
フジユージーンは京浜盃JpnIIに挑戦というプランもあったが、間に合わず地元のスプリングカップからの始動となった。そのスプリングカップはまったく追われることなく大差で逃げ切り、地元同士では次元の違いを見せた。今回のダイヤモンドカップは東京ダービーJpnIの指定競走となったことで、南関東や北海道からの遠征馬もいるが、重賞では入着までという馬たちだけに、フジユージーンにとっては負けられない一戦だ。ここを勝って、東北優駿で地元の二冠を狙うのか、それとも東京ダービーJpnIに挑戦するのか気になるところ。
地元勢はフジユージーンと勝負付がほぼ済んでいるだけに、相手になるのはやはり遠征勢。浦和のエドノバンザイは、重賞では2戦して着外だが、ともに勝ったギガースだけではなく、クルマトラサン、アムクラージュなど重賞で上位常連のメンバーで相手が強かった。3歳一組特別で2勝という実績で、フジユージーンにどこまで迫れるか。
北海道のオオイチョウは、盛岡芝のジュニアグランプリは8着だったが、船橋に遠征した平和賞では差のない3着に好走。それ以来半年ぶりとなった今季初戦は差のある4着だったが、ひと叩きしてどこまで調子を上げているか。
川崎のパンセの2歳時は、今年から重賞に格上げとなった若武者賞2着のあと、鎌倉記念では、のちに京浜盃JpnIIを圧勝するサントノーレにコンマ5秒差の3着と健闘。ただその後、年明けの3戦が、強敵相手とはいえ結果が出ていないだけに状態が気になるところ。
地元勢では、スプリングカップ2着のサクラトップキッドが、遠征勢との2、3着争いに食い込めるかどうか。
◎2フジユージーン
○4エドノバンザイ
▲1オオイチョウ
△7パンセ
△8サクラトップキッド
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高知の3歳馬が他地区に遠征しての活躍が目覚ましい。佐賀では牝馬のグラインドアウトが花吹雪賞、ル・プランタン賞を連勝。姫路の兵庫ユースカップではリケアサブル、ワンウォリアーと高知のワンツー。さらに園田のネクストスター西日本では、リケアサブルが勝って、2着ワンウォリアー、3着ホーリーバローズと高知勢が3着まで独占。そして西日本クラシックでは、シンメデージーが地元オーシンロクゼロとの無敗馬同士の一騎打ちを制した。
そして高知のこの世代で圧倒的な強さを見せているのがプリフロオールイン。土佐水木特別では、前述ワンウォリアーに1馬身差まで迫られたが、どこまで行ってもそれ以上に差は詰まらないような着差以上の完勝。前走仙台屋桜特別ではサノノスピードに3/4馬身差まで迫られたが手応えには余裕があった。ここはまだ通過点で、能力を発揮するのは距離が伸びてからだろう。
転入初戦を圧勝したサノノスピードは、仙台屋桜特別では、プリフロオールインをぴたりとマークしていって3/4馬身差に迫り、3着には大差をつけた。逆転できるとすれば、距離短縮となるここだろう。
バウンティキャットは、ここまで8戦5勝。そのほか3戦はいずれも3着で、勝ち馬はプリフロオールインか、前述のシンメデージー。いずれも差のある結果だっただけに、ここは2着争いまで。
土佐水木特別で2着ワンウォリアーから9馬身差3着だったミシロウェイ、門別から転入して高知の3歳戦で4勝を挙げているクレフェノーらも上位食い込みを狙う。
◎2プリフロオールイン
○11サノノスピード
▲12バウンティキャット
△8ミシロウェイ
△4クレフェノー
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昨年末の金沢ファンセレクトカップを勝って地方競馬の重賞最多勝記録更新となる21勝目を挙げたハクサンアマゾネスは、それで引退するのかと思ったが、今シーズンも現役続行となるようだ。1500メートルでは出遅れたときに不安はあるが、2000メートルとなればたとえ出遅れたとしても大勢に影響はない。ここを勝てば重賞22勝目。どこまで記録を伸ばせるか。
ガムランは前走1700メートル戦で逃げたハクサンアマゾネスをぴたりとマーク。3コーナーから徐々に差を広げられ7馬身差をつけられたものの2着に粘った。昨年中央2勝クラスから再転入してここまで8戦1勝、2着5回。2100メートルの百万石賞でもハクサンアマゾネスの2着があり、ここでも相手筆頭。
エイシンアンヴァルは兵庫からの転入初戦となったスプリング特別(1400メートル)でガムランに2馬身半差をつけて勝利。兵庫では重賞で結果を残せなかったが、中距離の特別戦では常に上位を争った。前走金沢スプリングカップ(1500メートル)は3着だったが、あらためてこの距離で期待だ。
昨年秋に中央2勝クラスから転入したセブンダートオーは、中日杯でハクサンアマゾネスに0秒9差3着と好走。前走は逃げて3コーナー過ぎで失速してしまったが、巻き返しなるか。
ダイヤモンドラインは昨年3歳時にサラブレッド大賞典を制したほか、重賞でショウガタップリの2着3着が複数回。年末の金沢ファンセレクトカップではハクサンアマゾネスから差のある3着だったが、今回も連下争いなら。
◎1ハクサンアマゾネス
○7ガムラン
▲9エイシンアンヴァル
△3セブンダートオー
△4ダイヤモンドライン
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各地で行われているネクストスター競走は『3歳スプリントシリーズ』となっているが、今年名古屋での開催となったネクストスター中日本は名古屋競馬場のコース形態から1500メートルで行われた。それゆえそこに出走していた馬たちは必ずしも短距離路線というわけではなく、上位3着までと、出走していればおそらく人気になっていたであろうスティールアクターらが揃ってここを目指してきた。
当然その上位馬がここでも有力となるが、ネクストスター中日本は残念がら出走取消となったスティールアクターに期待する。新春ペガサスカップこそミトノユニヴァース、フークピグマリオンに続く3着だったが、名古屋転入後負けたのはそれだけ。スプリングカップは向正面で仕掛けて早めに先頭に立つと、前記2頭を寄せ付けず圧巻のレースだった。あとは取消明けの状態と初距離がどうか。
フークピグマリオンは、新春ペガサスカップが2着、スプリングカップが3着と、3歳になって勝ちきれないレースが続いたが、ネクストスター中日本では、直線先頭に立っていたミトノウォリアーをゴール前でとらえ1馬身差をつけて快勝。3コーナーからロングスパートという脚質は距離延長でさらに能力を発揮しそう。
ここにきて急上昇が笠松のキャッシュブリッツ。中央1勝から移籍して、初戦のスプリングカップは差のある5着だったが、その後笠松での連勝が、2着に5馬身差、6馬身差という圧勝。前走で1900メートルを経験しているのはアドバンテージとなりそう。
ミトノウォリアーはここまで10戦して9連対。唯一5着に負けたのはJpnIIの兵庫ジュニアグランプリだけ。という成績だけ見ると立派だが、重賞初制覇となったゴールドジュニアなど、メンバーに恵まれていた感は否めない。
3歳特別戦を連勝して臨むロイヤルストレートは連下争いに食い込めるかどうか。
◎6スティールアクター
○7フークピグマリオン
▲10キャッシュブリッツ
△1ミトノウォリアー
△12ロイヤルストレート
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園田で伝統の古馬重賞というとほとんどが1700メートル以上の中長距離戦だったが、短距離路線の充実ということで、第60回を迎えた兵庫大賞典が1400メートルに距離短縮となった。
中心は黒船賞JpnIIIで3着に激走したタイガーインディ。逃げ切ったシャマル、早め2番手で粘り込んだ地元高知のヘルシャフトに対して、3コーナーからまくって前に迫っての3着は見せ場たっぷり。ただその伏線はあった。4走前、10馬身差で圧勝した神無月特別の勝ちタイム、良馬場1分28秒1は、ダートグレードでも通用するもの。兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIは9着だが、内枠で最初の直線で外から何頭かに被されて厳しい展開。2走前の兵庫ウインターカップは遠征有力馬を相手に直線突き放して5馬身差の圧勝。地元同士のここでは抜けた存在だ。
ハナブサは重賞タイトルが金沢に遠征した2年前の金沢スプリントカップだけで、兵庫の重賞ではようやく掲示板までという成績だったが、7歳になって休み明けのここ3戦での充実ぶりが目立つ。特に前走では58キロを背負って4コーナーで狭いところから抜け出しての完勝。今回定量56キロならタイガーインディに迫る場面もあるかもしれない。
サンロアノークは、前走ラジオ関西特別では直線外を伸びて勝ったハナブサに1馬身半差まで迫った。長期休養明けとなった昨年11月以降、3着を外したのはJpnIIIの兵庫ゴールドトロフィー(8着)だけ。地元同士なら上位争い。
兵庫ウインターカップでタイガーインディの3着だったオーバーディリバー、中央3勝クラスから転入2戦目の前走1400メートル戦で強い勝ち方を見せたドンカポノ、特別戦連勝のあと前走ハナブサの4着だったケンジーフェイスなど、連下争いは混戦。
◎9タイガーインディ
◯8ハナブサ
▲12サンロアノーク
△4オーバーディリバー
△5ドンカポノ
△7ケンジーフェイス
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