフター6ナイターでは優勝戦まで進んでいた。エンジンの仕上がりが良く、高い攻撃力で車を押し上げていた。今回も追い込むレースがほとんどだが、パワーある走りで番手を上げていく。その優勝戦には藤本梨恵も乗っていた。捌きの面はまだまだ改善の余地を残しているが、スタート力が高いので早めに抜け出せる展開になれば力を出せる。
外来A級では浜松の鈴木健吾が前走の地元で優勝していた。元々持っていたスピードに捌きの的確さがプラスされた現在は、総合力も高まっている。追い込むレースでも安心して見ていられる。その同期の小林悠樹は、前走の伊勢崎GIではイマイチだったが、その前の地元では優勝しており、乗り手の調子は悪くない。浜松勢では鈴木章夫が、前走の地元で公営競技の最高齢勝利記録を更新した。御歳74だが、まだまだ走りは血気盛ん。チャンスどころであれば、しっかりと勝ち切ってみせる。
B級では田崎萌と横田翔紀が違う開催だが、前走の地元で優出していた。田崎は優勝戦で被害があって7着。ハンデ的には軽い印象があるので、今は絶好の狙い時。横田は同期の中でやや出遅れていた印象あったが、重走路の優勝戦で見事に逃げ切り初優勝を遂げた。これは大きな自信につながるはずで、これからの成長が楽しみ。
イン走法で渋太く粘るのは伊藤幸人や深沢悟。伊藤幸はスタートも早く、レース序盤で先頭に立つと、インコースを締め上げて後続に抜かせない走りができる。深沢はここ何節もエンジンが高位で推移。直線の伸びが良く、後続に隙を与えにくい現状にある。北爪勝義はレース前半の動きが軽快。スタート力もあるので、速攻が決まりやすいのが特徴。千葉泰将は元々スピードがある選手。それはA級選手となんらそん色ないモノがある。
外来B級では浜松の中村晋典がエンジン堅調。その同期の青嶋裕治は成績はムラ傾向だが、たまに見せる大駆けで一発穴を開ける時がある。小林頼介、馬場雄二らも今は車の進み方が良い。
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主な出場予定選手
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宍戸 幸雄〔伊勢崎 A-57(14期)〕
田中 哲〔伊勢崎 A-66(28期)〕
小林 悠樹〔浜松 A-65(28期)〕
鈴木 健吾〔浜松 A-118(28期)〕
鈴木 章夫〔浜松 A-179(2期)〕
伊藤 幸人〔伊勢崎 B-28(19期)〕
深沢 悟〔伊勢崎 B-44(25期)〕
田崎 萌〔伊勢崎 B-58(33期)〕
青山周平がプレミアムカップ連覇へ!
山陽オートで行われている特別GIプレミアムカップは優勝戦のメンバーが出揃った。準決では鈴木圭一郎や永井大介が敗れる波乱はあったが、優勝戦のメンバーは大舞台に相応しい顔ぶれ。8周回、4100メートルで戦いが行われる。
優勝戦のハンデ構成は0Mオープン。最内から青山周平、早川清太郎、加賀谷建明、篠原睦、伊藤信夫、佐藤貴也、藤岡一樹、前田淳となった。
肝心のスタート争い。純粋なスタート力はいずれも巧者だが青山が上位とみている。次いで篠原、佐藤貴。そして早川、加賀谷、伊藤信、藤岡、前田は同じぐらい。枠順を加味した実戦では最内から青山が先行しそうだ。これに早川が乗っていく。篠原と佐藤貴が3番手争いで、加賀谷と伊藤信が続いていく。地元の藤岡と前田は外枠で苦しくなりそう。
レース展開はトップスタート切りそうな青山が序盤から独走。準決で最もタイムが良かったのは青山。その青山を捕まえられる選手はいない。そこで、当ブログでの本命には青山を推す。スタート先行して最後まで先頭を走り、ゴールを迎えるとみた。今年3月に行われた同大会の連覇を目指す。
相手は早川。スタートで2番手には出られそうだし、道中の動きも良い。準決の上がりタイムは青山に次ぐ3・400を出している。先行する青山に付いて行ければ、道中で隙を突いて先頭に踊り出るシーンも十分。仮にトップスタートを切れれば、序盤からペースを上げて押し切りも可能。青山を負かす一番手はこの早川だ。次に伊藤信。優勝戦のスタート争いはどこまで出られるか分からないが、今節は道中の動きが素晴らしい。準決は2着に敗れたとはいえ、中盤では足に余裕がありそうだった。スタートで3番手までに出られれば十分チャンスは巡ってくる。
そして佐藤貴。0Mオープンの6枠は、通常なら楽ではない印象だが、佐藤貴は枠不問で好スタートを切るケースが多い。内枠勢を抑え込んで1コーナーに飛び込めれば、ライバル達を失速させる事ができるので、序盤で大きなリードを作りやすい。最後に加賀谷。やはりスタートがポイントになるが、先頭を走る展開を作れればスピードを存分に発揮できる。大駆けがあるタイプだ。篠原もスタート力を活かして見せ場を作れそうだが、8周回になるのはデメリット。レース後半は動きが苦しくなる傾向があるので、先頭を走っても最後まで粘れるかどうか。藤岡、前田の両者はこの枠からでは持ち味を出しにくい。
◎青山周平
○早川清太郎
△伊藤信夫
△佐藤貴也
▲加賀谷建明
ランク上位からメンバー選出、プレミアムカップ!
近年では西日本で行われる事が多い特別GIプレミアムカップ。年に2回開催され、3月の時は青山周平が同タイトル初優勝を決めた。その時からオート界の勢力図は大きく変わっていないが、若手の中にメキメキと力を付けている選手が見られ、2強時代を崩す存在になれるか。
前回の覇者は先述の通り青山周平。今年は青山イヤーと言っても過言ではないくらいの活躍を見せている。SG競争では初日からスーパーハンデを背負うなど、周りからの評価はすこぶる高い。前走は地元のGIで、ここでも優出し3着に入っている。一本道になりやすい今の伊勢崎の重走路なので、3着でも仕方ない結果。今はスタート、スピード、捌きのどれをとってもナンバー1。前回に続いてこの大会の連覇を狙う。
2強の片方は鈴木圭一郎。今年はこれまで8回の優勝があり、その内GIが2回。SGでの優勝がないのは寂しいところだが、今年8Vは十分な数字。前走の伊勢崎GIでは重走路に対応できず、準決5着で優出を逃した。しかし、良走路ならパワー爆発。試走タイムは30を切っていたし、エンジン面はなんら問題ない。同大会は昨年に初優勝している。今回は2度目の制覇を目指す。
プレミアムカップと言えば川口の永井大介。これまでに8度の優勝を誇る。近年はエンジンの仕上がり不足で、永井らしい走りが見られないシーンも多いが、エンジンがしっかりと折り合えばスピード全開の走りができる。オープン戦でのスタート力は周知の通り。試走タイムは同じレースの中で一番時計を出したい。プレミアムカップはこれまで4度の優勝があるのは高橋貢。高橋貢も近況はエンジンが上向かない事が多い。それでも豊かな経験を活かし、地元のSGでは優出を確保していた。天候を問わないオールラウンダーは、あらゆる状況を味方に引き入れる。堅実な走りでまずは優出を決めたい。
近年、完全に復活している荒尾聡は、プレミアムカップとは縁がない。全て0か10Mのオープン戦で行われる同大会は、スタート力が武器の荒尾向きと言える。乗り手のリズムが良くなっている今は、同大会初制覇へ舞台は整っている。同様に早川清太郎も大会初制覇を目指す。苦手だった遠征先での走りも、今年は川口でGIを制すなど克服されつつある。今回は山陽の走路で躍動するか。捌きや道中の追い込みでは中村雅人や若井友和、浦田信輔も侮れない。中村は今年まだ優勝ゼロ。もう9月に入っているので、この状況には違和感を覚える。ただし、同大会は昨年に制している。相性のいい大会で上昇気流に乗るキッカケを作りたい。若井は混戦レースが多発すると出番が増えてくる。重走路への対応力の高さも車券を買う身とすれば助かる。浦田は以前ほどの迫力がなくなっているが、勝負どころなら思い切って突っ込んでくる。
地元山陽勢では佐々木啓が堅調。もう長らくエンジンは高い位置で推移している。道中の攻めは変わらず慎重派だが、予選でも優勝戦でも上位着でまとめてくる。松尾啓史は前走の伊勢崎GIで優出。重走路の優勝戦で4着だったが、良走路では好仕上がりを示していた。他では丹村飛竜に注目。エンジンの上下動が激しいが、良い時のエンジン状態になればスピードある走りを展開できる。
若手では長田恭徳と小林瑞季が勢いある。どちらも今年、GI優勝がある。長田は捌きが徐々に身に付いている印象。小林瑞は高いスタート力に特長がある。おのおのが自分の持っている武器を遺憾なく発揮できれば、今大会、台風の目的存在になり得る。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-3(29期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-4(27期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-5(22期)〕
永井 大介〔川口 S-6(25期)〕
中村 雅人〔川口 S-7(28期)〕
若井 友和〔川口 S-8(25期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-9(23期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-10(23期)〕
伊勢崎VS川口の様相!
今回の伊勢崎オートはアフター6ナイター。第1Rは18時20分発走で、最終の第7Rは20時50分発走。通常の勤め人は、仕事後すぐにオートレースが楽しめる時間帯。各レース7車立てで、車券が当てやすくなっている。この直後に特別GIプレミアムカップが控えており、S級選手は不在。A級がメインの選手層になる。
出場する中で地元のランクトップは栗原俊介。前走は地元GIだったが2日目に反則失格。しかし、それ以外は4走中3回車券に絡む結果を残していた。GIの舞台でこれだけ車券に貢献できればまずまずだろう。今回はメンバーが大幅に薄くなるので、優勝戦まで進出してくる可能性は高い。
ランク次位は戸塚尚起。前走のGIでは2勝を含む3回の連対。近況の調子もまあまあ良いと言える。走りに特別大きな特徴はないが、逆にそつなくレースをこなしていける。エンジンが良い時はそれなりに車の進み方もいい。宍戸幸雄も近況は悪くない。前走のGIでもシリーズ中に1回勝っている。今回のようなハンデ戦なら、捌きの巧さを存分に発揮できる。前回のGIで準優勝だったのが吉田恵輔。まだ優勝経験のない同選手だが、その機運は高まっている。重走路で好成績を残すイメージあるが、近況は良走路でも内容が伴ってきた。速攻派の新井淳や、強烈な捲りで追い込む桜井晴光などにも注目。
対する川口勢の中でランクトップは掛川和人。前走は地元GIでシリーズ中に1着2回、2着1回と見せ場を作っていた。試走タイムが出ないケース多いが、レースでは渋太い走りを披露している。前で粘って良し、後方から追って良しの車券的に楽しみのある選手だ。
次位は稲川聖也。スピード面では目を見張るモノあるが、捌きの方はまだまだ修練の身。実戦を重ねて技術を身に付けていきたい。佐藤正人は前走の地元一般開催で優出し3着。レース後半の動きは鈍くなるが、前半は鋭い走りができている。SG3Vの実績がある山田真弘も今回のメンバーならチャンス。まだ優勝経験のない片野利沙は、前々走の地元で準優勝。そろそろ優勝に手が届きそう。
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主な出場予定選手
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栗原 俊介〔伊勢崎 A-53(31期)〕
戸塚 尚起〔伊勢崎 A-55(24期)〕
宍戸 幸雄〔伊勢崎 A-57(14期)〕
吉田 恵輔〔伊勢崎 A-127(29期)〕
掛川 和人〔川口 A-59(22期)〕
稲川 聖也〔川口 A-75(33期)〕
佐藤 正人〔川口 A-83(22期)〕
山田 真弘〔川口 A-92(24期)〕
小林瑞季がGI初優出で初優勝!
伊勢崎オートで行われていたGIムーンライトチャンピオンカップは、川口の32期・小林瑞季が制した。10Mオープン戦の2枠からトップスタートを決め、コースをしっかりと守り切り、栄冠をその手に入れた。
優勝戦は前日の予報通り、重走路での競争となった。試走タイムは松尾啓史と青山周平が83で一番時計タイ。次いで谷津圭治と笠木美孝が85、吉田恵輔と小林瑞季が87、高橋義弘が88、木村武之が92と最も悪かった。
レース展開は小林が先行してそのままゴール。後ろでは高橋が2番手発進、最内の吉田は3番手、松尾や青山も悪くないスタートだった。2番手以下は変動があった。3番手スタートの吉田が高橋を早い段階で交わす。吉田は小林と一騎打ち状態に。青山も序盤の動きが積極的で3番手につけた。吉田は前を走る小林の様子をうかがっていたが、青山に外から交わされてしまう。2番手に付けた青山は、今度は小林を抜きにかかりたかったが、7周目の4コーナーでバランスを崩してしまう。そこをすかさず吉田がインから交わす。再び2番手に立った吉田は、最終回バックストレッチで小林のインを狙うも入り切れず。結果的に準優勝だった。3着は青山。後方はそれほど動きがなくレース終了。
今回の優勝戦は小林の成長っぷりがうかがえた。最近では最重ハンで走る機会が多くなっているが、そこでもある程度の結果を残していた。ハンデが重くなれば、成績を残しづらくなるものだが、徐々にこのハンデ位置でも対応できるようになってきた。現時点での小林の最大の武器はスタート。良走路でも重走路でも問題なく好スタートが切れる。特に、今回の走路状況にはピタリ当てはまった。GI優勝は本人にとってかなりの自信となるはず。これからは更に上の舞台でも活躍できるだろう。