地元の牙城を切り崩すのは誰か!
浜松で行なわれる第57回GI秋のスピード王決定戦は、各地区から豪華なメンバーが集結した。今回から全国ランク1位になった金子大輔が地元勢を引っ張って行く存在になる。
その金子は前走が伊勢崎のSG。まさかの予選モレだったが、残り2日間はキッチリ1着を決めていた。今回は地元で、更にGI。気合を入れ直して臨む。木村武之、遠藤誠、渡辺篤は前走が船橋3日間だった。木村は1着を2本重ねて優出。優勝戦は4着だったが、これは雨走路でのレースだった。遠藤は準決で2着だったが、優出へは1着条件の変則的な勝ち上がりに泣いた。エンジン自体は悪くない。渡辺は全て4着。もう少し良くさせたいところ。佐藤貴也と伊藤信夫は前走が伊勢崎3日間。どちらも優出はしていないが、マズマズのレース内容だった。
浜松勢に次いでS級が多く参戦するのは川口勢。若井友和と森且行の25期コンビが地元のナイター開催で優出。エンジンは戦える状態に仕上がっている。ランク的にトップの佐藤裕二は予選モレしたが、後半の2日間はともに1着。調子を上げている。高橋義弘は準決だけ3着になったが、それ以外はオール連対。平田雅崇は予選道中で落車。この影響がどこまで出るか。
永井大介擁する船橋勢は、S級が4人参戦予定。永井は前走の川口ではエンジンを合わせ切れなかった。今回の浜松は、全6場の中で最も苦手としている走路。どこまで戦力をアップできるかは、やや疑問だ。今期から大幅にランクを上げたのは早船歩。成績が示すように、エンジンも高い位置で推移している。新井恵匠と西原智昭は近況やや元気がないが、整備に対しては真摯に取り組んでいるので良化も十分。
選手の層が厚いのは飯塚勢。田中茂、篠原睦、久門徹と、かつて飯塚の26期三羽烏と言われた3者が参戦。状態が一番安定しているのは篠原。武器の好スタートから一気の攻めに持ち込むスタイルが確立している。久門もどちらかと言うと速攻タイプ。序盤の素早い攻めがレースのカギを握る。対照的に田中はレース後半追い込み型。混戦になっても力強く攻めて行く。もう一人のS級は東小野正道。最近は攻めに強引さが薄れているが、エンジンが仕上がれば強烈な差しを見せてくれる。
山陽勢は、今年乗りに乗っている浜野淳に期待。伊勢崎のSGを制した後の一般開催2節は、全くいいところがなかった。しかし、浜野は大舞台になればなるほど活躍できる選手。強豪相手に華麗な捌きを披露してくれる。堅実さでは岡部聡がやや上か。前走の飯塚では準決3着で優出できなかったが、エンジンは一年を通して安定している。人見剛志は初日がカギ。初日が良ければ、その節はずっと良い。
伊勢崎勢のS級は2人のみ。しかし、ここ数ヶ月好調を保っている高橋貢は圧倒的な存在。順当に行けば、優勝戦まで駒を進めてくるものと思われる。当然、優勝も視野に入っているだろう。今回から初のS級入りは松本やすし。ハンデに恵まれていた時の成績を参入してのランク付け。これからが本当の勝負になってくるだろう。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
金子 大輔〔浜松 S-1(29期)〕
木村 武之〔浜松 S-4(26期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-9(29期)〕
永井 大介〔船橋 S-5(25期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-10(22期)〕
田中 茂〔飯塚 S-11(26期)〕
佐藤 裕二〔川口 S-17(24期)〕
浜野 淳〔山陽 S-21(24期)〕
今回は昼間の3日間開催!
9月の川口は試験的にナイター開催が行なわれ、盛り上がりを見せた。今回からは通常の昼間開催に戻る。平日の3日間だが、メンバーはなかなかに強烈。浦田信輔や青山周平がシリーズの核になる。
地元のS級は大挙6人が参戦。その中でランクトップは加賀谷建明。ここ数ヶ月でフライングを多発し、スタートタイミングで無理をできない状況にある。しかし、エンジン自体はマズマズ。気温が低くなってきて、走路にタイヤが食い付き出すこの時期なら、大活躍が見込まれる。レース後半追い込みタイプとしては山田達也、中野憲人にも注目。序盤の仕掛けの甘さを補って余りある追い込みは見もの。走路温度が下がれば下がるほど見せ場は多くなる。速攻タイプは大木光と鈴木清。鋭い飛び出しから厳しいイン突っ込みを見せる。前がゴチャ付くような展開で、持ち味を最大に発揮できるタイプと言えよう。また、今期から新しくS級入りしたのは益春菜。近況の成績を考えれば、順当なS級入り。課題の捌きも1走ごとに磨きがかかっている。
外来のS級は5人だけだが質は高い。浦田信輔と青山周平が2大巨頭。浦田は前走もここ川口で準優勝。その時はナイター、消音マフラーでのレースだったが、昼間に変わってもエンジンは同程度仕上げてくると思われる。それくらい整備力には定評がある。青山は前走が地元3日間。優勝戦は雨走路になり3着だったが、予選道中の動きを見る限りエンジンは問題なさそう。同じ船橋の優勝戦に乗っていたのは池田政和。ここ数節は、以前ほどではないにしても良い動きが戻りつつある。川口は得意な走路なので初日から注目したい。山陽の松尾啓史、西村龍太郎は近況イマイチ。捌きはシッカリしたモノを持っているので、それを発揮できるくらいのエンジンを作りたい。
A級にはなるが、篠崎実と高橋祐一は前走の地元で優出しており動き活発。昼間開催になっても同じだけの走りができれば、今回も楽しみな存在。藤岡一樹や別府敬剛などはA級にランクを落としたが、走力的にはS級と遜色ないモノを持っている。小林瑞季、岸萌水の32期勢は、1走ごとに成長するので毎日、その走りからは目が離せない。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
加賀谷 建明〔川口 S-26(27期)〕
山田 達也〔川口 S-30(28期)〕
大木 光〔川口 S-35(28期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-3(23期)〕
青山 周平〔船橋 S-6(31期)〕
池田 政和〔船橋 S-29(23期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-23(26期)〕
西村 龍太郎〔山陽 S-32(25期)〕
今回から昼間開催に移行する伊勢崎オート!
気候がだいぶ変わり、すっかり秋らしくなってきた。伊勢崎オートではナイターから昼間のレースに変更となる。S級は先のSG以来のレースとなる選手もいれば、その後、川口で走ってきた選手もいる。また、A級でも注目の選手はいる。
伊勢崎のナイターSGを制した浜野淳は、その後川口で走ってきた。同じナイターとは言え、消音マフラーによるレース。4日間のシリーズで全くエンジンを合わせられなかった。今回は前々節で走った伊勢崎。その時の動きを再現できれば、同地区で連続優勝も十分ある。ただし、今回は前回と違って昼間のレース。その辺の微妙なセッティングの違いを早めに修正していきたいところ。捌きの腕自体はしっかりしているので、エンジンさえソコソコ仕上げられれば優勝戦までは駒を進めてくるだろう。
地元の王者・高橋貢は今期から全国10位となりランクを落としている。これは今年の1月から6月までの成績を反映したもの。その時期は軽いスランプに入っていたが、7月から現在までの成績は申し分ない内容。完全に復活しており、力強い走りを見せている。今回も地元開催だけに、外来勢には負けていられない。長年培ってきたエンジン調整の感覚がある。高橋と共に、地元の牙城を守るS級は早川清太郎と田村治郎。早川はSGの後に川口で走ってきた。予選、準決を無難にこなし優勝戦まで進んでいた。レース後半の追い込みが鋭い早川のようなタイプは、やはりハンデ戦で最も威力を発揮できる。田村も走法的にハンデ戦の方が向いている。スタートが散発傾向だが、多少失敗してもハンデ戦なら巻き返して行ける。早川も田村も走路が食い付き出すこの時期は、好成績を残せるチャンス。
他の外来S級は佐藤貴也、伊藤信夫、佐々木啓、人見剛志。佐々木はSGの後に川口で走ったが、2日目に惨敗で準決モレ。しかし、このシリーズは特殊。消音マフラーによるナイターレースなので、あまり参考にしなくてもいいだろう。このところはずっとエンジンが安定していた。今回も活躍が期待できる。佐藤、伊藤信夫の両者は、SGではやや不満の残る結果。今回は巻き返しに燃えているか。人見もSGでは力を発揮できなかった。しかし、人見もオープン戦に近い番組構成よりはハンデ戦で持ち味を出せる選手。
A級では長田恭徳に注目。前走の川口では嬉しい初優勝を遂げている。スタートは早く、一人で走るとペースを上げることができる。逃げの展開になれば連絡み十分。今後は追い上げて行くレースでどのような走りができるかがポイント。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
高橋 貢〔伊勢崎 S-10(22期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-22(29期)〕
田村 治郎〔伊勢崎 S-37(30期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-9(29期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-24(24期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-12(23期)〕
浜野 淳〔山陽 S-21(24期)〕
人見 剛志〔山陽 S-33(28期)〕
新ランクによる3日間開催!
この10月から新しいランクが適用され、各選手に変動があった。特に大きな変化は32期。1級車に乗り替わった今年1月から6月までの間の活躍が目立ったため、大きくランクを上げた選手が多かった。さて、今回は飯塚の3日間短期決戦。いきなり最終予選なので、初日から全く気が抜けない戦いが繰り広げられる。
S級陣は大方、前走が伊勢崎ナイターSGだった。そこで優出したのが荒尾聡。予選中はイマイチだったが、準決では流石の勝負強さを見せた。優勝戦では周りの車と比べて試走タイムが明らかに見劣り、厳しい戦いを強いられたが、今回はメンバーが大幅に軽化されるので優勝候補の筆頭に挙げられる。
他のSG組は田中茂、竹谷隆、岩見貴史、岡部聡。いずれも準決まで行けず悔しい思いをしている。しっかりと整備で立て直したいところだ。川口のナイターで走ってきたのは前田淳と角南一如。前田は消音マフラーにもエンジンを適応させて優出。マズマズの成績となった。角南は準決4着で優出ならなかったが、エンジンは大崩れしているわけではなく、ちょっとしたところで上昇させること可能。浜松で走っていたのは桝崎陽介。4日間開催でオール連対の準優勝。エンジンは抜群に安定している。スタートもだいぶ良化しており、今回も連絡みありそうだ。
桝崎と同じ浜松で優出したのは西村義正と山浦博幸、丸山智史。西村は優勝戦3着で、予選中も5着以下がない安定した成績。混戦での強さを見せていた。山浦は最重ハンの20M前という好位置を活かしていた。元々、スピードには定評があり、逃げる展開でエンジンさえソコソコなら活躍できる状態ではあった。優出したことによりハンデの重化がなければ、今回も軽快な逃げを見せてくれそう。そして、丸山。この浜松で嬉しい初優勝を決めた。4日間シリーズでオール連対の好内容。本人にとってもかなりの自信に繋がるハズだ。
今回出場するA級の中で、前回の飯塚開催で優出していた選手も多い。優勝戦での成績トップは高宗良次。4日間シリーズで4着以下がなく、オール3連対の安定感。走りが良くなってきている。優勝戦で5着だったのは阿部仁志。追い込みの鋭さが最大の武器。まだ、スタートを含め序盤の仕掛けには課題を残している。6着だったのは細野俊介。成績は安定していないが、時折り大駆けがある。7着だったのは佐藤裕児。成長のスピードは緩やかだが、着実に、しっかりと力を付けている。
最後に要注目の3人を挙げるなら筒井健太と鈴木健吾、鈴木宏和。筒井はSGの3日目で8着になり準決には進めなかったが、それ以外の4日間はオール連対。鈴木宏和はSGの準決だけ7着だったが、それ以外の日はオール連対。エンジンは好調だ。そして、鈴木健吾。ここ最近は捌きが良くなっており、追い上げて行くレースでも活躍が目立つ。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
荒尾 聡〔飯塚 S-7(27期)〕
田中 茂〔飯塚 S-11(26期)〕
桝崎 陽介〔飯塚 S-28(28期)〕
竹谷 隆〔飯塚 S-41(23期)〕
岩見 貴史〔飯塚 S-44(29期)〕
前田 淳〔山陽 S-13(27期)〕
岡部 聡〔山陽 S-16(19期)〕
角南 一如〔山陽 S-45(27期)〕