浅田真吾が嬉しい記念初優勝!
浜松のGIIウィナーズカップは、0ハンの浅田真吾がブッチ切りで快勝した。これまで5度優勝の経験がある浅田だが、記念タイトルとは無縁で、これが初めての記念制覇となった。
前日の天気予報通り、優勝戦の日は雨となった。走路もきれいに濡れており、完全な重走路だった。
好スタートを決めた浅田は、1周3コーナーから2周1コーナーにかけて、青木治親にインを狙われたが、更にそのインに入ろうとした西村龍太郎の攻めに青木がブレて失速。浅田が外から伸び返し、再び先頭を奪取した。その後はインコースをなぞるように丁寧に走り、青木を徐々に引き離していく。ゴールを迎えた時には大きなリードができていた。ずっと3番手で粘っていた五所淳だが、7周2コーナーの立ち上がりでややコースを外し、すぐ後ろにいた若井友和にインをすくわれてしまう。
浅田は選手生活17年目にしてタイトルホルダーになった。デビューしたての2級車の頃は、スタートが早くスピードもそれなりにあり将来を渇望された。1級車に乗ってからも着実に力を付けていたが、大舞台では結果を出せずにいた。ハンデ的にも最重ハンと、その10前を行ったり来たりの状態だった。しかし、その状態が今回は有利な方向に働いた。今の浜松で重走路の有利なコースはイン。そこを先取りできるハンデ構成は大きな味方になった。もちろん、それを生かした走りをシッカリこなした浅田は見事の一言。これを期に更なるレベルUPにつながる事を願う。
イン走法の魔術師・青木治親を指名!
浜松オートで行われているウィナーズカップはGII にしては、と言うかGII らしいと言うか、優勝戦はなかなか異色の顔ぶれとなった。
まず9Rでは準決からハンデが重化した広瀬豪彦が、先行した岩沼靖郎を逆転して2着を確保。木村武之は奮闘及ばず、岡部聡もいい所がなかった。浦田信輔は重走路では厳しいレースに。
10Rでは、中村友和が速攻を決める。金子大輔も好位に付けていたが大外回りでペース上がらず、新井恵匠がインから抜き返して行く。更に、大木光、松本やすしに競り勝ち優出確定。
11Rは、西村龍太郎がイン速攻決め、五所淳も続いて行く。篠原睦が五所のインを狙うが仕掛けるまでは行かず、高橋貢もその後ろで行き場がない形。
12Rは、スタート決めた浅田真吾が逃げる。これに青木治親が続いたが、インを締める浅田を攻略するまでには行かない。鈴木圭一郎が5番手で全く動けないまま終了。
台風21号が近づいており、優勝戦の日も雨予報で重走路でのレースになりそう。今回は、重走路を想定しての展望にしていく。
まず現在の浜松の重走路は、アウトコースが効きづらい状態。準決10Rの金子がそうだったように、大きなコースを回ってもスピードが乗らず、走る距離的にロスが生じるだけ。このような状態では、レース序盤でインコースを取りきった者が、主導権を握ることができる。スタートに加えて、序盤の位置取りや積極的な姿勢がレース結果に大きく影響を与えてくる。これは記念の優勝戦で8周戦になっても同じこと。
そうなると、ハンデ構成的に0ハン両者が圧倒的に有利になる。広瀬は準決で健闘が目立ったが、ここは浅田にスタート行かれそうで好展開を作れないか。序盤のレース展開としては浅田がリードを作る形。
10線はほぼ枠ナリスタートになりそうなので、浅田を追って行く一番手は青木治親。大きなカギは浅田がリズムを掴む前に交わせるかどうか。青木に続いて西村や五所も続いて出て行きそう。もちろん中村、若井、新井も離されずに出て行く。
当ブログでの本命には青木を推す。浅田が逃げ態勢に入りインを締めそうだが、早い段階で青木がインに突っ込んで行きそう。1回先頭を奪取してしまえば、インコースを外さずに後続を抑えきる技術がある。青木は、今回に限らずどこのレース場でも重走路はイン一本と決めている。そのスタイルが、今回の浜松走路にピタリとマッチする。普段走っているコースを通るだけなので、本人にとってはやりやすいだろう。
相手には浅田。展開的には最も良く、10線勢が仕掛けてくる前に大きなリードを作れれば逃げ切りも十分。今回の条件を味方に記念初優勝もありそう。次に西村。10線から2番手発進できそうで、青木や浅田が態勢を作る前に交わすことができれば、今度は自分にチャンスが回ってくる。ポイントはしっかりスタート切る事と、序盤で積極的に仕掛けて行く事。この2点ができれば久々の記念制覇が見えてくる。ほぼ同じような理由で五所にもチャンスはある。最後に推すのは新井。インしか効かないコースではあるが、意外性がある新井なのであえて自在のコースで攻め上げてくる可能性も。
◎青木治親
○浅田真吾
△西村龍太郎
△五所淳
▲新井恵匠
GIIウィナーズカップ開幕!
浜松で開催されるGIIウィナーズカップは、26期以前の選手と27期以降の選手に分かれて予選と準決を行ない、優勝戦で世代対決を図るという内容の企画レース。若手のスピードが炸裂するのか、ベテランの技が光るのか。
全国ランク1位の鈴木圭一郎は絶好調。前走の山陽GIでも4勝を挙げるオール連対で優勝している。準決、優勝戦では試走29をマークし、上がりタイムも素晴らしいモノだった。走路が山陽から浜松になるが、地元走路なので変わらぬ動きを披露してくれそう。よほどの事がない限りは優勝戦まで進出してくるだろう。
浜松勢は他にも有力選手が多い。出走回数の関係で、今期はS48位となっている金子大輔は、完全に以前の動きを取り戻している。前走の飯塚3日間開催でも優勝戦に進出した。優勝戦は重走路で別府敬剛の優勝となったが、良走路の予選、準決は冷静な走りを見せていた。金子と同期の佐藤貴也も同じ開催で優勝戦まで駒を進めた。こちらもエンジンはある程度の位置にあり、武器のスタート力を発揮してレース展開を作っていた。
他では前回の地元で準優勝だった青島正樹が、その後の伊勢崎でもマズマズの走りを見せていた。木村武之、伊藤信夫といった浜松看板選手もエンジン的には戦える状態にある。少し前に2節連続優勝した渡辺篤は、やや失速。エンジン下降気味だがちょっとした事で立て直しがありそう。
外来の注目は高橋貢、浦田信輔、人見剛志、若井友和、篠原睦といったところ。ただし、高橋貢は近況、死病や公傷での欠場が目立ち、今回も直前まで出場は微妙。それでも出場してくるようなら安定感ある走りができるハズ。浦田信輔は前走の川口で優出と、代名詞である安定感が光っている。人見は前走の地元GIの初日に反則失格。しかし、その後の動きを見る限りエンジン面は心配なさそう。若井はエンジン良くはないが、悪くもない感じ。篠原は前走の地元で優出し3着で入線している。
新井恵匠、内山高秀は直前まで地元の一般開催で走っていた。両者ともに優勝戦まで進み、エンジン状態は高い位置にある。この優勝戦には山陽の西村龍太郎も乗っていた。西村もエンジンが高位で安定。晴れでも雨でも同じような力を出せる貴重な選手。西村と同じA級では柴田健治や松本やすしらが動き軽快で台風の目的存在になるか。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
木村 武之〔浜松 S-10(26期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-12(29期)〕
金子 大輔〔浜松 S-48(29期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-3(22期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-4(23期)〕
人見 剛志〔山陽 S-7(28期)〕
若井 友和〔川口 S-13(25期)〕
絶好調・永井大介を止められるのは...
2週間ぶりに川口オートが開催。前回は、今期から全国ランク2位になった永井大介が完全Vを達成した。永井は、その前のプレミアムカップから通して7連勝中。全盛期の動きを取り戻し、まさに無敵に近い状態。この連勝を食い止められるのは誰になるのか。
今シリーズも中心となるのは永井大介。先述のとおりエンジンも乗り手も波に乗れており、これといって死角は見当たらない。よほど気候が変化しない限りは今回も強烈な走りを披露するハズ。
前回、永井が優勝したレースに乗っていたのは山田達也と森且行。山田はこのところ、ある程度の位置でエンジンを保てているが、ここ一番で力を出し切れない事が多い。それでも順調に勝ち上がり、優勝戦まで駒を進めてくるあたりは流石。森は今期からS級復帰。一時期は軽いスランプが続いていたが、近況は昇り調子。元々、冬場に活躍する事が多かったので、これからは森の季節と言える。
徐々に調子が上がっているのは中村雅人。前走の山陽GIでは初日から2連勝。その後は失速してしまったが、中村らしいレースが随所に出ているので、完全復活までは間近か。池田政和、斎藤撤二、阿部剛士らもエンジンはマズマズの状態。
外来S級は6人参戦予定。最も状態が良いのは山陽の岩崎亮一。前走の地元GIでは優勝戦まで進出し2着の準優勝。武器のスタートが切れており、エンジン的にも戦える状態にある。山陽勢は他に角南一如、岡松忠、浜野淳がやってくる。角南はスピードが戻ってきており、レース後半は急速な伸びを見せている。岡松は今期から久々にS級復帰。コンスタントに成績をまとめている。浜野はエンジンが安定していない。
A級では片野利沙が調子上向き。前走の地元4日間開催は2勝を含むオール連対。自信を持って走れると成績も付いてくるタイプで、今節もその走りから目が離せない。君和田裕二も成績が上向いてきた。ハンデ構成的に自分より前に選手が少ない時は抜け出せるチャンス。外来では丸山智史が良くなってきている。
B級では渋太さがある竹島繁夫と杉本雅彦、試走に関わらず本走でよく動く小松久二一、宮地朗。一発力がある森園数敏らに注意。新人33期は、これまで泉田修佑が4勝、黒川京介が3勝を挙げており、稲川聖也は未勝利。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
永井 大介〔川口 S-2(25期)〕
中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
山田 達也〔川口 S-14(28期)〕
池田 政和〔川口 S-16(23期)〕
森 且行〔川口 S-43(25期)〕
田村 治郎〔伊勢崎 S-19(30期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-25(25期)〕
鐘ヶ江 将平〔飯塚 S-33(31期)〕
地元勢は充実しており磐石の構え!
近年の伊勢崎勢はS級選手が多数おり、選手層が分厚くなっている。直前の山陽GIで優出した選手も何人かおり、今節も活躍が見込まれる。注目選手を挙げていく。
地元のランクトップは高橋貢。前回と同じく今回も3位。前走は山陽のGIで、しっかりと優出していた。優勝戦は展開を作れず6着になってしまったが、予選道中は安定した走りを見せていた。しかし、今節は直前になって私病で欠場となってしまった。
他に地元S級で、同じレースで優出していたのが早川清太郎と新井恵匠。早川は落車明けだったが、山陽では元気な走りを見せていた。課題とされていたスタートも、だいぶ良化しているので早めに展開を作れるようになってきた。新井は近況、優出がなかったが、記念レースで久々に優勝戦まで進めた。これを期に再び上昇気流に乗りたいところ。
今期のランクを大幅に落としたのは青山周平。全国2位から11位まで下がってしまった。今年の前半は思うような結果を残せなかったためだが、7月に入ってからは成績が良くなってきた。前走の飯塚ミッドナイトで優勝。その前のプレミアムカップでは優勝戦まで進み3着。更にその前の地元GIIでも優出し3着に入っている。強い時の青山の走りが戻ってきており、次期ランクUPへ向けて、ピンラッシュを決めたい。状態としては今回出場する中で最も良いと言える。
他のS級も、内山高秀や西原智昭などが堅調を保持。吉原恭佑も変わらず果敢な走りができている。三浦康平、田中賢のS級復帰組も期待できるし、岩田行雄もベテランの域に入っているがS級を維持している。
外来S級は2選手だけとやや寂しい。青島正樹と丹村飛竜だが、青島は前走の地元開催で準優勝。優勝は鈴木圭一郎だったので、価値ある準優勝と言える。久々にエンジンが上向いてきた様子。丹村は地元のGIではイマイチだった。その前の飯塚で落車した影響が出ているのかもしれない。
A級では浅香潤や松本やすしが好調。他にも、有吉辰也、東小野正道、西村龍太郎ら25期勢はS級にいてもおかしくない実力の持ち主。外来では藤岡一樹が地元のGIで優出と復調気配。B級では石川岳彦が前走の浜松で優出しており好気配。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
早川 清太郎〔伊勢崎 S-5(29期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-11(31期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-22(30期)〕
内山 高秀〔伊勢崎 S-23(26期)〕
西原 智昭〔伊勢崎 S-24(28期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-18(29期)〕
青島 正樹〔浜松 S-46(22期)〕