緒方浩一が速攻を狙う!
準決の難走路を勝ち抜け、GII若獅子杯争奪戦の優勝戦のメンバーが出揃った。SGタイトルホルダーの金子大輔、青山周平、鈴木圭一郎の3人が準決突破できず、優勝戦はどこからでも狙えるメンバー構成。さて、誰が若手決戦の頂点に登り詰めるのか。
単純な走力から言えば早川清太郎が一歩抜きん出ている。優勝戦は準決までから2周延びて、追い込み勢にとっては有利になることは間違いない。8番手からのレースになろうとも1車ずつ冷静に捌いて番手を上げて行きそう。
ただし、今回は若手での争いとなる若獅子杯。通常のレース展開のようにならない可能性が高い。と言うのも、若手はレース序盤でリズムを掴むと、ハイペースになる傾向がある。更に、エンジン仕上がってる選手が揃う優勝戦。序盤で主導権を奪えば、そのまま独走で逃げ切るケースも十分だ。
レース序盤での焦点は山本智大のスタート。10線勢の強襲に耐え切れるかどうかがカギ。いつもはスタートに不安ある山本だが、今節は悪くないスタートを決めている。優勝戦でも、なんとかスタート残して逃げ態勢を作ると見た。それを追う一番手は緒方浩一。10線大外に置かれているが、森本優佑、栗原俊介を包んでトップスタートを切りそう。逃げる山本をマーク追走から道中で差し込み、その後はペースを上げて逃げ切りそう。
相手には早川を推す。展開的には厳しくなるが、このメンバーの中では底力は断トツ。若手特有のスピード戦にも対応して追い上げて行く。3番手には吉原恭佑。今年はプレミアムカップを制するなど躍進を遂げた。大舞台でも強心臓っぷりを発揮して、大駆けが十分あり得る。強気のイン突っ込みで困難を打開していくか。山本の逃げ粘りや、10線最内から枠ナリスタートを決めたときの森本も怖い存在。もちろん、前団が序盤で態勢を作れなければ、新井恵匠、岩科鮮太の猛攻撃もありそうだ。
◎緒方浩一
○早川清太郎
△吉原恭佑
△山本智大
▲森本優佑
若手レーサーの祭典・若獅子杯開幕!
毎年、山陽オートレース場で行なわれているGII若獅子杯。今年は28期以降の選手達による熱き戦い。青山周平、金子大輔、鈴木圭一郎などSGタイトルホルダーがシリーズの中心になりそう。ちなみに、初日の12Rはファン投票の上位8選手による、ファン選抜ドリーム戦だ。その順位は、第1位・佐藤摩弥、第2位・鈴木圭一郎、第3位・益春菜、第4位・小林瑞季、第5位・青山周平、第6位・早川清太郎、第7位・新井恵匠、第8位・吉原恭佑。
出場するS級選手はほぼ、前走が川口のSG全日本選抜。そこで優勝したのが鈴木圭一郎。そうそうたるメンバーの中、2番手スタートを決め、ゴール前でチョイ差しを決め優勝。落ち着いたレースっぷりが印象に残っている。今までの本物の有力レーサーは、1度SGを獲るとその後ポンポンと獲る傾向がある。今回はGIIだが、SG初優勝の勢いのまま乗り込んでくる。当面のところは優勝候補筆頭と言える。
SG全日本選抜で、その鈴木に惜しくも敗れ準優勝となったのが青山周平。優勝戦はトップスタートからずっと先頭を走っていたが、最後の最後で交わされてしまった。本人にとっては相当悔しかったことだろう。今回はそのリベンジといきたい。他に、SGの優勝戦に乗っていたのが早川清太郎と高橋義弘。どちらも優勝戦では好展開を作れず苦しいレースとなってしまった。しかし、SGの大舞台では優勝戦に進めるだけでも大きな収穫。必ずや今後の糧になるだろう。
今回、地元山陽の看板レーサーとなるのは丹村飛竜。今期は山陽でランクトップ。エンジンは安定しない傾向にあるが、仕上がった時のスピードはかなりのモノ。もう一人のS級・人見剛志と共に地元の牙城を守りたいところ。人見も車が仕上がれば、鋭い捌きを発揮して進撃してくる。
A級の中にも注目の選手は多い。前走の飯塚3日間開催で優出した5人が参戦。丸山智史、藤波直也、長田恭徳、田中輝義、小栗勝太だ。優勝したのは丸山智史。0オープンの優勝戦で好スタートを決め、早めの独走から逃げ切り。上がり時計もマズマズ出ており、一人で走れる展開になれば持ち味を発揮できる。準優勝は藤波で、3着に長田。田中と小栗は6着、7着だった。
若手レーサーのみのレースは、とにかくスピード重視になる傾向がある。序盤で独走などの好展開に持ち込むと、一列棒状の展開になって後半の追い込みが効かないケースが多い。レースの予想をする上で、試走タイムも大事だが、誰が早めに有利な展開に持ち込めるかを想定するのも重要になってくる。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
丹村 飛竜〔山陽 S-18(29期)〕
人見 剛志〔山陽 S-40(28期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-11(29期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-3(32期)〕
金子 大輔〔浜松 S-4(29期)〕
岩見 貴史〔飯塚 S-15(29期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-44(31期)〕
川口ツートップが好調でシリーズの核に!
ひとつ前の川口開催はSG全日本選抜オートレース。優勝は浜松の鈴木圭一郎に持って行かれたが、今回は地元勢が参加メンバーの中心とあって、その牙城は守れそう。それを崩しにかかるのは篠原睦、木村武之、浜野淳。
現在、川口のツートップは中村雅人と永井大介。共に、前走のSGでは優勝戦まで進出した。永井は予選、準決で全て1着。完全優勝も狙えた優勝戦だったが、スタートで青山周平と鈴木圭一郎に行かれ、展開が苦しくなったうえに、エンジンも劣勢だったので厳しくなった。中村も優勝戦までの4日間で3勝を挙げる充実っぷり。優勝戦では伸びを欠いて5着に終わった。しかし、SGの優勝戦にまで進めていたのだから、エンジン面はほぼ心配ないとみていい。ナイターから昼間の開催になって、どの程度の変化があるかは気になるが、2人とも整備に熱心に取り組む方なので、しっかりと合わせてくるだろう。
他も地元S級陣はおおむね好調だ。池田政和はシリーズ2日目に浦田信輔と鈴木圭一郎をまとめ差しする凄技を見せた。準決では展開を作れず惨敗に終わったが、最終日はしっかり1着で締めている。若井友和、山田達也、大木光はシリーズを通して白星はなかった。ただし、若井はエンジン大崩れしていないし、山田は落車続きだった不安は払拭できる内容。レース後半は車が鋭く伸びていた。大木も強豪相手に引けを取らない突っ込みを見せていた。森且行と斎藤撤二はエンジンやや不足気味か。森はこのところ低迷が続いている。斎藤はスタートがイマイチなので、オープン戦で力が出せなかった感がある。今回のような一般開催のハンデ戦の方が向いている。
外来のS級は3車の予定。参加数は少ないが、いずれも強力な選手達。木村武之は、SGではエンジンを折り合わせ切れず、本来の走りができないでいた。篠原睦も最終日に1着を取れたものの、それ以外は納得いく結果を出せなかった。ただし、スタートはいつものように切れていた点は高評価。浜野淳はスタートに不安を抱えていて、オープン戦では厳しい戦いを強いられていた。ただ、この3者はしっかりとした捌きを持っている選手達。エンジンが並の状態になれば、的確な攻めで上位に浮上してくるハズ。試走で大きくタイムを落とすことがなければ、連日車券に絡めておきたい。
A級では、金子和裕が好調続いている。前走の飯塚ミッドナイトレースでもしっかりと優出してきた。今回は地元に帰り、いつもの走りでS級陣を苦しめるシーンが見られるかも。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
中村 雅人〔川口 S-2(28期)〕
永井 大介〔川口 S-8(25期)〕
若井 友和〔川口 S-14(25期)〕
池田 政和〔川口 S-16(23期)〕
山田 達也〔川口 S-19(28期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-6(26期)〕
木村 武之〔浜松 S-10(26期)〕
浜野 淳〔山陽 S-29(24期)〕
再び存在感を見せ付けた高橋貢!
各地区から強力なメンバーを迎え入れ、伊勢崎で4日間の一般開催が行なわれる。地元1位の青山周平は不在だが、伊勢崎勢を長年引っ張ってきた高橋貢は健在。S級の前走は、川口で行なわれたSG全日本選抜オートレース。今回出場する中で優出したのは高橋貢と松尾啓史。
高橋貢は、優勝戦で序盤の展開は最も悪かったが、そこから怒涛の巻き返しを図り、最終的には3着まで追い上げていけた。SGの優勝戦に出るメンバーを相手に5車を抜き上げたのだから大したモノ。数々の記録を塗り替えてきた男の底力はハンパではない。今回は大幅にメンバーが経化される。よほどのミスがない限り、優勝戦までは進んでくるだろう。もう一人のSG優出者は松尾。松尾はSGの3日目からエンジンを良化させ、準決では素晴らしい追い込みを見せた。優勝戦では好展開を作れず、後方のまま終わったが、SGの優勝戦まで進出できたのだから走力は高い。武器はレース展開の読みの巧さ。走るコースを正確に選んで、前を走る車を抜き去って行く。エンジンが上向いてきたのも好材料だ。
SGで優勝戦までは行けなかったが、よい動きをしていたのは西原智昭、内山高秀、伊藤信夫、岩崎亮一あたり。西原は準決だけイマイチだったが、それ以外は本来の速攻が決まっていた。内山はエンジンがある程度の位置で安定し出した。以前は軽いスランプの時期があったので、この辺で状態を保っておきたい。伊藤は、本来のスピードが戻り、岩崎は0オープンの大外からでも先行できるスタートを見せていた。
巻き返しを図りたいのは青島正樹、遠藤誠、笠木美孝、岡部聡、佐々木啓。いずれもしっかりした走力の持ち主。エンジンが並の状態に戻れば、今回のような一般戦では十分戦える。
長期休養から明けて、2節をこなした浦田信輔は順調に回復している。SGでは優出できなかったが、走りは以前のモノにだいぶ近づいてきた。そろそろ本領発揮したいところ。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
高橋 貢〔伊勢崎 S-5(22期)〕
西原 智昭〔伊勢崎 S-26(28期)〕
内山 高秀〔伊勢崎 S-42(26期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-7(23期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-12(24期)〕
岡部 聡〔山陽 S-20(19期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-21(25期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-25(26期)〕
伊勢崎勢に好調者が多い印象!
今節の直前にSGが開催されている関係で、S級選手は不在。更に、今回はB級の参戦もないので、オールA級での戦いになる。鬼(S級)の居ぬ間に、優勝を虎視眈々と狙っている選手達。有力選手を挙げていく。ちなみに今回は3日間開催だ。
好調者が多い伊勢崎勢。前回3日間開催で優出した選手が多い。最も成績が良かったのは中村浩章。1着、1着で優出すると、優勝戦でも2着に入る準優勝。このところは安定した結果を残しており、エンジンは好調キープ。走りの特徴として、インをしっかりと回れるタイプなので、エンジンが良い時は信頼できる選手。優勝戦3着は中畠哲也。こちらは直線の伸びが素晴らしく、前を走る車のインに向けたら必ず突っ込んで行くタイプ。また、後ろから来る車に対しては変則的なコース取りをして、簡単には抜かせない走りもできる。エンジンが良い時は、ひと癖もふた癖もある選手だ。
優勝戦4着は栗原俊介。まだ31期の栗原は現在、急激な勢いで成長を見せている。元々、スピードには定評があり、近況では捌きも少しずつ良くなってきた。優勝戦5着は田中哲。強引な突っ込みができるタイプで、前団が混み合っていても打開できるだけの突破力がある。優勝戦8着は笠原三義。成績にはムラがある方だが、走る位置が最重ハンの20m前に置かれた時は好走が多い。今回のメンバーなら最重ハンの10m前ということになるか。
その伊勢崎の優勝戦に乗ってない選手でも、速攻が冴えている新井淳、エンジンが高い位置で安定している竹本修、かつての渋太い走りが戻ってきた鈴木清市、試走タイム以上にレースでは活躍できる栗原勝測、独走に入ると見せ場を作れる大月渉など、伊勢崎勢には注目の選手が多い。
地元飯塚勢で有力なのは田中進と内山雄介、越智尚寿あたり。田中進は典型的な捲り一本タイプ。前を走る車をインから抜くことはほぼなく、必ず外から交わしにかかる。それだけスピードには自信を持っているということだろう。今回のメンバー的に、上位争いに参加できるハズ。越智は堅実な走りができるタイプ。前を走る車群の様子を見ながら、冷静に通るコースを選択して行く。内山や中尾貴志、高宗良次はスピードに任せた攻めが得意。
浜松と山陽で注目なのは、柴田健治、吉松憲治、春本綾斗あたり。柴田は前走の地元4日間開催で準優勝。それもシリーズを通してオール連対を果たしていた。だいぶ安定感が出てきている。吉松は前走の川口3日間開催で準優勝。優勝戦には永井大介や浦田信輔がいての準優勝なので、その価値は大きい。春本は前走の浜松ではイマイチだったが、その前の地元開催で優勝。勢いに乗りかけている。
___________________________
主な出場予定選手
______________________________
田中 進〔飯塚 A-21(27期)〕
内山 雄介〔飯塚 A-66(30期)〕
田中 哲〔伊勢崎 A-30(28期)〕
栗原 俊介〔伊勢崎 A-46(31期)〕
柴田 健治〔浜松 A-28(27期)〕
浅田 真吾〔浜松 A-44(27期)〕
緒方 浩一〔山陽 A-18(30期)〕
春本 綾斗〔山陽 A-31(31期)〕