今シーズン開幕後に船橋から転入したタイセイブラストは、ここまでA一組やオープン特別・重賞で10戦6勝、2着2回。しかもマイル戦に限ると4戦3勝で、3着に負けたすずらん賞は、先着されたのがヒガシウィルウィン、パンプキンズという現役岩手のトップホース。今回はそのレベルの馬が不在となって、重賞初制覇のチャンスといえそう。
対するは3歳のグランコージー。2000メートルの不来方賞やダービーグランプリではみずから厳しいペースの逃げに持ち込んで勝負に挑んだが、強敵相手に粘りきれずの3着。前走イーハトーブマイルも3着だったが、アタマ+1/2馬身とわずかの差。5月のことだが水沢1600メートルのダイヤモンドカップでは、その後の岩手二冠に加えてダービーグランプリも制したフレッチャビアンカに9馬身差をつけて制していた。今回は満を持しての古馬初対戦となるが、2キロ軽い55キロの斤量で相性のいい舞台ならチャンスはありそう。
センティグレードは前走師走特別でタイセイブラストに4馬身差、同じくスカイサーベルはさらに2馬身差で、それぞれ2、3着。決定的な差をつけられていただけに、今回はどこまで迫れるか。
アドマイヤメテオは、昨年の今頃は絆カップ、白嶺賞、そして桐花賞といずれも3着と重賞で善戦しており、2走前のA一組特別で今年3月以来久々の勝利を挙げた。水沢1600メートルは力を発揮できる舞台だ。
◎3タイセイブラスト
○8グランコージー
▲1センティグレード
△10スカイサーベル
△11アドマイヤメテオ
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リュウノシンゲンはここまで7戦5勝。2度負けたのは芝の若鮎賞と、北海道からの遠征馬2頭に先着された南部駒賞だけ。その南部駒賞も接戦の2着争いの3着で、勝ち馬ともコンマ3秒差だから展開次第ではというところがあった。水沢コースは新馬戦以来だが、距離は経験しており地元馬同士なら負けられないところ。
マツリダジョオーはここまで7戦2勝だが、水沢コースに限れば3戦2勝、2着1回。前走、今回と同じ舞台のフューチャーステップでは、2コーナーを最後方で回って向正面からのマクリ。直線ではミズサンフェイムとの追い比べとなったが、これを半馬身差でしりぞけ1番人気こたえた。展開がハマれば一発はある。
グランフォロミーは門別デビューでアタックチャレンジを制し、知床賞5着のあと、今回が移籍初戦。1700メートルのウィナーズチャレンジは差のある7着だったが、勝ったシビックドライヴはその後サンライズカップを制し、5着のギガキングも南部駒賞を制したように、相手が強かった。そうした強敵相手や距離の経験は大きい。
ファイントリックは知床賞ではグランフォロミーに先着する4着で、牝馬同士のプリンセスカップは1、2着の接戦から5馬身離されての3着。ジュニアグランプリで芝1600メートルは経験しているが、今回ダートでは初めての1600メートルがどうか。
シラカミロードは、若駒賞がリュウノシンゲンに4馬身差をつけられての2着で、南部駒賞が大きく離されての9着。成長力という点で気になるが、リュウノシンゲンと4度戦って2着2回という実績は評価したい。
◎8リュウノシンゲン
○7マツリダジョオー
▲6グランフォロミー
△3ファイントリック
△1シラカミロード
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中央ではやや足踏みをしたマスターフェンサーだが、地方のダートグレードで2連勝。マーキュリーCでも白山大賞典でも、3コーナーあたりから追って追って追い通しでライバルを競り落とした。長く脚を使えるタイプだけに、小回りの長距離戦は絶好の舞台。JpnIII勝ちのみで別定増量がないのも有利。
10歳のサウンドトゥルーにも期待したい。ここ2年の勝ち星が、地方競馬の重賞では最長距離となる2600メートルの大井・金盃連覇に、2400メートルの東京記念。長距離戦での能力の高さは健在だ。別定58キロは楽ではないが、長距離戦なら斤量差はそれほど気にしなくていいのではないか。
サクラアリュールは重賞初挑戦となったシリウスステークスGIIIでカフェファラオに3/4馬身差2着と好走。JBCクラシックではサウンドトゥルーにハナ差先着(7着)しているだけに、別定増量がない56キロなら勝ち負けまで期待できそう。
昨年の川崎記念以来勝ち星から遠ざかっているミツバだが、上位を争えそうな馬が限られるメンバーで、道中ゆったり流れる長距離戦なら上位食い込みも。
距離は違うものの同じ名古屋の名古屋大賞典を制しているロードゴラッソも上位食い込みを狙う。
◎10マスターフェンサー
○5サウンドトゥルー
▲8サクラアリュール
△1ミツバ
△6ロードゴラッソ
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姫山菊花賞でワンツーのエイシンニシパとジンギ、中央3勝クラスから転入して名古屋で重賞2勝を挙げたタガノジーニアス、中央オープンからの転入初戦を制したドライヴナイト。4頭の勝負となりそうだが、それに順序をつけるのはなかなかに難しい。
転入後のタガノジーニアスはここまで5戦2勝で、その勝ち星は2つとも名古屋でのもの。摂津盃は勝ったジンギから3馬身半ほどの差で3着。姫山菊花賞はエイシンニシパ、ジンギに完敗の6着だった。とはいえ夏負けの影響があったとのことで、前走東海菊花賞では直線圧巻の伸びを見せてエイシンニシパに4馬身差。状態アップなら2頭をまとめて負かす場面が期待できそう。
ジンギは57キロを背負った摂津盃では2番手で逃げ馬にプレッシャーをかけ、直線抜け出しての完勝。姫山菊花賞はマイタイザンとジョースターライトの先行争いに巻き込まれる形になって息の入らない厳しい流れを、直後で構えていたエイシンニシパに直線でとらえられた。とはいえ3歳10月から1年以上連対を外していないという安定感は抜群だ。
遠征で能力を発揮するエイシンニシパだが、前走東海菊花賞は直線での伸びがいまひとつでタガノジーニアスに4馬身差をつけられた。今年は遠征も含めて重賞のみ8戦2勝、すべて4着以内。2400メートルの六甲盃はこれまで3回出走して結果を残せていないが、2000メートル以下であれば崩れることがない。
ドライヴナイトは中央オープンからの移籍初戦を勝利。今回は一気の相手強化だが、中央での実績から一度園田コースを経験しての上積みはありそう。
休み明けの2戦も結果が出ていないマイタイザンだが、人気を落とすであろう今回、有力馬が牽制し合ったところで単騎の逃げに持ち込めればまだまだ怖い。
◎7タガノジーニアス
○1ジンギ
▲2エイシンニシパ
△8ドライヴナイト
△11マイタイザン
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昨年は残念ながら中止となって、一昨年の勝ち馬エンパイアペガサスには連覇がかかる。今回のメンバーを見ると、一昨年出走していたのは、そのエンパイアペガサスだけで、がらりとメンバーが変わった。それもそのはず9頭立てで、3歳馬2頭、4歳馬4頭とメンバーがかなり若返った。
エンパイアペガサスは今シーズン途中休養もあってここまで4戦未勝利だが、新興勢力のランガディアというやや高い壁があった。それでもシアンモア記念ではハナ差、みちのく大賞典では2馬身半+ハナ差とそれほど差のない勝負。今回はそのランガディアが不在。秋初戦はジェイケイブラックの2着だったが、叩き2戦目での上積みに加え、抜群の距離適性なら、この馬の独壇場だろう。
ヤマショウブラックもランガディアが3連勝した春の古馬重賞に出走していて、エンパイアペガサスとの後先では1勝2敗。8月以降は南関東に移籍して、今回が岩手復帰初戦。2000メートルまでしか距離経験がないが、血統的には2000メートルを超える距離で力を発揮しそう。
ダービーグランプリを制して3歳チャンピオンとなったのがフレッチャビアンカ。今シーズン岩手で負けたのは一冠目のダイヤモンドカップだけ。ひとつだけ"2"があるのはなんとも惜しい。初めての距離で、初の古馬との対戦でどんなレースを見せるか。
今シーズン着実にクラスを上げ、前走でエンパイアペガサスを負かしたのがジェイケイブラック。重賞は昨年11月のイーハトーブマイル(3着)以来でもあり、押し出される形で△となってしまったが、勝ち負けまで期待してよさそう。
不来方賞でフレッチャビアンカに1馬身差で食い下がったピアノマンも古馬初対戦で上位食い込みまであるかどうか。
◎9エンパイアペガサス
○4ヤマショウブラック
▲1フレッチャビアンカ
△2ジェイケイブラック
△8ピアノマン
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