遠征馬のレベルが昨年までと違うのでは、と思ったら、1着賞金が昨年600万円から今年は1000万円へと跳ね上がった。このレースに限らず1000万円を超えると南関東から重賞級の馬が積極的に遠征してくる。
今回その筆頭はセイカメテオポリス。昨年はオグリキャップ記念、大井記念、東京記念と3連勝で2000メートル以上での能力の高さを見せた。その後はダートグレードのタイトルを目指したが残念ながら入着に至らず。今年初戦となった2600メートルの金盃ではランリョウオーをアタマ差とらえきれず2着だったが、ランリョウオーもそれが重賞5勝目という実績馬。しかも1kgの斤量差もあった。その実力ならここは負けられない一戦だ。
このレース連覇がかかるのが高知のグリードパルフェ。昨年のオグリキャップ記念ではセイカメテオポリスにアタマ差2着で、その後、園田の六甲盃ではラッキードリームと直線馬体を併せての一騎打ちを制した。半年ぶりの実戦となった白鷺賞が見せ場なく5着という結果が気になるところだが、そこを叩いて調子を戻していればセイカメテオポリスと再び好勝負が期待できそう。
もう1頭、南関東からの遠征がユアヒストリー。ここ4戦は2000〜2100メートル戦を使われ、特別戦2勝に重賞は3着2回。対戦相手を見ても◎◯と能力差はなさそう。
サトノディードは大井から佐賀に移籍しての2戦目。前々走、大井の品川オープンではユアヒストリーの3着だったが、南関東のオープンではやや荷が重いという成績。佐賀移籍後2戦目での上積みがあれば連下争いも。
トランセンデンスは南関東オープンから高知に移籍し、下級条件からの再出発となったが、姫路に遠征した白鷺賞では6番人気ながら2着に好走。南関東オープンで上位の実績は侮れない。
地元勢では九州大賞典を勝って佐賀記念JpnIIIで地元最先着(6着)だったタガノファジョーロに出番があるかどうか。
◎1セイカメテオポリス
◯8グリードパルフェ
▲10ユアヒストリー
△9サトノディード
△2トランセンデンス
△5タガノファジョーロ
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近年、岩手では3月の開幕が年を追うごとに少しずつ早くなっていて、今年は10日に特別開催が始まった。そして4月に行われていたこのあやめ賞も、昨年から3月に繰り上げての実施となっている。
岩手のこの世代は圧倒的な強さで5連勝の牡馬フジユージーンが断然だが、それ以外は混戦といえるような状況。そんななか牝馬では門別1勝から転入したレッドオパールが水沢で3連勝。ただ前走の奥州弥生賞は直線3頭の追い比べとなって、オフビート、セイバイラックに食い下がられていただけに、ここも勝ち切るには上積みが必要。
その奥州弥生賞で3着だったセイバイラックはここまで1勝のみだが10戦してすべて4着以内とほとんど崩れることがない。12月の寒菊賞ではレッドオパールの2着、金杯では今回不在となったリトルカリッジの2着など、重賞でも常に上位争い。勝ちきれないながら能力上位は間違いない。
カリフィアは7月の新馬戦を勝ったあと勝ちきれないレースが続いていたが、12月の阿久利黒特別では2着オフビートに6馬身差をつけて逃げ切った。今回半数以上の馬が冬休み明けに1戦使われている中で、阿久利黒特別以来の休み明けがどうかだが、そのレースぶりからは能力面で差はなさそう。
マルーントリックは門別2勝から転入して水沢で3戦、勝ち星こそないものの、寒菊賞がレッドオパールの3着で、金杯は2着セイバイラックにクビ+3/4馬身差で4着。この馬も冬休み明け初戦だが、能力を出せる状態であれば一発あっておかしくない。
阿久利黒特別、奥州弥生賞でともに2着だったオフビート、金杯5着以来だがここまで掲示板を外していないミヤギシリウスらも展開次第でチャンスはある。
◎11レッドオパール
◯1セイバイラック
▲2カリフィア
△7マルーントリック
△8オフビート
△5ミヤギシリウス
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北陸・東海・近畿地区の交流で、金沢からの遠征はないが、3頭遠征してきた兵庫勢が強そうだ。
昨年夏の摂津盃で、2歳時以来2年7カ月ぶりの重賞制覇で復活を果たしたツムタイザン。その後の重賞では園田金盃2着、白鷺賞3着など勝ちきれていないものの好走を続けている。デビュー以来、掲示板を外したのが中央相手の兵庫ジュニアグランプリJpnIIでの6着だけと崩れることがない。このメンバーに入ると能力上位は間違いない。
相手筆頭も兵庫のサンライズラポール。中央オープンでやや頭打ちとなって兵庫に移籍して4戦、勝ち星がないとはいえ、摂津盃ではツムタイザンの3着。続く笠松・オータムカップは5着だったが、1、2着は金沢、兵庫からの遠征馬で、3着アンタンスルフレ、4着ナムラマホーホはともに重賞を複数勝利している活躍馬。メンバー的にそのオータムカップより楽になった。
東海勢では名古屋のセイルオンセイラー。中央3勝クラスから移籍し、地元名古屋での3戦は結果を残せなかったものの、笠松でウインター争覇、A2特別と連勝。兵庫勢相手にどんなレースを見せるか。
もう1頭兵庫から遠征のメイプルブラザーには、笠松の若手・東川慎騎手が騎乗。明けて10歳で近走は着外が続いているが、昨年5月の兵庫大賞典でラッキードリームに半馬身差2着という実績は侮れない。
もう1頭、名古屋勢で上位争いを期待するとすれば、A級特別で常に上位争いを演じるレッドブロンクスあたりだろうか。
◎5ツムタイザン
◯10サンライズラポール
▲1セイルオンセイラー
△9メイプルブラザー
△6レッドブロンクス
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昨年のばんえい記念を制したメムロボブサップの今シーズンは、14戦10勝、2着2回で重賞3勝。シーズン最初の重賞ばんえい十勝オッズパーク杯こそきわめてめずらしく障害に苦戦して8着だったが、それ以外で勝てなかった北見記念2着、帯広記念2着、チャンピオンカップ5着は、シーズン後半の重賞でいずれもトップハンデを背負ってのもの。抜群に安定した成績を残してきたメムロボブサップだけに連覇の可能性は高い。
一昨年の覇者メジロゴーリキはこれが引退レースとなるようだ。今シーズンは帯広記念で挙げた1勝のみだが、一昨年ばんえい記念を制したシーズンも岩見沢記念での1勝のみだった。近走は負けても勝ち馬とは数秒差でゴールしておりレース内容は悪くない。メムロボブサップより障害を先に越えればチャンスはある。
昨年、障害を先頭で越えたものの、ゴール寸前でメムロボブサップに交わされ惜しくも2着だったのがアオノブラック。今シーズンから金田利貴騎手が主戦となって、岩見沢記念、北見記念、チャンピオンカップとシーズン後半の重賞で3勝を挙げたということでは、やはり高重量戦でこそ。一昨年3着、昨年2着で、今年は果たして......。
ここまで3頭、順番は違うものの、一昨年、昨年と同じ3頭の勝負になる可能性が高い。
その3強のいずれかが障害で苦戦するなどした場合の馬券圏内候補として、旭川記念、岩見沢記念ともに3着で、帯広記念でも4着など、古馬重賞で常に掲示板内を確保したコマサンエース。そしてシーズン後半に調子を上げて帯広記念では障害先頭で越えて惜しくも3着だったコウテイ。この2頭は、来シーズン以降の重賞戦線でも期待ともなりそうだ。
◎10メムロボブサップ
◯4メジロゴーリキ
▲7アオノブラック
△6コマサンエース
△1コウテイ
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ライジンサンは連勝の勢いもあっただろうが、翔雲賞では他馬より10kg重いトップハンデで障害5番手から差し切ったのには正直驚かされた。さすがに最後はやや一杯になっていたが、今回は全馬がはじめて経験する重量でゆったりした流れになると思われ、第2障害をそれほど離されずに越えられればここでも上位争いは間違いない。
近走は勝ちきれないレースが多いものの、レースぶりが安定しているのはウルトラコタロウ。ヤングチャンピオンシップはディーホワイトが第2障害まで後続を離して飛ばし、障害先頭で越えたものの最下位に沈むという乱ペースで、それを障害2番手で越えて3着に粘ったのはむしろ評価できる内容。翔雲賞でも障害2番手から最後までしっかり歩いて3着に食い下がった。
ここにきての充実ぶりがうかがえるのがミチシオ。ナナカマド賞は9着、ヤングチャンピオンシップは4着と結果を残すことができなかったが、A-1戦を連勝したあと翔雲賞ではライジンサンにわずか0秒6先着されただけの2着。前走A-1戦6着はトップハンデだけに度外視としていいだろう。
そのA-1戦で障害7番手から一気に差し切ったのがコトブキテンザン。翔雲賞では障害で苦戦して最下位だっただけに、重量増でどうか。ただ連勝の勢いは侮れない。
翔雲賞4着で近走A-1戦で上位安定のホクセイハリアー、前走差のない4着で復調気配のアヤノダイマオー、同A-1戦2着のショータイムらも上位争いの可能性。
◎1ライジンサン
◯4ウルトラコタロウ
▲3ミチシオ
△2コトブキテンザン
△5ホクセイハリアー
△8アヤノダイマオー
△6ショータイム
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