黒潮菊花賞は人気2頭が互いに譲らず競り合ったことで波乱の決着となったが、それ以降、この世代の力関係がやや変わってきたように思える。
高知優駿4着だったマイネルヘルツアスは黒潮菊花賞には出走せず、全国に打って出た。佐賀のロータスクラウン賞を制したが、ダービーグランプリはさすがに相手が強かった。そうした強豪相手に揉まれた経験は生きると見る。
ペイシャワイルドは、黒潮菊花賞では内の経済コースを通って直線一旦は単独先頭に立って勝ったかと思ったが、惜しくもアタマ差2着。そのときは9番人気という低評価だったが、その後はC2戦を勝って、牝馬同士の準重賞が4着、そしてC1戦を逃げ切った。古馬とのC1戦を勝っているのはこの馬だけ。しかもそれが5馬身差の圧勝。あとはマイネルヘルツアスとの力関係がどうか。
ラブミーアーサーは今回が重賞初挑戦だが、8月の栴檀特別では、勝ったフルゴリラに半馬身差の2着で、レインズパワーやリワードアヴァロンに先着した。高知では1400メートルまでしか経験がないだけに、1600メートルの距離をこなせるかどうか。
常に見せ場をつくるフルゴリラだが、後半勝負という脚質ゆえ今回も展開次第。
黒潮菊花賞がまさかの6着だったレインズパワーは、その後牝馬同士のミラク特別でも好位を追走したものの早々と後退して7着。斤量差があったとはいえペイシャワイルドに先着されるなど、以前ほどの走りができるかどうか。
中央から移籍して2連勝のミナトノヨーコ、展開に恵まれた感じで黒潮菊花賞を制したフリタイムらは勝ち負けまではどうだろう。
◎7マイネルヘルツアス
○5ペイシャワイルド
▲4ラブミーアーサー
△11フルゴリラ
△8レインズパワー
△9ミナトノヨーコ
△6フリタイム
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ジェイカトレアは、2歳シーズンの黒ユリ賞、3歳のばんえいオークスと世代限定の牝馬重賞を制し、さらに4歳のここも、となるかどうか。1番人気に支持された前哨戦の紅バラ賞は、障害先頭のマオノクイーンに逃げ切られて3着だったが、2着シンエイジョッパリとも、先着された2頭はジェイカトレアより10kg軽かった。そして2着から6着までほとんど差のないゴール。能力的にそれほど差はなく障害のタイミングひとつ。紅バラ賞の前にB1戦を連勝していることからも能力上位は間違いなく、馬券的にはやはりこの馬が中心。
サクラユウシュンは紅バラ賞は5着だが、前述のとおりほとんど差はなく、前走でB1特別で差のない3着と好走している実力ならこの馬が2番手。
ジェイセリナの紅バラ賞10着は障害で転倒してしまったので参考外。続く前走では自己条件を勝っていて、今回も障害次第。
マオノクイーンは紅バラ賞を勝ったことで、ジェイカトレアら格付上位馬と同じ690kgになったのに対し、シンエイジョッパリは680kg。その重量差ならシンエイジョッパリにも再び上位のチャンスはありそう。
B2で勝ちきれないながらも好勝負を続けてきたクイーンヴォラも上位争いは可能。
◎10ジェイカトレア
○5サクラユウシュン
▲6ジェイセリナ
△8シンエイジョッパリ
△2マオノクイーン
△9クイーンヴォラ
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11月10日の川崎・ローレル賞に、今年は門別・エーデルワイス賞JpnIII組がいないのはめずらしいと思っていたのだが、そのエーデルワイス賞3着のマーサマイディアがここに出てきた。さらにJBC2歳優駿JpnIIIで6着だったギガキングなど、門別の重賞で掲示板内に入った経験のある馬が計4頭。また船橋のワールドリング、川崎のサンエイウルフも、それぞれ南関東の重賞で掲示板内の好走あり。遠征勢はレベルの高いメンバーが揃った。
JBC2歳優駿から中11日という間隔がどうかだが、能力では北海道のギガキングが最上位。出世レースと言われるサンライズカップがシビックドライヴに1馬身差で2着。そしてJBC2歳優駿では着順こそ6着だが、勝ち馬からコンマ5秒差は健闘といっていいだろう。デビュー戦を勝ったのみだが、ここまで対戦相手のレベルが高く、今回は相手がかなり楽になった。
同じくデビュー戦を勝ったのみだが、川崎のサンエイウルフは鎌倉記念で4着。前哨戦の若武者賞では大きく離されての4着だったが、鎌倉記念では展開もあったが若武者賞を制したピースフラッグにも先着し、勝った北海道のリーチからは4馬身弱の差だった。デビュー戦以外は川崎1500mを使われているので距離経験でも有利といえそう。
チサットは、イノセントカップで勝ったリーチに1馬身+クビ差で3着。1700メートルのアタックチャレンジ勝ちの実績もあり、デビュー戦で4着だったあとはすべて3着以内と堅実さも光る。
エーデルワイス賞3着のマーサマイディアは押し出される形で△。1000メートルのフルールカップを勝ったが、1600メートルのフローラルカップがやや差があっての6着だったので距離がどうか。
平和賞4着だった船橋のワールドリング、ブリーダーズゴールドジュニアカップで僅差4着があった北海道のシンタロウらもそれほど差はない。
地元馬では実績断然のリュウノシンゲンだが、このメンバーに入ると上位食い込みまで。
◎10ギガキング
○8サンエイウルフ
▲4チサット
△1マーサマイディア
△3ワールドリング
△6シンタロウ
△11リュウノシンゲン
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遠征で力を発揮する兵庫のエイシンニシパは、これまで重賞11勝のうち5勝が他場でのもの。しかも金沢、笠松、名古屋、佐賀と、さまざまな競馬場で勝っている。2走前の名港盃は3着だったが、先行勢総崩れの厳しい流れを早めに動いて先頭に立ったところ、兵庫のほか2頭に目標にされ直線脚が上がってしまった。しかし前走姫山菊花賞では好位でじっくり脚を溜め、4コーナーで外に持ち出して直線差し切るという強い勝ち方。昨年12月の園田金盃以降は馬券圏内を外したのが1度だけという安定感もあり、ここでも中心として狙えそう。
船橋のベイビータピットは今年正月に川崎のオープン特別で2着があり、その後もA2下の特別・準重賞で常に勝ち馬と1秒以内の好走続き。このメンバーに入れば能力上位。昨年末に1800メートル戦を勝っているので距離も問題ない。
ノーブルサターンは昨年盛岡のマーキュリーカップJpnIIIで2着の好走があり、今回が大井に移籍しての初戦。3歳時に兵庫チャンピオンシップJpnIIでも2着好走があるだけに小回りコースは大丈夫だろうが、環境が変わって5カ月ぶりの休み明けでどこまで仕上がっているか。
名港盃を制したタガノジーニアスは押し出される形で△。姫山菊花賞では勝ち馬の直後を追走しながら勝負どころから反応がなかった。その後の状態がどうか。
前走度外視ならA1特別まで連勝してきたタイガーアチーヴがこのメンバーに入ってどこまでやれるか。
人気薄でも重賞でたびたび上位に食い込むサンデンバロンも連下で押さえておきたい。
◎4エイシンニシパ
○10ベイビータピット
▲1ノーブルサターン
△2タガノジーニアス
△8タイガーアチーヴ
△6サンデンバロン
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第2回から3年連続で北海道勢が勝っているこのレースだが、今年も北海道から3頭が遠征。さらにこの時期の2歳馬としては大井から遠征というのもめずらしい。
リスカルダメントは8月のフレッシュチャレンジを勝ったのみで、10月に2戦したウィナーズチャレンジは、着順はともかく1200メートルでともに1分14秒台というタイムは優秀。はじめてコーナーを4つ回る1500メートルというコース設定は未知数でも、それさえこなせばこのメンバーなら能力は高いと見る。
大井のホーリーナイトキスはここにきて2連勝と力をつけた。前走も序盤から一騎打ちとなった人気のトゥースパークルをゴール前で振り切った。3走前のはやぶさ特別は3着だったが、勝ち馬マカベウスはその後に平和賞を制した。戦ってきた相手のレベルも高く、ここは素質上位の北海道勢を相手にあっさり勝ってしまう可能性もある。
ラブミーグッドは距離を伸ばして未勝利、ウィナーズチャレンジと連勝。前走ウィナーズチャレンジは6着だったが、勝ったサハラヴァンクールはその後JBC2歳優駿JpnIIIで5着、2着モリノオーシャンはブロッサムカップを勝ったように、これは相手が強かった。距離経験ではアドバンテージがある。
クイーンズハニーはずっと1000メートルを使われてきて2勝。前走、初めての1500メートル戦で差のある6着に敗れているだけに、距離がどうか。
地元勢では金沢プリンセスカップで2着だったマナバレンシアが上位に食い込む余地があるかどうか。
◎5リスカルダメント
○4ホーリーナイトキス
▲8ラブミーグッド
△3クイーンズハニー
△2マナバレンシア
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