負けん気全開の若獅子杯が開幕!
山陽オートの恒例GII・若獅子杯が今年も開催される。29期以降の若い選手たちによるフレッシュな戦い。主に捌き合いよりはスピードレースが主になり、開催時期ともあいまって好タイムをマークする事が多い。また、若手だけにシリーズ中に急成長する選手が出現するかも。
若手メインのシリーズではあるが、鈴木圭一郎と青山周平の実績がズバ抜けている。全国ランク1位と2位。今回のような若手シリーズではなく、SGの大舞台でもこの2人がオート界を引っ張っている。今回も普通ならこの両者で優勝争いとなりそう。どちらもエンジンは好調。一般開催ではスーパーハンデでの競争を強いられているが、今回は通常のハンデに戻るだろうから、その実力をそのまま証明しやすい。
地元S級は丹村飛竜と藤岡一樹の2名。どちらも近況のエンジンはパッとしないが、並以上に仕上がればスピードある走りを展開できる技量を持っている。地元開催なのを加味すれば、いつも以上の勝負を仕掛けてくるのは想定できる。
好調なのは前走の地元開催で優勝してきた佐藤貴也。優勝戦は青山がスーパーハンデだったのもあるが、そういった条件でしっかりとチャンスをモノにするあたりは流石の一言。シリーズ中もオール連対で、今節に向けて最高の形で乗り込めた。その優勝戦には川口の黒川京介も乗っていた。結果は6着だったが、今回の山陽走路では昨年にGIスピード王を獲っている。同じ走路で違うタイトルと手にするか。
川口勢では他に佐藤摩弥と平田雅崇がS級として参戦。佐藤摩は今年も絶好調。前走の飯塚GIは準決3着で優出はできなかったが、全てのレースで好走が目立っている。平田は前走の伊勢崎3日間開催では準決5着だったが、それ以外の2走はともに1着。エンジン状態はマズマズだ。
他にS級で有力なのは金子大輔、新井恵匠、鐘ヶ江将平、渡辺篤、鈴木宏和といったあたり。金子は若手らしかぬ落ち着きを持って走れる選手。新井恵は常に高い向上心を持ってオートレースに取り組んでいる。鐘ヶ江、渡辺はエンジン仕上がった時の爆発力が大きな武器。鈴木宏は全国屈指のスタート巧者。全選手がその能力には脅威を感じている。
A級では山本将之が前走で自身初優勝を決めてきた。優勝戦は重走路だったが、予選準決は良走路で快走を見せていた。この優勝戦には田中正樹、丸山智史、鈴木聡太も乗っていた。田中正はこのところエンジンが高位で推移。丸山は優勝戦5着だったが、その前の地元戦では優勝を飾っている。鈴木聡も近況は捌きが冴えており、混戦でも縫って行ける状態。
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主な出場予定選手
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丹村 飛竜〔山陽 S-23(29期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-5(29期)〕
金子 大輔〔浜松 S-17(29期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-11(30期)〕
鐘ヶ江 将平〔飯塚 S-20(31期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-33(31期)〕
久しぶりに昼間開催の伊勢崎オート!
ここ2節は試験的にアフター6ナイターが開催されていた伊勢崎オートレース場。今回は昼間の時間帯に移行し、通常開催が執り行われる。地元伊勢崎は3強の内、2人が不参加で、高橋貢が孤軍奮闘する。外来勢もなかなかに強力で、優勝争いは激しさを増す。
高橋貢の前走は飯塚GIだったが、ここではイマイチな成績に終わった。ただし、その前まではいつもの走りを見せていたので、地元に帰ってくれば不安要素は減ってくる。地元勢を鼓舞するべく、力強い走りを示してくれそうだ。
前回のアフター6ナイターで準優勝だったのは三浦康平。予選準決はともに1着で、オール連対でシリーズを終えた。更にその前のアフター6ナイターでも軽快な走りを見せており、近況は良いリズムに乗れている。その同期・西原智昭はアフター6ナイターの準決4着で優出を逃したが、その前の浜松遠征ではしっかりと優出していた。三浦同様に軽快な攻めができている。内山高秀の前走は飯塚GI。ここでは準決3着で優出はならなかったが、シリーズ5走して全て車券に絡む活躍だった。大きな流れとしては良いと言える。
外来Sで注目は永井大介。前走となる飯塚GIではしっかりと優出を果たしていた。優勝戦は0Mオープンの8枠で展開厳しく、追い込んでいったが5着止まりだった。ただ、GIで優出できているのだからエンジンは悪くない。同じGIに出ていたのは浦田信輔と森且行。浦田は準決5着だったが、そこまでの3走はオール連対。エンジン面は問題なさそうだった。森も準決は5着。2日目に試走25で1着を取るなど、セッティングが当日の天候に合えばパワー駆けができる。
他にS級としての参戦は山田達也、若井友和、岩崎亮一。山田は前走が浜松4日間開催。準決は3着で惜しくも優出を逃したが、4走全てで車券に絡めていた。若井は前走から一ヶ月以上空いての実戦。エンジン的には長らく中堅上位で安定している。岩崎は近況エンジンは今一つ。本人には確かな捌きが備えてあるので、エンジン面の上昇が急務な状態。
A級では伊勢崎アフター6ナイターで活躍していた佐久間健光、栗原俊介のスピード力。前走の飯塚、そして前々走の浜松で優出していた鈴木将光の勢いに注意したい。B級は走力が増してきて1着が増えてきた野本佳章や、1着はまだ1本ながら走りが良くなっている横田翔紀などに注目したい。
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主な出場予定選手
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高橋 貢〔伊勢崎 S-7(22期)〕
内山 高秀〔伊勢崎 S-31(26期)〕
三浦 康平〔伊勢崎 S-35(28期)〕
永井 大介〔川口 S-9(25期)〕
山田 達也〔川口 S-12(28期)〕
若井 友和〔川口 S-14(25期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-16(23期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-43(25期)〕
勢い止まらぬ鈴木圭一郎!
今回の浜松オートは3日間の短期決戦。前走で飯塚GIを走って好調な選手が多く参戦し、今回も活躍が期待される。それ以外にも優出後の選手が多くいるので、シリーズとしては盛り上がりそう。
飯塚のGI開設記念レースで優出したのは鈴木圭一郎、荒尾聡、鈴木宏和の3者。鈴木圭が優勝で最も成績が良かった。更に言えば、初日からオール1着の完全優勝を決めてみせた。優勝戦では上がり332の強烈なタイムをマークした。エンジンは最高潮。乗り手のリズムもマックス。このまま連勝を伸ばしていきそうだ。
荒尾は優勝戦でスタート4番手あたりから追撃し準優勝。先行逃げ切りを身上とする荒尾が追い込んでいけたのは価値が大きい。前を走る2車が重なっていたが、落ち着いて交わしていた。シリーズを通して全て車券に絡めていたように、安定感も増してきている。鈴木宏は、持ち前のスタート力を遺憾なく発揮し2番手発進。その後は車が進まなかったが、GIの舞台で3着に食い込めたのは大きな収穫。シリーズを通して成績も安定していた。今後はレース道中の捌きが上達すれば、いつ記念で優勝してもおかしくない逸材。
渡辺篤は前走の伊勢崎アフター6ナイターで完全優勝。ナイターの時間帯でタイムが出やすいとはいえ、優勝戦は上がり356の数字をマーク。エンジンは仕上がっている。このレースでは平塚雅樹と高塚義明も優出しており、高いスピード力を示していた。
伊藤信夫は前走の地元4日間開催で準優勝。その前の山陽でも優出しており、リズムは良い。その開催では木村武之が前検日に受け付け遅れで勝ち上がり権利を喪失していたが、一般戦回りで3走し全て1着。金子大輔、中村友和も近況は悪くない機力を示している。
山陽の佐々木啓は依然、好調をキープ。前走の飯塚でもしっかりと優出していた。逆に人見剛志は調子が上がってこない。機力が並になれば的確な捌きを見せ付けられるのだが...。
前走の浜松で優出したのが鈴木健吾、影山伸、阿部剛士。鈴木健はスピードある走りができている。影山は競り合いに強い一面を見せていたし、阿部剛は最重ハンでも通用している。ちなみに唯一GIを獲ったのもここ浜松走路だ。
他では加賀谷建明が前走の飯塚GIの準決で2着。ただし、このレースでフライングしており、優勝戦へは進めなかった。同じような状況で、辰巳裕樹が飯塚GIで1着3本を含むオール連対だったが、2日目にフライングしており勝ち上がり権利を喪失していた。ただし、エンジン面は絶好調と言える。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
木村 武之〔浜松 S-13(26期)〕
金子 大輔〔浜松 S-17(29期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-22(24期)〕
渡辺 篤〔浜松 S-28(31期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-30(32期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-6(27期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-26(23期)〕
早川清太郎、松尾啓史の2強が来襲。どうする地元勢!
GIが終わったばかりの飯塚オートで今度は4日間の一般開催が行われる。今回出場する中に、そのGIで優出した選手はいないが、地元のS級陣はエンジン状態悪くなく、好走が期待できる。外来にも好調な選手がチラホラ。さて、どのようなシリーズになるのか。
今回、地元飯塚の一番手になるのは篠原睦。前走のGIでは準決6着で優出はできなかったが、2日目には白星を挙げており、機力的にはマズマズといった状態。今回はメンバーが大幅に軽化されるので、今回こそ優勝戦までは進んでおきたい。同期の田中茂は準決3着と、惜しくも優勝戦を逃した。ただ、田中茂にしては十分な試走タイムが出ていたように、車の仕上がりとしては十分戦える状態だった。ハンデ戦での追い込みは見もの。
有吉辰也もエンジン状態は並のチョイ上といったところ。前走では初日から1、2、3着と成績をまとめていた。準決は車の進み方が悪かったが、大きな流れで見ればエンジンが悪いとは言えない。好調時の捌きも戻ってきた印象で、その力量を示しそう。滝下隼平は前走の準決は7着だったが、初日から連勝を決めていたし、シリーズを通して試走タイムは出ていた。桝崎陽介はシリーズ2日目に反則妨害があった。乗り手の心理面で悪影響がなければいいが。
外来S級で注目なのは早川清太郎と松尾啓史。早川は前走の地元で優出し3着。4日間のシリーズで全て車券に絡めていた。更にその前の地元GIでは準優勝。伊勢崎走路では抜群の安定感で好成績を残している。エンジン自体もいいはず。あとは遠征先の走路にしっかり合わせられるかどうかだけ。松尾の前走は、今回と同じ飯塚で優勝戦まで進出していた。ただ、そのレースでは珍しく反則失格。そこまではオール連対できていたし、その前の地元でも優出していたのでエンジンは問題ない。乗り手の攻めがやや慎重になる可能性ある点だけは気がかり。
田中賢は前走の地元アフター6ナイターで優出。スピードが出る気象条件なら持ち味を出せる。前田淳は前走の浜松で初日に白星。このところパッとしなかったが、これで軌道修正を図りたいところ。
A級では丸山智史が前走の地元3日間開催で完全優勝を決めてきた。まだまだ若手の部類なので、このいい流れに乗りたい。近況は良くなかった角南一如が復調気配。代名詞である「すなまくり」が決まってきている。和田健吾は最重ハンの20M前に置かれている状況なら、成績をまとめることができる。
今回は川口から新人が参戦。34期で実力ナンバー1の上和田拓海はこれまで15勝。飯塚の川口裕司はこれまで12勝。この2人が同期を引っ張っている現状。
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主な出場予定選手
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篠原 睦〔飯塚 S-10(26期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-19(25期)〕
田中 茂〔飯塚 S-25(26期)〕
滝下 隼平〔飯塚 S-34(28期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-4(26期)〕
前田 淳〔山陽 S-42(27期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-8(29期)〕
田中 賢〔伊勢崎 S-37(29期)〕
鈴木圭一郎が見事に完全優勝を達成!
飯塚オートで行われていたGI開設63周年記念レースは、浜松の32期・鈴木圭一郎の圧勝劇で幕を閉じた。ナンバー1らしい横綱相撲で優勝戦も力強い走りを披露した。
試走タイムは永井大介が一番時計の27、次いで、重富大輔と池田政和が28、鈴木圭と荒尾聡が29、松本やすしと鈴木宏和が30、東小野正道が31だった。
0Mオープンで肝心となるスタート争いは、戦前の予想通り最内の鈴木圭が飛び出す。ここに7枠から鈴木宏がダッシュを乗せ2番手奪取。2枠の松本が踏ん張り3番手発進。荒尾も6枠ながら4番手に付けてみせた。
トップスタートを切った鈴木圭は完全に独走状態。ゴールを切るまで影を踏ませないどころか、後続をこれでもかと引きちぎってみせた。全く文句のつけようのない激走。あとはタイムアタックをするかのような走りだった。結果的に上がり332の好タイムをマーク。タイヤが良かった2000年代前半にはよく計時されたタイムだが、近年は稀に見る数字。再び鈴木圭の快進撃が始まりそうだ。
このレースでは鈴木圭と同じ32期の活躍が目立った。2番手発進を決めた鈴木宏は、そのスタート力を改めて示したし、3番手発進の松本もこれだけの走りができると証明してみせた。悔やまれるのは道中で全くペースが上がらなかった鈴木宏のスピードと、その鈴木宏を抜けずに苦しんだ松本の捌きの甘さ。両者がお互いに不足点を克服できれば、32期勢がオートレース界を当分の間、引っ張っていく集団になりそうだ。