鈴木圭一郎が記念初Vへ!
重走路での準決勝戦となったGIIオーバルチャンピオンカップは、やや変則的な勝ち上がりだった。1、2Rの準決勝からは各1人ずつ。10~12Rの準決勝は各2人ずつで、計8人が出揃う。1、2Rで早々と優出を決めたのは森本優佑と中尾貴志の地元31期両者。後半3個レースからは、荒尾聡、鈴木圭一郎、永井大介、大木光、桝崎陽介、平塚雅樹が優出を決めた。
優勝戦当日の天気は、午前が雨で昼過ぎに曇りに変わる予報。優勝戦の時間までに走路が乾けばいいが、一部濡れたブチ走路になる可能性もある。当ブログでは、良走路の場合とブチ走路の場合と2つの予想をしていく。
まず良走路。
雨で勝ち上がったメンバーなので、順当に考えれば永井が有利。ただし、枠を考えるとよほどのカマシが決まらない限りは展開的に厳しくなる。鈴木は最近の記念レースの準決で失敗するケースが多かった。しかし、今回はしっかり乗り切って優出。スタートは早いし、枠的にも有利と言える。早めに先頭に立ち、ブッチ切りのレースを見せてくれそう。他では、実績ある荒尾が武器のスタートで好位に付けてきそう。意外性あるのは中尾。ここ何節も好調が続いており、記念初Vへ意欲はマンマン。桝崎もエンジン仕上がっており、好走も十分だ。
◎鈴木圭一郎
○永井大介
△荒尾聡
△中尾貴志
▲桝崎陽介
そしてブチ走路。
ブチ走路は走路の一部が乾いている状態の走路。基本的には雨巧者が得意ではあるが、雨が苦手でも多少は乗れる選手がいたり、ブチ走路が大好きという選手もいる。腕がどうこうより気合の面が重視される傾向もある。結局は飯塚のブチ走路を走っている経験の多い選手が圧倒的有利になる。走路の特徴を熟知しているのは荒尾。次いで、桝崎か。気合の面では大木も引けを取らない。総合力から永井も上位争いに参戦してくるだろう。一発あれば中尾あたり。
◎荒尾聡
○桝崎陽介
△大木光
△永井大介
▲中尾貴志
熱走路での競り合いは見もの!
約一ヶ月ぶりの川口開催で、前回とは気候も大きく変わっている。元々、タイヤの食いつきが悪い川口走路は、温度が上がると更に滑る走路になる。この状況に素早く対応できる選手が好成績を残せる。
地元のS級は5人の予定。ランクトップの佐藤裕二は、山陽GIで準決までは行った。このシリーズは天候が良くなく、エンジン状態を掴みにくい開催だった。地元に帰ってくればいつも通りの力を発揮するだろう。森且行は近況、エンジンやや回復傾向。一時期の軽いスランプは脱出している。加賀谷建明は山陽GIの初日に反則をしているが、内線突破なので走りにはそれほど影響はない。中野憲人はオープン戦は苦手なので、前走の山陽GIでは活躍できなかった。しかし、一般開催のハンデ戦なら鋭い追い込みを見せてくれる。青木治親は、エンジンが少しずつ良くなっている。センスある走りを披露してもらいたい。
対する外来勢では、新井恵匠に注目。前走の山陽GIで優出した。果敢な走りが身上で、エンジンが良い状態だと名前負けしない気持ちの強さがある。まだ若手の部類なので、勢いに乗ったときは手が付けられなくなる。安定感で言えば佐々木啓が上位。前走の山陽GIでも準決こそ3着だったが、それ以外は1着3本を含むオール連対。どこのレース場に行ってもエンジンを合わせられる技術がある。更に、最近は攻めが積極的になっている。レース後半でもインをゴリゴリ攻め込んで行っている。松尾啓史、西原智昭らもマズマズ良い。一般開催なら十分通用する状態だ。逆に青島正樹や鈴木慶太らは、やや迫力を欠いている。整備での立て直しに期待。プレミアムを休場した高橋貢は初日の試走を注視したい。
今節の32期は、益春菜、押田幸夫、小林瑞季、町田龍駿。益は前走の飯塚で優出。近況は益にとって優出は当たり前の事になっている。それだけ着実に力を付けていると言える。小林も近況はマズマズだし、押田も少しずつ良くなってきた。町田は長欠後に1節走っているので、乗り手の感覚は戻っているか。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
佐藤 裕二〔川口 S-16(24期)〕
森 且行〔川口 S-19(25期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-27(27期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-3(22期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-17(23期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-22(26期)〕
青島 正樹〔浜松 S-34(22期)〕
西原 智昭〔船橋 S-39(28期)〕
飯塚で今年初のナイター開催!
今回の飯塚は、昼の川口10R制開催とのリレー発売でナイター開催。昼間とはまた違った迫力あるレースが見られる。GIIなので各地区から強力なメンバーが参戦。どのようなシリーズになるのか。S級選手とA級上位の選手は、前走が山陽のGIプレミアムカップだった。その時の走りを中心に、注目選手の近況を追ってみる。
地元大将格・浦田信輔は山陽では雨に泣かされ準決に乗れなかった。良走路での走りもやや迫力を欠いていたが、まあそれほど問題はないだろう。地元勢の精神的支柱となる。ランク次位の篠原睦は山陽で2勝を挙げた。マズマズの状態と言える。荒尾聡は3連勝で迎えた準決で珍しく反則を犯し、失格となった。エンジン自体はかなり高い位置にある。他の地元S級選手達はピリッとしないが、安定感では田中茂がやや上位。厳しい展開でも突破できる力強さがある。岩見貴史、久門徹らは武器の速攻に期待。竹谷隆、別府敬剛らは雨走路で活躍できる。
外来勢で最も有力なのは永井大介。山陽では準決で不利を受け落車してしまった。最終日の動きもイマイチだったので心配の種を残しているが、整備力はある方なので立て直しに期待。エンジンが並になれば、あとは腕でカバーし上位争いに参加できる。山陽で活躍したのは田村治郎と伊藤信夫。このところ田村はエンジン絶好調で、脅威的な試走タイムを出す時がある。もう少し捌きが身についてくれば、記念タイトルを次々と奪取する可能性を感じさせる。伊藤は課題だった雨走路を多少こなすようになり、シリーズの勝ち上がりで有利に働くようになった。エンジンもマズマズ良い状態にある。山陽の準決は8着だったが、それ以外の4日間は全て3着以内だったのは平田雅崇。かつての強気な走りが戻ってきている。岩崎亮一や大木光もエンジン崩れているわけではないので、ちょっとした所で仕上げてくるかも。
S級以外では越智尚寿、中尾貴志、平塚雅樹らが勢いある。高橋義弘も武器のスピードを活かせる展開になれば威力倍増。注目の32期は、同期で実力ナンバー1の鈴木圭一郎が参戦。各地の記念レースでも存在感を示しつつある。大事な準決で凡走するケースがあるので、その辺が目下の課題。地元の佐藤裕児も負けていられない。前評判はかなり高かったので、ここらでもうひと皮剥けて欲しいところ。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
浦田 信輔〔飯塚 S-7(23期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-8(26期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-11(27期)〕
永井 大介〔船橋 S-2(25期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-12(25期)〕
大木 光〔川口 S-26(28期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-31(24期)〕
田村 治郎〔伊勢崎 S-38(30期)〕
梅雨時なので天候をよく見ながら予想を!
この開催の2日前まで山陽でプレミアムカップが行なわれていた関係で、今回はS級選手とA級上位の選手は不在。時期的に重走路のレースも増えるだろうし、どのようなシリーズになるのか。
全選手の中で最も勢いが良いのは落合淳。前走の飯塚で優勝してきた。優勝戦では吉原恭佑に競り勝ち、荒尾聡を振り切る好内容。車の仕上がりは良さそうだ。ただし、初日の番組には注意が必要。ハンデが重くなっている可能性が高いので、そうなると展開がまた変わってくる。落合が優勝した優勝戦で他に乗っていたのは同期の仲田恵一朗。優勝戦は8着だったが、予選と準決の3日間で2勝を挙げている。好成績が続くと自信を持ってレースに乗ってくるタイプ。
その飯塚の開催で他に良かったのは、渋沢憲司、中野光公、小林悠樹。この3人は4日間の開催で2勝を挙げている。渋沢と小林はスタートが早く、速攻が得意なタイプ。中野は逆に、スタートは甘いがレース後半まで鋭く追い込んで行くタイプ。
前走が浜松で良かったのは早船歩。4日間開催でオール2着の準優勝。優勝戦も1回は先頭に立てたが、栗原俊介の気迫に押されやり返されてしまった。それでもリズムとしては悪くない。その節でマズマズだったのは浅田真吾。準決は3着で、惜しくも優勝戦には乗れなかったが、だいぶ車の状態は上向いてきた模様。スタートが早く、雨走路もこなせるタイプなので、天候が不安定なこの時期でも安心して買える選手。他に雨が得意なタイプとしては、鈴木将光、古木賢、芝崎茂信、柴田紘志、金居徳次、赤坂勝彦などが挙げられる。
前走の伊勢崎ナイターで良かったのは、矢野正剛、岩永清文、戸塚茂ら。矢野はフライングで失権してしまったが、4日間開催でオール1着。岩永と戸塚は2勝を挙げている。岩永はスタート甘いが、道中のアシはしっかりしている。戸塚は近況スタートの切れが良く、好展開を作って行ける。
注目の32期は片野利沙、中山光、藤本梨恵、小栗勝太らが参戦。ここにきて急成長を見せているのが片野。地元船橋に帰ってきて、成長した姿をファンに見せたい。他の3者も逃げる展開になれば見せ場を作れる。
※矢野選手は欠場となりました。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
鈴木 将光〔船橋 A-56(27期)〕
黒岩 明〔船橋 A-58(26期)〕
押田 和也〔船橋 A-60(27期)〕
鈴木 聡太〔船橋 A-62(29期)〕
浅田 真吾〔浜松 A-59(27期)〕
鈴木 清市〔伊勢崎 A-61(14期)〕
君和田 裕二〔川口 A-88(30期)〕
池田 康範〔山陽 A-141(21期)〕
金子大輔がプレミアムカップ初制覇!
山陽で行われたプレミアムカップの優勝戦は、浜松の金子大輔が制した。意外にも金子にとってこれが初めてのプレミアムV。だが近年、更なる成長を見せており、次々と結果を残している。
試走タイムは田村治郎が一番時計の31。次いで、金子と青山周平が32。木村武之と前田淳、新井恵匠が34。伊藤信夫と岡部聡が38とだいぶ劣勢。スタートは最内の金子の出だしが良かったが、1コーナーを先に回ったのは青山だった。
そこからは青山がペースを上げるかに見えた。しかし、3番手に付けた木村の攻めを抑えた金子が、早い段階で仕掛けていく。これが綺麗に決まり首位を奪取。その後は青山に全く隙を見せず、ブッチ切りの1着ゴール。持っている能力を全て出し切っての会心の走り。今後、オート界の勢力図を変えるかのような内容だった。金子の強みは、レース運びの巧さ。状況判断力が高いのだろう。レース前、スタート後にかけてどのような行動が好成績に結びつくかを知っている。そして、それに最適な動作が取れる。気合タイプとはまた違ったレーサーだ。これからどのようなレースを見せてくれるのか楽しみだ。
2着の青山は悔しかっただろうが、一時期のスランプを考えれば今後に繋がる走りだった。プレミアム準優勝は誇れない結果ではない。もう少し細かいところの修正ができれば、再び快進撃が始まるだろう。また、3着だった田村も今後が楽しみ。ここ最近の大きなレースで、他を圧倒するエンジンを作ってきている。レース経験を積んでくれば、大化けする可能性を感じさせる。