選手層厚い地元勢が外来勢を迎撃!
SGオートレースグランプリから4日と経たず、興奮冷めやらぬまま開催される第56回GⅠダイヤモンドレース。そのSGから優勝者、準優勝者を含め連戦となる選手が多数いる。
まずは迎え撃つ地元勢の近況から追ってみたい。直前のSGで最も悔しい思いをしたのは荒尾聡。優勝戦で勝負圏内に入るスタートを切っていながら1周3コーナーでスリップ落車。1周を回らずにして戦線離脱となってしまった。試走などの動き的にはそう悪くはなかっただけに悔やまれる。当然、今回に向けてリベンジを誓ってくるのは間違いない。心配なのは1点。落車の影響だ。整備巧者であるから車の方は立て直してくるが、人間への影響はいかほどか? しかし、大会に参戦してくるという事はレースには支障がないという事。ファンの荒尾に対する巻き返しへの期待は大きいだろう。
浦田信輔も直前のSGでは不運に見舞われた方だ。準決4個レースの中で浦田の走るレースだけが重走路でのレース。雨を苦手とする浦田にとっては厳しいコンディションになってしまった。しかし、晴れでの動きは全く不安ないので、今節も天気さえ良ければ順当に優勝戦に乗ってくるものだと思われる。篠原睦は試走タイムが出ない傾向あるが、SGの最終日でもスタート先行から8周を抑え切ってゴール。乗り手の気合は上々だ。竹谷隆や久門徹もSG最終日では良い走りを見せていた。逆に、東小野正道、桝崎陽介、永富高志、瀧下隼平あたりは機力がイマイチ。
外来勢で絶好調なのは永井大介。地元で開催されたSGでは見事優勝。機力不足を腕や経験で補う冷静な対処が光っていた。今節はナイター開催で走路的には喰い付くと予想されるから本来のパワーが戻ってくるかも。乗り手の方も乗れてる強みがある。同地区からは中村雅人や池田政和、内山高秀が参戦。中村はSGの準決が重走路になり、力を出し切れず終わったが、良走路ならば力強い走りが戻ってきてる。内山も準決は積極性に欠けたものの機力的にはソコソコ良い。船橋地区からは武藤博臣にも注目。前走は川口一般開催で優勝している。
川口一番手は平田雅崇。しかし、鈴木清、青木治親らを含めエンジン状態は上がっていない。むしろ、爆発力ある深谷輝や秋田貴弘、若手で成長株の小原望らの大駆けに期待したいところ。
伊勢崎勢筆頭は早川清太郎。SGの最終日では優勝戦に乗った選手でも出なかった試走32をマーク。エンジンは徐々に良くなっている。飯塚レース場で走路は違うとは言え、ナイター開催に慣れてる強みを生かして大活躍の予感。他にもスピードある田村治郎や田中賢。一発力が魅力の岩沼靖郎、北渡瀬充の動きに注目したい。
浜松からは直前のSGで準優勝した木村武之が参戦。エンジン的には優勝した永井と変わらない伸びを見せていたので、今節も期待できる。また、優勝戦ではそのスタート力を再確認させられた。もちろん以前からスタート巧者だったが、大舞台でもしっかり切ってくる技術は強い味方となる。青島正樹はSG最終日で良化の兆しが出ていたし、浅田真吾、筒井健太らも活発な動きを見せている。
最後に山陽地区からは10選手が参戦予定。好調は濱野淳。直前のSGでは優出し3着。前団で2人落車するハプニングはあったが、実力者ぶりをしっかりアピールしていた。飯塚は良く遠征する走路なので初日から合わせてくる可能性も大。SG優出後で流れが良いのもアドバンテージになる。他にも岡本博幸がSGでも活躍していた。本来のハンデ位置に戻っていれば今節も連に絡む走りをしてくるだろう。角南一如や岡部聡はもう少し機力アップが必要か。小林啓二が通算1600勝にリーチの状態なので、今節あたりで決めてくるか。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
荒尾 聡〔飯塚 S-4(27期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-5(23期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-8(26期)〕
永井 大介〔船橋 S-2(25期)〕
平田 雅崇〔川口 S-23(29期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-9(29期)〕
木村 武之〔浜松 S-6(26期)〕
濱野 淳〔山陽 S-15(24期)〕
予選中の軽ハン勢の健闘、準決の日の不安定な天候による難解な走路コンディション、台風のため第5日目の順延と波乱の多かったSGオートレースグランプリは、地元のエース・永井大介が優勝した。
試走一番時計の3・33を叩き出した永井は、逃げ態勢を作る木村武之を早い段階で交わし先頭に浮上。そのまま押し切りゴール。いつもと違ったのは独走に入ると後続を突き放す一方の永井が、なかなかペースを上げられなかった。原因はタイヤ。滑りが気になってグリップ開け開けで走れなかった。しかし、それならそれなりの走りができる永井は見事だった。
ペースを上げられないのをレース中に自覚した永井はコースを外さず、滑らせないように丁寧に走った。結果、ピタリと追走していた木村に付け入る隙を与えなかった。車の仕上がり状況を的確に判断し、それに合った走法をすばやく選択できたのは永井の大舞台での豊富な経験がなせる業だろう。これでSG11V。この数字はこれからも延びていくモノと思われる。
そして優勝戦でも波乱があった。2番人気に推されていた荒尾聡が1周3コーナーでスリップ落車。その外に付けていた田中茂も被害で落車。序盤で実力者2人が早々と戦線離脱してしまった。真剣勝負の結果であるから致し方ないが、ファンにとってはショックであったと思われる。しかし、今回の結果を次にぶつけてくれる事は間違いない。SG日本選手権での巻き返しに期待したい。もちろん、普段の一般開催においても活躍を見届けたい。
木村にスポットを当てると、当人にとっては悔しいレースだっただろう。永井に抜かれた後も差し返せるチャンスはあった。仕掛ける態勢を万全に作れていれば、逆転優勝も十分にあった。しかし、態勢不十分のまま2回ほど仕掛け損ねてしまった。残り2周はタイヤが滑り出して射程範囲から離れてしまった。仕掛けるタイミングを1回に絞って冷静に行けていれば...。レースに「たら、れば」は禁物なのでこの辺にしておこう。SGで優勝争いに参加できる実力の持ち主である事は証明できている。
主力不在で激戦必至の今開催!
直前に開催されていたSGオートレースグランプリが一日順延された関係で、出場予定だった高橋貢(伊勢崎)と浅香潤(伊勢崎)が急遽欠場となり、地元のS級は不在。外来勢もS級は川口から高橋義弘(川口)が参戦するだけで、他はA級とB級がメインの今開催。突き抜けた存在がいないとなれば、同じ力量同士のバトルで激化は必至。
今節ランク最上位者は先述の高橋義弘。ここ何ヶ月もずっと良くない状態が続いていたが、前節の地元開催あたりからやや上向きの気配がうかがえた。持ってるスピードに関しては今節参戦者の中でも断トツ。エンジンが当地に折り合えば圧勝のレースを連発する可能性もある。エンジン状態が試走に忠実に表れるタイプなので、試走のタイムと動向には注意を払いたい。
同じく川口からはスピードがある広瀬勝光と吉田祐也、イン走法が安定している牛沢和彦、成長著しい中山透らが参戦。
船橋地区からの参戦者は個性派揃い。捌きがある梅内幹雄、車速に乗ると手が付けられない白次義孝、インからインの攻めが堅実な深沢隆、位置を生かして好成績続いている佐藤正人、速攻が武器の佐々木敏夫、競り合いに強く雨も乗れる芝崎茂信。
浜松からは石貝武之、藤波直也の両者が元気一杯。小林頼介も復帰してからはソコソコの走りを見せている。ランクが最も上位なのは柴田健治。近況はやや伸び悩んでいるが、秘めたセンスはかなり高く近いうちの大化けに期待している。
飯塚からは、ハンデを生かして粘り強い仲野秀哉や高倉健吾、試走タイムが出なくても狙える井上秀則や松尾学らが参戦。
山陽は腕がある人見剛志や山崎進の活躍に期待。春本綾斗や緒方浩一も若手で伸び盛り。一戦ごとに着実に力を付けている印象。堅実な走りができる池浦一博や、逆に一発力がある森園数敏や岡本信一の動向にも注目したい。
迎え撃つ地元勢では最近、車を乗り替わった新井淳や湯浅浩が中心となって外来勢に抵抗する。近況、調子が上がっているのは千葉泰将で、時折見せる強引な突破は魅力。元々、将来を嘱望されていた選手で今開催で再び脚光を浴びることができるか。同期の福田勝則や笠原三義も今節は優勝争いに参加してくるだろう。他には遠征に行くと全くダメだが、地元では好走が多い近藤裕保に注目。独走に入るとペースが上がるタイプで、早めに抜け出せる展開になれば活躍できる。
B級の中でも好調なのは大貫宗一、原田富夫あたり。レース後半にタレてくる傾向があったが、近況は最初の動きが最後まで続くケースが見られる。32期新人も前回初勝利を決めた藤本梨恵、力を存分に発揮している吉原恭佑、徐々に良くなってきてる松本やすしなどの成長がファンを楽しませてくれている。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
新井 淳〔伊勢崎 A-15(23期)〕
湯浅 浩〔伊勢崎 A-16(19期)〕
金山 周平〔伊勢崎 A-31(27期)〕
福田 勝則〔伊勢崎 A-55(24期)〕
梅内 幹雄〔船橋 A-28(19期)〕
高橋 義弘〔川口 S-22(29期)〕
柴田 健治〔浜松 A-100(27期)〕
緒方 浩一〔山陽 A-18(30期)〕
地元の意地を見せて永井大介がSG3連覇を狙う!
台風が近づき不安定な天候で行われたSGオートレースグランプリ第4日目は、準決でも走路状態の変化により選手はタイヤの選定に苦悩していた。朝からの雨が上がり走路は乾きかけていたが、10Rの試走後に再び降雨。10Rは重走路でのレースとなった。しかし、その後は雨が上がり急激に走路が乾いて、11Rでは良走路に回復。難解なコンディションで行われた準決を振り返ってみる。
9R、全国屈指のスタート巧者・荒尾聡が先行から逃げ切る。2番手には佐藤裕二が付けていたが、スタートやや遅れた濱野淳が冷静に追い込んで2着。
10R、好スタートを切った浅香潤を木村武之が追う展開。木村は穴見和正にインを覗かれ、中村雅人のプレッシャーを受ける状態だったが、見事はねのけ最後には浅香まで交わす勢いだった。
11R、トップスタートの松尾啓史に内山高秀がピタリとマークする展開だったが、3番手追走の高橋貢を田中茂が捌き、更に前を行く2車をまとめ差しで勝負を決めた。
12R、カマシスタートを決めた永井大介が後続を引き離してゴール。篠原睦が2番手スタートを切ったが、若手の岩田裕臣が捲くって嬉しいSG初優出。
優勝戦が行われるはずだった9月16日が、台風の影響により開催を順延。17日に第5日目が行われることになった。16日に開催だと重走路での優勝戦の可能性もあったが、17日は天気の心配も少なくほぼ良走路での優勝戦だと思われる。
当ブログでの本命には永井を推す。本人のコメントではまだまだエンジンの仕上がりに納得がいってないようだが、整備での上昇の余地があるのと地元開催による気合増幅でカバーできると見た。スタートで3番手までに出られれば、早い段階で首位に浮上し逃げ切れる。
相手候補には荒尾を挙げる。そのスタート力はおそらく全国一。次期ランクナンバー1の永井でさえ、荒尾のスタート力には一目置いている。今回もトップスタートを切ってくると思われる。試走タイムで一番時計を出すようなら、永井を振り切って優勝も十分あるだろう。
他に怖いのは田中茂。準決で見せた追い込みは強烈だった。かつてSGをポンポンと獲っていた頃の鋭さが戻っている。スタート争いは微妙だが、元々追い込みタイプで10周戦は当人にとって好材料。
木村武之も準決の試走で31を叩き出しエンジンは上昇している。2枠ならスタート後も好位置に付ける可能性が高い。千葉県出身の木村は、船橋は準地元になるので思い入れもあるだろう。
枠的には厳しい位置になった濱野だが、ここ一番の勝負強さはピカ一。試走タイムに関係なく大駆けを見せる事も多い。けっして侮れない存在だ。
◎永井大介
○荒尾聡
△田中茂
△木村武之
▲濱野潤
第17回SGオートレースグランプリ開幕!!
出場選手は前回優勝者、S級選手、前年7月から今年6月までの優勝戦ポイント上位者などで選ばれる。(S級の高橋義弘は前回の大会の優勝戦でフライングをしたため参加資格なし)
今回は船橋オートレース場で開催されるので地元の選手は特に気合が入っているか。まずは地元選手の動向から追ってみたい。
時期ランク1位が決まっている永井大介は、直前は浜松の開催に参戦。珍しく準決で4着となり優出を逃してしまった。エンジンはひどい状態ではないものの完全に仕上がるまではいってない。今回は地元開催ということもあり整備に取り組むと思われる。中村雅人は直前は伊勢崎開催。4日間走って1回も良走路で走れていないが、近況の動きは悪くないのでいい走りを見せてくれそう。池田政和は今ひとつ調子が上がってこない。内山高秀は直前は山陽のGⅡだったが雨の日が多く、良走路の動向は掴みにくい状況。片平巧は直前の伊勢崎では不安定走路でダメだったが、晴れに関しては安定した動きを見せている。
他に地元で動きがいいのは青山周平。直前の浜松開催で優勝している。エンジンは何節も安定しているので地元開催の今節は大活躍を見せそうだ。
前回優勝者・高橋貢を擁する伊勢崎勢。まずはその高橋貢だが直前の地元開催で久々の優勝。晴れ走路を走ってないだけにエンジン状態はハッキリしないが、優勝しての参戦なので流れは良い。2番手・早川清太郎は前節に車を乗り替わった。雨でマズマズの成績を残した。晴れの動きにも期待したい。長い間パッとしていなかった三浦康平は、前節地元で久々に優勝戦に乗りリズムを取り戻してきた。短ハンデ戦で力を出せる浅香潤や森村亮にも注目したい。
川口勢は平田雅崇が上昇中。直前の飯塚開催で優出し3着。戦える動きになってきている。佐藤裕二や鈴木清も速攻を武器に連対を狙ってくる。前節に船橋を走っていた若井友和は、優出も果たしていたのでデータは掴めている。山田達也は現在2連続優出中でエンジン上昇中。佐藤摩弥や岩田裕臣はフレッシュな走りを見せてくれそう。
浜松勢は少数ながらなかなか個性派揃い。トリプルエースの木村武之、金子大輔、伊藤信夫はそれぞれ好調をキープ。木村は前々節の落車の影響はなさそうだし、金子は現在3連続優出中。そのうち優勝1回、3着が2回と充実した成績。伊藤はここ1ヶ月は優出はないが1着はそれなりに取っておりスピード健在。速攻が武器の青島正樹や笠木美孝、果敢さがある佐藤貴也や岩科鮮太。フレッシュな渡辺篤や辰巳裕樹など色取り豊富。
外来勢で最も層が厚いのは飯塚。一番手は荒尾聡で直前の地元開催優勝。その前の山陽GⅡでも優勝と充実の一途を辿っている。雨、晴れ問わず力を出せるのが同選手の強み。全国屈指のスタート力は、短ハンデ戦で最も威力を発揮する。精神的支柱・浦田信輔は近況は開催中に雨が降ったりして優出を逃しているが、晴れ走路に関しては現在12連勝中。雨さえ降らなければ強烈な突っ込みを披露してくれる。好調が続いていた篠原睦は、直前の優勝戦で落車しているので試走を含めて動向に注目したい。東小野正道、田中茂は共に前節に優出とスランプ脱出の兆しが出たか。一発力がある瀧下隼平、藤川幸宏、岩見貴史あたりにも注意したい。
山陽勢は全体的に調子は今ひとつ。それでも直前の飯塚開催で準優勝だった松尾啓史は、その節で優勝した荒尾に着かず離れずの追走を見せた。エンジン的にはかなりいい状態にあると見ていい。同じ開催で優出した角南一如はなかなか調子が上がってきてないが、船橋走路に関しては好成績を残すことが多いので今節は動くかも。近況はイマイチだが他にも、浜野淳、岩崎亮一、藤岡一樹、岡部聡、佐々木啓など実力者は多いので当日のエンジンの変化には注意が必要だ。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
永井 大介〔船橋 S-2(25期)〕
中村 雅人〔船橋 S-3(28期)〕
池田 政和〔船橋 S-19(23期)〕
平田 雅崇〔川口 S-23(29期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-1(22期)〕
木村 武之〔浜松 S-6(26期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-4(27期)〕
角南 一如〔山陽 S-14(27期)〕