NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
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前走1800メートルのすずらん賞ではヘリオスにクビ差とらえられ2着だったヒロシクンだが、3着ライアンには8馬身差をつけた。それでも今回の1600メートルは、盛岡・水沢の地方馬同士では9戦全勝という無敵の舞台。大外枠に入ったが8頭立てで、無理にこの馬に競りかけていく馬もいないと思われる。大晦日の桐花賞を目標として回避した有力馬もおり、これといった手ごわい相手もいないメンバーだけに、連覇濃厚とみる。
短距離路線からの参戦がウラヤ。短距離馬にはめずらしく、スタートがあまり速くはなく、まくって差し切るタイプ。1200メートルの絆カップを連覇し、今年6月には水沢1600メートルの水無月特別も制するなど、マイルの距離にもある程度対応はできる。ただ昨年のこのレースではヒロシクンにマイペースで逃げられ、3コーナーからのマクリも最後は脚色が一緒になってしまい3着まで。単に能力面では劣らないが、ほかにヒロシクンに競りかける馬がいるなどして、よほど展開に恵まれない限り、このマイルの舞台では逆転まではどうだろう。
スズカゴウケツは、今年春の赤松杯、シアンモア記念ではヒロシクン相手に着外だったが、秋以降に調子を上げてきた。水沢1600メートルは能力を発揮できる舞台だけに、どこまで迫れるか。
ダブルラッキーは、今年15戦して3着以内を外したのは2回だけ。B1からクラスを上げて、A一組特別でも勝ち星をマーク。昨年来、盛岡・水沢のダート1600メートルに特化して使われてきた。ヒロシクン以外にこれといった強敵が見当たらないメンバーだけに、重賞初挑戦でも上位食い込みの可能性はありそう。
◎8ヒロシクン
○6ウラヤ
▲7スズカゴウケツ
△5ダブルラッキー
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アストラビアンコは、デビューした門別ではなかなか勝ちきれなかったものの、10月にようやく未勝利戦を勝っての名古屋転入。そして名古屋で2戦のレースぶりが圧巻。初戦が逃げ切って2着に8馬身差。2戦目は2番手から3コーナー過ぎで楽な手応えのまま先頭に立つと、直線突き放して5馬身差。ともに2着はクィーンズジョリーだった。1500メートルで1分35秒台という持ちタイムはこの馬だけ。直線での伸びからして、距離延長も問題ないだろう。
ミモザノキセツも門別からの転入で、2連勝でネクストスター名古屋を制した。3コーナーから後続との差を広げ、単独先頭で直線を向いたが、ゴール前で一気に迫ったアルティメイタムをハナ差でなんとかしのいだ。とはいえ3着には5馬身差がついており、そのアルティメイタムは、その次走で準重賞・若駒盃を制した。実力上位は間違いないが、2連勝の勝ちタイムがともに良馬場で1分37秒台。アストラビアンコを負かすには1秒以上タイムを詰める必要がありそう。
ヨサリは笠松でデビューから4連勝でネクストスター笠松を制しての参戦。そのネクストスター笠松で、1馬身半差で2着にしりぞけたリバーストリートは、門別の2歳牝馬重賞フローラルカップで3着という実力。笠松1400メートルで1分30秒を切るタイムも、この時期の2歳馬としてはまずまず。
ここまで3頭の実力がやや抜けており、以下は、いずれかが凡走したときの連下争い。
ナゴヤバシリはアストラビアンコの転入初戦で9着惨敗だったが、続く前走では前述した若駒盃で3馬身差2着と好走。
クィーンズジョリーも前述したとおり、2戦連続でアストラビアンコに差をつけられての2着。どこまで差を詰められるか。
ブルーコスモスは門別からの転入初戦がアストラビアンコの3着。門別では1600メートル戦で、のちに南部駒賞を制するティーズアライトに0秒7差5着という成績があった。距離延長で変わり身があれば。
◎11アストラビアンコ
◯10ミモザノキセツ
▲9ヨサリ
△6ナゴヤバシリ
△12クィーンズジョリー
△3ブルーコスモス
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ショウナンナスカは中央未勝利から転入し、昇級初戦となった前走まで5連勝。その前走が今回と同じ水沢1400メートル戦で、直線軽く追われて他馬を楽々と突き放し、マークした勝ちタイム1分28秒8(稍重)は優秀。前走より相手強化という感じもなく、ここも難なく突破だろう。
相手探しが迷うところだが、前走でショウナンナスカの4着だったヤマニンバルトロ。その前走は前半で位置取りを悪くし、それでも直線で伸びを見せて掲示板を確保。3走前には盛岡1400メートルで2着好走があり、水沢コースでの勝ち星もあるだけに上位争いは可能。
ネバーエバーは昨年末に兵庫から転入してA級に格付けされたが、冬休み明けにB1に降級して1勝、2着3回。2走前からさらにB2にクラスを下げ、前走特別戦で3着。1、2着馬からは差をつけられたが、その2頭は連勝馬。◎は別格として、ここは前走よりメンバーが楽になった。
スターライトテールは、9月以降ワンターンの短距離戦を使われているが、B2クラスの1400メートルでも好走実績があった。ただ好成績は盛岡が多いだけに、水沢コースでどうか。
ハイプボーイも近走はワンターンの短距離戦を使われているが、水沢1400メートルにも好走実績はある。ただこのクラスではちょっと壁を感じさせる内容だけに、連下争いに食い込めるかどうか。
◎11ショウナンナスカ
◯5ネバーエバー
▲4ヤマニンバルトロ
△7スターライトテール
△9ハイプボーイ
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カナオールウェイズは中央2勝クラスから浦和を経由して転入。芝のいしがきマイラーズで3着に好走したが、ダートで2戦2勝。前走水沢1600メートル戦は後続を寄せ付けず逃げ切り。このクラスにとどまっている馬ではない。
ドテライヤツは、前走でカナオールウェイズを追いかけて直線振り切られ2馬身半差の2着だったが、3着には6馬身差をつけた。今年春にはA一組特別で3着好走が3回あり、秋にB級に降級して以降は、3着を外したのは一度だけ。9月には水沢1600メートルで2連勝しており、コース適性も評価できる。カナオールウェイズに再度の挑戦でどこまで迫れるか。
3歳のタカマキファイブは、盛岡1800メートルの重賞やまびこ賞で2着があり、古馬対戦2戦目となった2走前のB1二組を勝利。ただ前走水沢1600メートルで大敗しており、あまり得意とはいえない水沢コースの克服がカギとなりそう。
逆にリュウノハイルは今シーズンの3勝が水沢1600メートル。B1の一般戦でたびたび好走してきたが相手強化となる特別戦でどこまでやれるか。
ケープライトは今シーズン勝ち星がないとはいえ、オープン特別でたびたび好走。前走6着だったがこのクラスなら上位争いは可能。
ウインダークローズは、今年5月から8月にB1クラスでたびたび好走。昇級してのA二組特別はやや壁が高かったが、再びB1に降級しての2戦でまずまずの好走。連下争いなら。
◎5カナオールウェイズ
◯9ドテライヤツ
▲11タカマキファイブ
△3リュウノハイル
△2ケープライト
△7ウインダークローズ
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昨年、高知のルピナステソーロと一騎打ちとなって惜しくも半馬身差で2着だったのがアイタカ。ルピナステソーロは霧島賞の勝ち馬で、高知ではA級でも勝ち負けしていたという実力馬。今回はそのレベルの馬が見当たらないだけに、チャンスと言えそう。今年の霧島賞では、連覇となったルピナステソーロの8着と敗れたが、前走A1・A2の一般戦で差のない3着と好走しており、霧島賞の結果ほど能力は落ちてないと見てよさそう。
相手には、昨年4着だった大井のベルボールドナイン。前走昇級戦だった大井のC1戦は7着だったが、夏以降はC2で勝ち負けをしており、昨年より力をつけている。
兵庫から遠征はジュンオーズ。一昨年後半の佐賀在籍時にはC1で2着までという成績で、その後兵庫に転入してもしばらく成績が冴えなかった。しかし今年夏以降はC3からC2で6戦連続3着以内。ここにきての充実ぶりがうかがえる。
中央から転入初戦がベルウッドウズメ。佐賀では2022年のえびの特別で2着という経験があり、今年1月にはダート1200メートルの2勝クラスで3着という実績。その実力ならここでも通用するが、夏以降惨敗続きなのがどうか。
高知のヒマワリクンは昨年5着。そのときは高知C3クラスでの参戦だったが、近況はC1で勝ちきれないながらたびたび好走。この馬も昨年以上の能力が期待できる。
ニライカナイアローはC1昇級初戦だった前走が2着。その1400メートルの走破タイムが1分30秒6。アイタカが1分30秒を切るタイムをコンスタントにマークしているだけに、好勝負まではどうかだが、連下争いなら。
◎5アイタカ
◯8ベルボールドナイン
▲2ジュンオーズ
△3ベルウッドウズメ
△1ヒマワリクン
△11ニライカナイアロー
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