
地方競馬で行われるハンデ戦では、ハンデ差以上に能力差が大きく、トップハンデの馬が活躍することもめずらしくないが、サマーチャンピオンJpnIIIは過去10年のデータを見ると、軽ハンデの馬からトップハンデ(最高は60kg)の馬までまんべんなく馬券にからんでいる。
そういうわけで狙ってみたいのは53キロで出走する兵庫のエコロクラージュ。グレード経験は昨年末の兵庫ゴールドトロフィーJpnIII・7着、今年の黒船賞JpnIII・6着の2戦のみだが、兵庫ウインターカップではダートグレード入着経験のあるスペシャルエックスにクビ差2着、兵庫大賞典では定量57キロでイグナイターに0秒2差の3着に好走した。前走高知の福永洋一記念では4〜5番手あたりから長く脚を使っての差し切り勝ち。6歳だがここにきての充実ぶりがうかがえる。過去10年で53キロでの勝利はないが、53キロ以下の馬でも2着が3回ある。さすがに勝つまではどうかだが、3連系の連軸として狙ってみたい。
アラジンバローズにも連覇の可能性十分だ。昨年はハンデ54キロに加え、台風による延期で中央勢には厳しい環境が強いられるなど、たしかに恵まれた面はあった。しかし同じ舞台のJBCスプリントJpnIでは定量57キロで3着に好走。黒船賞JpnIIIでも直線絶望的な位置から追い込んで2着。今回人気になりそうなエンペラーワケアに先着した。前走オグリキャップ記念は4着だったが、勝ったムエックスがその後さきたま杯JpnIで2着に入っていることを考えると評価を落とす内容ではない。
本命・対抗とも兵庫所属馬となったが、グレードレースに限らず佐賀では兵庫所属馬の活躍が目立ち、このレースでも過去10年で兵庫所属馬はのべ8頭が出走して2勝、2着2回、3着1回と好成績を収めている。
実績最上位はエンペラーワケアで間違いないが、地方の1400メートルでは、黒船賞JpnIII、さきたま杯JpnIでともに3着。いずれも勝ったシャマルから1秒差の完敗といえる内容。ともに背負っていたのが57キロで、今回トップハンデの59キロで果たしてどうか。
グレード未勝利のクロジシジョーも59キロは背負わされすぎなような気がする。おそらくドバイゴールデンシャヒーンで勝ち馬と0秒2差4着のレーティングからそのような評価になっているのだろう。
高知のジュゲムーンは古馬重賞初挑戦がダートグレードでは楽なレースはさせてもらえないだろうが、今回と同じ舞台だったネクストスター西日本の勝ちタイムが56キロを背負って良馬場1分27秒3。同じく良馬場で行われた昨年のJBCスプリントJpnIの勝ちタイムが1分28秒8と0秒5しか変わらない。そうしたところでハンデ53キロなら計算上は互角の勝負も可能だ。
◎8エコロクラージュ
◯7アラジンバローズ
▲2エンペラーワケア
△5クロジシジョー
△1ハッピーマン
△4ジュゲムーン
×9ヤマニンチェルキ
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ナルカミは間隔を空けながら使われ4戦3勝。古馬2勝クラスも5馬身差で逃げ切り難なく突破した。1勝クラスで7着に負けているが、返し馬からテンションが高かった上に、ロードラビリンスに絡まれてのハイペースで直線一杯、展開的に厳しいものだった。今回2カ月ぶりの実戦だが、1戦ごとの充実ぶりがうかがえる。
メイショウズイウンは、2走前の加古川特別ではロードラビリンスに競り負けたが、続く前走の2勝クラスを完勝。ここまで3着以内を外したのがデビュー戦だけと上位安定。ユニコーンステークスGIIIの3着も、スタートで出遅れていただけにむしろ評価できる。
ロードラビリンスは、前述のとおり2走前の加古川特別では、逃げるメイショウズイウンを直線でとらえると一騎打ちとなって競り落とした。前走レパードステークスGIIIは惨敗だったが、雨の不良馬場で参考外。接戦には強いが負けるときはあっさりというタイプだけに、やはり相手候補まで。
ルヴァンユニベールは、レパードステークスGIIIでは12番人気ながら内田博幸騎手が直線内を突く好騎乗で2着。脚質的に勝ち切るには展開の助けが必要。
地方勢の期待はリケアカプチーノ。前走みちのく大賞典はヒロシクンを競り落とし、3歳馬として初めてみちのく大賞典を制した。3走前のダイヤモンドカップは4馬身差2着だったが、勝ったシーソーゲームがその後東京ダービーJpnIで3着に好走。リケアカプチーノも当時より力をつけていると考えれば、中央勢相手にも互角の勝負は期待できる。
◎12ナルカミ
◯11メイショウズイウン
▲8ロードラビリンス
△5ルヴァンユニベール
△10リケアカプチーノ
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2戦2勝の無敗馬が2頭。両馬とも盛岡ダートの1000メートルと1400メートルを使われた。前走の勝ちタイムもコンマ1秒しか変わらず、手応え十分に直線を向いて後続を突き放し、ともに2着に4馬身差というレースぶりも似ている。鞍上は、山本聡紀騎手と山本聡哉騎手という兄弟対決で、果たしてどちらに軍配が上がるか。
ラウダーティオは聡紀騎手が4コーナーまでがっちり抑えたままで、直線追い出されるとしっかりと伸びていた。一方でレジェンドバローズは直線で後続を離すには離したが、フワフワしてまだまじめには走っていない感じ。現時点での完成度でラウダーティオを本命にした。ただレジェンドバローズはまだ走りが幼いぶん、伸びしろは大きいかもしれない。
コンバットスネルは、デビュー戦がラウダーティオに1秒8の大差をつけられて2着で、2戦目はレジェンドバローズに0秒8差の3着。逆転までは難しそうな差をつけられているが、無敗馬2頭と戦った経験でどこまで近づけるか。
セロームは芝のデビュー戦で3着だったが、2戦目のダート1400メートルで2着に6馬身差をつけて圧勝。ただその1400メートル戦の勝ちタイムが◎◯とは1秒以上差があるだけに、よほどの上積みがないと勝ち負けまでは難しそう。
ナッツナッツはデビュー戦がレジェンドバローズに1秒8差をつけられて3着。続くダート1200メートルを6馬身差で勝利し、芝のジュニアグランプリが5着。ダートに戻ってどこまでやれるか。
◎2ラウダーティオ
◯9レジェンドバローズ
▲3コンバットスネル
△4セローム
△1ナッツナッツ
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ペップセの連覇に期待する。昨年のこのレース以来勝ち星がないが、2着好走は多数。前走名港盃は9着だが、昨年も名港盃7着からこのレースを制した。ほかに重賞勝ちがある馬が、ここ2戦惨敗のネオアマゾネスに、3歳のゴーゴーバースデイだけというメンバーなら、実績的にも最上位。
エイシンコソンテは南関東B3から転入して、笠松・名古屋ではB級からA級の特別で5戦連続3着以内。転入後重賞初挑戦となった前走くろゆり賞は6着だが、勝ったイイネイイネイイネとはコンマ2秒差。しかも逃げてぴたりと直後でマークされる厳しい展開で、直線半ばまで先頭だったことでは、紅一点というメンバーでむしろ好走といえる。今回、牝馬同士のメンバーとなればチャンスは大きい。
キスリングは、2・3歳時は重賞で好走があったが、4歳となった今年はブルーリボンマイルで7着。ただそのときは遠征勢が強かった。今回は東海限定で相手はかなり楽になった。前走920メートルのA1特別は流れも厳しく見せ場をつくれなかったが、A2・A3特別で勝ち負けという実力なら通用する。
エイシンジョルトは兵庫B級から転入初戦の前走A4B3特別を楽に逃げ切った。今回、一気の相手強化でどこまでやれるか。
コトシロは昨年11月と今年2月に1400メートルのA級特別を勝利。その後、1600/1900メートルではやや差のある結果だが、1400メートルに戻って能力を発揮できれば。
◎6ペップセ
◯5エイシンコソンテ
▲8キスリング
△2エイシンジョルト
△3コトシロ
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アエノブライアンは大井から転入した昨年5月以降、12戦して連対を外したのは一度だけ。しかも中長距離の重賞では6戦2勝、2着4回。その2着4回の勝ち馬が今回いずれも不在ということでは、やはりこの馬が中心となる。
前走阿蘇山特別では、勝ったアエノブライアンの直後をコスモファルネーゼがぴたりとマークしたが、最後まで差を詰められず1馬身差2着。そして2馬身半差3着がダノンターキッシュ。2走前の佐賀王冠賞では、2着アエノブライアンに、1馬身差3着ダノンターキッシュ、5馬身離れて4着にコスモファルネーゼだったから、今回もアエノブライアンを中心に、この2頭の2、3着争いとなりそう。佐賀王冠賞でゴール前アエノブライアンに迫る脚を見せたダノンターキッシュを2番手にとった。
カシノブレンドは中央3勝クラスから今年春に転入。初戦こそ6着で、その後勝ちきれてはいないものの掲示板を外すことなくA1・A2の1400メートル戦で2着が3回。中央の3勝クラスでは1600〜1800メートルを中心に使われてきて、佐賀で初めての中距離戦となった前走・阿蘇山特別では上記3頭に次ぐ4着。ここでもやはり一角崩しの連下までか。
フレイムソードは阿蘇山特別は7着だったが、6月には1400メートルで2戦好走。昨年佐賀のC級からB級であはあるものの中距離で連勝していた経験があり、あらためて前走に続いて1750メートル戦でどうか。
◎5アエノブライアン
◯8ダノンターキッシュ
▲2コスモファルネーゼ
△6カシノブレンド
△3フレイムソード
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