
ノーブルサターンは昨年終盤に重賞3連勝という快進撃で岩手年度代表馬となった。前走、今季初戦の赤松杯は4着だったが、スタートで後手を踏んで後方からの追走となり、向正面から仕掛けていったが前が止まらなかった。昨年も赤松杯4着からシアンモア記念を勝っただけに、ひと叩きしての上昇に期待。昨年末のレースぶりから明けて10歳でも衰えはなさそう。
赤松杯ではスタートから先頭に立ってマイペースに持ち込み、逃げ切ったのがグランコージー。昨年のこの時期は大井所属で南関東の特別戦で活躍していたが、一昨年のシアンモア記念ではヴァケーションの2着だった。冬休み明けの2連勝では絶好調と思われ、今回は1番枠から再度ハナをとってマイペースなら3連勝もありそう。ただ今度はそんなに楽に逃げさせてくれるかどうか。
ライアンは南関東から中央の障害を経由して転入。初戦となった赤松杯では、外目4番手を追走して、勝ったグランコージーには離されたものの、直線競り合いとなったヴァケーションをハナ差で競り落として2着を確保。今度は盛岡コースに変わるが、移籍2戦目での上昇があれば勝ち負けまでありそう。
一昨年のこのレースで岩手重賞初制覇となったのがヴァケーション。勝ちきれないレースが多いながらも昨年はみちのく大賞典を逃げ切った。今回も枠順的にグランコージーの2番手追走となりそうだが、ペース次第では粘り込む場面もありそう。
昨年末、北上川大賞典、桐花賞でノーブルサターンの2着だったフレイムウィングスは、赤松杯6着からの巻き返しに期待。
昨年、やまびこ賞、不来方賞を連勝したルーンファクターは7カ月ぶりで4歳初戦となるが、どこまでやれるか。
8頭立てでも印を絞るのが難しい混戦。
◎3ノーブルサターン
◯1グランコージー
▲5ライアン
△6ヴァケーション
△8フレイムウィングス
△7ルーンファクター
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5月3日の駿蹄賞で人気になりながら馬券にからめなかったミトノウォリアー、スティールアクターが、なんと中5日という連闘で揃って出走してきた。勝負にならなかったぶん、消耗も少なかったということだろうか。能力上位は間違いないが、スティールアクターが別定58kg、ミトノウォリアーが57kgを背負うという設定がなんとも難しい。
57kgならこなせるとみてミトノウォリアーに期待する。笠松では2月にゴールドジュニアを制したという実績。駿蹄賞では早めに勝負に出て3コーナー過ぎで一旦は先頭に立ったものの直線失速。中5日で立て直してくるかどうか。
2番手評価は笠松のアコー。ゴールドジュニアは9着惨敗だったが、そもそもムラ駆けのタイプで、ラブミーチャン記念も大敗しているので1600メートルは距離が長かったとも考えられる。今回はこれまで安定して結果を残している1400メートルで、前走古馬B7組で2着好走も評価できる。
スティールアクターは出走取消の影響もあったか駿蹄賞は7着惨敗。別定58kgはさすがに厳しいと見て▲まで。
2歳時はデビューからネクストスター笠松まで5連勝という快進撃を見せたワラシベチョウジャ。前走ネクストスター中日本8着は、早めに前にとりついて、やはり直線失速してしまった。5戦4勝、2着1回とオール連対している笠松1400メートル戦に戻るだけに巻き返しに期待だ。
ブルーチースは12月のジュニアキングを勝って以来5カ月ぶりの実戦でどこまで仕上がっているか。
ネッサローズは5カ月ぶりの前走3歳初戦で僅差4着好走。叩き2戦目での上昇があるかどうか。
◎9ミトノウォリアー
◯8アコー
▲7スティールアクター
△3ワラシベチョウジャ
△2ブルーチース
△6ネッサローズ
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北海道、船橋、大井、名古屋、高知から各1頭ずつの遠征があり、連戦連勝という馬もいないだけに難解な一戦。グランダム・ジャパン3歳シーズンでは、残すはこののじぎく賞と関東オークスだけになったが、ポイントトップが他場1着15ポイントの2頭という状況。まだ多くの馬に優勝の可能性が残されている。
1月の兵庫クイーンセレクションを勝ち、前走地元の東海クイーンカップと、牝馬重賞2勝のニジイロハーピーを本命とした。2歳時ではあるもののゴールドウィング賞でフークピグマリオンの3着、ライデンリーダー記念でミトノユニヴァースの2着と、東海地区のこの世代のトップを争う牡馬とも好勝負という実力を評価した。
留守杯日高賞2着だった大井のファーマティアーズだが、2歳時に佐賀に遠征したフォーマルハウト賞を制し、浦和の桜花賞6着というのは、あらためてこのメンバーに入れば評価できる。
高知のグラインドアウトは、佐賀の花吹雪賞、ル・プランタン賞でともに強い勝ち方で連勝したのは印象的だった。ただそのときの佐賀での対戦相手のレベルを考えると、今回のメンバーに入って中心に推せるかといえば難しい。
船橋のザオは南関東では2歳時の1勝のみだが、フリオーソ・メモリアル3着のときの勝ち馬マコトロクサノホコは先日東京湾カップを制し、東海クイーンカップでもニジイロハーピーに1馬身半差2着ということでは、能力的に差はない。
東海クイーンカップではニジイロハーピーの5着もそれまで連対を外していなかったプリムロゼ、デビュー戦5着以降は3着以内を一度も外していない北海道のバラライカらも争覇圏。
◎1ニジイロハーピー
◯7ファーマティアーズ
▲6グラインドアウト
△5ザオ
△9プリムロゼ
△12バラライカ
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ダート競馬の体系整備で12月からこの時期に移行された名古屋グランプリJpnII。同じく4月上旬に移行された川崎記念JpnIから、この名古屋グランプリJpnII、そして6月下旬の帝王賞JpnIという、春の古馬中距離路線の中核を担うレースとなった。
おそらくそのローテーションを辿ると思われるのがノットゥルノ。川崎記念JpnIは3番手を追走したものの見せ場をつくれず6着だったが、これまで一度も3着以内がない左回りはやはり鬼門だったか。ただ右回りでは4勝、2着4回。大井ではジャパンダートダービーJpnIを勝ったほか、東京大賞典GI、JBCクラシックJpnIで2着という実績がある。今回、メンバー中唯一別定58kgを背負うが、佐賀記念JpnIIIでは59kgで圧勝しているだけに問題にはならないだろう。
一方で、昨年12月のこのレースから連覇がかかるのがディクテオン。川崎記念JpnIは4着だったが、メンバー中唯一上り38秒台の自慢の末脚を発揮し、勝ったライトウォーリアにコンマ2秒差まで迫った。前回の名古屋グランプリJpnIIに続いて鞍上となる地元の岡部誠騎手は、いずれも中央馬でこのレース5勝目がかかる。
3番手には補欠から繰り上がって連闘で臨むレッドファーロ。昨年6月には東京2100メートルのスレイプニルステークスで3着、休養を挟んで京都1900メートルのカノープスステークスでも勝ち馬とコンマ2秒差の4着というオープンクラスでの好走があった。今回、当時の鞍上・横山典弘騎手に戻るのは心強い。ただダートでの好走が中京・東京という左回りに集中しているのがどうだろう。
キリンジは地方のダートグレードで2着が3回。とはいえ佐賀記念JpnIIIでは勝ったノットゥルノとは4馬身差で、そのとき4kg差あった斤量が今回2kg差となることでは条件的には厳しくなる。
JRA3勝クラスを勝ったばかりのエクセスリターンは地方初参戦。この馬も後方から末脚勝負というタイプで、地方の小回りコースでそれが発揮できるかどうか。
地方馬では、登録のあったアナザートゥルースやマンダリンヒーローが出ていればある程度期待できたが、揃って回避。中央オープン実績があり、高知移籍初戦のヒロイックテイルが状態上向きなら馬券圏内も。
◎10ノットゥルノ
○4ディクテオン
▲3レッドファーロ
△11キリンジ
△1エクセスリターン
△2ヒロイックテイル
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サクラヒメは昨シーズン12戦6勝、2着3回という成績だが、牝馬限定重賞のカーネーションカップ、ヒロインズカップは重量に苦しめられ勝つことができなかった。それでも牡馬一線級相手のドリームエイジカップを制したことでは、牝馬ではナンバーワンというべき能力の高さを示した。今回も690kgのトップハンデではあるものの、昨年30kg差があって先着されたダイヤカツヒメとは10kg差。さらに1月のヒロインズカップでは最大50kgというハンデ差があったのが今回は30kg差。重量差がかなり楽になっただけに負けられない一戦だ。
一方、1月のヒロインズカップを制したダイヤカツヒメは、今季初戦の前走A2特別を勝ったことでA1に昇級して重量面でやや厳しくなった。とはいえ680kgは苦にする重量でもなく、年明けの好調ぶりからやはり相手筆頭。
A2格付けで670kgのスイ、シンエイアロイ、アローリキヒメらは、近走勝ったり負けたりという成績。展開次第でダイヤカツヒメとも好勝負になりそう。
近走やや不振のピュアリーナナセだが、ヒロインズカップではダイヤカツヒメと10kg差で2着に好走しており、今回20kg差なら侮れない。
◎8サクラヒメ
◯1ダイヤカツヒメ
▲3スイ
△2シンエイアロイ
△5アローリキヒメ
△6ピュアリーナナセ
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